公立の小・中学校教師は、各都道府県に採用された公務員ですので「地方公務員」という肩書きになります。

そのため地方公務員の給与体系がそのまま適用されるのですが、他の民間企業に比べると福利厚生がしっかりしていて、収入も良い方と言えるでしょう。

では具体的にどのくらいの年収が見込めるのでしょうか?

小学校教師の給料の場合で見ていきます。

小学校教師の仕事内容は? 

初めに小学校教師の仕事について簡単に紹介していきます。

小学校教師の仕事は大きく「知育」「徳育」「体育」「学級事務」の4つに分けられます。

勉強を教える「知育」

教室で勉強することを、知識を教え育てるという意味で「知育」と呼びます。

教師の一番の仕事は授業です。

小学校の場合はほとんどの教科を担任が教えます。

教科書があるので、教える内容については迷うことはないと思いますが、例えば、1年生に「1+1は2」である理由を言葉や図で説明するのは、結構難しいものです。

そこにはいろんな工夫や経験も必要になる訳ですが、迷ったときには、教え方を教える「指導書」という分厚い資料も存在します。

その中には、経験の浅い先生にもできるような分かりやすい教え方が紹介してあります。

ある意味教師のネタ本のような位置づけのものです。

しかし授業の流し方は授業をする教師によって全く違ってきます。

「分かりやすさ」を優先する授業や「楽しさ」を優先する授業など方法は様々です。

2018年度から順次実施されている新指導要領では「アクティブラーニング」という学び方も推奨されています。

教師は授業の質を高めていくために日々研修を重ね教える技術を磨いています。

心を育てる「徳育」

道徳的な心を育てるという意味で「徳育」と呼ばれます。

小学校ではいろんな目標を設定して「徳育」をします。

授業では「道徳」や「学活」の時間などがそれであり、他の教科でも折に触れて「徳育」を行います。

授業以外でも日常生活の中で様々な「徳育」をします。

いじめや差別、勤労や家族のあり方などについて、実際のトラブルを通じて学ばせていきます。

こうした「徳育」は教室だけでなく学校生活全般で指導する事になっています。

休み時間、給食中、昼休みを含め、全教科全領域で取り組まれています。

2018年ロシアワールドカップで、競技場や控え室を掃除するサポーターや代表選手の姿が世界中で報道されましたが、それを当たり前のようにできる姿はこうした学校の「徳育」の成果だと言う人もいます。

体力や抵抗力をつける「体育」

病気に負けない健康な体を育てるという意味で「体育」と呼ばれます。

教科の「体育」とはちょっと違い、もっと大きな意味で使われます。

教科体育や部活動の時間に体を鍛えて基礎体力作りをします。

小学校では結果より過程を大事にするので、過度の練習で子どもの体に負担がかかりすぎないよう配慮しながら進めます。

近年、小学校のうちから運動嫌いになってしまう子どもの事例が増えてきています。

その対策として、小学校現場では楽しみながら体を動かすなどの指導の工夫が求められています。

3年生以上になると「保健体育」の時間が設定されます。

教科書を使って病気に負けない健康な体の作り方について学んだり、第2次性徴についても触れます。

学校全体では、年に1回ほど「スポーツテスト」という体力診断検査をして、子どもたちの発達状況を調べます。

その結果を検討し、落ちている領域のトレーニングを体育の授業に取り入れるなどして、バランスのとれた基礎体力作りを目指しています。

また運動会も体力作りのために全校で取り組む大きな行事のひとつです。

円滑な学級運営のための「学級事務」

学級を円滑に運営していくために、子どもたちのいないところで「学級事務」を行います。

宿題のチェックや準備をしたり、テストの採点、教材作成などをします。

保護者と連絡を取ったり、学校行事の準備をするのも教師の仕事です。

小学校では基本的に、全ての学級事務を担任一名が行いますので、その量が膨大なため負担に感じる教師は多いです。

そのため、学級担任の負担を少しでも軽減できるように「事務的な作業は学校全体で分担しよう」という試みを行っている学校もあります。

学級事務の増加が教師多忙化を加速している大きな要因になっています。

小学校教師の詳しい仕事内容は、こちらの記事を参考に!

