夢のある芸能界での仕事、アシスタントディレクターですが、意外と仕事内容をちゃんと知っている人はそんなにいないと思います。

ここでは、普段どんな仕事をしているのか、またどんな人がアシスタントディレクターの仕事に向いているのかを紹介します。

まずアシスタントディレクターってなに?

ディレクターがワイド番組や、帯番組、また複数の番組を担当していて手が足りない場合に、ディレクターの補助として仕事を手伝うのがアシスタントディレクター(※ここからは、ADと略します)です。

仕事内容としては、事務的なことから、雑務、ゲストのケア、番組の編集までとにかく幅広いので、ADを経験すれば、いろんなところで役に立つでしょう。

ちなみに、力関係でいうと、プロデューサー>ディレクター>アシスタントディレクターの順になります。

アシスタントディレクターの仕事の種類と大まかな仕事内容

ADは細かい仕事がとにかく多いです。

ここでは代表的な5つを取り上げて紹介します。

ケータリングの買い出し

ゲストやスタッフ分のご飯や飲み物を買ってくるのはADの仕事です。

どういうケータリングを買ってくるかで、その人の評価にもつながるので、「あの人はこの食べ物好きって言ってたな。」とか「あの人、前これ美味しいって言ってたな。」といったことを覚えておくことが大切になってきます。

意外と気を遣わなければいけない仕事のひとつです。

スタジオ取り、ゲストの駐車場取り

収録日が決まったら収録スタジオを予約するのはADの仕事です。

ゲストが来る場合は、車でいらっしゃることもあるので、駐車場の予約も取らなければいけません。

収録が決まってもスタジオがなければ録音ができないので、とても大事な作業になります。

音素材集め

ラジオで表現するために欠かせないのが音です。

SS(サウンドステッカー)、JM(ジングルミュージック)、効果音、BGM(バックグラウンドミュージック)と音の種類と言ってもたくさんあります。

音を選ぶのはディレクターのこともありますが、慣れてくるとADがやることの方が多いです。

その番組、企画、雰囲気に合った音を選ぶのはなかなか難しいですが、自分で番組の一部を作っている感覚になるので、責任感がありとても楽しい仕事です。

生放送での音素材のセット

生放送と録音番組がありますが、仕事内容が少し違います。

生放送では、まず、音を再生する機材にCDやデータを入れ込みます。

音を出す直前にその機材のボタンを押して、技術さんがフェーダーという音の上げ下げをするもので、音を出す仕組みになっています。

違ったトラックや音素材のセットミスをしてしまうと放送事故になってしまうので、いちばん緊張感を持っていないとできない仕事です。

一度間違えるとミスをするのが怖くなるので、何事も自然と確認癖がつきます。

生放送はハプニングがつきものですが、またそれが楽しいところでもあります。

慣れてくると編集を頼まれる!

先ほど、生放送と録音番組は仕事内容が少し違うと書きましたが、今度は主に録音番組についての話です。

録音番組は生放送と違って、あまり時間を気にしないで面白い話が録れるまで収録することがあります。

収録が長くなってしまった場合は、規定の時間まで編集をして短くしなければいけません。

そうなったときに、「どの話をリスナーが聞いたら面白いと思うかなぁ。」とか「ノイズが多いからここは編集で落としてしまおう。」と判断して、それをリスナーに気づかれないように編集をしなければいけないのでとても細やかな作業になります。

慣れるまではどの話を編集するか判断がつきづらいので、この仕事はある程度ADの仕事ができるようになってから頼まれることが多いです。

アシスタントディレクターの仕事はどんな人に向いている?

細やかな仕事もたくさんあり、人との関わりも多い仕事なので、向き不向きはわかりやすく出る職業だと思います。

まずは向いている人から紹介していきます。

連絡がまめに取れる人

この職業はいつ仕事が入るか分かりません。

イレギュラーなこともよくあるので、緊急事態に連絡が取れないと仕事が滞ってしまいます。

常に連絡が取れる状況にいれば信頼され、仕事が増えることもあるのでとても大事なポイントです。

誰とでも仲良くできる人

この職業は、芸能人と一緒に仕事をするのはもちろんのこと、マネージャーさん、企業の方、スポンサーさんなどたくさんの方と仕事をします。

スポンサーさんが番組資金を提供してくれることで番組が作れるので、まずは自らが良い印象を持ってもらい、「この人と一緒に面白い番組を作りたい。」と思ってもらえれば、番組継続にもつながるのでいちばん重要かもしれません。

意外と人気商売なので、ディレクターも一緒に仕事をしたい人を選ぶことがほとんどです。

日々のコミュニケーションを大事にして、たくさんの人と仲良くなっておくことが、自分への評価、仕事量にもつながります。

ラジオが好きで常に面白いことをしたいと考えている人

好きなことを仕事にすることは、仕事へのモチベーションを上げるひとつの理由になります。

常にアウトプットをし続ける職業なので、その分インプットもしないと発信することはできませんし、リスナーも新しい情報を求めています。

そのニーズの声に対していかに期待に応えられるか、どうしたら人を楽しませられるかを考えられる人が、面白い番組を作ることができます。

好きな気持ちは誰にも負けないと胸を張って言えるものがある人

好きは最強の武器になる仕事なので、「この会社の中ではいちばん自分が◯◯のことが好きで知識も誰にも負けない!」というものがあると、必ず番組を作る時に役立ちます。

わかりやすくリスナーに伝えるのは大事なことですが、時には専門的な知識も必要になる時があります。

意外とマニアックな話を聞くのは興味深く、面白いことでもあるので、そういったものがひとつでもあると自分の強みになると思います。

逆にアシスタントディレクターの仕事に向いていない人とは?

