介護業界の人手不足が騒がれる中、社会福祉士の需要は高まりつつありますが、社会的認知度はまだまだ低い現状にあります。

名前は知っているけれど、具体的にはどんな仕事をする人なのか?

どんな役割を担っているのか?

どんなところで働いているのか?

詳しくはわからないという方も多いのではないでしょうか。

今後、ますます活躍が期待される社会福祉士のお仕事。

目指してみたい!興味がある!という方のために仕事の内容や活躍の場・やりがいなどを詳しくまとめてみました。

社会福祉士の大まかな仕事内容

社会福祉士のメインの仕事となるのは、相談援助業務です。

生活する上で生じる様々な問題の相談に乗り、必要な制度や施設などを紹介します。

困っている人・支援が必要な方と社会資源を結び付け、正しく利用できるよう調整や管理を行うお仕事です。

社会福祉士になるには?

社会福祉士は、相談援助に関する専門職としての国家資格です。

国家試験に合格した者だけが、社会福祉士と名乗ることができます。

社会福祉士の受験資格を得るためには、最短でも4年かかります。

受験資格取得までのルートは、学歴や職歴により様々ですが、全く違うフィールドからでも社会福祉士を目指すことが可能です。

特に多い受験資格取得のルート例としては、

  • 福祉系の4年生大学で指定科目を履修する
  • 福祉系の短大・専門学校で指定科目を履修し、必要に応じた期間の実務経験を積む
  • 一般の大学を卒業後、一般養成施設で必須科目を履修する
  • 4年間相談援助業務を経験し、一般養成施設で必須科目を履修する

などの方法があります。

1度社会に出てから、改めて社会福祉士を目指す方も多く、年齢を問わずチャレンジしやすい資格と言えるでしょう。

業務独占の資格ではないため、「社会福祉士でないとできない仕事」はありません。

しかし、専門性が求められる福祉分野では、社会福祉士の資格は大きなアピールポイントとなります。

社会福祉士の仕事は大きく5つの分野での役割に分けられる 

社会福祉士は、医療・福祉の分野で幅広く活躍しています。

児童から高齢者まで年齢を問わず、障害や疾患を抱える方など、様々な人の悩みに寄り添い問題解決へと導いていきます。

主な活躍の場は、

  • 高齢者施設
  • 障害者支援施設
  • 児童福祉施設
  • 役所や地域包括支援センター
  • 保健所や病院などの医療機関

など、大きく5つに分類されます。

働く場所により、社会福祉士の名称や業務内容・担う役割は、少しずつ異なります。

それぞれの分野での社会福祉士の具体的な業務内容を見ていきましょう。

高齢者施設での生活相談員・生活支援員としての役割

特別養護老人ホームやデイサービスでは生活相談員。

介護老人保健施設では、生活支援員と呼ばれています。

施設という制限された空間の中でも、より良いサービスを受けられるように希望や要望を聞き取り支援していきます。

高齢者施設での生活相談員・生活支援員の具体的な業務内容とは?

施設での生活は、集団生活のため自宅での生活とは異なります。

その中でも、老後の時間をより快適に過ごせるよう、現場の介護職やケアマネージャーなどと協力し環境を整えていきます。

  • 利用者及び家族の相談業務
  • 家族や関係機関との連絡や調整
  • 施設の入所や退所、サービス利用に関する手続き
  • 1人1人の希望や要望、レベルに応じた個別援助計画書の作成
  • サービスが適切に提供されているかの確認と評価
  • ケアマネージャーへの情報提供
  • 苦情の受付や対応
  • 退所後の生活支援

相談援助業務の中でも苦情処理は、施設や介護職員の質を大きく左右する大切な業務です。

社会福祉士は入居者の生活を支えるだけでなく、施設の雰囲気作りなども担っています。

障害者支援施設での生活指導員としての役割

障害者支援施設では、生活指導員などと呼ばれています。

知的障害者や身体障害者の方が、できる限る自立した生活を送れるように生活面はもちろん就労の支援も行います。

障害者支援施設での生活指導員の具体的な業務内容とは?

