中学校教員と言ったら、皆さんはどのようなイメージを持っていますか。

授業での教科指導、放課後の部活指導に様々な行事の企画・運営など、業務内容が難しく、多忙な印象が持たれがちです。

実際に中学校教員として働いてみると、確かにそのイメージ通りで多忙です。

しかし、そこには中学校教員としてしか感じることのできないやりがいに溢れています。

この記事では、筆者自身の体験も交えながらそのやりがいや、身につくスキルなどについてご紹介していきます。

私はこんなところで中学校教師をしていました

筆者自身は教員採用試験を突破した正規雇用である「教諭」という立場ではなく、契約社員のような雇用形態の「臨時講師」として勤務していました。

フルタイムで教諭の先生方とほぼ一緒の仕事をする「常勤講師」と、パートタイムのような働き方の「非常勤講師」という2種類の形で、公立中学校や大学に附属している中学校で勤務していた経験があります。

教育委員会に講師登録をして、各学校に欠員が出たときにお話をいただいて、そのまま採用という形で働くことになりました。

中学校教師のやりがいとは?

中学校教員としての仕事は、その忙しさや業務内容にばかり目がいきがちですが、その大変さが帳消しになってしまうほどのやりがいに溢れています。

これらのやりがいは、実際に中学校教員として働いてみなければ分からないことだらけです。

これは、筆者自身が実際に感じた4つのやりがいについて紹介します。

生徒との関わり合い

中学校教員としての仕事の中で最も楽しく過ごすことのできる瞬間が、生徒たちと関わっているときです。

授業中のやりとりはもちろん、業間休みでのなんてことのない会話、部活動でのサポートなど、生徒たちと時間を共にするのは、責任ある時間であると同時にやりがいに溢れています。

生徒たちと一緒に過ごす時間のほとんどが楽しいものですが、時には叱らなければならなかったり、真面目な雰囲気を感じさせたりと様々です。

生徒たちと一緒に楽しんだり、時には悲しんだり、真剣に行事に取り組んだりなど、たくさんの体験をすることができるのが新鮮であり、やりがいと言えるでしょう。

生徒の成長を感じられる

生徒たちの成長は大きなものから小さなものまで、様々です。

中学校に入学したばかりのときは、まるで小学校6年生の延長のようで、幼い顔つきをしていた生徒たちも、中学校3年生として卒業していく頃にはすっかり大人の面持ちになっています。

久しぶりに会話したりすると、言葉遣いもしっかりとして相手を思いやることができるようになっていたりするなど、その成長ぶりに驚かされるものです。

生徒たちの成長は本人たちの努力によるものですが、教員としての関わりがその成長の小さなきっかけになることができるということもやりがいの一つです。

自分自身の指導力の向上

教員としての経験年数が長くなってくると、自分自身にも指導力がついてきていると感じることができる瞬間があります。

授業をする際には発問の仕方や、どのようにすれば生徒たちの興味を引くことができるのか、そして理解を深めることができるのかのアイディアが豊かになりますし、生徒たちへの関わり方もぎこちなさもだんだんと減っていきます。

