多くの業種・職種で深刻な「人手不足」を背景に、就職・転職やアルバイト市場において「売り手優位」、つまり求職者が有利な状況が広がりつつあります。

このような状況下、アルバイトの仕事に求めるものも多様化が進み、単純に「稼ぎがいい」というだけでは満足できず、「楽しい」「やりがいがある」といったことを重視する傾向が顕著になってきました。

今回は、みなさんがさまざまなアルバイト先の選択肢から「自分に合った」仕事を見つける一助となるよう、「自分に合うバイト」をキーワードにいくつか重要なポイントを紹介していきます。

今現在バイトを辞めようかどうか悩んでいる方や、これからアルバイト先を絞り込もうとしている方は、一度参考程度に目を通してみてください。

自分に合うバイトには特徴がある

人それぞれ価値観の違いやアルバイト先に求めるものが異なるため、「自分に合うバイト」を見つける作業を一律に定義することは困難です。

しかし、本当の意味で自分に合ったバイトをしている方を観察していると、いくつかの共通した特徴が見いだせることも事実です。

ここでは、アルバイトの仕事が自分に「合っている」場合と「合っていない」場合に分けて、多くの場面で共通している事柄を抜粋して取り上げていきます。

バイトが自分に合っている場合

アルバイトが自分に合っていると感じる場合は、以下にあげるような特徴を実感することが多いようです。

これらの特徴を実感できているか否かという基準で、今のバイトを辞めて次のバイト探しをするかどうかを判断することも一つの方法といえるでしょう。

長く続けられる

自分に合っている仕事をしていると、必然的に「長く続ける」ことができます。

なぜなら、自分に適しているということは、今の状況に「満足」しているということであり、わざわざその状況を変える必要性を感じないからです。

正社員として働く場合とは異なり、アルバイトとしての勤務は「短期間」で終了する傾向がありますが、それでも自分に「合っている」と感じている職場であれば、可能な限り働き続けていたいと考えるのが自然です。

楽しい

また、単純に「楽しい」と思えるかどうかも、自分に合ったバイト先かを判断するための有用な基準になります。

多くのアルバイトを経験した方なら、必ずしもすべてのバイト先が楽しいとは言えないことを実感しているはずです。

最初のうちは「新鮮さ」や「やる気」に満ちていることから、あまり退屈を感じずに生き生きと「楽しみ」ながら仕事に打ち込むことができますが、業務に慣れていくにしたがって「楽しい」と感じる瞬間が少なくなっていくバイト先もあります。

一方で、同じような作業の繰り返しでも純粋に「楽しい」と思える職場もあり、このような場合はその職種や業務内容が自分に「合っている」立派な証拠と捉えることができるでしょう。

バイトが自分に合っていない場合

では反対にアルバイトの仕事が自分に「合っていない」場合はどのような状況に陥ることが多いのでしょうか。

簡単に言えば「自分に合っている」場合の特徴の裏返しになりますが、ここでは代表的でわかりやすい特徴を2点紹介しておきます。

すぐに辞めてしまう

アルバイトが自分に合っていないと感じる場合、まず一番最初に考え得る行動はそのバイトを「辞める」ということでしょう。

上述のようにアルバイトとしての勤務は短期間であることも多く、雇用主側からしても離職率の高さはある程度承知の上で採用していると考えられます。

したがって、アルバイトの場合は「辞めたい」と思ったときに実際に行動に移すことができる可能性が正社員等に比べて高く、結果として自分に合ったバイト先がなかなか見つからない方はアルバイトが長続きせず、すぐに辞めてまた他のバイト先を探す、という行動を繰り返す傾向があります。

バイトに行くのが苦痛

バイト先が自分に合っている場合はその仕事を「楽しい」と感じやすいですが、それは逆にいえばバイト先が自分に「合っていない」と思うときには、バイトに行くこと自体が「苦痛」と感じるということでもあります。

