航空会社というと、華やかなイメージを持っている人も多いと思いますが、体力勝負の仕事ですし、シフト勤務で大変な仕事でもあります。

こんなに大変なのに、この苦労は報われない…そんな時、ブラックだな、と感じることがあります。

私は空港で働いていたので、現場寄りの偏った意見になってしまいますが、客室乗務員やグランドスタッフ、整備士やグランドハンドリグといった職種には、何か1つ当てはまる内容になっていると思います。

航空会社がブラックな仕事だな…と感じた9個の瞬間とは?

航空会社の仕事の中でも特に人気なのが、客室乗務員とグランドスタッフです。

客室乗務員やグランドスタッフは、多少条件が悪くても、なりたいと思う人はたくさんいます。

「辞めても、なりたい人はたくさんいる」という会社側の考え方が見えてしまった時は、ショックでした。

既に多くの人がいろんなところで書いているように、「使い捨て」です。

私は、一緒に働く「人」に不満はありませんでしたが、「会社」に不満があったので、体調を崩したのを機に退職を決意しました。

現在は、私が勤務していたときと環境が変わっているかもれませんが、根本は変わらないと思いますので、私の経験を元に「ブラック」だと感じたことをご紹介します。

給料が安い

グランドスタッフをはじめとする、大手航空会社のグループ会社社員やLCC社員にとって、一番ブラックだと感じるのは給料が安いことです。

グランドスタッフであれば、空港で直接お客様と接し、クレーム対応をして相当なストレスを抱える仕事ですし、グランドハンドリングの仕事であれば、飛行機の側で働くので暑さ・寒さ・大雨など過酷な自然環境の元で仕事をしますし、整備士であれば、人の命を預かるプレッシャーのかかる仕事です。

LCCでは、客室乗務員が機内清掃や地上職もこなすなど、複数の業務を行うのが当たり前といった話も聞きます。

入社前は、「憧れの仕事に就くのだから、お金じゃない」という気持ちもありましたが、仕事の過酷さに日々ストレスを感じる中で、「こんな大変な思いをしているのに、業務内容と給料が見合っていない」と感じるようになりました。

私は寮住まいだったので、家賃はそれほどかかりませんでしたが、日々の食費を切り詰めるため、自転車で30分かかる安いスーパーへ買い出しに出掛け、交通費を切り詰めるため徒歩か自転車を使い、仕事は制服なのでプライベートの洋服は買わない、といった悲しいくらい切り詰め生活を送っていました。