障害者の方は、個人のレベルに合わせて目指す目標も様々です。

安心して過ごせるよう、身の回りの介護を受けたい方。

食事や排泄など、できる限り自分で行えるようにしたい方。

就労を目指している方。

など、1人1人の目標達成に向けサポートしていきます。

  • 入所やサービス利用に関する手続き
  • 利用者や家族の相談業務
  • 家族や関係機関との連絡や調整
  • 食事や排泄などの日常生活に必要な訓練のサポート
  • 就労に向けた訓練のサポート
  • 生活面での援助など、障害者の方の生活を支え、自立や就労

などの目標に向けて計画的に支援していきます。

児童福祉施設での役割

児童福祉は主に18歳未満の児童を対象としています。

しかし、児童のみならず子育て中の親への支援も行い、子供を取り巻く全ての人と環境へとアプローチしていきます。

児童福祉施設だけでなく、小学校や中学校などでスクールカウンセラーとしても活躍しています。

児童福祉分野での具体的な業務内容とは?

児童福祉施設に入所している子供たちは、それぞれ複雑な事情を抱えています。

その問題解決には、子供だけでなく親への支援や援助がとても重要になってきます。

児童分野では、子供や親・家庭環境などを総合的に支援していきます。

  • 施設の入所や退所、外出や外泊などの手続きや調整
  • 施設入所児童の社会性や生活習慣を身に付けるための育成や指導
  • 子育てに関する相談
  • 小学校や中学校などで児童や保護者に対するケア
  • 虐待されている児童に対する援助
  • 児童相談所との連携や連絡調整

など、子供の自立を促し家庭環境の改善に努めています。

支援が必要な子供を守り育て、子育てに悩む親に寄り添う役割を担っています。

役場や地域包括支援センターなどでの役割

地域福祉に関する問題に対し、相談業務を行います。

困っているけれど、どこに相談したら良いかわからない。

という方の初めの相談窓口となることが多く、他機関と連携を取り、必要なサービスへと導く役割を担います。

役場や地域包括支援センターでの具体的な業務内容とは?

役所では、主に介護保険や障害者福祉・生活保護に関する課への配属が多いです。

役所も地域包括支援センターも総合的な窓口として、幅広い様々な相談業務を請け負います。

  • 生活保護の受給に関する相談
  • 介護保険に関する相談
  • 障害者福祉に関する相談
  • 高齢者や障害者の権利を守る活動
  • 認知症予防や介護予防教室の開催

など、住み慣れた地域での生活を継続できるような支援やサポートを行います。

保健所や病院での役割

医療機関では、医療ソーシャルワーカーと呼ばれています。

病気で入院・通院中の患者様及びご家族からの相談などに対応します。

精神面だけでなく経済面や今後の生活についても計画的に支援していきます。

医療ソーシャルワーカーの具体的な業務内容とは?

病気になると、今まで通りの生活が難しくなり、仕事やお金・子育てなど様々な問題が出てきてしまいます。

心配事を解消し、安心して療養に専念できる環境を整え、退院後の社会復帰に繋げていきます。

  • 治療費の支払いや医療保険制度に関する手続きや相談
  • 療養上の不安や困りごとの相談
  • 精神面でのサポート
  • 退院後や社会復帰に向けた支援を行う
  • 転院や施設入所の手続きや調整

など、患者様の療養をサポートします。

社会福祉士の仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

社会福祉士は活躍の場は違えど、メインの仕事は相談業務になります。

人の相談に乗るなんて、ストレスが溜まりそう…。

難しそうで、やりたくない…。

などとマイナスなイメージを抱かれがちですが、それ以上にやりがいを感じられる瞬間もたくさんあるのです。

では実際にどんな時にやりがいを感じられるのでしょうか?

