教員としての仕事は子どもたちに勉強を教えるだけではなく、人間性を育てるものです。

子どもたちのお手本となるべき存在となるため、多くの人からの目線も多く、行動や言動の一つ一つに責任が付きまとい、息が詰まりそうになることもしばしばあります。

その仕事量と内容は、「大変」という一言では収まらないほどです。

ここでは、中学校教員の役割ごとの仕事の内容に触れながら、そのやりがいや面白いポイントにも焦点を当てて紹介していきます。

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中学校教師の仕事は大きく2個の役割に分けられる

学級担任を持っている先生

小学校ではほとんどの先生が自分の担任学級を持っていますが、中学校ではそうではありません。

中学校では、担任学級を持っている先生は自分のクラスの生徒の生活指導のほか、卒業後の進路指導を行います。

授業は自分の持っている免許の教科のみなので、自分の学級以外にも様々な学級を受け持つことになります。

多くの場合は自分の担任をしている学級と同じ学年を教えることになりますが、多学年にまたがって受け持つこともあります。

学級担任を持っていない先生

担任を持っていない先生は、各学年に副担任の先生として配属されます。

自分の担任がない分、学年全体の生徒を支えるほか、担任学級を持っている先生のサポートを行います。

事務的な仕事が多く、学年全体での行事や授業の準備や資料の印刷をすることが多いです。

授業の受け持ち方は担任学級を持っている先生と同様です。

副担任の先生以外にも、保健室にきた生徒をケアする養護教諭の存在を忘れてはなりません。

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学級担任を持っている先生の5個の業務

学級経営

学級担任の先生は、自分の担任している学級の生徒の毎日の生活指導をはじめとして、その先生独自のカラーを出しながらの学級経営を行います。

生徒たちを引っ張る存在ではありますが、全てを先生の指示で行うのではなく、様々なことを生徒たち自身が自分たちで考え、実行する行動力を育てて行く必要があります。

毎日の声かけはもちろん、提出物のチェックや生徒たち同士の関係性をよく観察しながら、一人一人の生徒が安心して学校に来られるように配慮していかなければなりません。

保護者との関わり

小学校では毎日の連絡帳でのやりとりがありましたが、中学校にもなるとそうではなくなります。

学級通信やお便りなどでの保護者の方々との連絡はもちろんありますし、年度始めの家庭訪問や学期末の保護者面談は担任自身がどのような人柄なのかを知っていただくと同時に、保護者の方々がどのような想いを持って子どもたちを育てているのかを知ることのできる大切な機会となります。