自分の指導に少しでも自信が持てるようになると、生徒たちへの説得力も増します。

だからと言っておごり高ぶること無く、常に謙虚な姿勢を大切です。

やりがいを感じつつも謙虚で人を思いやる気持ちを忘れないように過ごさなければなりません。

視野が広がる

生徒たちの興味関心のあるものにアンテナを高くすることで、毎日のなんてことのない会話を楽しむこともできますし、機会があれば教科指導にも生かすことができます。

生徒たちの中でも流行は様々なものがあり、自分の今まで知らなかったものや、興味のなかったものにも改めて触れるチャンスを作ることができます。

教員として生徒を指導する立場ではありますが、逆に生徒から教えてもらえることもたくさんあります。

「子どもっぽい」「最近の若者の流行にはついていけない」という気持ちを捨てることで視野が広がり、新しい世界を感じることができるかもしれません。

このように、自分の知らなかった世界を知ることができるのも、年の離れた生徒たちと関わることで感じることのできるやりがいの一つです。

中学校教師をやっていてよかった5つのこと

多感な時期である中学生を指導するということは、とても責任もあり、大変な仕事です。

しかし、中学校教員だからこそ感じることのできる、「この職業に就いていて良かった」という点があります。

ここでは、中学校教員をやっていて良かったと感じる6つのことについて紹介します。

人間性を改めて伸ばそうとすることができた

中学校教員が生徒に教えるのは勉強や部活動だけではありません。

教員として以前に、一人の人間としての在り方を磨くことが大切です。

自分が中学生だとしたら、偉そうなことばかり言っていて、全く説得力のない行動をとる先生がいたら関わりたくないですよね。

多くの生徒と関わっていく機会のある教員、特に多感な時期である中学生を相手にしている中学校教員だからこそ、生徒たちから信頼されるような人間性を兼ね揃えなければなりません。

実際に人間性を伸ばすのは難しいことかもしれませんが、より良い教員になりたい、という謙虚な気持ちを持ち続けることができたのは、良かったと思います。

様々なスポーツに精通することができた

中学校教員が頭を悩ませるものとして挙げられるのが、部活動です。

自分が学生時代に経験したことのある部活動の顧問になれるのかと言われたら、必ずしもそうではなく、むしろ縁もゆかりもなかったような配属をされてしまうことが多いです。

全く知識のない運動部の顧問になったりすると、ルールの勉強から指導に至るまで道は長いです。

しかし、大人になってから新たなこと、特にスポーツを始める機会は少ないので、生徒たちと一緒に運動に向かうことができるというのは貴重な経験となり得ます。

スポーツが苦手だったり、全く分からないからと言って尻込みせずに、楽しみくらいの気持ちを持って部活動に取り組むことで、気づいた頃には生徒たちよりもそのスポーツについての戦術を身につけたりしているものでした。

生徒たちに心を開いてもらえた

中学生の生徒たちはとても多感な時期でもあり、教員としては自分の発言や行動の一つ一つに気を配る必要があります。

特に、新しい学校に赴任したときは、学校の雰囲気も生徒たちの様子や状態も全くの手探りの状態です。

生徒たちも自分たちと関わる先生がどのような人なのかをよくみて、どのように関わってくるのかを考えています。

出会って最初の頃はなかなか素直な態度を取れずに心を開いてくれない子も多いです。

しかし、一緒に時間を過ごすうちに少しずつ打ち解けてきて、素直に自分の思っていることを言ってくれたり、悩んでいることや困っていることを伝えてくれるようになったときは嬉しいものです。

教員として、一人の人間として信頼してくれているんだと実感できる瞬間です。

自分の関わった生徒が卒業後も活躍している姿を見ることができた

長い人生の中で、中学校で過ごす期間はたったの3年間ですが、その間に生徒たちは心身ともに大きく成長していきます。

入学当初から卒業する頃を比べてみると、みんなまるで別人のようになり、驚かされるほどです。

中学校3年間での成長していく姿を見られることはもちろん嬉しいのですが、卒業後に生徒たちが一生懸命頑張っている姿をみたり、聞いたりすることも格別な嬉しさがあります。

筆者自身の体験談ですが、卒業後にわざわざ中学校に会いに来て様々なことを報告してくれたり、進学先でも部活動を続けて大きな成績を残すことができたりなど、この子がこんなに頑張っているのかと思うと涙が出るほど嬉しく感じます。

第100回記念として大きな盛り上がりを見せた夏の甲子園に向けて、野球部に所属していた教子たちが力を尽くしていた話を聞いたり、テレビを通して見られて、とても誇らしい気持ちになったものです。

