数ある職種の中で、塾講師は大学生の間でも人気アルバイトの一つであり、アルバイトから正社員として昇格する形で勤務を継続する人もいます。

塾講師の主な仕事である授業を行うこと以外に様々な苦労も多い職場ですが、様々なスキルを学び活かすことで、自分の成長に繋がる、やりがいある仕事であると感じています。

今回は塾講師の仕事について紹介します。

塾講師の仕事

前述通り、塾講師の中心業務は塾生に授業を行うことです。

塾の経営規模や指導形態に左右されますが、今回は小学生~高校生を対象にした小規模な学習塾を想定して業務内容を紹介します。

塾講師の仕事内容

塾講師は、一般的には以下の業務を行います。

  • ①出勤後の授業準備
  • ②電話対応・来客対応
  • ③保護者懇談・生徒面談
  • ④授業
  • ⑤教室清掃・報告業務

塾での一日の流れは上記のようになります。

 

ここからは私が複数の学習塾で勤務した経験を基に説明します。

ただし、学習塾の雇用体系や運営形態で異なる部分が出ることを踏まえて参考にしてみてください。

出勤後の授業準備

学習塾は、子供が学校から帰宅する夕方以降が業務を開始する時間になるので、基本的には午後からの出勤となります。

生徒の受け入れ対象にもよりますが、浪人生が在籍する予備校であれば生徒が通塾できる時間帯に合わせて塾を開校するするため、校舎の形態に合わせて変化します。

それとは別に、学校が夏休みなどの長期休暇に入る場合は特別講習の期間になるので、出勤時間が通常とは異なってきます。

出勤すると、授業担当の時間割を確認し、各講師が必要とする授業の準備に入ります。

例えば、教科書で扱う内容を確認したり、該当する範囲のワークブックの問題を解いておいたり、必要に応じて授業前後に行うチェックテストを準備したりします。

担当教科や授業スタイルにより様々ではありますが、授業準備で大切なことは板書計画を練っておくことです。

板書は、生徒が授業の要点をノートに書き写し、家庭学習や復習の参考にする大切なものです。

そのため、授業前に準備した板書計画をまとめたノートなどを授業に持参する先生もが多くいます。

電話・来客対応

授業準備をする傍ら、随時電話に対応します。

電話の内容は新規入塾希望者への案内が多く、希望に応じて資料の送付や授業見学の提案を促します。

また、授業を欠席する生徒の保護者から連絡が入ってくることもあります。

聞き逃しがないよう用件のメモを取るなどして、その場に応じた対応を適切に取ることが大切です。

一方で、電話対応だけでなく、来塾した飛び込みでの来客対応を行う時もあります。

資料請求や塾の説明などを求めて来塾したお客様へ、入会概要の説明や案内を行います。

主には塾長や教室長が担当しますが、問い合わせのタイミングに合わせて適切な対応が求められますし、その際の印象で入塾に繋がるかどうかに左右されます。

保護者懇談・生徒面談

定期的に生徒の保護者と懇談の機会を設けて、塾だけでなく家庭での様子を共有し、今後の指導方針に繋げていく大切な時間です。

特に受験生の保護者の場合は、進路相談などを行うことで今後の目標設定を明確にしていきます。

また保護者懇談とは別に、生徒と話をする生徒面談を設けている学習塾もあります。

主には学習に関しての悩みを抱える生徒が多いのですが、積極的に講師に相談できないパターンが多いです。

生徒の状況や悩みを共有するために、講師から生徒の言葉に耳を傾けてきちんと聞き取ることが必要になります。

そして、生徒の悩みに合わせたアドバイスを送ることで、生徒のやる気を引き出すことが目的になります。

授業

塾講師にとって軸となる授業なので、授業前の準備を行って臨むことになります。

時間は塾の指導形態や対象学年で異なりますが、50分~90分程度であるパターンであることがほとんどです。

塾で行われる授業時間で配分を考えたり、決められた時間内で教えられる内容を把握したりした上で、その日の授業を組み立てなければなりません。

少なくとも、授業前に計画していた内容を次回に持ち越さないよう綿密に計画を練る必要があります。

授業方法で多く見られるのは、授業内容の要点を解説し問題を演習させるという流れです。

上記以外では、問題演習の時間を取り生徒の様子を観察する場合があれば、生徒の理解度に注意しながらポイント解説に時間を割く場合もあります。

事前準備を行っても、生徒の様子や理解度に応じて柔軟な対応が求められます。

参考:テストや書類の作成

私が勤務している学習塾では、全県で実施される学力テストを主催しています。

そのため学力テストの問題作成も、上記で紹介した業務以外に割り当てられることになっています。

業者から模試やテストを取り寄せる場合とは異なりますが、塾内で作成を行わないこともあるので、勤める塾の仕組みに気をつける必要はあります。

その他、校舎で配布する連絡プリントなどの作成などもあります。

プリント作成を担当する場合は、日々の業務の中で時間を見つけて適宜対応していかなければならない仕事です。

教室清掃・報告業務

