転職希望者の誰もが、できるだけ早く、スムーズに転職したいと願っているはずです。

では、転職を成功するためには何が必要なのでしょうか?

大手転職エージェントなど人材サービス業界で転職支援を長年行っている現役キャリアコンサルタントが、転職したい人が必ずやるべきtodoリストとその理由、転職活動の流れについて成功と失敗の実例を交えながら、詳しくご紹介します。

転職の流れ

転職活動には活動を開始するまでの事前準備、転職サイトや転職エージェントへの登録、応募などの実際の転職活動と内定までの流れがあります。

この流れを理解し、それぞれのステップのポイントをしっかり押さえて活動することで、転職を成功することができます。

【ステップ1】事前準備

キャリアの振り返りと自己分析

採用担当者は、応募者がどんな企業で何をしていたか、何を頑張ってきたか、どんなスキルを持っているのか、これからどんな活躍をしてくれる人材なのかを知りたいと思っています。

面接で最大限アピールできるように事前に自分自身について充分理解しておく必要があります。

そのために欠かせないのが、キャリアの振り返りと自己分析です。

転職活動を始める前にキャリアの棚卸しと自己分析を行うことで、ミスマッチを防ぎ、転職の成功に一歩近づくことができます。

キャリアの振り返りと自己分析を行うメリット

(1)こだわりたいこと、目指したいことが分かる

どんな時にやりがいを感じたのか、どんなことにこだわったのかが分かれば、これから何を目指していくべきか、など転職で求めたいものが何か分かります。

転職では、給与や勤務時間など、条件だけに目がいきがちです。

しかし、条件だけを見て転職をすると、入社してから自分が求めていたものと違うと感じ、短期での転職を繰り返すという失敗をしてしまいます。

自分が転職に何を求めているのかが分かっていれば、求人を見るポイントも分かり、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

(2)強み(長所)・弱み(短所)が分かる

上手くいったこと、失敗したことを振り返ることで、自分の強み、弱みが分かります。

弱みに関しては、どのように工夫すれば、弱みをカバーできるかが分かります。

(3)実績やエピソードの洗い出しができる

職務経歴書に記載する自己PRに具体的な実績やエピソードをまじえることで、アピールポイントの裏づけや根拠となり、説得力が増します。

(4)身についたスキルや能力が具体化できる

今までの仕事でどんなスキルや能力が身についたか、キャリアコンサルティングの場でスムーズに答えられる人は多くありません。

具体的に伝えられるように客観的に知ることが大切です。

退職理由の整理と目標の明確化

退職理由を整理することで、転職理由や目標を明確化することができます。

退職理由を整理することがなぜ必要なのか、実例を挙げてご説明します。

営業職Aさんの例(男性:27歳)

転職理由は「ノルマがきつい」でした。

どんな条件で転職活動を行ったのか確認すると、給与だけで業種や仕事内容はこだわらずに仕事を決めていました。

ノルマがきついと感じ、前職を退職したことを忘れて、2社目が新規開拓で、個人ノルマがあることを理解しないまま入社を決意。

結局、短期間で転職を検討することとなってしまいました。

どうして転職が失敗したのか?

Aさんは営業として目標数字を追うことができなかった訳ではなく、新規開拓で短期間に売上を上げる営業スタイルに向いていなかったのです。

既存顧客と時間をかけて信頼関係を築き、自信を持って勧められる製品であれば、潜在能力を発揮し、やりがいを感じることができるということが、キャリアコンサルティングで明確化しました。

キャリアを振り返り、仕事に対する考え方を整理し、自分のスキルや能力について見直した結果、新規開拓ではなく、固定得意先管理で、将来性のある製品を扱っている企業に魅力を感じることが分かりました。

ただ、どの企業に面接にいっても失敗した転職について厳しい言葉を受けました。

しかし、他者の所為にせず、真摯に過去の失敗に向き合ったおかげで、苦労をしたものの希望の会社に転職することができたのです。

Aさんのように転職理由が頭の中では分かってはいるものの目先の条件に惹かれて転職を失敗する方は少なくありません。

しかし、なぜ退職したのか、転職理由は何か、次にやりたいことは何かを分析、整理することで、これらの失敗を未然に防ぐことができます。

職務経歴書の作成

職務経歴書は自分のキャリアを示す重要な書類です。

履歴書と違って決まったフォーマットがなく、これが正解!というものがありません。

それだけに履歴書と比べて、個人差が出ます。

採用担当者が職務経歴書のどんなところを見ているのか、具体的にご紹介します。

採用担当者が見る職務経歴書のポイント

(1)どんな会社で何をしてきたか(在籍していた会社の事業内容・企業規模・職務内容・役職)