バイトを始めた当初は何かしらの魅力を感じて応募しているはずですが、次第に理想と現実のギャップや職場での人間関係、業務内容と自分の適性とのズレなどから、アルバイトの仕事に興味を失くしてしまうケースもあります。

さらにそこから発展して、そもそもバイトに行くこと自体が「苦痛」になってしまうと、最悪の場合は無断欠勤などを繰り返し、最終的には辞めることにつながります。

自分に「合っていない」アルバイトを続けているとこのような事態になりかねず、結果的に自分だけでなく雇用先や同僚などに迷惑をかけてしまうことにもつながってしまうのです。

自分の適性を知ろう

以上のことをまとめると、バイト先が自分に合っているかそうでないかを判断するには、まずは自分自身の「適性」を見つめなおすことが必要であるといえるでしょう。

自分の適性を判断基準に自分に合ったバイト先を探索していくことが、有意義なバイト生活を送るためには必要不可欠なことなのです。

以下では「適性」を大きく2つに分けて解説し、その具体例としてのアルバイト先もあわせて紹介していきます。

人が好き!コミュニケーション重視タイプ

まずは、人と関わることや話すことが好きな「コミュニケーション重視」ともいえるタイプがあげられます。

このタイプに属する方は接客業など、お客様との接点がある仕事に最も適性があると考えられます。

また、職場におけるコミュニケーションはお客様との間だけではなく、一緒に働く同僚や上司などとの間でも発生しますので、コミュニケーション能力に自信がある方は、少数精鋭で仕事に向き合うような職場よりも、大人数で和気あいあいとした雰囲気を醸成しながら業務を行う職場の方が向いているでしょう。

具体例としては、小売店舗の店頭にいる販売員や、営業職全般、また家庭教師や個別指導塾講師などがあげられます。

販売員の仕事はお客様との接触も非常に多く、一緒に働く同僚も人数が多いことがほとんどなので、まさにコミュニケーション能力の有無が成績を左右する職場といえます。

一方で、営業職や家庭教師・個別指導塾などの仕事は、同僚とわきあいあいとするイメージはあまりできないのではないかと思います。

しかし、たとえば営業職では事務職や他の部署の同僚とのコミュニケーションができていなければ円滑な業務遂行は不可能ですし、家庭教師・個別指導塾講師は生徒とのコミュニケーションが前提となって成立する職場といえます。

そのためここでの分類ではコミュニケーションタイプの仕事の代表例に含まれるといえるでしょう。

自分のペースでコツコツ、黙々作業タイプ

コミュニケーション重視のタイプとは対照的に、自分のペースで仕事をこなしたい、「黙々作業タイプ」の方もたくさんいます。

このタイプの方は、大人数でにぎやかに仕事を行う職場よりも、自分で作業のペースや休憩時間などの自由が決められる「裁量の範囲が広い」仕事に適性があるといえます。

例をあげれば、宅配便ドライバーやトラック運転手など、車を運転する仕事や、検品・仕分け業務を含む倉庫内作業などがあります。

これらの仕事は基本的に一日の就業時間の中で一人で作業もしくは業務をこなす時間の割合が非常に大きく、てきぱきと仕事をこなすのも慌てずに自分のペースを守りながら落ち着いて仕事をするのも、すべて自分次第でコントロールすることができます。

「マイペース」な働き方を志向する方には魅力的な職場といえます。

ここであげた2つのタイプはあくまで一つの例にすぎませんが、自分がどちらのタイプなのか、もしくはどちらのタイプに近いのか、というところから自分の「適正」を判断し、それをもとに自分に合うバイトを探していくのも一つの方法でしょう。

他の条件も見ておこう

自分の適性をある程度把握できたら、次に自分がバイト先に求める条件にはどんなものがあるのかを考えてみましょう。

時給や福利厚生などの待遇面やシフトの入れ具合など、条件としてあげられるものはたくさんありますので、一人ひとり異なる優先順位をもとにバイト先を絞っていくことが大切です。

ここではそれらの条件の中でも、とくに多くの人が共通して気にかけている事項を3点あげておきます。

どのくらい働きたい?