小学校教師の給料の相場はどのくらい?

全国の小学校教師の平均年齢が43歳となってますので、43歳の平均的な月収について紹介します。

  • ①校長・・・年収752万円 給与47万円
  • ②教頭・・・年収707万円 給与44.2万円
  • ③教諭・・・年収539万円 給与33.7万円
  • ④助教諭・・・年収496万円 給与31万円

全国の平均値なので都道府県によって差がでるとは思いますが、ほぼこのくらいの収入は見込めます。

これは公立の小学校の場合で、私立の小学校になると金額はこれよりやや低くなるようです。

基本給以外のものは、どうなっているの?

諸手当

「諸手当」というものが出ます。

主な手当には以下のようなものが含まれますが、これも都道府県によって違います。

地域手当

条件として、都市・へき地・寒冷地に住んでいて勤務する場合です。

給料の3%〜15%です。

住居手当

世帯主の収入が世帯全体の5割を超えている等の条件があります。

持ち家の場合5〜8千円程度。

借家の場合1万から3万円程度です。

特殊勤務手当

特別支援学級担任や多学年学級(小規模の学校などで2つの学年をひとつにした学級のこと)の担任に支給されます。

扶養手当

子どもが22歳に達する年度末まで等。

一人当たり3〜5千円です。

通勤手当

自宅から学校までの距離によって変わってきます。

通勤にかかる経費です。

ガソリン代程度。

主任手当

学年主任や教務主任等です。

その他学校の規定によります。

部活動手当

部活動で休日に対外試合を引率をしたときにのみ支払われます。

ほぼ弁当代ぐらい。

都道府県によって大きな違いがあります。

管理職手当

校長・教頭職に支給されます。

8%等です。

期末・勤勉手当

いわゆる一般的なボーナスです。

夏と冬に2回あり、夏は6月、冬は12月です。

教諭の場合「ボーナス」とは呼ばず「期末手当」「勤勉手当」と呼びます。

期末・勤勉手当の金額計算式(例)

  • 夏 基本給×約1.2(+役職手当)
  • 冬 基本給×約1.4(+役職手当)

年度によって変わりますが、具体的には、43歳の教諭の場合で、期末・勤勉手当の合計額は130万円ほどです。

給与が高い人は何が違うの?

経験年数が長い

教師の給料は経験年数で決まります。

つまり経験が長い教諭ほど給料が高いということになります。

これは年齢ではなく経験年数なので、同じ年でも若いうちから教師をしている人の方が、後から教師になった人より給料は高いということになります。

各種手当ての該当になっている

上記の諸手当に該当するかしないかで違いが出てきます。

複数該当する場合、結構な金額が上乗せされます。

ここまで手当が充実している職業は他にはあまり見当たりません。

管理職である

校長や副校長、教頭になると基本給が上がります。

月収で一般の教師より10万円ほど高くなります。

昇給の条件やタイミングは?

大卒の小学校教諭だと、初任給で約20万~22万円といわれています。

そこからスタートして無事勤めていれば1年に1回は自動的に昇級があります。

能力に応じた昇給を導入しているところもありますが、判断の基準があやふやであるなどの理由からまだ少数です。

勤続年数が増えれば増えるほど、どんどん年収は上がっていきます。

残業代は?

基本的に教師には残業代は出ません。

しかし現状では勤務時間が終わっても仕事を続けている教師がほとんどです。

その救済措置として毎月、給料月額の4%が「教職調整額」として加算されています。

例えば、基本給が40万円の人なら「教職調整額」は、40万円×4%=16,000円、となり、16,000円が給料に上乗せされます。

しかし実際は、4%以上の残業をしている教師の方が圧倒的に多いので、調整額アップを求める声もあります。

福利厚生は?

