現在、学校の教師が「ブラック公務員」だということが社会にも明るみになってきました。

教師という仕事はキラキラと輝いていて、子供達に囲まれて幸せだというイメージの反面、その内実、サービス残業地獄、モンスターペアレント、LINEトラブルなどといった闇の部分を抱えています。

そして、毎年教員になった人の半数はその10年後に辞職・転職をしているという事実があります。

これは、一般の民間企業と比べても異常な数だと言えるでしょう。

それだけ辛い教師という仕事。

どのように乗り越えていけばいいのでしょうか?

今回は「教師が辛い、やめたい」と悩む教師の方向けに、現役教師の私がどのようにその困難を乗り越えてきたかについて解説します。

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教師のおおまかな仕事内容とは?

教師の大まかな仕事は大きく分けて4つです。

授業準備

これは全ての教師が受け持っている仕事です。

自分の行う授業の準備を毎日しなければなりません。

これがなかなか大変で、ただ教科書をなぞるだけでは面白い授業になりません。

工夫に工夫を重ね、生徒が喜び学ぶ授業展開を考えねばなりません。

部活動の顧問

これも全ての教師が受け持っている仕事です。

実はこの部活動というのが「ブラック」と呼ばれる理由の一つです。

なぜなら平日は毎日17〜18時まで、土日も半日もしくは一日中、部活動の顧問を務めなければならないからです。

そして、他の仕事に追われている時でも、やはり生徒を置いて仕事をするわけにはいきません。

顧問がつかずに事故が起こってしまっては、責任問題にも発展しかねないのです。

クラス経営

担任を受け持つ教師は、クラス経営も負担の一つでしょう。

問題なくクラス経営が進んでいれば楽かもしれませんが、思春期の子供を受け持つ中でそんなことはあり得ません。

問題が起こったり、指導をしなければならなかったり、最悪学級崩壊なんてこともあり得ます。

そうならないために全力をかけてお仕事をするわけで、それが残業にも繋がっていきます。

雑務

実は多い教師の雑務。

毎日、生徒が帰った後の教室整備や行事前の諸々の準備。

一つ一つは小さいけれど、それが積み重なるとかなり大きな負担になっていきます。

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教師の仕事を辞めたいと感じる人の2個の理由とは?

教師を辞めたいと思う人は、主に以下のような理由で「辞めたい」と考えることが多いようです。

辞めたい理由とともに、それをどのように乗り越えられたかを書きましたので、よろしければ参考にしてください!

勤務時間が長すぎる

とにかく教師は勤務時間が本当に長すぎますよね。

平日のサービス残業は当たり前。

土日だってほぼ強制的に出勤をせざるを得ません。

毎月100時間を超える残業をしている教師も珍しくはありません。

そして残念なことに、この状態が平常化しているというのが公立学校の現状です。

「忙しくて当たり前」、「早く帰れなくて当たり前」、「早く帰っているのはサボっているからだ」、そんな自らの首を絞めるような常識が学校にはまかり通っています。

当然ですが、残業をすることで給料が上がることはありません。

そのため私の場合は一時期、時給換算で300円ほどで働いているときがありました。

このような過酷な労働環境の中で、質の高い教育が行われるはずはありません。

それでも学校のブラック化は治らないのです。

どうしてそうなるの?

朝練がある部活動の顧問は7時ごろに学校に向かい、そしてそこから通常業務である授業等。

放課後も部活動などがあり、生徒が帰るのが18時頃です。

そこから次の日の授業準備、教室整備などの雑務、ミーティングや家庭訪問。

また生徒間でいさかいが起こった場合は指導が必要です。

そのようなことをしているうちに気づけば22時を超え、いつの間にか日をまたぐなんてことも多々あります。

そして、休日のはずの土曜日・日曜日にも部活動があります。

部活動では最低でも半日、試合などがあるときは一日中顧問として部活動に従事しなければなりません。

また、平日の仕事の積み残しもありますので、部活動が終わってからすぐに仕事に取り掛かります。

それでも当然、残業代が出るわけではありません。

このような状況下で教師の勤務時間はどんどん長いものになっていきます。

それを乗り越えるための方法とは?