はっきり言って、ADは勤務時間も長く、給料も安いです。

それでも、ラジオが好き、面白いことをしたい!と思っている人が最後まで残る業界です。

ここでは、ADに向いていない人を紹介します。

体力に自信がない人

先ほども書きましたが、この仕事はかなり勤務時間が長いです。

担当する番組によっては、朝早く、夜も遅く、場合によっては泊まり勤務もあります。

睡眠時間も十分に取れず、生活リズムが崩れることが多々あるので、それでも体力に自信がある人は続けられると思います。

また、毎日、番組の準備をし、放送して、また番組の準備をする、の繰り返しで終わりがないので、常に仕事を抱えている状態です。

休日も仕事をしなければいけない時もあるので、精神的にも強くないとやっていくのは難しいでしょう。

なんで?、どうして?という発想ができない人

ラジオは音だけで伝える媒体です。

「なんでその選曲にしたのか。」「どうして今その話を伝える必要があるのか。」理由を論理的に考えて行動ができる人でないとリスナーにすべてバレてしまいます。

表情が見えない分、音が持つ情報量は計り知れないものなので、すべてのことに意味を持って行動することが大事になってきます。

コミュニケーションを取ろうとしない人

番組制作は1人の時もありますが、大体はチームで行います。

どういう企画をしたいかを意見交換するときはもちろんですが、生放送のときは、声かけをしっかりやらないと放送事故の元になります。

あとは、自分で営業をして仕事を増やすのも大切なので、コミュニケーションをとることは自分のためにもなります。

プライベートの時間がないと無理な人

勤務時間が長いと書きましたが、それに加え休みも少ないです。

例えば、祝日だとしても特番が入らない限りは休みになりません。

長期休みもこの職業だとほぼ取れないと思った方が良いでしょう。

プライベートの時間も他の職業に比べたら圧倒的に少ないので、自分の時間がないとやっていけない人はどんどん仕事が辛くなってくると思います。

アシスタントディレクターの仕事のやりがいとは?

ここまで読んで、やっぱり大変そうな仕事だな…と思った人もいることでしょう。

しかし、その分やり甲斐はものすごくある仕事です。

私が実際に体験したことを紹介します。

リスナーからの感想をもらった時

ラジオは人の表情が見えない分、メールなどで番組の感想をもらうことがリスナーの思いを知るいちばんのツールになります。

感想を読んだ時に、「面白かった!」と書いてあるだけで、「時間をかけて番組を作って良かったなぁ。」と報われた気持ちになります。

リスナーからの感想や意見を参考に番組の方針を考えることもあるので、発信するだけではなく、作り手も勉強になることがたくさんあります。

芸能人と会った時

大好きな番組のパーソナリティーと一緒に仕事をするのはこの上なく嬉しいことです。

アーティストと仲良くなったりすると、ライブに呼んでくれたり、ライブ後にお話できたりと、夢のような時間を過ごすこともあります。

ファンである芸能人とこうやって距離が近くなる瞬間を感じた時は、「この仕事をやっていて本当に良かったなぁ。」と心の底から思います。

新しい番組につくことが決まった時

どういう人がADに向いているかのところでも書きましたが、この仕事は人気商売です。

シフトの兼ね合いもありますが、番組ディレクターが「この人と仕事がしたい。」と思った人を番組スタッフとして任命するのはそう珍しいことではありません。

新しい番組につくことが決まったら、自分の評価もある程度良いというのがわかるので、さらに仕事に対して一生懸命頑張れる理由になります。

アシスタントディレクターで働いた経験をどんな仕事に活かせる?

この仕事をやっていると本当にいろんなスキルを伸ばすことができます。

きっとどの職業になっても活かせることしかないとは思いますが、いくつかピックアップして紹介します。

営業職

番組制作はいかに面白いものを作るか、それをわかりやすく伝えるためにはどうしたら良いか、たくさんの人に知ってもらうためにはどう行動すれば良いかを考えることの繰り返しです。

会議などでも発言する機会が多く、自然とPRする力が養われるので、営業職になってもその力は充分に発揮できると思います。

接客業

ADの仕事は、周りをよく見て気を遣う細やかな配慮が大切です。

相手が今、何をしたいのか、それをするために何が必要なのかという力は、生放送で異常事態が起きた時に必要なスキルになってきます。

接客業でも、お客さんが喜んでくれるにはどうすれば良いかを考えますよね?

それをとっさの判断で行動する力がADをやっていると身につくので、接客業でも活躍できると思います。

ライター

この職業は、常にアウトプットをし続けるので、その分インプットもしなければ仕事はできません。

時には、自分の不得手なものにも興味を持って取り組まなければいけないので、あらゆる知識がつきます。

それに、ディレクターにでもなれば、原稿を書かなければいけないので自然と文章力もついてきます。

このふたつを生かすことができるのはライターです。

実際に、ADをやっていてライターに転職した人も少なくありません。

番組制作で培った知識と文章力があれば、ライターになったとしてもやっていけるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

華のある世界、芸能界と思われがちですが、意外と気にしないといけないことはたくさんあり、時には地味な作業をずっとやらなければならない時もあります。

しかし、そのスキルはどこへ行っても必ず役に立つことですし、むしろ活躍できるチャンスになります。

ラジオは、パーソナリティーとリスナーが近い媒体です。

企画することが好きな人、人を楽しませることが好きな人、楽しいことしたいと常に考えている人は、ラジオの向こう側にいる人たちにたくさんのワクワクを届けてみませんか?

大変なことも、もちろんたくさんあります。

でもその分、反響も大きい職業です。

もし、この記事を読んでアシスタントディレクターに興味を持っていただけたら嬉しいです。