水産関係の仕事というとどんな仕事を思い浮かべますか?

この記事では、水産関係の仕事にはどのようなものがあるのかご紹介していきます。

水産関係の仕事とは?

水産関係の仕事は様々ですが、大きなくくりとしては1次産業、2次産業、3次産業の3つに分けられます。

みなさんはこれらの言葉を知っていますか?

それぞれの仕事がどのカテゴリーに属するかで消費者との距離が微妙に変わります。

まずは1次~3次産業の内容をおさらいしてみましょう。

第1次産業

経済の流れの中で「生産」を担う業種のことです。

林業や農業、漁業といった「自然界に働きかけて直接に富を取得する産業」と定義されています。

「生産者」といえばわかりやすいでしょうか。

身近な所では農家や酪農家、漁師などがこれに当たります。

経済の流れのスタート地点に位置するとても重要な産業です。

第2次産業

1次産業で取得された富を用いて「加工」を担う業種のことです。

製造業、鉱業、電気・ガス業、建設業などがこれに当たります。

水産業界で言えばかまぼこやレトルト食品を作ったりする会社のことです。

第3次産業

経済の流れの中で「流通・販売」を担う業種のことですが、現在では1次産業・2次産業に属さない産業の全てを3次産業と呼んでいます。

配送業者や小売業者から、マッサージなどの無形サービス業、コンサルタントや家庭教師のように知識や情報を商品とする仕事など実に幅広い形態があります。

この記事ではわかりやすく「水産関係の販売業」について後述していきます。

番外編~6次産業~

産業の分類名ではなく事業形態の表し方として用いられる用語ではありますが、近年では生産から販売までを全て1つの事業者で行う「6次産業」というモデルもあります。

水産業界を例にすると、1次産業である漁師さんが自社の工場で干物を作り、自店舗で消費者に向けて販売する、という感じです。

これにより中間コストを省く、流通経路を明確にするなどのメリットが得られます。

水産関係の主な仕事の種類~1次産業~ 

皆さんの家庭での食卓に魚が並ぶことは多いと思います。

日本は世界でも有数の魚介消費国で 一人当たりの年間消費量はアメリカの2倍以上になるとも言われています。

家で食べるお刺身や焼き魚など本当においしいですよね。

そんな食卓を彩る魚料理も1次産業に携わる人がいないと成り立ちません。

漁師

美味しい魚たちが皆さんの家庭になるために まずはなくてはならないお仕事が漁師の仕事です。

食品流通のスタート地点にいる人達で、いわゆる「生産者」と呼ばれる業種です。

定置網漁やまき網漁など 霊の種類には様々ありますし、また魚を掘るポイントも沿岸漁業や沖合漁業など 多岐にわたります。

それもそのはず、日本は国土こそ狭いものの排他的経済水域という他国に邪魔されず打って独占的に不具合を行うことができるエリアがとても広く、その面積は世界第6位の広さを誇っています。

また日本海側太平洋側に暖流と寒流が流れているため、バリエーション豊かな魚介類が水揚げされ私たちの目や舌を楽しませてくれているのです。

水揚げされた魚介類は主に市場に出荷されます。

筆者は以前、水産卸会社で働いた経験があるのですが、その時にスーパーの鮮魚店に並んでいる魚にいかに多くの中間業者が関わっているかを知り、驚きました。

漁師さんが水揚げした魚は、市場に出荷されセリにかけられます。

その後複数の卸業者の手を経て鮮魚店に並びます。

その度に中間マージンが発生し、さらにスーパーへのテナント料の支払いも販売価格に転嫁されます。

この流れの中で水産物の価格はどんどん上昇していくのですが、悲しいかな漁師さんは価格の交渉知識がなく、また昔からの付き合いということもあり、常に低価格で市場に出荷しています。

これでは「自分で捕った魚は自分で売った方が安くて新鮮なものを提供できる」と考える人が多くなるのも無理はないでしょう。

水産関係の主な仕事の種類~2次産業~ 

皆さんは家の近所のコンビニでお寿司を買ったことがありますか。

日本人には当たり前の光景ですが海外の方からするとこれは驚くべき光景なんです。

生魚を使った商品がコンビニエンスストアで売られていて、しかもびっくりするほどおいしいととても評価が高いそうです。

外国の方からするとパッケージの開け方に戸惑うことが多いようですが、クオリティに関してはニューヨークやパリの高級寿司店のお寿司よりも日本のコンビニのお寿司の方が断然おいしいと言われているようです。