どのくらい働きたいのか、つまり週何日のペースで働くのか、また一日の勤務時間は何時間くらいを想定しているのか、ということはバイト選びの際にはとても重要な点になります。

なぜなら、一日の勤務時間や週当たりもしくは月間のシフトの入れ具合によって、同じ職種・職場であっても働き方が異なるからです。

たとえばコンビニや小売店など、比較的営業時間が長めのバイト先では、シフトに入ることのできる時間帯の選択肢も豊富にあります。

そしてこれらの職場では勤務する時間帯によって業務内容や求められる役割、さらに時給額といった待遇面もさまざまであることが少なくありません。

一例をあげるとコンビニでの勤務の場合、日中時間帯はレジ作業などの接客業務の比率が大きくなりますが、深夜・早朝時間帯は来客数が少ない分、検品・品出し業務や清掃業務などに割く時間が多くなります。

自分の適性に加え、勤務時間や勤務日数も考慮に入れてバイト先を選択することが、自分に合う職場と巡り合う可能性を高めるのです。

いくらくらい欲しい?

ほぼすべての方が共通して気にかけているのが、時給等「給与面」に関する条件でしょう。

時給額や残業の有無に加えて、交通費やその他福利厚生制度などを含む待遇面は、バイト選びでも最重要項目の一つといえますので、求人に応募する前に必ず確認することが必要になります。

また、疑問点があれば面接時に直接質問することが欠かせません。

採用されて実際に職場に立った後に「思っていたのと違う」と感じても、それを理由とした待遇面の変更は基本的に期待できません。

「稼ぎ」がなければアルバイトをする意味がないといっても過言ではありませんので、月額の収入として大体どれくらいを想定しているのか、という条件はなるべく詳細に詰めておきましょう。

バイト先までの通勤時間は?

勤務時間や時給額などの待遇に加え、バイト先までの通勤時間がどれくらいまでなら許容できるか、つまり自宅からバイト先までの距離はどれくらいを想定しているのか、という条件もしっかり検討しておくべきでしょう。

ここで注意を要するのは、すべてのアルバイトが面接をした場所や事業所の所在地が勤務地とは限らないということです。

たとえば、家庭教師の仕事では事業所に赴くことはむしろまれで、基本的には担当するご家庭に直行し授業終了次第直帰することになります。

この場合は、家庭教師派遣会社の所在地はあまり重要でなく、その会社が営業を行っている、つまり家庭教師を派遣しているエリアを事前に確認しておかなければなりません。

さらに、勤務先まで電車やバスなどの公共交通機関を利用しなければならない場合は、勤務時間帯や勤務終了後まで利用できる便があるか、といったことまで考慮に入れてバイト先を絞り込む必要があるでしょう。

まとめ

いかがでしたか。

今回は数あるバイト先候補の中から、いかにして自分に合うアルバイトを見つけることができるかということに焦点を当てて、自分に合う・合わないバイトをしている方の特徴や、自分の適性タイプの把握、また適性以外の条件でバイト先を絞り込む方法などを簡潔に紹介していきました。

ここでは大きく分けて「コミュニケーションタイプ」と「コツコツタイプ」という2つの適性を基準に考察しましたが、すべての人がどちらかのタイプにおさまるわけではなく、多くの場合「両方のタイプを併せ持つが、割合でいうと〇〇派」というパターンになると思います。

最後に、自分の適性やバイト先に求める条件を把握することも大切ですが、それよりも重要なことは、どんな方法にせよ選んだアルバイトの仕事にまずは全力で取り組むことであり、その結果「合わない」と感じたのであればそれを糧に、再びより自分に適したバイト先を探索していく、という姿勢を忘れないことでしょう。

日頃から自分自身や自分の適性などにしっかり向き合っている人は、遅かれ早かれ「ベストマッチ」な職場と出会える可能性も高くなるはずです。