コミュ症とは、主にコミュニケーション障害の略として使われる言葉でもともとは日本のネットスラングから派生したものです。

実際に定義される障害の「コミュニケーション障害」とは違い、他人との雑談が苦手な人・苦痛に感じる人のことを指して使われています。

そんなコミュ症の方ですが、実は人生経験の少なさや自分への自信のなさが多くの原因とされています。

こじらせすぎると引きこもりがちになったり、アルバイトなども出来ずに働かないといった形に表れてしまいます。

しかし、実はコミュ症は先天的なものでない限り改善は充分に可能なのです。

ここではコミュ症の人間と実際に働き、段々と普通の人と同じように人生を楽しんでいる姿を見てきた筆者がその内容を語っていきたいと思います。

コミュ症はバイトで治る?

コミュ症というのは人と話したりするのを苦痛に感じたり、人間社会でごく一般的に行われている社交辞令などの解釈がうまく出来ない人などに対して使われる言葉です。

しかし、その大半が後天的なものでありほとんどは改善が可能。

コミュ症の方でもいつかは結婚をして家庭を築いていくわけですから、不可能ということはないのです。

どういった形でコミュ症を克服したかは人それぞれですが、アルバイトをしていくうちに段々と治っていき通常の人間と同じようになっていったという方も多数います。

特に飲食店というのはコミュニケーション必須の職場です。

一見コミュ症の人にはハードルが高いかと思われますが、実はそんなことはありません。

実際にどういった感じでコミュ症が治っていくのかをこれから説明していきたいと思います。

飲食経験者の私が感じたバイトメンバーの変化

飲食店で働き、また飲食関連会社を立ち上げて多くの人材を登用してきた筆者がどういった人間たちがいたかをご紹介していきます。

その中には「コミュ症」と呼ばれる方もいましたが、段々と普通の方と同じように働くことができるようになっていきました。

Aさん27歳のフリーター・男性(飲食経験なし)

筆者が若いころに一緒に働いていた年上の方(Aさん)がまさにTHEコミュ症といった様子でした。

自分よりもあとから入ってきたので後輩にあたるわけですが、こちらとしては年上相手なので敬語を使うのが当たり前です。

しかし、そのAさんは最初の頃かなり口ごもった感じで「あ、敬語は大丈夫です」といって目も合わさずに会話をするのが通常の状態でした。

ただ仕事をしていくうえで、こちらも要求することがありますので「Aさん、ここはこういった感じで仕事をしてもらいたいんですが、分かりますか?」と目を見て話していくうちに段々と相手も「はい、分かりました」とこちらの気持ちを汲んで応えてくれるようになってきました。

およそ半年ほど経ったときに職場での打ち上げ兼飲み会があり、Aさんも誘いました。

最初は「僕はちょっと…」といったスタンスでしたが、半ば強引に誘うとしぶしぶ付いてきてくれて会に参加することに。

アルコールを飲ませればもう少し話しやすくなるのでは?とこちらも考えて飲ませてみたところ意外にも趣味の話などをたどたどしいながらも語ってくれて少しAさんのことを理解できるようにみんながなりました。

そして1年ほど経ったころには、飲み会にも自ら参加するようになり仕事もスムーズにこなし一端の飲食店スタッフへと成長。

最初の頃からは考えられないほど面白いキャラクターで、誰もがお店の仲間として認める存在へとなっていきました。

Bさん23歳のフリーター・女性(飲食経験多少あり)

