20代は転職市場においては比較的市場価値が高く、未経験者の業種や業界でも採用されるチャンスに恵まれている年代でもあります。

しかし簡単に転職できてしまう年代でもあるため、無計画に転職しているといつの間にか凄い数の転職回数になってしまっていた、というのは割とよくある話です。

このような知らず知らずに陥ってしまう罠は一つではありません。

実際に私はこれまで人材業界で多くの人の転職サポートに取り組んできましたが、せっかく転職できたとしても思わぬトラブルに直面し、退職を余儀なくされるケースをいくつも見てきました。

そこで本記事では転職エージェントとしての実務経験で気がついた、20代の転職活動で陥りがちな罠、そして転職を成功させるためにすべきことについて紹介していきます。

20代の人が転職で陥りがちな7個の罠や注意点

20代は選択肢が多く可能性の幅が広い反面、それと同じ数だけ罠があります。

この罠にはまってしまうとキャリアの基盤が崩れてしまい、30代以降のキャリア形成にも影響が出てくるリスクがあります。

しかしどのような罠があるのか事前に分かっていれば、罠はある程度意識的に避けることが可能となります。

では20代の転職には具体的にどのような罠があるのか、順番に見ていきましょう。

大企業や有名企業に憧れを持ち過ぎてしまう

大企業や有名企業への転職は誰もが一度は憧れるものです。

大企業勤務は社会的な信頼度が高く、家族や親戚も「大企業に勤めている」というフレーズだけで妙に安心するという現実もあります。

20代は親や家族の視線が気になる時期でもあるため、大企業には余計に憧れを抱いてしまうものです。

しかし大企業勤務の実態は、その知名度とは裏腹に激務で報酬が低いケースも珍しくありません。

実際に憧れだけで転職して、自分には合わない環境にストレスを感じ短期的に退職してしまうことはよくある話です。

報酬の高さだけで会社を選んで転職してしまう

「年収1,000万円」「月収100万円」こういったフレーズは20代の男性には魅力的です。

将来起業したいと考えている人や、稼がなければいけない事情がある場合は特に気になるフレーズではないでしょうか。

しかしこういった高い報酬を全面的に掲げている求人は、そのほとんどが激務です。

そして年収1,000万円は一部の成功者に用意された報酬であり、突出した成果を残さない限り平均以下の報酬が設定されていることが少なくありません。

さらに長く続けることが困難な業務である場合も多く、短期的な退職となる可能性も高くなります。

20代でこういった求人を出す企業へ転職するとキャリアプランが崩れるリスクがあるため、注意が必要です。

キャリアプランを考える前に転職活動を始めてしまう

20代の転職はキャリアプランを考えずに転職活動をスタートすると失敗します。

その理由は、20代は選択肢が多くあり過ぎる年代でもあるからです。

20代は未経験でもチャレンジできる業界や業種が多いため、無計画に転職しながら働いているとスキルを積み上げることができません。

また頻繁に職種や業界を変えている経歴は、筋の通った理由がなければ、転職活動における企業からの評価としてはマイナスになりがちです。

会社の特色や文化を調べずに転職してしまう

20代の転職では会社の報酬や福利厚生、将来性などのリサーチはできていても、会社の持つ特色や文化を調べずに転職してしまうケースがあります。

会社によっては派閥色が強いところもあれば、徹底した年功序列が守られている企業も少なくありません。

もちろん組織内の立ち回りが上手いならこういった会社で快適に働ける可能性は充分にあります。

しかし立ち回りが苦手な場合、社内の人間関係や駆け引きで疲れてしまい、短期的な退職に至るリスクがあります。

親が働いて欲しいと考えている会社に転職してしまう

20代の転職では、自分の意志よりも親の考えに引っ張られて会社を選んでしまうケースが少なくありません。

それでも親の考えと自分の意志が合っていれば問題はありませんが、自分が本当は働きたい業界や会社があるにも関わらず親のために妥協した場合、後から後悔する可能性が高くなります。