それはひとえに日本の 食品加工会社の企業努力のおかげです。

日本人は何かを加工したり元からあるものを使ってさらに良いものを作る技術が非常に高いと言われています。

水産業界でも二次産業に携わる会社の技術力は世界のトップレベルにあると言っていいでしょう。

水産加工会社

水産加工会社の仕事は文字通り仕入れた水産物を加工しかまぼこや干物や缶詰、佃煮などの商品を作ることです。

日本は水揚げされる魚介類の種類が非常に豊富なので水産加工物の種類もとても多いです。

簡単なもので言えば魚を切り身にして冷凍したりミンチにしてつくねを作ったりという比較的手間のかからないものから、醤油や味噌などの調味料を作ってパック詰めをしたり、レトルト食品や冷凍食品を作ったりというものまで様々です。

水産関係の主な仕事の種類~3次産業~

さて、1次産業・2次産業を経ていよいよみなさんの元においしいお魚を届けてくれるのが3次産業です。

前述したように3次産業というのはとても幅広い定義ですので、ここでは「販売」を担う業種に絞ってご紹介したします。

卸業者

卸業者の仕事は 市場で 魚を仕入れ鮮魚店やお寿司屋さんなどに魚を卸す仕事です。

直接消費者に向けて商品を売るのではなく、販売店や飲食店向けに商売をしている企業のことです

基本的なお仕事は、複数の取引先の注文を一つにまとめその日必要な分量の魚を市場でまとめて仕入れそれぞれの取引先に配達をするという形になります。

卸業者の中には自社で加工品を作り それを取引先に納品しているという会社も多いです。

例えば あまり知名度はなく比較的安い魚を仕入れか曲がり易い等など、切り身にして給食センターや介護職会社などに卸すという携帯です。

この場合は加工も手掛けていることから2次産業も兼ねていると分類されます。

バイヤー

水産バイヤーは近年注目されつつある 比較的 新しい業種です。

卸業者の一種ではありますが その中でも積極的に全国各地を飛び回り埋もれた食材や、料理人達が真に求める食材を発掘して回る人たちのことです。

通常、卸業者は地場の市場に仕入れに行きそこに水揚げされた商品の中から自分の目にかなったものを仕入れ取引先に降ろすという携帯です。

つまり地場の市場に水揚げされていない商品は取引先に届けることができません。

しかしこだわりの強い料理人は自分の追い求める究極の料理のために、地場で取れる食品だけでは満足しない人が多いです。

そのため水産バイヤーはそういったこだわりの強い料理人と密に関係を築き、その料理人が追い求める料理に本当に必要な食材を全国から発掘するという仕事を担っています。

ある地域では価値のないものとして廃棄物同然に処理されていたような食品でも、他の地域の料理人からすると喉から手が出るほど価値の高いものであったということも珍しくありません。

そういった埋もれた食材を発掘し ていく楽しさは他の業種では味わえないものとなるでしょう。

鮮魚店

「お魚屋さん」として昔から親しまれているお仕事です。

昔は町のあちこちに店舗がありましたが、最近ではめっきり減ってしまいスーパーの中であったり市場の近くといったところで営業されていることが多いですね。

一般的に鮮魚店は仕入れた魚を消費者に売るお仕事ですが、仕入れる 経路がお店によって多少異なります 一つは自分たちで一番に行って仕入れてくるパターンと卸業者から仕入れてくるパターンです。

自分たちで市場にいって魚を仕入れる場合は、当然セリの時間に間に合うように市場に行かなくてはならないので、早朝からの仕事になります。

ただそのぶん自分たちの目で間違いのない魚を選んでくることができるので商品のクオリティは上がります。

卸業者から仕入れ場合は、ある程度事前に仕入れてほしい魚の種類を伝えておき自分達の代わりに仕入れてもらい、当日店舗に配達してもらうというシステムをとっています。

当然中間業者が入ることで自分たちで仕入れに行くよりも販売価格が上がるもしくは利益が下がるというデメリットが生じますが、仕入れの知識がない人でも卸し業者に任せておけば鮮魚店を営むことができるというメリットもあります。