授業が終わり生徒が帰宅したら、使用した教室清掃と授業についての業務報告を作成します。

中小規模の塾では、塾のスタッフや講師が直接清掃にあたることがほとんどです。

また授業における業務報告については、授業進度や理解度だけでなく、生徒の授業中の様子やテストなどの学校の行事日程などの情報を共有する時間になります。

未経験塾講師とベテラン塾講師の違い

塾講師以外に教室長などの役職がつかないと行えない業務もありますが、経験を重ねることで行える業務も増えていきます。

そこで未経験講師とベテラン講師の業務の違いについて説明します。

授業を行う塾講師について

塾講師を始められる方のほとんどは、未経験の方が多いです。

私も塾講師は未経験から始まり、ベテランの講師から授業の方法や業務について様々なことを多く学びました。

しかし、通塾する生徒にとっては、塾講師の経験の有無に問わず、教壇に立てば一人の先生として見られます。

未経験者の場合、生徒の前で授業を行うだけで手一杯になりますが、業務については経験を重ねて覚えていくことになってきます。

校舎長や教室長の仕事

経験を積んだベテランの講師は配属教室の責任者を任されることがあります。

校舎長や教室長として、入塾面談や保護者懇談など生徒や保護者の窓口になる業務を担当します。

塾講師として生徒と接し授業を行ってきた経験を頼りに、的確且つ適切なアドバイスが可能だからこそ行える業務になります。

また夏期講習などの塾内での企画や日程を立てることも行います。

それをもとに講師全員での話し合いを経て決まります。

その日程には、受験や模試など生徒にとって重要な位置づけとなるものがあるので、講師の配置などは校舎長や教室長に一任されることが多いです。

未経験の講師は、運営に参加したりサポートしたりすることでその計画・運営を学ぶことが必要です。

未経験でもスムーズに塾講師の仕事を始めるポイント

どの職種においても未経験者は、業務に入る前後で大切なことがいくつかあります。

それは授業に対する技術的なことだけには限らないため、以下のことを参考にしてみてください。

授業研修を大切にすること

塾講師未経験者にとっては、授業のポイントだけでなく、どのように授業を行えば良いかをきちんと学ぶ機会を大切にしなければなりません。

授業の流れや上手に進めるコツなどをベテランの講師から指導を受ける大切な機会です。

授業研修で授業の組み立て方を教わったら、実際に模擬授業を行った上で改善点などを指摘してもらいましょう。

実際に模擬授業を行うことで、授業の進め方だけでなく人前で話すことに慣れることにも気づかされます。

私も非常勤の先生の授業研修を担当していますが、本人は無意識に行う癖が授業中に出てしまい、他人の目から見て気になることを指摘することがよくあります。

板書方法や授業内容の伝え方、目線の配り方などベテランの講師から助言されることで、授業をより良くすることに繋がっていきます。

授業準備は早めに行う

未経験の講師の場合、授業以外の日々の業務に慣れるのに追われることも出てきます。

そのため、授業準備に時間が取れないことも少なくありません。

業務の一日の流れが掴めてきたら、先を見越して、早めの授業準備を心がけましょう。

また、学校の授業進度は前後することも多く、授業が進むペースも学校によって違いがあります。

生徒は勉強した中で分からないことを質問してくることがあります。

上記のような様々考えられることを想定して準備ができていないと、満足な授業を生徒に提供することが難しくなります。

早めの準備心の余裕を持たせるだけでなく、不測の事態に対応するためにも大切なことなのです。

コミュニケーションを大切にする

塾講師は生徒や保護者など人と常に接している仕事です。

授業だけでなく、保護者対応や電話対応などの一つ一つが校舎全体の空気や評判に影響してくることを忘れてはいけません。

そのために、日頃から生徒とコミュニケーションを取り、信頼関係を築いていくことが大切になります

生徒と先生は友人関係ではないので行き過ぎた干渉はいけませんが、笑顔を心がけて生徒に声をかけてあげることがコミュニケーションを磨く一歩になります。

講師と生徒のコミュニケーションで良好な関係が築けてくると、保護者にとっても安心して塾を預けられるきっかけにもなります。

塾講師のやりがい

塾講師は授業以外に行う業務も多いため大変に感じることもありますが、それ以上にやりがいを非常に感じる仕事です。

近くで生徒を見守り、成長を実感することができるからです。

そこで、どのようなタイミングで塾講師の仕事にやりがいを感じるかをまとめてみました。

生徒の喜びの声を聞けること

生徒は勉強で困っていることがあるので塾に来ます。

その中で、学校の授業で分からないことを理解するために、講師を頼りにしてきます。

塾講師は生徒が困っていることに対して寄り添い、生徒によって異なる「分からないこと」に対応します。

分からないことが解消できて笑顔になる生徒を見ることが、塾講師の何よりの励みです。

塾講師の成長のきっかけになる

生徒は塾に通い、分からないことを理解することで力を付けて成長していきます。

