私は公共職業安定所(ハローワーク)で4年間、相談窓口で職業相談のお仕事をしてきました。

要望も悩みも人それぞれでしたが、職業相談を受けて再就職のお手伝いをする中で気がついたことがあります。

すぐに仕事が決まる人がいる一方で、なかなか決まらない人もいます。

その差は、一体なんなのでしょうか?

私は公共職業安定所でこんなお仕事をしていました。

公共職業相談所に行かれたことはあるでしょうか?

再就職や転職を希望する場合、所内の自己検索機で新着のお仕事をチェックして、受付で窓口に案内してもらい、求人について質問したり確認したりしたら紹介状を発行してもらうといった流れが一般的でしょうか?

私がしていたお仕事も、求職者の相談を受けて求人応募の希望を事業所にお伝えして紹介することがメインでした。

履歴書などの応募書類の添削指導、あるいは一緒に適職を探すなど、窓口での求職者に応対すること全般に携わってきました。

時には転職希望者の現在の職場での愚痴や不満を聞くなんてこともありましたが…。

基本的には、できるだけ早期に、また出来るだけ希望にかなったお仕事についていただけるように支援するというお仕事になります。

公共職業安定所の役割とは?

厚生労働省のホームページには、公共職業安定所は「民間の職業紹介事業等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者を中心に支援する最後のセーフティネットとしての役割を担ってい」るとあります。

公共機関なので当然ですが、すべての人に門戸の開かれた、無料の就職支援をする機関ということになります。

雇用保険手続き

失業した場合などは特に、雇用保険の手続きもありますので、民間のエージェントを利用するという方でも何度か公共職業安定所には足を運ぶことになりますね。

雇用保険は、端的に言うと失業時の生活の安定のために給付が得られるというものになります。

受給の手続きは管轄の公共職業安定所でする必要があります。

求人者と求職者のマッチング

人を雇いたい事業者と、再就職や転職を希望する求職者のマッチングをして「紹介」という形で仲介しています。

事業者より受理した求人を公開して、求職者の応募を待つというのが基本的な流れにはなりますが、それぞれのデータを参照して、希望職種や資格・経験がマッチする場合、双方に情報提供することもあります。

求職者のスキルアップ

職業訓練やセミナーを案内して、求職者の職業能力の引き上げを図っています。

また、履歴書や職務経歴書などの応募書類の書き方を指導したり、実際に書いて持ってきていただいたものを添削したりすることでよりアピール力の高い書類を作れるようにお手伝いしています。

希望があれば、模擬面接などを行うこともあります。

「すぐに仕事が決まる人」の6個の特徴 とは?

公共職業安定所を利用して、すぐに仕事が決まるのはどんな人でしょうか?

資格や免許をたくさん持っている人?

前職での実績がすごい人?

これらは確かにアピールの材料になるものではありますが、仕事の決まりやすさとイコールになるものではありません。

その行動や考え方にこそ鍵はありました。

素直で柔軟な人

やはり素直にアドバイスを聞くことができる人は就職が決まるのが早い傾向があります。

公共職業安定所の相談員は一人一人に合わせた支援をしていますが、ある程度似た状況を重ねたデータと経験を持っています。

そのデータと経験をもとに、一定の成果(=就職)を上げるためのアドバイスなり指導なりを行っています。

そのアドバイスや指導に、100%従う必要はもちろんありませんし、従うべき!ということもありませんが、いったんは耳を傾けて有効に活用しようという人はすぐにお仕事が決まることが多いです。

一生懸命な人

公共職業安定所を訪れる頻度ひとつとっても、皆さんまちまちの頻度ではありますが、必要に応じて訪れている方が決まりやすい場合が多いです。

職業相談の中で指摘されたことを修正したり、疑問などをすぐに解決したりといったことが日数をかけずにできた方がいいですね。

持ち帰った求人票を、かなりの期間をおいて「応募希望です」と窓口に差し出す方もいますが、条件の良い求人はすぐに応募される方も多く、すでに取り消しになっていることも多々あります。

