高校教師の仕事内容と聞いて、何をイメージしますか?

これまでに出会ったことのある「高校の先生」を思い出してみて下さい。

高校教師の仕事はただ授業をするだけじゃないの?と思った方や、教師の職業に興味がある方に向けて、この記事では、知っているようで知らない、高校教師の仕事や様々な役割についてお話ししたいと思います。

高校教師の仕事は大きく分けると4つある

教科担当の仕事

高校教師の仕事としてまずイメージするのは授業を行うことではないでしょうか。

国が定めた学習指導要領に沿って、自分が担当する教科の授業を行います。

教科ごとに科会と呼ばれるものがあり、全ての教師がそれぞれの科に所属し、授業の質や専門性を高めるために日々研鑽を積んでいます。

授業を行うといっても、時間になったら教室に来て授業をするだけが仕事ではありません。

自分が行う授業の前に、どんな授業を展開していくのかを考える「授業準備」の時間が非常に重要です。

教師自身が授業の内容をしっかり理解することはもちろんですが、50分の授業の中で生徒を飽きさせないように「導入」「展開」「まとめ」といった大まかな流れを考えたり、生徒が授業内容を理解しやすいように、プリントなどの副教材を作成したりすることもあります。

その他にも、中間や期末テストの作成や採点、学期末の成績評価をするのも、教科担当の大切な役割です。

クラス担当の仕事

担任や副担任と呼ばれる教師の役割です。

クラス担任になると、クラス運営という大きな役割を担うことになります。

担当生徒一人一人の性格や個性、成績や今後の進路などを加味しながら、一年間どのようなクラスにしていくかを考え、クラス運営を行っていきます。

そのためには、朝・夕のホームルームでの話や日誌でのやりとりなどで、日々生徒に向き合い信頼関係を築いていくような行動が必要になります。

クラス行事では、高校生が自分たちで企画や運営に挑戦する場面もあるので、どこまで自主性を持たせて生徒に任せるか常に考えるところです。

体育祭や文化祭は生徒が主体となって進めるものですが、その準備や土台づくり、生徒達のモチベーションの維持には教師も関わります。

クラスごとに生徒の雰囲気も異なるため、教師も悩みながら生徒を支えていきます。

また、生徒の親との関わりもあります。

成績や生活態度が心配な生徒がいれば保護者への連絡を行い、常に近い立場から生徒や保護者と向き合うのもクラス担任の役割です。

部活動指導の仕事

部活動の顧問が行う業務のことです。

部活動の指導は殆どの教師が担当しています。

大まかな仕事内容は、放課後や、場合によっては早朝や土曜・日曜・祝日関係なく、生徒が活動している時に、生徒への技術指導や監督を行うことです。

部活の担当は、個人の意思とは関係なく決まってしまう場合もあり、時にはこれまで経験したことがなく、全く知らない部活動の指導を行うこともあります。

初めてのことを学ぶのは大変さもありますが、生徒と一緒に成長できる貴重な機会でもあります。

校務の仕事

教師は学校全体の業務を回していくために、教科やクラス、部活動以外にも、それぞれいくつかの役割を担当しています。

その担当する業務のことを校務と言います。

代表的な校務には、「総務」「教務」がありますが、それについては後程詳しくお話します。

このほかにも、生徒指導や進路指導、特別活動指導、保健・体育、図書、人権・同和教育、事務など校務は多岐に渡ります。

教科担当の3つの業務

授業前

授業の前には、授業準備を行います。

具体的には、授業で使用するプリントの作成や小テストの準備などです。

授業の流れや、その時間で生徒にどんなことを理解してほしいか、しっかりと自分なりのポイントを持って授業へ臨めるように時間をかけて準備します。

授業中

50分の授業の中で常に生徒を飽きさせず、授業の内容を分かりやすく理解してもらうために、工夫しながら授業を行います。

時には授業態度が良くない生徒や寝てしまう生徒を授業に巻き込むために指名して答えさせたり、生徒が積極的に考えて課題に取り組めるよう、プリントや小テストを利用する場合もあります。

