失業したときや、仕事でのスキルアップを検討したとき、転職の希望があるときなどに、訪れる場所といえばハローワークです。

全国にあり、誰でも無料で利用できる国の設置する行政機関です。

そのハローワークの仕事内容には、どんなものがあるのか、ハローワークで働いていた経験者が解説します!

ハローワークの仕事は大きく6個の役割に分けられる

職業相談(窓口)

相談窓口にて、再就職や転職を希望する求職者の職業相談を受けます。

職業相談を掘り下げて丁寧に行うことによって、求職者の希望や特性、能力などがより明らかになっていきます。

より早くより良い再就職・転職ができるよう手助けをします。

職業紹介

ハローワークに登録されている求人へ、求職者を紹介する業務です。

求人の条件を確認し、要件を満たしている場合にハローワークからの斡旋を行います。

受付

ハローワークの中にはいくつもの部門があり、求職者だけではなく事業所なども各種手続きのために訪れます。

来訪者の用件がなんなのかを訊き、目的のフロアおよび窓口への案内をしています。

ほかに、求職者向けの事務的な手続きなども行うことがあります。

雇用保険事務

労働者が加入する雇用保険。

失業した際には雇用保険からの給付が得られます。

生活の安定を図り、再就職の助けにしようという制度になります。

この雇用保険に関する事務を、ハローワークではしています。

労働者に対する窓口となる給付課と、事業所に対する適用課に分かれています。

求人部門

事業主からの、求人を受け付けています。

求人申込書に記載してもらい、受理したものを求人情報として公開します。

また、求人を開拓するために、事業所を訪問することがあります。

特定の条件での求人を出してもらうように依頼することも。

庶務

求職者や事業所と直接関わり合いになる機会はありませんが、勤怠管理や給与計算、郵便物の処理等の事務を行っています。

職業相談(窓口)の4個の業務

新規登録受付

初めてハローワークを利用するという求職者には、求職の申し込みをしてもらいます。

求職申込書に記入してもらい、それを元に求職の条件や業務上の経験、取得している免許・資格などを聞き取り、登録をします。

このデータを参考にしながら、当該求職者の就職活動の支援を行います。

各種相談

最終的には、その人に合った仕事に就くことを目的にしてはいますが、その時々で必要な支援は異なってきます。

スキルアップのために職業訓練を受けた方がよいとか、経験を活かせるよう求職活動を進めた方がよいとか、人によって違うアドバイスをし、その内容に沿った窓口等へ誘導します。