同職種でも未経験職種への転職でも必ず、応募先のニーズに焦点を当てて、ポイントをおさえ、経験した内容を記載します。

この際に注意しなければいけないのは、その企業でしか通用しない用語は控え、一般的に通用する言葉に置き換えることと、具体的な表現をすることです。

例:「新規プロジェクトチームに参加」と書くだけではなく、「どんなプロジェクトなのか、その期間や内容、チームの人数、自分の役割など」まで書く。

職務経歴書を見るだけで、応募者の働いている姿がイメージできるように書かなければいけません。

(2)実績と成果

今までの仕事で上げた実績や成果を可能な限り、数字化することで職務内容の裏づけができます。

定型業務中心の場合も業務の中で工夫したことを思い出してみましょう。

仕事に対する取組み方や意識をアピールすることができます。

どうしても思い出せない場合は、キャリアの振り返りをもう一度、見てみましょう。

(3)どんなスキルがあるか

パソコンスキルや語学力など汎用性の高いスキルや能力を簡潔かつ具体的に書きます。

(4)人柄、人間性

職務経歴書は、やっつけ仕事で作成したかどうかがすぐに分かります。

会ってもらいたいという強い気持ちが感じられるか、第三者が見る書類ということを考えて作成されているか、言葉の選び方やまとめ方からも能力や人間性を感じ取ることができます。

以上のように職務経歴書を丁寧に作成することが、書類選考率を上げ、転職成功への近道となります。

活動スケジュールを決める

一般的に転職活動に必要な期間は事前準備を含めて、おおよそ6ヵ月、応募から内定獲得までの理想的な期間は3ヵ月といわれています。

いきあたりばったりで転職活動を始めてしまうと、冷静な判断ができずに失敗してしまうことも少なくありません。

スケジューリングができていないことで、せっかくのチャンスを失うこともあります。

研究職Bさんの例(男性:32歳)

担当する研究開発の業務が多忙で、応募先から面接日程の連絡がありましたが、現職の仕事で日程調整に時間がかかり、その間に別の候補者の選考が進んで、採用が決定。

希望していた求人だけにかなりのショックを受受けられましたが、その後、転職エージェントを利用し、転職することができました。

在職中の転職活動は、応募先から指定された面接日時の都合が悪い場合は、すぐに別の候補日を連絡できるように現職の仕事状況を調整、確認しておく必要があります。

どうしても調整が難しい場合は、転職エージェントを利用して、効率的に転職活動を進めましょう。

すでに退職している方も複数の面接が重なった場合に備えて、スケジュール管理をしておかなければいけません。

【ステップ2】実際の転職活動

転職手段の情報収集

転職活動を始める際にいきなりネットで求人を検索する方が多くいます。

もちろん、希望する求人がどれ位あるのか、など求人市場を知ることは大切なことですが、それよりもまずどんな転職手段があるのか、情報収集を行うことが重要です。

転職手段は、転職サイト、転職エージェント、ハローワーク、求人広告、企業HPが挙げられますが、それぞれの特徴、メリット、デメリットを知る必要があります。

また、年齢やキャリア、職種によって最適な手段を複数使い分けることが、効率的に転職活動を進めるポイントです。

転職サイトや転職エージェントは利用方法を事前に調べ、準備を整えます。

ハローワークは求職中の方はもちろん、在職中の方も求人検索の利用が可能ですが、利用できる時間が限られていますので、事前にチェックする必要があります。

すでに応募したい企業が決まっている方は、口コミサイトに登録し、現場で働いている社員のナマの声を見ることができます。

ただし、すでに退職した社員は感情的な意見を書く方もいます。

あくまでも参考程度にしなければいけません。

転職サイトの登録

転職サイトとはどこでもすぐに求人情報をチェックできる手軽な転職ツールのひとつで、求人情報や転職に関するノウハウの情報提供をオンライン上で行っているWebサイトです。

