昨今、音楽大学への進学率が低くなっている現状がありますが、実際に音楽大学を修了した後の進路に悩む学生さんも多いようです。

もちろん一般企業に就職し、趣味で音楽を続ける人が多いのも事実ですが、せっかく大学で学んだスキルを活かして活動していくには、どうしたら良いでしょう?

今回は、ピアノを使った仕事にはどんなものがあるのかを紹介していきたいと思います。

ピアノを使った仕事にはどんなものがある?

今回は、音楽学部の中でも器楽のピアノに焦点をあててご紹介したいと思います。

大きくわけてピアノを使った仕事は二つに分けることができます。

1つは自分が演奏をする仕事、もう1つは自分の技術・知識を活かして教える仕事です。

この2つに絞って仕事内容をご紹介したいと思います。

自分で演奏する仕事にはどんなものがある?

ピアニスト

ピアノを専門に学んだ人ならば、だれしも「演奏活動をしたい!」と考えるものです。

しかしながら、演奏家一本ではなかなか生活していくのが難しいのが現実です。

国際コンクールで優勝、大手の音楽事務所に所属し、黙っていてもお客様がくる、世界中から演奏依頼が舞い込んでくる、という演奏家は日本でも数えるほどしか存在しません。

もちろん夢のようなピアニスト生活のために、海外留学、たくさんのコンクールにチャレンジしていくことも大切です。

しかし、世界的に有名なピアニスト以外でも演奏活動していくことは可能です。

音楽事務所のオーディションを受けたり、都道府県主催の登録アーティストに応募したり、自主企画のコンサートを開いたり、と演奏の場を作ることは出来ます。

ただ待っていても依頼はきませんから、積極的に自分で演奏の場を探していきましょう。

ブライダルプレイヤー・セレモニーピアニスト

結婚式、披露宴など冠婚葬祭(最近では葬儀の際に音楽葬もあります)での演奏者は、比較的幅広く募集されています。

音楽事務所から派遣されることが多く、そのうちの多くはシフト制なので、演奏者登録をしておいて(もちろんオーディションはあります)、時間に余裕のある日時を予め知らせておくと、「●月●日●時~▽▽会場で」と依頼が入ってくるしくみです。

最近は結婚式をあげる人が少なったとはいえ、新たに奏者・歌手を募集している会社はたくさんあるので、積極的にチャレンジしてると良いと思います。

ブライダルプレイヤーの仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!

バレエ・オペラ・ミュージカルなどの専門ピアニスト

大きなバレエ団では、日頃のレッスンをピアノの伴奏で行っているカンパニーが多いです。

しかしながら、ピアノが弾ける=バレエピアノが弾ける というわけではないので、かなり専門的に学ぶことが必要です。

例えば、バレエの踊りの種類や、様々な演目にの音楽を聴き、すぐにアレンジして弾けるようにならなければなりません。

研修ピアニストから募集しているところもあるので、興味があれば問い合わせるのも良いでしょう。

バレエに全く興味のない人がバレエピアノを弾くのはまず無理なので、しっかりと自分が本当にやりたいかどうか、考えることが必要です。

オペラ、ミュージカルも同じように、ただ演奏するだけでは仕事にならないので、よく吟味してからチャレンジしましょう。

レストランやバーでの演奏

ホテルのラウンジや、レストランで奏者を募集していることもあります。

音楽事務所からの派遣も多いですが、施設によっては定期的にオーディションを行っているところもあります。

ピアノが置いてあれば、「ここはどのような方が演奏しているんですか?」と問い合わせてみるのも良いでしょう。

演奏を仕事とする場合、自分で積極的に演奏機会を作ったり、探すことが重要になってきます。黙っていても出演依頼がどんどんくるのは、限られた演奏家だけです。

どんな時でも自分をアピールすることを忘れずにいましょう。(自分をアピールするのと、自分勝手に振る舞うのは別問題ですから気を付けましょう)

スキルを活かして教える仕事にはどんなものがある?