Bさんは若い女性で、飲食経験が多少ありということでバイトの面接に受かった方です。

こちらのBさんと働くときには筆者自身もある程度上の立場になっていたので、面接した同僚に「よく採用したね」と言ったのを覚えいています。

それほど強烈に話が下手なBさんでしたので、最初はコミュニケーションを取ろうとしてもなかなか難しくこちらが要求することを一方的に伝えるのみといった感じでした。

しかし、それではつまらないだろうしせっかく飲食業界で働いているのであれば楽しんでもらいたいなということであえて良く話しかけるようにしました。

基本的には私が話しかけるのが99%だとして返ってくる言葉は1%くらいという、極度のコミュ症のBさん。

正直こちらが心を折られそうになりましたが、どうやらいわゆる「秋葉原系のオタク」ということが判明したのでそこをきっかけに会話を盛り上げようと試みた結果…。

少しずつ心を開いてくれたのかBさんの会話のパーセンテージが段々と増えていくようになりました。

またそうなると出勤時の私服にも変化が現れ始め、バリバリの個性派ファッションでお店に来るようになりました。

更衣室などでもそのファッションをきっかけに会話が生まれ、徐々にBさんも素の自分が出せるようになり話しかけてくれる回数も増えていきました。

こうなるともう話しは早いので、飲み会などに誘ってBさんとみんなが仲良くなりスタッフの中でも名物的なキャラとして親しまれるようにもなりましたね。

その後私は退職し、自身で起業することになるのですがたまにお世話になったお店に行くと新人を教育するBさんの姿を見かけることができます。

そうしたBさんを見ると「コミュ症」というのはきっかけひとつで変わるし、治るものだなぁと感じています。

コミュ症でも飲食業や接客でバイトできる?

ご紹介してきたようにかなり重度なコミュ症の方でも飲食店で働くことは可能です。

また、あくまでアルバイトですからイヤなら辞めてもかまいません。

一緒に働く人間が理解を示せばきっと長くアルバイトも続けられるかと思いますので、そういった職場に出会うまで何度でもトライし続ければいいわけです。

コミュ症がバイトをするときにきをつけるべき事

ここからは自分自身をコミュ症だと感じている人に向けて、アドバイスを送りたいと思います。

もちろん相手があってのことですので、一概にマニュアル化はできませんが自分の努力も必要だということを理解するうえでもチェックしてみてくださいね。

清潔感を大切にしよう

飲食業は清潔感が第一の職場です。

相手のお客さんからするとファーストインプレッションで料理の味やお店の雰囲気が変わってきますから、そういった点においてもビジュアルは重要です。

カワイイ、カッコいいなどというハードルは上げなくていいので、とにかく綺麗な見た目を心がけましょう。

たまに男性の方でボサボサのミディアムロングくらいの髪の長さで面接に来るパターンがありますが、それは頑張ってカットしてから応募してください。

また、女性においても同様のことがいえます。

あまりオシャレに興味がなくても手先や爪は綺麗に整えましょう。

ネイルは禁止ですが、なるべく美しい爪の見た目になるように心がけることが必要となります。

やる気と根気を持とう

最初は誰でも飲食経験がない初心者です。

そのため、ちょっとの失敗や会話のミスを引きずらないようにしましょう。

相手も人間ですから、多少イラっとした表情を出すかもしれません。

しかし、そこでめげていては先に進みません。

アルバイトをしてお金を稼ぐというのは大変なことかもしれませんが、やると決めたら最低でも1年は頑張るつもりで働きましょう。

きっとその中で身に付く経験や自信があなたを後押ししてくれるはずです。

コミュニケーションをしよう

なるべく積極的にスタッフとは会話をするよう心がけてみてください。

飲食店や接客業で働いている人間は大半がお喋り好きです。

最初はどんな話題を振ればいいか分からないかもしれませんが、相手が話しを展開してくれるので会話の練習にもなります。

そうした練習を詰むことによって、お客さんとの会話も成り立ちサービス力が身に付いていくわけです。

誰もがあなたのことを叱り付けたりするわけではないので、気軽にコミュニケーションを取ろうとしてみてください。

プライドは1度捨ててみよう

これは誰に対してもいえることですが、アルバイト先では一度それまでに持っている自分のプライドを捨ててみてください。

そうすることで意外にもすんなり仕事上での指摘や注意を受け止めやすくなり、人として成長することに繋がります。

プライドはあった方がいいかもしれませんが、最初だけは捨ててしまって新しい自分になるんだと考えてもらいたいものです。

コミュ症が飲食業や接客のバイトで得られるもの

コミュ症の方でも充分に飲食店や接客業で働けるということが分かってもらえたかと思いますが、その先に得られるものはどういったものがあるのかということを具体的に説明していきたいと思います。