『DODA』『リクナビNEXT』『マイナビ転職』『エン転職』など大手が運営するサイトから、地域や業種、職種に特化した転職サイトまで数多くの転職サイトがあります。

転職サイトの利用方法

会員登録をするだけで、求人検索から内定までほとんどネット上で行うことができます。

登録は無料なので、気軽に利用できることが最大のメリットです。

在職中で転職活動の時間がなかなか取れない人も通勤時間や休憩時間にスマホで求人をチェックすることができるのも魅力です。

転職サイト登録の注意点

数多くの求人が掲載されているので、肝心の求人を見逃してしまいかねません。

希望する求人をもらさずチェックできるように検索条件やキーワードを整理しておく必要があります。

また、給与や仕事内容、企業規模や事業内容など求人のチェックポイントをおさえておかなければいけません。

何を目的に転職するのか、退職理由と目標の明確化で行ったことを思い出しながら、応募先を選びましょう。

応募の際は、履歴書と職務経歴書を添付する場合もありますが、ほとんどが登録時のデータで書類選考になります。

経歴の登録に作成した職務経歴書のデータを使用すれば、充実した内容のデータを送付することができ、かつ登録もスムーズになります。

転職エージェントの登録

転職エージェントとは、求人の紹介から応募書類の添削、面接のアドバイス、面接の日程調整など面倒な転職の手続きをすべて無料で行うサービスです。

正式名称は有料職業紹介事業所。

厚生労働省の認可事業所で、職業安定法に基づき運営されているので、安心してサービスの提供を受けることができます。

転職エージェントには、業種、職種を限定せず、国内外の数多くの求人を扱う「総合型」と特定の業種、職種、地域に特化した「特化型」の2タイプがあります。

総合型を複数、または総合型と特化型を併用するなど、複数の転職エージェントに登録することで、効率的に転職活動を進めることができます。

代表的な総合型エージェント

  • リクルートエージェント
  • DODA(パーソルキャリア)
  • マイナビエージェント
  • JACリクルートメント

代表的な特化型エージェント

  • ワークポート(IT・Web業界)
  • ハタラクティヴ(第二新卒など若年層)
  • クリーデンス(アパレル業界)
  • フーズラボ・エージェント(飲食業界)

転職エージェントを活用するメリット

  • 希望条件にマッチした求人の紹介を受けられる
  • 面接日の日程調整や条件交渉など面倒な手続きを代行してもらえる
  • 非公開求人と出会えるチャンスがある
  • 求人内容だけでは分からない情報を得られる
  • 職務経歴書の添削や模擬面接などのサービスがある
  • 求人市場の情報をタイムリーに得られる

職歴や年齢、希望条件によっては求人案件が少ない場合もありますが、登録は無料なので、転職サイトと併用してみましょう。

応募~内定で注意すること

複数の企業に応募する場合、いつ、どんなルートで、どの企業のどの職種に応募したか、求人内容などを詳しく把握しておかなければいけません。

特に転職サイトの場合、気軽に応募でき、サイトで応募履歴が管理できるため、油断してしまいがちです。

応募管理を怠ったばかりに失敗したCさんの例をご紹介します。

事務職Cさんの例(女性:29歳)

転職サイトやエージェントから複数の企業に応募していたCさんに電話で面接日時の連絡がありました。

どの企業かがすぐに分からず、頼りない対応となってしまいました。

面接に行ったものの、結果は不採用でした。

その企業は志望度の高い企業だっただけに悔やんでも後の祭りとなってしまいました。

面接日時の電話の対応でもその企業に入社したいという意欲や管理能力、マナーを知ることができます。

特に事務職希望の場合、電話対応は重要な採用基準のひとつです。

Cさんのような失敗をしないように応募管理をしっかり行わなければいけません。

内定の注意点

あと一歩で入社。

転職のゴールが目の前というのが、「内定」です。

内定が出た場合に注意しなければいけないのは、保留をしなければいけない場合のマナーです。

第一志望の企業よりも先に第二志望の内定が出たら、入社意志があることを前提に内定の保留をお願いします。

一般的に保留できる期間は1~2週間。

保留する理由は家族がある方であれば、「家族と相談したい」、それ以外では「ぜひ入社したいと思うが、他社結果も踏まえて納得した上で入社したい」など言い方を工夫して伝えましょう。

複数社で同時に内定が出た場合は、それぞれの労働条件通知書(内定通知書)で条件を確認した上で、入社する企業を慎重に決めましょう。

内定自体をする場合もいつ、どこでお世話になるかもしれません。

ビジネスパーソンとして常識のある行動と言動を心がけましょう。

まとめ

転職活動には事前準備や情報収集などいくつものステップがあります。

それぞれのステップをひとつひとつ丁寧かつ計画的に行うことで、ミスマッチを防ぎ、転職を成功に導くことができます。

「転職の成功」は「転職する」ことではなく、能力を発揮でき、成長しながら未来に向かってキャリアを築いていける新しい場を見つけることです。

満足度の高い転職を目指し、やらなければいけないことを確認し、転職活動を進めていきましょう。

最後に、下記がこの記事で紹介したtodoのまとめです。

今回の記事が好評だったらまたこの続きも書いて行きたいと思います。

【ステップ1】事前準備

  • キャリアの振り返りと自己分析
  • 退職理由の整理と目標の明確化
  • 職務経歴書の作成
  • 活動スケジュールを決める

【ステップ2】実際の転職活動

  • 転職手段の情報収集
  • 転職サイトの登録
  • 転職エージェントの登録

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