入社前、募集要項で給料の低さは認識していましたが、「昇給や賞与があるので、経験を積んでいけば少しは楽になるだろう」そんな思いがありました。

しかし、経験を積んでも、同年代の他の職業の人たちとは比べものにならない低さは、さすがに悲しくなります。

恐らく、ほとんどの人が「ブラックだ」と感じる要因ではないでしょうか。

下記に挙げるほとんどが、この「給料の安さ」にもつながっています。

昇給がほぼない

現場の仕事に就いて感じたのは、昇給がほとんどないことです。

頑張った分、一緒に働く上司や先輩たちからは信頼されますが、会社からはなんの評価もしてもらえません。

これも、コストカットの影響でしょう。

私は30代を前にして、この状態が続くことに、将来に対する期待が持てなくなりました。

休日が少ない

シフト勤務なので、基本的には4日勤務2日休みですが、5勤1休など調整が入ることも、月に1~2回発生します。

他社で働く友人には、6勤なんていう強者もいました。

4勤2休でも、仕事終わりが遅番で仕事始めが早番だと、休みの1日目はお昼まで寝てしまい、2日目は早めに寝るので、実質動けるのは1日分くらいです。

またシフト勤務のため、年間の休日数は一般の企業に比べると少なめです。

有給申請は出しやすいですが、職場によっては、申請しても実際に取得できるとは限りません。

ただ、世の中の動きから、今後取得しやすくなる可能性はあります。

手当が少ない

会社によって待遇は様々なので一概に言えませんが、大手航空会社は福利厚生や手当が良いと言われています。

しかし、グループ企業やLCCでは、十分な手当がない場合があります。

また、世の中の情勢が収益に直結する業界なので、不況になると給料やボーナスの据え置き・カットと共に、手当をなくすこともあります。

私が勤務していたときは、「年末年始手当」がカットされました。

今後も、いつどんな待遇になるか分かりません。

サービス残業

現場の仕事はシフト勤務なので、基本的に残業はありませんが、遅延や天候などによりイレギュラーがあった場合には、徹夜することもあります。

この場合は残業手当が付きますが、日々の業務でちょっとした作業の場合、サービス残業をしてしまう人も少なくありません。

先輩が残業を付けていないから、周りが残業扱いにしていないから、このくらいなら…といった気持ちから、慢性的なサービス残業になっている場合があります。

体力の問題

乗務員や空港で働く現場のスタッフは、基本的にシフト勤務なので、決まった時間に起きて決まった時間に寝る、という規則正しい生活は望めません。

客室乗務員であれば、早朝や夜遅くのフライトを担当することもあれば、国際線のフライトで12~3時間の長時間勤務もあります。

グランドハンドリングであれば、重い荷物を上げ下ろしするので、腰を痛める人が多いと聞きます。

24時間空港での勤務であれば、そこで働くグランドスタッフも交代で、24時間体制に対応します。

パイロットや客室乗務員の場合、体調管理の他、飲酒時間も気にしなければなりません。

これだけ苦労しても給料が安いと、モチベーションさえ維持できません。

人が育たない

私が勤務していた会社は、教育の場がしっかり設けられていたので、学ぶ場はありました。

しかし、若い人が次々に退職していくので、教育をしたくてもできません。

客室乗務員やグランドスタッフは、なりたい人が多いので入社はするものの、ブラックな一面を経験して、早々に見切りを付け退職してしまうため、人が育たないのです。

次々に新しい業務を任される

上記に書いたように離職率が高いため、穴を埋めるために次々に仕事を覚えさせられます。

昔は入社5年目くらいの人がやっていたという業務を、私は入社2年目にやらされました。

与えられた業務が自信を持ってできるようになる前に、次の教育が待ち構えています。

教育があれば、都度テストがあるので、家に帰ってノートをまとめ復習をする、といったことを半年に1回くらい繰り返していました。

休みの日もテスト勉強をしているか、自分のマニュアル作りに勤しむ日々。

休んだ気にもなれません。

自分の能力が追いついていないのに、責任だけは重くなる。

常にプレッシャーを感じるようになり、精神的にも辛かったです。

クレームのストレス

客室乗務員やグランドスタッフ、コールセンターのスタッフなどは、直接お客様と接する仕事ですので、クレームを受けることは日常茶飯事です。

研修でコールセンターの仕事を見学したとき、第一声が「待たせすぎだ!」と怒られる場面を何回も見てきました。

私たちは、クレーム処理も仕事なので対応しますが、航空会社へのクレームは、質が悪すぎるのが問題です。

空港でよくあるのは、預ける荷物の重量オーバーと座席のクレームです。

「前はこの荷物で通してくれた」「○○航空なら通してくれる」とごねられたあげく、逆ギレされ、「暴力を振るわれるかも」と思うくらい怖い思いをしたこともあります。

特に朝早い便は、ビジネス路線が多いこともあり、殺気立っています。

私の同僚は、荷物の中に壊れ物がないか聞いただけでも怒鳴られました。

空港には、理不尽な理由で怒ったり、身勝手な言い分を通そうとする人がたくさんいます。