きっと最初は苦労の連続かもしれませんが、その後にはかけがえのない財産を手にすることが出来ますので頑張ってチャレンジしてみてもらいたいです。

コミュニケーション能力

いわずもがなコミュニケーション能力はこれまでと打って変わって上昇することになります。

これまで緊張して話すことが出来なかった相手にも臆することなく会話することができる自分を想像してみてください。

世界には無限の可能性があるな、ときっと感じられることでしょう。

少しおおげさかもしれませんが、実際に私が一緒に働いてきたコミュ症の方々はそのように語っています。

また、ちょっとの勇気で改善できるものなんだということを良く話したりもしています。

接客マナー

接客するうえでマナーというのも非常に重要です。

そしてそれを覚えることで自分自身が外食をするときにも使える便利なスキルとして力を発揮することになります。

今まで行ってみたいと思っていた憧れの店にも行けるようになりますから、ぜひ飲食店などで働いて行動範囲を広げてみましょう。

社会性

飲食店というのは広い意味で社交性を高められる場所です。

お客さんからスタッフまで様々な人間と関わりあうことで、自分自身の人間としての素養を磨き上げることに繋がります。

そのため、どんなシチュエーションであっても恥ずかしくない社交性を手に入れることができますのでぜひ一度飲食店で働くことをおすすめ致します。

協調性

飲食店というのはある意味チームスポーツのような要素を持っています。

店長が監督ならばスタッフは選手です。

そして選手には色々な役割が任されています。

そうした中で自分は何の役割を担っているのかということを考えて行動していきます。

作業の順番やスピード、改善点を自ら考えることで周りと協調するということを覚えていきますので非常に教育の場としても優れた労働環境といえるでしょう。

達成感

だいたいの店舗では1日の目標売り上げというものがあります、飲食店であればやはり金曜の夜から週末にかけては忙しいタイミングですから頑張らなければなりません。

そうしたときに目標売り上げが達成されたときの気持ちというのはとても充実したものとなります。

また、自分ひとりではなく周りのスタッフみんなと成し遂げた結果ですからなおさら気持ちがいいですよね。

そうした気分を一度でも体験したら、きっとあなたも飲食て働くことが楽しくなると思いますよ。

友達

学校を卒業するとなかなか新しい友達というのは出来にくいものです。

普通の会社であれば同僚という存在はいても友達というものにまではなりづらいですよね。

しかし、飲食店の場合はちょっと違います。

比較的フランクな職場環境ですから上から下まで友達になりやすいという特徴があります。

たとえ10歳以上年上の店長であったとしても、働いてくうちに友達のような関係性になれるのが飲食業のいいところです。

その後の人生においても長年にわたって付き合っていける交友関係を築けますので非常におすすめです。

人からの信頼

今まであまり人から頼られることがなかった方でも飲食店で真面目に働いていれば信頼してもらえるようになります。

そうした充足感はきっと味わったことのない気持ちを感じさせてくれますので一度体感してもらえればと思います。

見合った給与

ちゃんとした労働には見合った給料が当たり前ですが付いてきます。

その給料で自分の趣味や好きなことをさらに満たしていけるのもやりがいのひとつといえるでしょう。

まとめ

コミュ症というちょっと特殊な方でも飲食店や接客業のスタッフとして働けることをご紹介してきました。

触れてきたコミュ症の方々も今では立派に働いていまうので、誰にでもチャンスがあると思います。

あとは一歩踏み出す勇気だけです。

ぜひこれまでの自分から成長する機会だと思って、面接に臨んでみてください。

きっと楽しさや喜びに満ち溢れたものがあなたを待っているはずです。