また、中学校教員は部活動の顧問として大会や練習試合の引率に行く機会が多いため、保護者の方々と会うこともあります。

子どもたちを教え導く立場ではありますが、大事な子どもたちをお預かりしていることを忘れず、保護者の方々の想いを汲み取ることも大切です。

学習指導

中学校教員は自分の持っている免許の教科を、自分の学級だけでなく複数の学級に教えることになります。

実際に授業を行うための教材研究から準備、そして授業後の評価までを自分が教科担任となっている学級の分だけ行います。

学級ごとに雰囲気が違うので、同じ内容を教えていたとしても、反応が違ったり、はたまた理解度が違ったりするので、授業方法にも工夫が必要です。

学習指導を行う際に小学校の教員と大きく異なるのは、各テストは自分で作成する必要があるという点です。

テストの結果や普段の提出物、授業態度などを参考に、学期末の成績評価を行います。

進路指導

担任を持っている教員は、中学校1年生の段階であっても、なるべく早めに卒業後の進路についての指導を行います。

一人一人の生徒が自分の将来を見据えて、卒業後の進路を決定できるように気持ちに寄り添うことが大切です。

その生徒にとっての最良の選択を一緒に探しますが、最終決定権があるのは生徒自身なので、必要異常に否定せずにしっかりと耳を傾ける必要があります。

部活指導

中学校教員は、管理職と養護教諭を除いたほとんどの教員が顧問として何らかの部活動に所属しています。

毎日、放課後は自分の担当している部活動の子どもたちを見守ったり、一緒に体を動かすことによって指導を行います。

平日だけではなく、土日祝日も練習や大会、練習試合の予定があれば活動することになっています。

自分の経験してきた部活動の顧問として指導できることもありますが、ほとんどの場合はランダムで配置されることが多いので、希望が通らなくても割り切ることが大切です。

学級担任を持っていない先生のそれぞれの業務

副担任

学習指導

担任として学級を持っていない教員は、教科担任として自分が所属している学年を中心に授業を受け持つことが多いです。

授業の準備からテスト作成、その後の評価を行う点では、担任を持っている先生と同じです。

しかし、担任を持っていない分、学年の生徒たちとしっかりと関わることができるのは授業の時間しかないと言っても良いほど大切な時間となります。

一人一人の理解度や授業中の頑張りを良く見て、生徒を褒めることはもちろん、それを担任の教員に伝えることも大切です。

所属学年での事務仕事

学年の先生方が共通で使う教材や文房具、大事な資料を整理整頓したり、学級担任の先生が総合や学活、道徳の授業で学級に入っている時間を利用して学年全体で使う資料を印刷したり、学年で共通のプリントを集めて管理します。

担任を持っていないからといって自分の仕事だけをするのではなく、担任を持っている先生方がやらなければならないことをスムーズに進められるようにサポートするのが副担任の先生の仕事の中でも大切なものとなっています。

部活指導

学級担任を持っている教員と同様に、副担任の先生も顧問として部活動の指導にあたります。

担任をしているか、そうではないかにかかわらず、部活指導の仕事内容に大差はありません。

平日はもちろん、計画に合わせて大会の引率や練習試合があるのならば、土日祝日にも部活動に顔を出すことになります。

大会に出場するための手続きや練習試合の相手探し、生徒たちに渡す練習計画表や緊急連絡網づくりなど、事務的な仕事もたくさんありますが、時間を作ってこなして行く必要があります。

養護教諭

保健室に来室した生徒のケア

養護教諭は、体調を崩して保健室に来る生徒のケアを行います。

その症状によって教室に戻したり、保健室で生徒を休ませたり、保護者の方へ迎えの連絡を入れてもらったりするなど、判断力を問われます。

身体的な不調だけではなく、心の面が起因する体調不良を訴えている場合もあるので、生徒一人一人の表情や雰囲気をよく観察する必要があります。

場合によっては、教室に行って授業を受けることが困難で保健室に登校してくる生徒もいるので、その生徒のケアを行います。

ケアをして終わりではなく、誰がどのような内容でいつ来たのかを毎日記録し、まとめます。

保健指導

身体測定や耳鼻科検診、歯科健診などの各種健診を行うに際しての連絡のお便り作りをしたり、インフルエンザなどの感染症が流行している期間には、かからないための対策を指導することもあります。

生徒たちへはもちろんですが、教職員への呼びかけも行います。

学級閉鎖や学年閉鎖になるほどの欠席者がいる場合は、教育委員会へ連絡を入れたり、その後の対応を管理職と一緒に考えるなど、生徒たちの健康管理のために尽力します。

中学校教師のやりがいとは?

担任を持っていても、そうではなくてもその忙しさに目が行きがちな中学校教員としての仕事ですが、実際に働いて見なければ感じることのできないやりがいがあります。

ここでは、数あるやりがいの中から3つに焦点を当てて紹介します。

中学生時期独特の気持ちの変化と向き合う難しさ

中学生と言ったら、思春期のど真ん中。

成長過程の中で心が最も大きく揺れ動き、多くのことに悩み、壁にぶつかることがある年代です。

そのような難しい、揺れ動く心を持った生徒たちと向き合うことは簡単ではありません。

しかし、そのような子どもたちだからこそ持つ成長の伸びしろと、悩みを振り切った後の清々しい姿を見ることができるのは、嬉しいものです。

時には八つ当たりできつい言葉を言われることもありますが、それは真剣にぶつかっているという証なのだと筆者は思うのです。

成長していく姿

小学校を卒業し、気持ちを新たに中学校1年生として入学してくる生徒たちは、日々の生活を通して3年間で大きく成長します。

1年生の頃は小学校の延長のように無邪気だった子どもたちも、卒業間近の3年生ともなるとまるで別人のように変わっていく子もいます。

3年間を通して考えると心身共に大きく変化しますが、その成長は日々の積み重ねによるものです。

学習面や部活動、友だちとの関わり合いの中で、昨日できなかったことが今日できていたりするなど、悩みながらも前に進んで行く姿を見ていると、勇気をもらえるものです。

生徒と心が通じたとき

生徒との関わり方は、教員にとって一つの課題とも言えます。

まるでお兄さんやお姉さん、友だちのように接して馴れ馴れしくすることもできませんし、だからといって厳しくなりすぎるのも生徒たちを萎縮させてしまい、良いとは言えません。