私はこの「勤務時間の異常な長さ」を解決するために、極限まで無駄な仕事を省きました。

対策①:掃除指導の徹底

生徒が帰った後の教室整備をなぜしなければいけないかというと、生徒の掃除が不完全だからです。

そのため私は生徒への掃除指導を徹底化して、放課後に一人で掃除をしなくてもよくしました。

これで周りの教師が生徒の下校後、掃除をしている時間に、私は自分の仕事ができるようになりました。

対策②:休日の部活動時間の短縮

次に、土日の部活動を「絶対に土曜日の午前中にしかしない」と決めました。

年度当初にそのように設定してしまうことで、「土曜日の午前中しか部活がないクラブ」という認識が生まれます。

それに、生徒自身も休日の活動を制限されることで、平日の練習により集中するようになり、結果的に部活動の雰囲気も高まりました。

対策③:教材研究の効率化

教材研究はできるだけ実践例を参考に組み立てました。

生徒の実態に合わせて、オリジナルな授業展開が理想と言われている昨今ですが、私はそう思いません。

一つの教材に関するアイディアは出尽くしているはずなので、その中から最適な授業形態を取捨選択すればいいのです。

これによって授業準備がかなり早まりました。

対策④:周囲の目を気にしない

そして何よりも大切なのは、「周囲の教師に嫌われることを厭わない」という気持ちです。

学校の多くが、そのブラックさに慣れきってしまっています。

だから少しでも効率化を図ると、従来のやり方を主張する人は出てきます。

私はそのような声に耳を傾けずに、できるだけ自分が早く帰れることを考えて仕事をしました。

ストレスが溜まる

教師という職業は本当にストレスが溜まりますよね。

毎年、多くの先生が精神を患って休職をしたり、退職をしたりと、教壇を去る教師は後を絶ちません。

それにストレスを溜めて、健全な教育ができていない教師も沢山います。

これは生徒にとっても、自分にとっても、教育界にとってもプラスにはなりませんが、なかなかその現状がなくならないというのが本当のところです。

どうしてそうなるの?

原因①:生徒への指導

いつも生徒がいいことだけをしていればそんなことはありませんが、そうはいきません。

逸脱行動をしたり、非行に走ったり、喧嘩をしたり、いじめの問題が起こったり、不登校になったりということが普通にあります。

それに対して、一人一人に丁寧に対応をしていくのが教師としての仕事ですが、その過程で生徒から傷つくことを言われたり、思い通りにいかなかったりすると、ストレスが溜まります。

原因②:生徒の家庭とのやり取り

また、生徒だけがストレス源ではありません。

モンスターペアレントの問題は顕著なものですが、モンスターペアレントでなくとも、やはり親とのやりとりは気を使います。

生徒の進路の話し合いや、家庭同士のいざこざなどに介入していかなければならないことがあります。

それにどの家庭も学校に協力体制でいてくれればいいですが、実際にはそうではありません。

自分の子供が非行に走っても学校側の責任を主張してきたり、給食費などのお金をなかなか払ってくれなかったり、全く協力体制を見せない親も少なくありません。

そのような家庭とのやりとりはとてもストレスが溜まるものです。

原因③:教師間

そして、教師間でもストレスが溜まることは沢山あります。

同じ学年の教師はチームとして一緒に働くわけですが、その中で確執が生まれたり、互いの教育観にズレがあったりすることで、うまく連携できないこともあります。

それに中堅になってくると、新人教員のフォローや他のプロジェクトへの介入など、とにかく多くの仕事を任せられます。

教師間の人間関係がうまく回らない時ほど、心が休まらないことはありません。

原因④:休みがない

そして上記の通り、教師にはとにかく休みというものがありません。

土日も含めて本当に忙しく「何十連勤」という教師だってザラにいます。

人間はやはり休みがなければストレス発散はできないもの。

ストレスマネジメントをしたくても、その時間がなければストレスマネジメントはできません。

それを乗り越えるための方法とは?