書類作成支援

履歴書や職務経歴書などの、応募書類について、作成支援・指導を行います。

単なる様式的な意味での書類の書き方だけではなく、その内容にまで踏み込んだ支援をします。

これまでの経歴を振り返ってもらい、本人の得意なこと、やりたいこと、強みなどを自認できるようにします。

そうすることで、求職活動がよりスムーズに進められるようになります。

書類作成だけではなく、模擬面接なども行うこともあります。

セミナー

求職者向けの、就職セミナーを行っているハローワークもあります。

再就職・転職を成功させるために企画されています。

多くは、ビジネスマナーや書類作成、面接などをテーマにしたものになっていて、座学だけではなく演習を含むものもあります。

職業紹介の2個の業務

紹介業務

こちらも相談窓口でするものです。

前述の職業相談とセットになっていることが多いでしょう。

求職者が選定した応募希望の求人に、紹介状を発行することでハローワークからの斡旋をします。

まずは、求職者が、求人票に記載の各種要件(経験、資格、免許、年齢など)を満たしているかどうかの確認をします。

場合によっては、要件の緩和ができないかどうか、事業所に確認をすることもあります。

応募が可能であれば、紹介状の発行をします。

書類を交付することになりますので、事業所名や求職者氏名、求人の内容等に間違いがないか確実な確認が必要です。

相談連絡

求職者が自分で探すに任せるばかりではなく、求人票を郵送で案内するなど情報提供をすることも。

事業所側からのリクエストがあって、求職者に案内することもありますし、双方の条件から職員がマッチングをすることもあります。

これを相談連絡といいます。

受付の2個の業務

案内

来訪者を適切な部門へと案内・誘導します。

雇用保険の手続きであれば給付課へ、職業相談であれば相談窓口へ…といったかたちです。

来訪した本人が、漠然とかつ曖昧にしか目的を述べられないことも多くあります。

しっかりと聞き取って、最適な部門への案内ができるように、各部門の業務内容をある程度把握しておく必要があります。

求職活動の証明

雇用保険を受給中であったり、求職活動中であることを理由に子供を保育園に入れている親だったり、求職活動をしていることを証明することを必要とする求職者がいます。

ハローワークで求人検索をするなどの求職活動をした場合に、受付で求職活動をしたという証明印を押すことがあります。

雇用保険事務の2個の業務

給付受付

雇用保険の受給するために訪れた失業者の給付の手続きを受け付けます。

求職の申し込みを受け、離職票や、マイナンバーカード等の個人番号確認書類といった必要書類がそろっているかを確認して、受給資格が決定します。

その後の雇用保険受給者初回説明会で、受給者に説明をするのも、給付課の職員の仕事です。

失業した場合の給付だけではなく、在職中でもスキルアップのために教育訓練を受ける際に受給が可能な教育訓練給付などもあり、その手続きも給付課で行います。

加入の手続き

雇用保険に加入する場合の手続きは、雇用保険適用課で受け付けています。

事業所が人を雇い入れた場合には、雇用保険に加入をしなくてはなりません。

雇用期間や所定労働時間などの条件が適用基準を満たす場合には、被保険者資格取得の届出をする義務があるのです。

届け出があった事業所に、雇用保険被保険者証と雇用保険資格取得等確認通知書を交付しています。

求人部門の3個の業務

求人受付

事業所からの、求人を受理して公開します。

求人申込書に必要事項を記入してもらいます。

内容に不備がなければ、受理したものを求人情報として、ハローワーク内およびインターネットで公開します。

求人開拓

ある種の営業職の仕事に類似していますが、求人を出してもらえるように事業所を訪問しています。

公用車などで外出して行います。

内容の是正

求人票の内容と面接の際に言われたことが違っている、実際に働いてみたら条件に相違があった…などの情報が相談窓口や、求職者からの寄せられることがあります。

そういった時に、事業所に連絡、聞き取りをして求人内容の是正を促します。

場合によっては、法に抵触するようなこともありますので、求人の公開を停止したりすることもあります。

庶務の4個の業務

勤怠管理

出勤簿の管理をしたり年次休暇の届け出を受けたりして、勤怠管理をしています。

給与計算

職員の勤怠情報を元に給与計算をします。

給与明細の発行などもしています。

郵便物の処理

各部門から集まった郵便物の数量などを把握し、業者に委託します。

また配達された郵便物を受け取り、各部門に振り分けます。

備品の管理

事務用品等の備品について、在庫を管理し、各部署の希望をとりまとめて発注します。

民間の転職エージェントとの仕事内容の違い

就職困難者に対する最後のセーフティネットとしての役割をもっているのがハローワークです。

求職者の特性として、障害者や難病患者、生活保護の受給者などの社会的弱者も多くなっています。

地域に密着していて、取り扱っている求人の数は多く、内容も多岐にわたります。

また、中小企業の求人が占める割合が、転職エージェントの扱う求人より多くなっています。