心の面での成長が著しい中学生は特に、教員との関わり方が難しいものです。

授業がわからない、部活動で悩むことがある、友人とうまく関わることができない。

生徒たちの悩みは様々ですが、それを素直に伝えることができない子もいます。

そのような生徒の様子をよく見て、教員が声をかけてみたり、配慮してみて問題を少しずつ解決していくことで、生徒の心には安心感が生まれ、先生への信頼へと繋がります。

他にも中学校教師のやりがいは、こちらの記事を参考に!

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中学校教師の面白いポイント

授業に部活指導、生徒指導など、1日にこなさなければならない仕事がたくさんある中学校教員としての仕事ですが、その忙しさの反面、面白い点が数多くあります。

ここでは、実際に筆者の感じた面白い点について紹介します。

生徒との関わり合い

毎日、生徒たちと学校生活を共にしている中で、その信頼関係は深まっていきます。

授業や部活動以外の業間休みなどのなんてことの無い、取り留めもない時間がとても楽しいものです。

生徒たちが今どのようなものに興味があるのか、何が好きなのか、自分とどのような共通点があるのかを知ることのできる大切な時間となります。

どんなに忙しかったとしても、生徒と何の変哲も無い会話をしているのは癒されますし、面白いですよ。

学習指導

授業を行うまでの教材研究や準備は頭を悩ませますし、授業後の評価は責任のあるものなので慎重に行わなければなりません。

しかし、実際に授業をしていると、教えている内容が理解できたときの生徒の表情の変化や、互いに教え合う姿を見ると嬉しくなるものです。

中学校では教科担任として複数の学級へ行って授業をすることになりますが、同じ内容を教えていたとしても各学級ごとに反応が違うので、面白いですよ。

また、一つの質問に対しても教員の予想だにしない回答がされるなど、思わずクスッと笑ってしまう瞬間があるのも楽しい瞬間の一つです。

部活指導

昨今では教員の仕事を多忙化させる原因の一つとして大きく取り上げられている部活指導の時間ですが、その忙しさの反面にやりがいと面白さに溢れているものとなっています。

実際に、放課後に部活指導をしていると教材研究やテスト作成のための時間が減ってしまうので、体力的にも時間的にも大変なことに変わりはありません。

しかし、部活動の時間は授業や業間休みとはまた異なったコミュニケーションの時間となり、生徒との信頼関係がより強固なものとなります。

また、部活動での人間関係は、いじめの温床となりやすく教員にとっても見守りの目を鋭くしなければならない場所ではありますが、それは同時に一人一人の生徒の気持ちをよく汲み取り、側に寄り添うことにも繋がります。

毎日の練習はもちろんのこと、練習試合や大会などで成績を残すことができると、生徒たちは自信をつけることができますし、指導してきた教員にとっても嬉しい瞬間となり得ます。

行事

体育祭や合唱コンクールなどは生徒個人の力はもちろんですが、それだけではなく、学級や学年全体が心を一つにすることによって成し遂げられる行事です。

練習している間は生徒にとっても教員にとっても大変ですが、当日に力を出し切ることができると、とても大きな達成感を得ることができます。

筆者自身は中学校で勤務していた際、生徒たちが行事に向かって一生懸命取り組む姿にもとても心を打たれましたし、本番でしっかりと練習してきた成果を発揮できた様子を見て、とても感動しました。

行事に向けた取り組みは長期間にわたるものなので、教員の力量が問われるものとはなりますが、本気で向き合った分、生徒もその姿勢で返してくれるものなのです。

まとめ

中学校教員としての仕事は、思春期真っ只中の子どもたちを相手にすることになるので、関わり方や信頼関係の結び方などに難しさを感じることがありますが、実際は生徒から学ぶことがあったり、面白い点があったりとやりがいに溢れています。

その仕事量と責任にばかり目がいくことが多いですが、生徒たちと過ごす時間はとてもかけがえのないものです。

筆者自身、中学校という職場を離れてから思い出すのは、自分が中学校教員として働いていたときの楽しい思い出ばかりです。

もし、中学校教員として働くことに興味があるのならば、生徒たちの成長を間近で感じられる教育現場の最前線で働いてみませんか。

中学教師になるには、こちらの記事を参考に!