私は強制的に休みを作り、平日も早く帰れるような工夫をしました。

人間関係から起こるストレスは、教師をやる上で避けることができないものだと思っているからです。

特に生徒は思春期となると、心が不安定になるものなので、非行をするなという方がおかしいぐらいです。

そのため私は「ストレスを解消する時間」を作ることに重点を置きました。

平日ならば、できるだけ19時には仕事を切り上げるルールを自ら作りました。

早く帰り、自分で調理をして、ゆっくり風呂に入ると心が落ち着きます。

そして絶対に8時間は眠るということを心がけました。

何と言っても眠るということが、ストレスや疲労を和らげてくれる最も大切な行動です。

そのようにして自らのストレスマネジメントを行いました。

すると仕事をする上でも、容易なことでは心が荒むことがなくなりました。

生徒・親・他教師に対する態度も穏便になり、それがきっかけで人間関係は良好になっていきました。

環境は好循環し、ストレスは自然と減っていきました。

それに睡眠を十分に取ることで、仕事の効率がとても良くなりました。

脳疲労をしっかりととったおかげで集中力がかなり増したのだと思います。

初めは「ストレスマネジメントをする」ということを目的に始めた生活リズムが、結果的に他のストレス源の解消にもつながるという事を身をもって実感しました。

他にも教員を辞める理由は、こちらの記事を参考に!

辞めたい時もあるけど、教師がおすすめの理由

卒業式で全ての苦労が報われる

どれだけ大変でも続けていれば、最後に生徒や親から「今までありがとう」と言ってもらえる瞬間が来ます。

私はこの瞬間のために教師を続けている、と言っても過言ではありません。

教師とは「心からのありがとう」を一番言ってもらえる仕事ではないでしょうか。

社交辞令や心のこもらない感謝ではなく、時には涙交じりの感謝。

このような本当の「ありがとう」を言ってもらえた時に、私はこの仕事をしていてよかったと感じます。

生活が安定している

世の中がどれだけ大不況であろうとも、公務員は不況が理由で解雇されることはありませんし、昇給も約束されています。

教員の福利厚生はなかなか優秀ですし、退職金も減ったと言われるものの、やはり大金です。

苦労はあれど、やはり毎日が安定している、人生の先行きに不安なく生きることができるというのは何事にも代えがたい喜びです。

間違いなく仕事が面白いと感じる瞬間がある

私の場合は、授業が思う通りの進行になったとき、自分の運営するクラスがうまく進行しているとき、生徒や親・教師と分かり合うことができたとき、自分が顧問を務める部活動が大会上位に進んだときに、「この仕事は本当に面白い」と感じます。

人によって楽しいと思うポイントは違いますが、それでも「自分の指導や努力が成功に繋がった」と実感した時には面白さを感じるものです。

教師が相手にするのは人間ですから、自分がどれだけ丁寧で真摯に対応をするかによって、その結果が左右されると言っても過言ではないでしょう。

自分が教師としての誇りを忘れずに大変な仕事にも一生懸命向かっていれば、報われる瞬間はあるはずです。

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まとめ

今回は「教師が辛い、やめたい」と悩む人向けに、現役教師の私が辞めたいと思う理由とその対策について書きました。

何よりも大切なのは自分のストレスマネジメントです。

なぜならストレスを理由に精神を病んでしまう教師が山ほどいるからです。

どれだけ頑張ろうとも最終的に精神を病んでしまっては、あなたの人生は台無しになってしまいます。

教師として活躍することと同時に、自分の人生を輝かせることも考えなければなりません。

どうしても辛い、辞めたいと悩むのであれば、辞めてしまうことも一つの手ですが、その前に仕事の量を減らしてみる、ストレスを解消する工夫をしてみることも手です。

それによってあなたに適した働き方が見つかります。

最後に、「教師を辞めたいほど辛い」と思っているあなたはとても真面目で努力家だと思います。

そのような人ほど教師の仕事に押しつぶされそうになります。

そしてそのように努力をしている先生ほど、教育界に残って欲しい人材でもあります。

自分を大切にすることがこれからの教育界のためにもなると思って、生活リズムを整えてみましょう。