個人経営のピアノ講師・ピアノ教室を経営する

自宅に防音室など、自由にピアノを弾ける環境を持っている場合は、個人的に生徒さんを募集してスクールを経営する場合が多いです。

メリットは、手数料や場所代などはかからずにレッスン料を100%もらえることです。

逆にデメリットは、教室の経営が安定するまでは、時間がかかるということです。

教室を始めて、1か月で10人20人~と生徒数がすぐに増えるということは稀で、自分でホームページを開設したり、口コミが広がっていくまでがなかなか大変です。

大手音楽スクールのピアノ講師・音楽教室などに就職する

いわゆるYAMAHAやKAWAIなど、大手の音楽教室に就職した場合、すぐにかなり多くのレッスン数を受け持つことになるでしょう。

ただ、レッスン料の全てが自分に入ってくるわけではなく、そのうちの4割~6割程度しか講師のもとには入りません。

なので、とにかく大人数を受け持たなければ、まとまった収入にするのが大変です。

そのかわり、自分で集客・宣伝をする必要はほとんどなく、レッスンすることが出来ます。

作曲家・編曲家など

作曲の知識があったり、アレンジ能力を持っている人は、様々な可能性があります。

自分が演奏しなくても、例えば「ヴァイオリンとチェロ用に、この曲を編曲してください」といった依頼が入ってくる場合もあります。

色々なスキルを持っていて損はないので、学生の間にたくさん勉強しておきましょう。

ピアノを使ったそれぞれの仕事に向いているのは?

演奏の仕事に向いているのは?

もちろん大活躍するピアニストになるには、国際コンクールでの入賞、レーベルとの契約、大手音楽事務所との契約・・・などハードルはとてつもなく高いものなので、それはさておき、ピアノを演奏することを仕事とするのに向いている人を考えてみます。

人前に出ることが好き

レッスン室で一人で練習しているときにいくら素晴らしく弾けたとしても、実際にコンサートなどの本番が嫌いでは仕事にするのは困難です。

またステージ上でブスっと物調面になってしまうようでは困ります。

ステージの上が好き、誰かに聴いてもらうのが好き!といった人に向いている職業なのは言うまでもありません。

失敗にくよくよしない

演奏の際に「失敗したらどうしよう」「立ち直れない」といったことがあるとしたら、プレイヤーには向いていないと思います。

どんなに素晴らしいピアニストでも、例えどんなに練習、準備していても毎回毎回が必ずしも100%の出来になるわけではありません。(それが生演奏の良いところでもあり、怖いところでもあります)

何かアクシデントが起こったときに、それをいつまでも引きづってしまうようではコンサートをこなしていけません。

「過去は振り返らない」主義の人の方が活動していくうえでもストレスが少ないでしょう。

世界的なピアニストでも精神的に病んだり、胃炎になったりもちろんするわけなので、自分で「ネガティブ」と思ってしまう人にはなかなか難しい職業です。

ブライダルプレイヤー・セレモニーピアニストに向いているのは?

しっかりと連絡・確認が出来る人

正直なところ有名な演奏家の中には、なかなか連絡がとれない人が多いです。(だからマネージャーや事務所が必要です・・・)

芸術家肌が強ければ強いほど、自分の気が向いたときにしか返信しない、なんて困った人がいることも事実です。

しかしながら、ブライダルプレイヤー、セレモニーピアニストが気分によって連絡しないのでは大問題です。

しっかりと演奏すること以外に、スケジュール管理や連絡がきちんととれる人がなるべき職業でしょう。

バレエ・オペラ・ミュージカルなどの専門ピアニストに向いているのは?

イレギュラーな対応が出来る人

バレエやオペラといったカンパニーで演奏するとき、ピアニストは主役ではありません。

理不尽な要求をされることがあったり、芸術監督の気分によって練習日が突然かわったり、リハーサルが長時間延長されたり・・・なんてことが頻繁に起きます。

時間や気持ちに余裕があるひとに向いている仕事です。

一つの演目を担当することになったら、数カ月はその公演のために以外は仕事が出来ない場合もあるので、スケジュール管理はしっかりすることをオススメします。

バレエが好き・オペラが好き・ミュージカルが好き

どんなにピアノが上手に弾けても、演目に対する知識が乏しかったり、踊りに興味がないようでは自分も苦痛になってきます。

幼い頃バレエを習っていたり、毎月ミュージカルを観に行くほど好き!といった情熱がなければ続けられない仕事です。

個人経営のピアノ講師にむいているのは?