転職すべきタイミングを逃してしまう

20代でホワイトな企業に転職できた場合、基本的には長く働くことが大切です。

しかしブラック企業に転職してしまった場合は、長く働くことが必ずしも良いとは限りません。

過酷な労働を長期間に渡って強いられると、最悪の場合心身に不調をきたしてしまうリスクがあるからです。

自分に合わない、もしくはブラック企業に転職してしまった場合は、きちんと転職のタイミングを見極めることも大切です。

ベンチャー企業の見極めを誤ってしまう

20代の転職におけるベンチャー企業は魅力的な選択肢の一つですが、ベンチャー企業の実態はイメージよりも過酷な場合が少なくありません。

優良なベンチャー企業に転職できれば、20代で責任ある仕事を任されて大幅にスキルアップできる可能性があります。

しかしベンチャーの中には従業員を使い捨てる前提で雇用している企業もあります。

そういったブラックな労働環境では、無理に頑張ることで心身のバランスを崩してしまうリスクがあります。

20代で転職を成功させるためにやるべき7個のtodo

ここまで紹介してきたような罠を回避して、20代で転職を成功させるためには、todoを明確にしておくことが欠かせません。

20代は無計画で過ごしていると「あっという間に終わってしまった」と感じる程、短いからです。

では次は20代で転職を成功させるためにやるべきtodoにはどのようなことがあるのか、見ていきましょう。

退職する前に内定を獲得する

「退職」の二文字は履歴書においても面接においても、マイナスの印象があるのが実際のところです。

実際に退職した回数(転職回数)は書類選考にも大きく影響します。

在職中に転職活動をしているのか、それとも退職している無職の人が転職活動をしているのかで、採用担当者に与える印象が大きく変わってしまうのです。

そのため20代の転職を成功させるためには、退職する前に在職中に転職活動をスタートさせることが大切です。

長期的なキャリアプランを持って転職活動に取り組む

将来的に大手優良企業への転職を狙うなら、キャリアプランは20代の早い段階で作っておきましょう。

最初は漠然としたもので構いません。

しかしITエンジニアとしてスペシャリストを目指す、もしくは実務経験を経て一級建築士を取得するなど、中長期的なゴールは持っておきましょう。

20代で明確な強みを身につける

転職は基本的にキャリアアップを前提に考えなければいけません。

そのキャリアアップのために必要になるのが「明確な強み」です。

強みは営業や企画職であれば実績です。

専門職であれば資格も強みに含まれます。

また外資系を狙うなら、TOEICは800点以上あれば履歴書の印象は確実に良くなります。

20代で働きながら資格取得と実績づくりをしておくと、その後の転職活動はスムーズに進みやすくなります。

コミュニケーションスキルを獲得する

コミュニケーションスキルはどの職種にも必要なビジネススキルの一つです。

交渉力にも関係してくるため、コミュニケーションスキルは20代の早い段階で獲得しておくことをおすすめします。

ある程度キャリアを積み上げることができれば、転職はただ内定を獲得するだけでなく年収や労働条件の交渉まで考えることが必要となってきます。

有利な条件で転職を成功させるためにも、コミュニケーションスキルは身につけておきましょう。

履歴書・職務経歴書の書き方を身につける

人生で何回転職するのかは、人によって異なります。

20代で一度だけ転職して定年まで働く人もいれば、定年退職までに10回以上転職する人もいます。

どちらの人生になったとしても、履歴書・職務経歴書の書き方は覚えておいて損はありません。

そのコツを20代の前半で掴んでおけば、書類選考の通過率が良くなり、結果的に転職で成功する可能性を高くすることができます。

同じ業界・職種で人脈を持つ

20代の転職は転職サイトや転職エージェントを介した転職活動に限らず、人脈からの紹介で仕事が決まることも珍しくありません。

また同業界・同職種の横のつながりがあれば、会話の中から社内の雰囲気を知ることもできるため、転職活動でリアルな口コミ情報を集める際にも役立ちます。

20代のうちに同じ業界・職種で人脈を作っておくことは、転職活動の成功にも役立つといえるでしょう。

将来過ごしたいライフスタイルを明確にしておく

将来過ごしたいライフスタイルを明確にしておくことは、転職活動へのモチベーションにもつながります。

20代のできるだけ早い段階で将来過ごしたい理想のライフスタイルは明確にしておきましょう。

また仕事を通してやり遂げたいことがある場合は、何故それをやりたいのか語れるようにしておくと、面接に強くなります。

20代の転職でよくある悩みと解決策

20代の転職では、問題にぶつかって悩むこともあるものです。

では次に20代の転職ではどのような悩みがあるのか、解決策と共に見ていきましょう。

【悩み1】転職活動のモチベーションが上がらない

転職しようと一度決断しても、その気持ちが長く続かないこともあります。

また何度も面接で落とされてしまうと、モチベーションを保つのは誰もが難しいと感じるものです。

解決策:本当に転職したいのかどうか、改めて考えてみよう

転職活動のモチベーションが下がってしまった場合は、本当に転職したいのかどうか、考え直すことも大切です。

在職中であれば、転職活動をストップしてもリスクはありません。

転職しないという決断が、最適な転職のタイミングに気づくきっかけになることもあります。

またモチベーションが下がるなら、自分の本心とは違う方向の転職活動をしている可能性もあります。

モチベーションが下がってしまった場合は、どのような会社で仕がしたいのか、改めて自分の心と向き合うことをおすすめします。

【悩み2】自分に何が向いているのか分からない

20代の転職は、自分に何が向いているのか分からなくなってしまうことがあります。

特に面接で何度も落とされてしまうと、このような精神状態になるのは仕方がないことなのかもしれません。

解決策:情報を一度シャットダウンして、自分の本心と向き合おう

自分に何が向いているのか分からなくなっている時は、人の意見や考えに流されてしまいがちです。

それはネットの情報でも例外ではありません。

自分に何が向いているのか知りたいと思ったら情報を調べるのではなく、逆にシャットダウンすることも必要です。

2~3日だけでも自分の心と向き合うことができれば、明確に何が向いているのかは分からなくても、挑戦してみたい仕事が見えてくるかもしれません。

自分に向いてる仕事を見分けるチェックポイントは、こちらの記事を参考に!