授業後

授業後は、その日行った授業の進捗状況の確認やテストまでの進み具合の確認を行い、今後の授業計画を立てたり、小テストなどを行っていれば、その採点もします。

予め授業時間は決まっているので、授業の進捗を確認しながら、今後の計画や段取りを考え、次の授業へと進んでいきます。

クラス担当の3個の業務

ホームルーム担当

クラス担当の業務の中で一番イメージしやすいものは朝夕のホームルーム担当ではないでしょうか。

ホームルームでは、連絡事項をただ伝えるだけでなく、生徒一人一人の様子を確認できる貴重な時間ですので、教師もこの時間を非常に大切にしています。

時には時間がとれず、連絡事項の確認のみの場合もありますが、そんな時も生徒一人一人の顔を見て話すことが大切です。

学校行事の準備

学校行事での取り組みによってクラスの雰囲気は全く変わってきます。

大きな学校行事には体育祭や文化祭があるでしょうか。

クラスマッチやクラス対抗のイベントなども、生徒が一致団結する良い機会となります。

多くの生徒が関わる分、トラブルや事故やケガなども起こりやすく普段以上に気配りが必要になりますが、生徒たちが学校行事を楽しめるように、教師は縁の下の力持ちとして手厚いサポートを行います。

進路相談・進路指導

学年ごとに生徒指導の内容は異なりますが、進路希望調査は高校1年生からありますので、調査をもとに面談をし、どのような進路がいいのかを一緒に考え、その目標や夢の実現に向けてサポートをしていきます。

面談では一人一人の性格に合わせた話し方、接し方が必要になります。

部活動指導の3つの業務

練習メニュー・指導内容の検討、監督・指導業務

部活動の指導は学校によっては、平日の放課後にほぼ毎日あります。

練習メニューを生徒自身に考えさせることも指導法の一つですが、大まかな練習の流れや指示は、部活動の顧問が行う場合が多いです。

教師自身が経験したことのある部活動であれば、それぞれの時期の適切な練習メニューや指導方法もイメージしやすいですが、これまでに経験したことのない部活動の顧問を行う場合もあるので、教師自身も勉強が必要です。

私が運動部の担当だったときにも、日々どんな練習メニューがいいかを考えたり、中だるみしないように指導方法を工夫したりしていました。

また、生徒が活動を行っている時間は、事故やケガなどがない様に教師が監督を行います。

大会準備・事務作業

部活動によっては、大会に出場する場合もあります。

大会への出場は生徒たちのモチベーション維持に効果があり、大会で良い結果を残すことを目指して生徒と一緒に教師も準備していきます。

大会に出場するための申込や交通機関の手配などの事務作業もたくさんあります。

期日までにメンバーの登録や各種協会への登録なども行わなければいけません。

また、部費を集めている部活動では、お金の管理や備品の購入・管理の仕事も教師が責任を持って行います。

生徒のフォロー・保護者対応

部活動では、楽しいばかりではなく、メンバー内での人間関係や大会での成績、学業との両立など、生徒は様々な悩みを抱えています。

それに対するフォローや、様子が気になる生徒へのケアなど、部活動以外の時間でも教師から積極的にコミュニケーションをとります。

また、大会や休日の練習試合では、応援や当日の準備、片付けなどに保護者が協力してくださることもあるので、その対応も常に行います。

校務分掌の2つの業務

校務分掌にはたくさんの業務があり、その一つ一つを説明していくことは難しいので、代表的な2つの業務を紹介します。

総務部

総務部は学校全体に関わる仕事を担当します。

例えば、学校行事の企画や運営です。

入学式や卒業式、学期毎の始業式や終業式など、一年間のスケジュールを立て、当日の運営までを統括します。

その他にも、PTA担当などの役割も割り振られるので、それぞれの役割の仕事をこなしていきます。

教務部

教務部の仕事も学校全体、生徒・教師に直接関係する業務が多く、学年ごとのカリキュラムや時間割の作成、テスト期間中のスケジュールや教師の割り振りなど、試験の運営や成績の管理などの業務を担当します。