自分の授業が好きと言ってもらえた

中学校になると、小学校の頃から比べて一気に勉強の難易度が上がります。

そのような中で小学校と中学校におけるギャップを感じさせるようなことなく、生徒たちが楽しみながらも多くのことを学ぶことができるような授業を行えるように日々研究している中学校教員としては、「授業が楽しい」と言ってもらえることは、生徒たちからの最高の評価といっても過言ではありません。

筆者自身も、生徒たちに苦手意識をなるべく持たせないように様々な工夫を凝らしていました。

離任するときや、所属する学年が別になったことで教科担任が変わってしまったとき、「先生の授業が楽しかったから、また教えて欲しいです」と言ってもらえたことは、忘れられないものとなりました。

中学校教師で身についたこんなスキル

中学生を指導する立場にある中学校教員としての仕事ですが、この仕事を通してどのようなスキルを身に付けることができるのでしょう。

ここでは、筆者自身の経験を踏まえて紹介していきます。

年齢を問わずたくさんの人と積極的に関わる能力

中学校教員は基本的に中学生の生徒たちと関わることが多いですが、部活動やPTA活動などもあるので、保護者の方々や地域の皆さん、生徒たちの兄弟姉妹とも接する機会があります。

幅広い年齢層の方々と話したり、一緒に活動するので、物怖じすることなく自分から関わっていくことができるようになりました。

生徒たちの理解をより深めるための指導法

先生として勤務している期間が長くなると、生徒たちがどのような分野に苦手意識を持ちやすいのかが何となくわかるようになり、それに対する対策を立てられるようになって来ます。

また、どのような発問をすれば興味を引き出すとができるのか、理解を深めることができるのかを自分なりに導き出せるようになります。

自分なりの表現や言い回しで生徒たちが納得した表情をしてくれたときは、だんだんと教員としてのスキルが身について来たと感じるものです。

生徒の本音を引き出すための傾聴する力

教員として勤務したことを通して最も役に立ったのは、生徒の本音をしっかりと話させるくらいに傾聴することができるようになったことです。

傾聴することは、中学生の子どもたちだけでなく、自分の身の回りにいる人たちに対しても役に立ちます。

自分ばかりが話すのではなく、しっかりと相手の話に耳を傾けて会話をするということの大切さに気づかされたのも、そのスキルを身につけられたのも、中学校教員という仕事を経験したからこそです。

中学校教師はこんな人におすすめです!

学習面や部活動、生活面など、たくさんの角度から生徒たちを指導する立場にある中学校教員という仕事。

一見厳しくてどんどん自分の意見を言える人に向いているように思われますが、実際はどうなのでしょう。

生徒の心に寄り添うことのできる人

多感な時期の中学生は、日々たくさんのことから刺激を受け、そこから様々なことを感じています。

それが成長に繋がることもあれば、大きな壁として生徒たちの前に立ちふさがることもあります。

生徒が困ったときや、悩んだときにさりげなく察して、そっと心に寄り添ってあげられる人が教員に向いていると感じます。

叱ることは誰にでもできますが、心の拠り所となる存在はあまりできたものではありません。

決して甘やかすのではなく、心に寄り添うことが大切なのです。

生徒たちと一緒にたくさんのことを楽しむことのできる人

教員という立場を誇張し、上から目線で偉そうなことばかりを言っている先生には生徒は付いていきません。

多感な時期だからこそ、自分たちのことを本当に想ってくれたり、心底一緒に楽しんでくれる先生が分かるものなのです。

部活動も、体育祭や文化祭などの行事も、生徒と一緒になって盛り上がったり、真剣になるべきときには全力で取り組む姿勢が必要です。

まとめ

中学校教員として勤務することは、体力的にも精神的にも大変に感じる瞬間が圧倒的に多いです。

しかし、中学校教員として勤務することでしか味わうことのできないやりがいや達成感が、そこにはあります。

筆者自身もいまは教職から離れていますが、思い返すのは楽しかった中学校教員としての日々のことばかりです。

ニュースなどではマイナス面ばかりが取り上げられることが多いですが、一度感じたら忘れることのできない思いがあるのです。