主な仕事は仕入れた魚をさばいてパック詰めしたり加工品を作って店舗に並べるという仕事になります。

卸業者から配達してもらう段階で腹出しやウロコ取りなどは下処理が住んでる場合がほとんどですので、専門的な技術や知識がなくても働くことができるというメリットもあります。

お寿司屋さん

お寿司屋さんも大きなくくりで言えば水産関係の仕事といえるでしょう。

ほとんどのお店は自分たちで市場に仕入れに行くことはなく、卸業者から仕入れた魚を使ってお客さんに提供しています。

回転寿司のチェーン店などは魚を丸ごと仕入れるのではなく、加工業者や卸業者に切り身の状態にしてもらってから納品してもらい店舗ではシャリの上に乗せるだけという形態をとっていますが、本格的なお店では魚を仕入れ自分でその魚の状態を見極めながらさばいていくという形態をとっています。

おすすめの水産関係の仕事とは? 

ご紹介したように水産関係の仕事と一口に言っても分類される業種によって役割は様々です。

ここでは筆者おすすめの水産関係の仕事をおすすめするポイントを交えながらご紹介していこうと思います。

鮮魚店

未経験でも比較的携わりやすいため、水産業界のスタートとしておススメの業種です。

魚をさばく技術がなくても切り身を作ったり骨抜きをしたりする簡単な仕事から業務に慣れていくことが出来ます。

アルバイトやパートであれば切り身のパック詰めの仕事などもあるので主婦の方や学生さんにもおすすめです。

卸会社

市場から魚を仕入れ、取引先に卸すという業務形態の特徴から、「生産者と販売者の中間に位置する業種」と言えます。

このことから経済の流れを大きな視点から知ることができるというのがおススメポイントです。

例えば、生産者である漁師さんは自分たちの捕った魚がいくらで販売店に売られているのかあまりよく知りません。

反対に販売店は自分たちが売っている魚が市場でどのような陳列のされ方なのか、どのくらいの人気がある魚なのか、ということを知りません。

卸業者はその両方に携わる業種なので、商品の適正価格やマージン率、人気の度合いなどを肌で感じることができるのです。

バイヤー

この業種は専門的な知識が必要になるので、水産関係になじみのない方からの転職は難しいかもしれません。

料理人との綿密なやり取りや生産者に新味によりそった交渉など高いビジネスレベルが求められます。

しかし長年水産業界で働いていた人の転職先としてはとてもおススメできる職種です。

それまで培った技術や知識をフル活用してまだ見ぬお宝食材を探し求める様はまさに「フードハンター」と呼べるものではないでしょうか。

水産関係の仕事で大変なことは?

最後に水産関係で働く場合の苦労する点もご紹介します。

どのような仕事にも苦労はあるように、水産業界には水産業界の独特の苦労があるんです。

朝が早い

漁師であれば夜明け前から漁にでますし、セリに参加する卸業者であれば朝も暗いうちから出勤になります。

筆者は以前にある卸会社でアルバイトをし、そのまま社員なった経験があるのですが、アルバイトの時は午前5時の出勤でした。

それでもこの業界からすればかなり遅い出勤で、一般的なサラリーマンで例えるなら昼過ぎに出社するようなもの。

社員になってからはセリに参加するため毎朝3時には市場に行っていました。

周囲と生活のサイクルがあわない

前述したような出勤時間であるため、通常は午後8時には睡眠に入る生活でした。

そのため友人に遊びに誘われてもなかなか参加することができなかったのは、けっこう辛かった覚えがあります。

水が冷たい

取り扱う商品が生鮮物であるため、冬場でもお湯を使うことができないのは本当に辛かったです。

手の感覚がなくなりそうになりながら魚をさばいていたのも良い思い出ですね。

まとめ

日本は世界でも有数の水産大国です。

豊富な水産資源の恩恵を受け、またそれを扱う技術力も世界有数のものです。

そういった世界に誇れる日本の水産業界を支えているのは、この記事で紹介した人たちが頑張ってくれているからです。

あなたも水産業界に興味があるのならば是非一度チャレンジしてみてください。

それまで見えなかった景色が見えるようになります。