教務主任と呼ばれる教務部のリーダーから仕事が割り振られ、それぞれが分担して仕事を行っています。

中学教師との違い

高校教師が、中学教師と大きく違うところは、高校卒業後の進路選択について、サポートするところかもしれません。

高校を卒業した後どんな道に進みたいか、入学当初はぼんやりとしか分からない生徒でも、自分の将来やこれからの人生についてしっかり考えられるように寄り添いながらアドバイスしていきます。

生徒が今後の人生の方向性を決める大切な3年間、一番身近な大人として生徒と関わりを持つことは、生徒自身の将来に少なからず影響を及ぼします。

そういった意味で緊張感はありますが、中学教師にはない、高校教師の醍醐味と言えるかもしれません。

高校教師の仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

高校教師の一番のやりがいは、生徒の成長を見守ることができることではないでしょうか。

15歳から18歳にかけての多感な時期をどう過ごすかは、その後の人生に大きな影響を与えます。

高校生ともなると、友人や親子関係、日々の勉強や部活動、自身の将来など、悩みが尽きません。

そんな悩み多き生徒一人ひとりと向き合って、生徒自身が自ら考えて行動を起こす様子を、サポートしながら見守り、悩んでいた生徒が笑顔になって進んでいく姿を見られることは本当に嬉しく、何事にも代えがたいやりがいが感じられます。

私が、特にやりがいを感じたのは、こんな時です。

生徒が希望の進学・就職先に進んだとき

生徒自身が希望していた進学先や就職先に進めた時は、教師という仕事に就いて良かったと心から感じました。

希望の進学先へ進むためには、生徒自身が努力することはもちろんですが、教師もどういったサポートや指導が生徒の助けになるかを考え、行動することが必要です。

生徒自身の頑張りが実り、自ら望んだ進学先へ進むことができた時に、大きなやりがいを感じました。

生徒から授業の内容がわかりやすかったと言われたとき

教師は様々な仕事を抱えているため、授業を準備する時間を作ることは大変です。

そのような中でも、生徒が内容を理解しやすいように日々工夫を凝らしていますので、授業後、「先生の授業、分かりやすかった!」とか、「あれってどういうことですか?」など、感動や質問を投げかけてもらえるととても嬉しいものです。

そんな時に教師をやっていて良かったと実感します。

クラス全体が一つにまとまったとき

クラスの生徒たちは、本当に個性豊かです。

それぞれに長所も短所もあり、時に一つになるのは難しいことがあります。

その分、クラスが一つの目標に向かって一丸となり動いたときには、想像できないくらい大きな結果を生み出すことがあります。

生徒たちと一帯となって、何かを成し遂げる体験は、他の職業ではなかなか経験出来ないことだと思います。

面白いポイント

ここまで読んできて、高校教師の仕事はやりがいはありそうだけど、ちょっと大変そうと思われた方もいるかもしれません。

しかし、大変さ以上の面白さが沢山あるのです。

授業でしか知らなかった生徒の別の顔が見られたとき

授業中には見られなかった、生徒の意外な一面を見た時には、そのギャップに驚かされます。

授業だと目立たず、あまり発言しない生徒が、体育祭や学園祭などの学校行事で活躍する様子を見たときには、私もとても嬉しくなっていました。

生徒との雑談の時間

高校生との会話は面白いものです。

自分にはない感覚や、価値観が感じられたり、自分が知らなかったことを教えてもらったり、時には自分のこれまでの人生経験が役に立ったりと、教師にとっても生徒にとっても年齢の違う人とコミュニケーションできる時間は有意義です。

私もときどき授業のときと同じくらい熱心に話してしまうことがありました。

まとめ

高校教師という仕事に、少しでも興味を持っていただけたでしょうか。

授業以外の場面では、意外と事務作業が多い職業だと思います。

また授業や事務作業の合間に、生徒や保護者とのやり取りや、部活動の指導、授業準備など、様々な業務をこなしています。

その忙しい毎日の中で、生徒の成長を一番近くで感じることができ、時にはそれが、自分自身の成長にも繋がるのが、高校教師の仕事ではないでしょうか。

授業だけではない、高校教師の別の顔ややりがいも知ってもらい、これから高校教師を目指してみたいと興味を持った方が、少しでも増えたら嬉しいです。


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