理解できることを一つでも増やせるように生徒は努力し、目標に向かって頑張っています。

塾講師はただ授業を行って生徒に理解させるだけでなく、生徒の努力して頑張る姿を見ることから学ぶこともあります。

生徒の様子に合わせた授業準備を行ったり生徒の質問に真摯に答えたりすることで、生徒のためにできることを考えて行動するようになります。

それが塾講師としての成長にも繋がっていきます。

様々な人との出会いが刺激になる

各校舎には文系科目(国語・英語・社会)の担当講師と理系科目(数学・理科)の担当講師がいます。

授業を担当する科目は、学生時代に得意だった科目や大学などで専攻している学問によって分かれることが多いです。

例えば、私は文系科目担当の講師ですが、理系の講師とは違った考え方や経験を持っています。

それは科目に対する考え方だけでなく、学生時代の過ごし方が違った人たちとの出会いが多く、出会った人の学生時代の経験を教わることが刺激になる環境でもあります

また塾の経営方針や特別講習など人手が必要な際には、学生アルバイトを募ります。

学生アルバイトの大学生活や今までの経験の話を聞くこともあるので、新たな世界が開けてとても楽しいです。

生徒、保護者、そして同じ現場で働く講師など、年齢や性別を問わない幅広い人たちと出会うことができるのも魅力の一つです。

塾講師の大変なこと

塾講師の一日の業務量は多く、生徒などの目標を達成するためプレッシャーに感じることも多いです。

特に大変だと感じることを紹介します。

生徒の成長に繋がる方法を考えること

親身になって生徒の指導をしていても、成績が上がらないなどの理由で退塾する生徒もいます。

塾に通う上で、成績を上げることや受験に合格することは、生徒の目標や保護者の目的になってきます。

けれども塾で勉強の仕方を教わっても、復習や家庭学習などを実践するのは生徒本人になり、生徒のやる気を引き出せなかったことには、大いに反省が必要です。

月謝を払ってもらい通塾しているので、成績が上がったり勉強が分かるようになってきた喜びを感じてもらいたいものです。

生徒に勉強するやる気を引き出す授業作りを工夫するのは簡単なことではありませんが、失敗を授業等に活かすため考えていくのがやりがいへと繋がっています。

講習期間の長時間勤務

学校の長期休業に入った生徒に向けた夏期講習などの特別編成の授業のことです。

通常は週1回~2回の授業を行いますが、長期休業の間に学習習慣を身につけさせるために、1日3教科~5教科ずつ毎日授業が行われます。

講習期間は朝から教室を開放して授業を行うだけでなく、生徒がいつでも利用できるよう自習室も夜遅くまで解放されている塾が増えています。

通常時とは異なるリズムでの生活になってしまうため、体調管理に気を配る必要が出てきます。

また授業時間も拘束時間も長いため体の疲労感は強くなりますが、生徒の頑張る姿に励まされています。

塾講師の仕事で身につくスキル

様々な業務を経験していくことで身につくスキルも多岐にわたります。

塾講師として勤めることで身につくスキルのいくつかご紹介します。

ライティングスキル

最近の試験問題においては、200字~500字程度で意見や考えを解凍する論述問題が多く出題されるようになりました。

講師は解答された論述問題の解答を読み、添削した上でアドバイスをする仕事も行っています。

その作業の中で文章表現のポイントを学び、分かりやすく明快な文章を書くためのスキルを手に入れることができます。

コミュニケーション能力

私が学習塾で勤務を始めて一番身についたものが、このコミュニケーションに関するスキルだと考えています。

塾で働くスタッフは、保護者から月謝を頂いて大切な子供を預かる立場です。

子供や保護者から信頼してもらえるよう、その場に応じたコミュニケーションを取ることが必須です。

最初は慣れるまでに戸惑いもありますが、積極的に来客対応をすることで慣れてきます。

生徒をはじめとした接客対応を積み重ねていくことで、信頼を得るだけでなく警戒されないことに繋がるよう、明るく笑顔でコミュニケーションを取る能力は必須です。

パソコン、電話対応のスキル

どちらも日々の業務に必須のものです。

WordやExcelを使って保護者への案内文書や掲示物を作ることも多くありますが、その仕事を通じパソコンに関するスキルが身につきます。

最近では電話が苦手な人も増えているようですが、塾への問い合わせで電話で対応することを求められるので、経験を重ねて慣れていきましょう。

電話対応マニュアルを常備されている塾が増えているので、失敗を重ねながらもベテランのスタッフに指示を仰ぎながらスキルを磨いていくことができます。

まとめ

いかがでしたか。

塾講師は日々の努力が重要となる仕事ですが、自分の成長を強く感じられる日々を過ごせます。

塾講師が大変でありながらも、やりがいのある仕事として興味を持たれた方は、一度挑戦してみることをおすすめします。



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