ウェブやSNSの知識が豊富な人

個人経営の場合、まずは自分の教室を世間に知ってもらわなければなりません。

ひと昔前は、タウンページや、チラシ、新聞などの広告が強い時代でしたが、現代はなんといってもインターネットによる集客が大きいです。

教室のホームページ、個人的に発信するブログやSNSでアピールしていくことが必要です。

運営方法などを説明しづらいことも自分で話せる人

個人経営の場合、保護者への説明、レッスンの振り替え、料金設定など、全て自分で行わなければなりません。

大手の音楽教室ならば事務所が説明してくれることを、自分で話、納得してもらう必要があるので、事務的な作業が苦手な方にはむいていません。

大手音楽スクールのピアノ講師に向いているのは?

どんな生徒でも教えることが出来る人

個人経営と明らかに違うことは、大手の音楽教室に所属している場合、どんな生徒が来ても断ることは出来ません。

個人経営の場合は、自分のお教室のポリシーを理解してくれる方のみを受け入れることが可能ですし、どうしても生徒と合わない場合はレッスンをお断りすることもできます。

しかしながらピアノ講師として雇われいぇいる場合は自分の一存でレッスンの内容や、生徒の選択は出来ません。

どんな生徒の場合でも臨機応変に、例え自分が我慢することになっても、レッスンをする自信のある人に向いていると言えます。

自分に合ったピアノ関連求人の選び方や注意点

【選び方①】エリアから探す

演奏の仕事の場合、地方公演の場合は交通費・宿泊費が出演料お他に支給されることがほとんどですが、あまりにも遠い地方になってくると、その他の仕事との兼ね合いもあるので

移動時間に余裕をもって引き受けるようにしましょう。

【選び方②】職種から探す

ピアノソロなのか、他の楽器と一緒に演奏するのか。

またメンバーは自分が探すのか、事前の練習はどうするのか?

気になることは契約、引き受ける前にしっかりと確認しておきましょう。

また、演奏以外でも公開レッスンをしてほしい、などの場合受講生はどれくらい集まるのか?

人数によってギャランティは変化するのか、などききづらいことも、率直にっきくようにしましょう。

契約に関してあやふやだと、後々もめることにもなりかねません。

【選び方③】給与や雇用条件から考える

例え、ギャラが少なくてもとてもやりがいのある内容の場合、引き受けることも出てくるでしょう。

逆にどんなにギャラが良くても、メンバーや、プログラム内容がどうしても苦手な場合はお断りすることもあります。

とはいえ、大学卒業後は、内容なんて気にしていられない!

どんな仕事でも断らない!

と進めていって人脈を作ることも大切なので、自分のキャリアを見た時に、どの年齢あたりから仕事を選んでいくべきなのかしっかり見極めるようにしましょう。

まとめ

色々書きましたが、要は自分がどのような活動をしていきたいのか、具体的に考えることが一番大切です。

ただ「ピアノで仕事がしたい」と思うだけでは目標が漠然としすぎています。

コンサートをしたい → どんなコンサートにしたいか → どこで弾きたいか → 客層は?

と考えてみたり、教えたい → 子供を教えたいのか、大人を教えたいのか、→ 初心者を対象にするのか、音高音大受験生を教えたいのか、→ 生徒にどのようになってもらいたいのか、など細かく目標・目的をしっかりと定めるようにしましょう。

演奏にしろ教えるにしろ、最初はなかなか難しく、軌道に乗るまでがかなり大変だと思います。

途中であきらめてしまう人もいるのは事実です。

もちろん音楽を仕事にするには、簡単なことではないのですが、どんなときも情熱を忘れないで取り組んでいきましょう。