【悩み3】書類選考が通過しない

書類選考は転職活動の大きな壁の一つです。

書類選考が通過せずに心が折れそうになることは珍しい話ではありません。

解決策:履歴書・職務経歴書の作成は専門家に相談しよう

履歴書・職務経歴書は、実際に書いたものをプロの目でチェック・指導してもらうことで劇的に改善する可能性があります。

相談する場所は転職エージェントに限らず、民間もしくは公的の就職支援機関があります。

地域によってはハローワークの個人相談(面談)もおすすめです。

【悩み4】内定が出たけれど断りたい。どうすればいいのか迷う

転職活動では内定が出た後に断りたくなるケースもあります。

面接は求職者が会社から見られる機会ですが、求職者が会社を見る機会でもあります。

解決策:断るなら1日でも早めに決断して連絡すること

選考が2社同時に進んだ場合も含めて、内定辞退は転職活動では割とよくある話です。

しかし辞退するタイミングが遅くなればなるほど、断りづらくなります。

そして採用した会社は採用した社員のためのデスクやパソコン、社会保険の準備などがあります。

連絡が遅くなれば、その分内定をもらった会社へかける迷惑も大きくなってしまいます。

内定を断らなければいけない事態になった際は、1日でも早く決断して、内定辞退の連絡をしましょう。

【悩み5】何度も面接で落とされてしまう

面接で選考が落とされてしまうなら、面接対策にしっかりと取り組むことで解消できる可能性があります。

解決策:採用担当者からの質問を想定して、返答方法を考えておく

回答の準備をしても面接で緊張してしまう場合、対面での面接対策を受けるのも有用な手段の一つです。

対面での面接対策は転職エージェントを介して転職活動をする、もしくは地域によってはハローワークなど公的な就職支援施設でも受けることができます。

20代で転職するメリット・デメリット

20代の転職はメリットだけではなくデメリットも存在します。

ここからは20代で転職するメリット、デメリットについて見ていきましょう。

20代で転職するメリット

未経験の職種、業界にもチャレンジできる

20代の転職の最も大きなメリットの一つは未経験の職種、業界にもチャレンジできることです。

経験が無くても熱意とやる気があれば、体力もある時期なので採用される可能性は充分にあります。

経験の幅を広げることができる

20代のうちに転職していくつかの会社を経験すれば、経験の幅を広げることができます。

30代になると気軽には転職できなくなるため、色々な経験をしてみたい場合は20代のうちに転職しておいた方が、後々のキャリア形成はしやすくなります。

体力が求められる仕事にもチャレンジできる

30代、40代になるとどうしても体力の衰えは感じてしまうものです。

しかし20代であれば中途採用できつい仕事を任せられても、体力と気力で乗り越えることができます。

特に未経験の職種や業界にチャレンジした際は、最初は辛い思いをすることが多くなりがちです。

転職した会社がきつい労働環境であったとしても、20代なら若さを武器にして乗り越えることができます。

20代で転職するデメリット

ジョブホッパーとなるリスクがある

ジョブホッパーとは転職・退職が癖になってしまう状態を指します。

実際に20代のうちに短い期間で転職すると、その後も1年、半年と短い期間で転職を繰り返す人は少なくありません。

同期入社の仲間がいなくなる

大学卒業後、新卒として会社に入社した場合は多くの同期の同僚がいるのが一般的です。

そして新卒入社で長く働けば、その同期の同僚達と切磋琢磨しながら働く社会人生活となります。

ところが転職活動で中途入社した場合、少数の同期ができることはあっても新卒入社のような、同世代の同僚ができるケースはほとんどなくなります。

また転職すると、前職の同僚との縁はどうしても薄くなるものです。

20代の転職はこのような、同期入社の仲間がいなくなる、というデメリットがあります。

ブラック企業へ転職するリスクがある

20代の転職でもしっかりとスキルを身につけたキャリアアップとしての転職であれば、ブラック企業に入社するリスクはそこまで高くありません。

しかし未経験の業界や職種に転職した場合は、ブラック企業に入社してしまうリスクがあるため注意が必要です。


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