チャンスを逃さないためにも、公共職業安定所に熱心に通ってみてもいいのではないでしょうか。

面倒くさがらない

「一生懸命な人」とも重なるかと思いますが、丁寧に事を進めることができた方が、結果を得るという目的は断然早く得られます。

履歴書は手書きを指定する事業所もいまだ多いのですが、不思議なもので、字の上手な人がさらさらと適当に書いたものより、上手じゃなくても一字一字丁寧に書いたものの方が好感のもてる仕上がりになるのです。

書類の内容自体も、いい加減に埋めるのではなく、じっくりと精査したものをきちんと書く、ということが結局は近道になるのです。

必要なことを後回しにしない

必要に応じて公共職業安定所に行くクセをつけましょう。

求人は新しいものが出ても、条件のいいものから決まってしまいます。

インターネットからでもチェックはできますので、そういったツールも活用しながら、公共職業安定所に来所するようにしましょう。

失業から時間が経てば経つほど再就職は難しくなる傾向があります。

逆に言えばすぐに動いた人ほど就職は決まりやすいと言えます。

後回しにせずに、積極的に動きましょう。

自分自身を見つめることができる

内省と客観視ができる人は新しいお仕事が決まるのが早いです。

自分の長所・短所、強み、できること、向いている仕事、やりたいこと…こういった仕事をする/仕事を探すうえで大事なことをきちんと把握できるからです。

会社としても、募集をかけた仕事をこなせる能力のある人材、その仕事に向いている人材を雇いたいはずです。

応募する求人と、自分自身がマッチしていることを自分で分かっていることは非常に重要です。

また、仕事を探すのが楽という点もあります。

自分自身の適性や希望を把握しないまま求人を探すのは、言ってみれば採用になる可能性の低い有象無象の情報の中で手さぐりするようなもの。

自分自身という指標をもてば、迷わずに適職に行きつくことができる可能性がとても高くなります。

いい意味でこだわりがある

素直にアドバイスが聞ける、というのは大切なことではありますが、すべてを相談員に任せて自分がない方がいいということではありません。

自分の核を持っているということは最大の強みになります。

譲れない条件を無理に緩和することはありません。

希望の職種に求人数が少なかったり、条件を絞っていくと応募人数がとても多い人気求人だったり、一見難しそうな条件はあるでしょう。

ですが、安易に求人数の多い職種や不人気求人に鞍替えすれば、決まるかというとそういうわけではないのです。

なぜ、その条件を大事にしているかをきちんと説明できて、なおかつ価値がある場合は、事業所にとってもこれほど頼りになる人材はいませんから、採用になる可能性もグッと高くなるでしょう。

「決まらない人」の6個の特徴とは?

では、逆になかなか就職の決まらない人にはどんな特徴があるでしょうか。

あくまでも傾向ではありますが、思い当たる点がある場合は少し視点を変えてみるといいかもしれません。

自己評価が高すぎる(過信している)

経験のない職種にチャレンジすることは悪いことではありません。

ですが、その場合には熱意や謙虚さがないと、難しいのも事実です。

経験もないのに簡単にできるはず、という過信をしている人がいますが、そう簡単ではありません。

きちんと自分自身に何ができるか、どの程度できるのか、何が向いているのかということをじっくりと考えてみることは大事です。

もしも、未経験の職種を目指すのであれば、そのために必要な手段を講じることを考えることも視野に入れましょう。

職業訓練を受けたり、資格試験の勉強をしたり、正社員を目指してアルバイトから始めてみるなど、一見遠回りなようでもかえってそうではないかもしれません。

アドバイスを聞き入れない

一般的な傾向という程度であることもありますが、公共職業安定所の相談員は就職に関するデータを持っています。

特定の会社の情報であったり、より一般的なマナーの問題であったり、多岐にわたります。

とにかく就職という目的を、窓口に来られている求職者に早く果たしてほしいという思いで支援をしていますので、プラスになるはずのアドバイスをしているのですが、なかなか聞き入れない人もいます。