人の人生にじっくり携わることができる

困っている方に対し、じっくりと時間をかけて耳を傾けられるのは社会福祉士の特権でもあります。

現場で介護をしていたら、時間や業務に追われるため、そうはいきません。

1人1人に寄り添い、ゆっくりと話を聞くことで隠れていた悩みや本音を聞き出すこともできます。

しっかりと向き合ったぶんだけ、問題が解決したときの達成感も大きくなります。

コミュニケーション能力が高まる

相談を受けて、問題解決に至るまでには、たくさんの人との関わりが生まれます。

性格も考え方も職種もことなる人たちの意見を聞くことで、様々な考え方を学ぶことができます。

また、認知症や障害などにより、自分の意思表示が難しい方も多いです。

そのため言葉だけでなく、表情や行動などから、その人の気持ちを汲み取る力も養われてきます。

相談業務で培ったコミュニケーションスキルは、プライべートでも役に立つため、公私ともに充実感を得ることができます。

自分の成長を感じられるのも、嬉しいポイントです。

人の人生に貢献できる

誰かの役に立つということは、人として幸福感や満足感を感じやすいと言われています。

相談を受け、その人と問題に向き合い、解決できたときに見られる笑顔やほっとした表情。

「ありがとう。」の一言を聞けたときは、「この人の人生に貢献できたんだな。」と、やりがいを強く感じることができます。

色々な人に出会える

社会福祉士の仕事は、とにかくたくさんの人と関わります。

そのため人脈も増え、「この仕事をしていなければ絶対に親しくならなかった…。」というタイプの方とも仲良くなれたりします。

自分が苦手なタイプの人とも付き合っていくことで、固定概念や先入観を捨てることができるのです。

人との繋がりは、働く上での力にもなりますし、プライベートでも財産となることでしょう。

面白いポイント

人の人生に係わる社会福祉士の仕事をしていると、様々な人間模様を垣間見ることができます。

難しい相談援助業務の中にも「この仕事って面白いな。」と感じられる瞬間が必ずあります。

では、社会福祉士の仕事の面白いポイントとは、どんなところでしょうか?

人間ドラマを見ることができる

支援を必要とする方たちは、様々な問題を抱え、複雑な環境の中で過ごしています。

支援をしていく中で、自信や目標を取り戻していく利用者様。

わだかまりが解け、絆を取り戻していく家族。

人が変わったかのように、笑顔が増えた入居者様。

最近のテレビでも放送しないような、感動的な人間ドラマを生で見て、傍でサポートできるのも社会福祉士の面白さです。

自分の手腕を試すことができる

幅広い分野に対応しなければならない、社会福祉士の仕事は、常に新しい知識と経験が求められます。

向上心を持ち、自分がどれだけやれるのか。

自分の知識で、どこまで対応できるのか。

など、チャレンジし続けることができます。

過去の事例はあっても、全く同じケースはないため、常にメラメラと仕事に取り組めますよ。

修羅場を乗り越えることで人間として成長できる

相談業務を行っていると、感情的に怒鳴る方・泣く方・嫌味を言う方など、色々なタイプの方と出会います。

時には辛いと感じることもありますが、慣れてしまうと少々のことでは動じない強い心を手に入れることができます。

潜り抜けてきた修羅場の数々は、後に仲間内での笑い話として良き思い出になることでしょう。

ただし、守秘義務があるため情報漏洩には注意しましょうね!

自分や家族の生活に役立つ

活用できるサービスや制度を知らないため、不便や不自由な思いをしてしまう方はたくさんいます。

しかし社会福祉士として働いていると、たくさんの知識や情報を得ることができます。

例えば、家族が介護が必要になった場合には、自分の知識と経験で大切な人を守ることができるのです。

自分のレベルを高めることが、仕事だけでなくプライベートにもプラスになるため、学ぶ楽しさも高まるでしょう。

まとめ

社会福祉士は、仕事の内容も働く場所も多種多様です。

チャレンジ次第で、どのフィールドでも活躍できるため、今後ますます必要とされて行くでしょう。

相談者が主役だとすれば、社会福祉士はその人の人生の道しるべを示す縁の下の力持ちのような存在です。

自己犠牲の精神までは必要ありませんが、奉仕の気持ちが大切になってくるお仕事です。

そのため見返りではなく、やりがいや達成感などを求める方に適した職業と言えます。

誰かの役に立ちたい!と言う思いがある方は、ぜひ社会福祉士を目指してみてはいかがでしょうか。


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