教職員や家族の福利厚生を目的として、健康保険、病気・負傷・出産等に関する短期給付、厚生年金・年金払い退職給付等の長期給付、貸付事業(一般・結婚・住宅等)、宿泊施設の割引利用や人間ドック等の福祉事業が行なわれています。

家を建てたり購入するとき利用する貸付事業に金利が低く設定されていたり、人間ドックの内容が充実していたりして、教師の福利厚生は他の大手企業と比べても遜色ありません。

小学校教師として給与を上げるための方法とは

一般的な景気によって左右される民間企業と違って、福利厚生、給与、手当面で恵まれている教師ですが、更に収入を増やせるポイントがいくつかあります。

ここでは3つ挙げていきます。

管理職になる

教頭や校長・副校長になることが年収アップの近道です。

教頭以上の役職に就くことによって年収合計は1000万円を超えます。

教頭や校長になるためには、経験実績や論文審査の通過、そして教育委員会からの推薦状などが必要です。

校長になると年収アップだけではなく、自分の理想とする学校が作れるという夢もついてきます。

基本給の高い都道府県を狙う。

都道府県によって新任の基本給が違います。

基本給が高い都道府県に採用してもらえば収入は多くなります。

政府統計のデータよれば、一番高い給与は東京。

その他、埼玉県、千葉県、神奈川県なども比較的に高めのようです。

愛知、京都、兵庫、奈良、和歌山も高めです。

都会の学校が大変か、田舎の学校が大変か、意見が分かれるところだとは思いますが、仕事内容は同じなので赴任地にこだわりがないのであれば、基本給が高いところにチャレンジするのもアリですね。

能力重視の私立小学校へ行く。

私立小学校の中には「優秀な人材にはそれなりの給料を払う」という能力重視の学校もあります。

腕に自信があればそういう小学校にチャレンジして、のし上がっていくという方法もあります。

公立の小学校ほどの安定感はありませんが、自力で道を切り開いていく醍醐味はあります。

小学校教師は、こんな人におすすめ!

地元で働きたい人

ほとんどの市町村に小学校はありますので、自分のふるさとで働きたい人にはぴったりの職業です。

必死に職探しをするという必要もありません。

どんなに都会から離れた地域でも地方公務員の給与額がそのままもらえますので、収入の心配も皆無です。

その地域では高給取りの方になるかもしれません。

どこの小学校に赴任するか辞令が出るまで分かりませんが、自分の出身校の教師になることも夢ではありません。

採用面接の中で希望する地域は申請できますし、その地域の希望者が少なければ、赴任できる可能性は高まります。

同級生の子どもが自分の教え子、なんてパターンも楽しみですね。

昔自分を担任してくれた先生と机を並べて仕事するということもあり得ます。

地元で働きたい人にとって、小学校教師は最適な職業だと言えるでしょう。

年齢や性別に関係のない職場で働きたい人

小学校の職場は、年齢の上下も性別も関係ありません。

経験年数で給料が違うという現実を除けば、仕事内容はみんな同じです。

若いからといって雑用ばかり押し付けるというようなことはありません。

老若男女全員がひとりの社会人として尊重されます。

職場でのパワハラや性差別が気になる人には、小学校という職場は理想的です。

安定した給料と昇級がほしい人

安定した職業に就きたいと思うなら、小学校教師は有力な選択肢となり得ます。

景気に影響されることがなく、給与額が大幅に下がることもありません。

一度採用されれば定年まで終身雇用が望めますし、毎年給料が上がっていきます。

そして今後の年収をある程度見通せるので、家や車、子どもの学資保険など、多額の出費が必要な計画も早めに始めることができます。

安定した収入と確実な未来設計ができるところに、教師という仕事の強みがあります。

まとめ

小学校教師の話題になると、まず「大変でしょうね。」という言葉が出てきます。

確かに今の学校には「ブラックな職場」「夜遅くまで電気がついている職場」というイメージがつきまといます。

小学校教師を続けていくのは確かに大変です。

常に授業のことを考えておかなければならないし、休日出勤は当たり前です。

学期末ともなると、通知表の作成や休み中の宿題の準備などに、睡眠時間を削って取り組んでいかなければなりません。

ある意味24時間「教師」であり続けなければならないのです。

だからこそ、多少給料が高いのは当然だと思います。

安定した環境と収入が保証されるべきなのです。

教師という職業にはそれだけの資格があると私は思います。

「苦労は望むところだ」「覚悟の上だ」という情熱溢れる人には、安定した教師の仕事はお奨めです。


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