単に、希望職種ではないが採用人数が多い求人に応募しなさい、というようなことであれば当然聞き入れる必要はありません。

求職者自身がよりよくなろうという意思を持って、そのためのお手伝いをしようとしている相談員の話には耳を傾けるようにしましょう。

疑問があれば、どんどん質問してかまいません。

その疑問を解決するごとに、就職は決まりやすくなっていくはずです。

準備に時間をかけない

適当な、ほぼ空白の履歴書を書いてくる人がいますが、お仕事が決まるのが早い、とは到底言えません。

経歴やスキルを振り返り、自分自身を知ることにしっかり時間をかけることで、アピール力の高い応募書類を書くことができるようになります。

自分自身のことだけではなく、応募したい会社のこと、職種のことなどもきちんと調べましょう。

どんな会社で、何を目標にしているのか、募集のあった職種に求められているのはどんなことなのかといったことを調べます。

今はインターネットで企業のホームページを見ることもできますので、そういったものを参考にするとよいでしょう。

準備を怠って作成した書類のアピール力は高いとは言えません。

書類選考がある求人ですと、面接までこぎつけることすら難しいことも多いです。

決まった考えに固執する人

「アドバイスを聞き入れない」と重なる部分もありますが、「前職と同じ職種でないとダメ!」とか、逆に「前職と同じ職種だけは嫌だ」といったこだわりのある方がいます。

その理由が、前職と同じ職種を希望する場合、やりがいがある、自分に向いているといったことなら、「いい意味でこだわりがある人」の項で紹介したように核を持っていると言えるでしょう。

ですが、いやでやめたその仕事に、向いていないとは思うけれどその職種でしか仕事をしたことがないから…と応募される方もいます。

やりたくない仕事なのに応募しても、採用されるはずがありません。

経験者だから、という点は高評価ではあります。

採用になることもありますが、結局は長く続かないことも多いです。

ぐずぐずと動かない人

雇用保険の受給者に多いのがこのタイプです。

受給期間の3か月、6か月…といった期間は確かに長く感じられるかもしれません。

すぐに動かなくても決まると油断をしてしまうのです。

雇用保険は、手続きはしても受給が始まる前に履歴書も書いてにどんどん面接を受けました!

という人ほど早期に就職が決まっていきますが、逆に、まだあと3か月ある、まだまだ2か月ある…と思っている人ほど決まりにくいのです。

雇用保険は働かずにお金がもらえる、ということではなく、生活に汲々とせずに安心して求職活動ができるようにお金が支給されるという趣旨のものです。

自分自身が働いて得たお金の中から納めた保険料から支給されるもので、権利ではありますが、これまでがんばってきたことと、今後安定して働くこととの中継ぎのようなものだということを意識するといいかもしれません。

なんでもハローワーク任せな人

こだわりがなさすぎるのも考えものです。

あくまでも就職活動の主体は求職者自身でなくてはならないのに、要約すると「何かいい仕事に、私は努力しないけれど、採用になるようになんとかして」というようなことを言って丸投げしようとする人もいます。

わからないことがあれば、質問には答えますし、迷っていれば一緒に答えを模索することもできます。

ですが、それは求職者が自分で頑張ったうえで手助けとして、公共職業安定所でできること。

一から十までやってあげるわけにはいきません。

何がしたいのか、何ができるのか、自分で考えなくてはなりません。

まとめ

公共職業安定所を利用して就職活動をする場合に、「すぐに仕事が決まる人」と「決まらない人」の差がどこにあるのか、その特徴をまとめました。

決まる人・決まらない人の特徴として挙げたものそれぞれに当てはまる点があるかもしれません。

すべてはバランスです。

決まらない人の特徴に当てはまっている点を少し修正したり、決まる人の特徴に当てはまっていることについてはより意識して追及したりして、全体のバランスを整えるようにしましょう。

きっと相性ピッタリの求人が見つかって、スムーズに就職活動が進められると思いますよ。

公共職業安定所の相談窓口を、最大限活用してくださいね。

公共職業安定所へ職業相談に行く時には、こちらの記事を参考に!