一番大きく違う点は、ハローワークは国の行政機関として、転職以外の各種手続きの窓口にもなっているという点。

具体的には、雇用保険の受給手続きや、職業訓練の受講手続きなどを行っています。

ハローワークの仕事の良いところ

ハローワークの仕事は、大変な仕事ではありますが、その分やりがいも感じられる仕事でもあります。

どのような点が良いところなのか、職業相談窓口での仕事に特化して経験者の視点から述べていきます。

やりがいを感じるポイント

求職者や事業所などいろいろな立場の人と接することになりますが、ハローワークの仕事といえば、主に求職者の支援をすることではないでしょうか。

その中で感じることのできるやりがいについて見てみましょう。

人の役に立てる

支援をすることで、相談に来た求職者が希望を叶えて就職を決めることができたときには、大きな喜びを感じることができます。

特に、職業・仕事についての問題は、人生に置けるウェイトが非常に大きな問題になっています。

単に収入を得るためだけではなく、豊かな人生を送るための要素として、家庭や趣味などと同じく大切なものです。

その職業・仕事を探したり、採用されるための準備をしたりする手伝いをできることにはやりがいがあります。

求職者の成長を見ることができる

失業したり、転職を希望していたりしてハローワークにやってきたものの、何をしていいのかわからないという求職者は数多くいます。

そこから始まって、ハローワークを利用するうちに、徐々に自分のやりたいことや希望をしっかり把握することができるようになっていきます。

書類の書き方や、面接への対応などがわからず、不安がある…という場合にも、一つ一つ心配や不安を潰すように対応していくことで自信をつけて求職活動に臨むことができるようになります。

そういった、求職者が成長していく姿を見られるという点にはやりがいがあると思います。

自己研鑽もできる

求職活動をする上で、基本的に必要となることの一つに、自分自身をよく知り把握するということがあります。

職業上の経歴・経験や、得意なこと、自分の長所や強みといったものをしっかり振り返り、整理しておくことが望ましいのです。

求職者が自分自身を理解していれば、仕事としてやりたいことや、できることがわかってきます。

応募したい求人が見つかったときの、アプローチの仕方なども見えるようになります。

その振り返りと整理を求職者に勧める中で、相談窓口の「こちら側」にいる職員もまた経験や強みといったものを振り返り、確認しているのです。

一様ではない求職者すべてに同じ態度、同じ接し方で臨んでも、支援の効果が高いこともあれば全く響かないこともあるでしょう。

支援をする側も、自分の中の引き出しを開けて、それぞれにあった支援ができるようにしていかなくてはなりません。

それは、とりもなおさず自己研鑽をしていることに他ならないのではないでしょうか。

面白いポイント

ハローワークの仕事の面白いところはどこなのでしょう。

その面白さを解説します。

マッチングがうまくいくと気持ちがいい

求職者が自己選定した求人への紹介をするだけではなく、こちらから、求職者に対して求人を提示することもあります。

求職者の経歴や免許・資格、希望職種などにマッチしそうな求人を探して勧めます。

もちろん、興味を持ってもらえないこともあれば、応募をしてもうまくいかないこともあります。

しかし、求人と求職者のニーズがしっかりと一致し、採用になることもあるのです。

求職者の選定による求人への応募で採用になるのも当然うれしく思いますが、マッチングからお手伝いをした場合に採用になるのは気持ちいいものです。

求職者のプロデューサーになれる

どうやって自分に合う仕事を探せばいいのかわからない、何が自分の強みかわからないという求職者と、一緒に求職者自身のことを知るための作業をしていきます。

これまでどんなことをしてきたのか、何をしているときが楽しいのか、やりがいを感じるのは何か、努力して成し遂げたことは?

長所はどんなところか…などなど。

どうにかして引き出したあれこれを、さらに整理して、その人自身が進んでいく道を探せる手伝いをします。

迷いが多く、わからないことが多い人ほど、必要な支援が多くなります。

支援の目的は、プロデュースのように、求職者の良いところを引き出し、自信を持ってもらえるようになることです。

その支援によって、求職者が安定して満足できる仕事に就くために進んでゆけるようになるといってもいいでしょう。

相談窓口での働きかけで、誰かの人生を輝かせる手伝いができるのです。

まとめ

求職者としてハローワークを利用する際に接することの多い職員は限られています。

相談窓口で職業相談を担当している職員か、受付にいる職員、または雇用保険給付課で手続きをする際に窓口を担当している職員などになることでしょう。

それ以外も含めて、ハローワークの仕事各業務の役割をまとめてみました。

また、経験者の視点から、ハローワークの仕事のやりがいや面白い点にも迫ってみました。

ハローワークの仕事は、求職者を支援することでその人のためになるということに喜びを感じることのできる仕事だと思います。