外資系は、きっぱりと「ダメなものはダメ!」と言えるので、受託している外資系航空会社を担当したときは、そこがやりやすかったです。

日本の接客がお客様至上主義である限り、接客業は「ブラック」であり続けるのではないかと心配になります。

毎日いろんな嫌な思いをしているのに、給料は安いし勤務は辛い。

労働の対価として、待遇が見合っていないと感じました。

ブラックだと感じる時もあるけど、航空会社の仕事が楽しいと感じる4個の理由

ここまではブラックだと感じる場面を取り上げてきましたが、やはり人気の職種でもあります。

その人気の理由ともなる、「航空会社の仕事が楽しい」と感じる瞬間についても、書いてみます。

特別な場所で働ける

オフィスで仕事をするのと大きく違う点が、「働く場所」です。

飛行機の側や中で働ける、普通の人が立ち入れない場所で働ける、といった「特別感」を味わえます。

やりがいや達成感を感じられる

チェックイン時間を過ぎてからカウンターに現れた乗客や、搭乗口に現れない乗客を探し出し無事飛行機に乗せたときは、苦労の後の達成感もひとしお。

空港では、突発的なトラブルや予想外の出来事がたくさん発生しますので、その問題を解決したときはやりがいを感じます。

いろいろな人に会える

客室乗務員やグランドスタッフであれば、国際線はもとより、最近はインバウンドの乗客も増え、国内線でも外国人と関わる機会がたくさんあります。

いろいろな国の人と出逢えるのは、この仕事ならでは。

出逢う人の年齢層も幅広く、年配の人から元気をもらうこともあれば、かわいい子供たちに癒やされることもあります。

人の温かさを感じられる

客室乗務員やグランドスタッフは、お客様からお手紙をいただくことがあります。

私は、接客という仕事が自分に向いているか悩んでいたとき、外国人のお客様から「あなたのサービスは最高です」というお手紙をいただき、「やってきたことは間違いじゃなかった」と嬉しくなりました。

毎日クレームを浴び続ける中で、お客様のこうした「感謝の言葉」に、人の温かさを感じることができ、感謝する気持ちを持つことができました。

また、一緒に働く同僚も思いやりのある方がたくさんいたので、仲間を大切にする思いが強くなりました。

ブラックな仕事にしないために注意するべきこと

誰しもブラック企業で働きたいとは思いません。

せっかく頑張って入社したのですから、できればブラックな仕事にしたくないですよね。

会社を動かすことは簡単にはできませんが、自分たちが注意すべき点は何か、考えてみました。

有給休暇やシフト勤務を上手く使う

会社に「給料を上げて!」と言うことは難しいですし、言ったところで上がる訳もありません。

現場でできることの1つに、シフト表を作成する担当者が、「皆がしっかり休めるシフトを組むこと」が挙げられます。

年間の休日数が決まっている以上、どうしても調整が入りますが、申請された有給休暇はしっかり取れるようにする、有給消化をさせる、無理のないシフトを組む、といった小さなことでも、体力の負担を軽減できると思います。

パイロットのシフト作成では、希望を聞いてスケジュールを作っているそうです。

人の命を預かる仕事ですから、無理はさせられませんし、ストライキの問題もあると思いますが、パイロットとの信頼関係が築けるそうです。

同じことをやろうと思ったら大変ですが、少しでも近づけたら、体力的な負担は少なくなるのではないでしょうか。

サービス残業を止める

仕事が終わらなければ残業も致し方ありませんが、「サービス」でやらないことです。

当たり前になっているものをいきなり変えるのは、難しいかもしれません。

最初は、残業しないために誰かに仕事を手伝ってもらう、誰かに声をかけて一緒帰る、といったことから始めてみましょう。

上司や先輩に相談できるのであれば、業務量の多さを分かってもらい、一緒にやってくれる人をアサインしてもらうのが一番です。

どこも人手不足なので、チームを動かすこともなかなか難しいですが、行動なくして結果なしです。

人材を大事に育てる

上記にも書いた通り、人が育たないのが問題なので、人を育てることも考えるべきです。

育てるといっても、次から次へと教育を受けさせるのではなく、「じっくり育てる」ことが大切だと思います。

1つの業務を自信を持ってこなせるようになったか本人に確認する、後輩をしっかり指導できるくらい業務をこなせているかチェックする、というように、進捗状況を見極めて育ててあげる必要があると感じました。

まとめ

今回、日系航空会社の話をご紹介してきましたが、外資系は日系に比べて給料が多少高めに設定されているようなので、調べてみてください。

上記は、空港勤務を中心にお話しましたが、航空会社の総合職では仕事内容や勤務形態が変わってくるので、同じ航空業界でも条件は違ってきます。

航空業界は、経済の動きやテロといった事件の影響も受けやすく、業績に波が出やすい業界でもあります。

そのため、給料やボーナス、雇用形態にも影響が出やすいので、ブラック化しやすいことを念頭に入れておきましょう。


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