「家が欲しい」と思った時に行くとしたら、新聞折り込みチラシをチェックしたり、駅前などにある町の不動産屋や住宅展示場などに行く人が多いでしょう。

では住宅メーカーはどんなところ?不動産屋とは違うの?と疑問に思うかもしれません。

簡単に言うと住宅メーカーの仕事は「家を建てる仕事」で、家や土地などの不動産の売買や仲介を行う不動産業とは異なります。

それでは、住宅メーカーの仕事内容について詳しくみていきましょう。

住宅メーカーの大まかな仕事内容

住宅メーカーとは、すでにできている家を売るのではなく、所有している土地にある建物が古くなったので建て替える、土地を購入して注文住宅で建てるなど、一戸建ての新築工事の設計や建築をする会社のことで、ハウスメーカーとも言います。

具体的にイメージしやすいのは住宅展示場での業務で、家を建てたいと思っている人が来場したら営業が接客をします。

営業がヒアリングした要望をもとに設計がプランを作成し、それを営業がプレゼンして契約となれば、その後設計担当が建物の詳細の設計をします。

設計が終わったら工事担当が現場監督として建築がはじまり、家が完成したら引き渡しとなります。

この建築に関する一連の流れをすべて行うのが住宅メーカーの仕事です。

住宅メーカーの仕事は大きく3個の役割に分けられる 

事務、人事や経理など総務系の仕事もありますが、これら仕事は他の会社にもあるので、ここでは住宅メーカーならではの仕事の役割についてご説明していきます。

営業

営業がお客様を見つけてこないと、住宅メーカーの仕事は何も始まりません。

建て替えを検討している、注文住宅で家を建てたいと思っている人を探し出し、間取りの提案や資金計画などのプレゼンをして、金額面で折り合いがつけば契約となります。

しかし、家は一生のうちに何度も建てるようなものではないので、潜在顧客数が絶対的に少ないのです。

つまり、検討しているお客様を見つけることがそもそも大変なのです。

それにも関わらず競合他社が複数存在するのでライバルも多く、お客様が見つかればば簡単に契約に至るわけではありません。

無事に契約をもらうことができて初めて、営業としての仕事の成果として認められることになります。

注文住宅の場合は契約後も、設計や工事の期間中もお客様と連絡のやりとりやフォローなど、建物が完成して引き渡すまで長期間に渡って業務が続くことになります。

設計

設計は、営業が見つけてきた新築を検討している人の希望の間取りを設計・プランニングします。

契約後はその仮プランをもとに詳細の設計や申請の業務を行います。

基本的にはパソコンやデスクでの作業が多いですが、ただ設計をするだけではありません。

建築地や役所に行ったり、お客様との打ち合わせなどもあり、外出することも多々あります。

お客様はもちろんのこと、営業や工事との連携だけでなく、取引先や業者との関わりもあるので、コミュニケーション力が必要です。

住宅設備や内装、外装、インテリアなども提案するので、幅広い知識とセンスも必要になってきます。

設計になるには一級建築士の資格が必要です。

まずは二級建築士の資格を取り、仕事をしながら一級建築士の勉強をして資格をとるという人もいます。

工事・施工管理

設計が図面上で作成した設計図を元に、建物が建てられます。

現場での実際の作業は大工や下請けが行いますが、その現場を仕切る総監督が工事担当です。

工程の監理は天候によっても左右されますし、家を一軒建てるには相当数の人が関わり、同時進行で複数の建物を担当するので、その調整が大変な仕事です。

また、建築中の現場でのトラブルやクレーム対応などもします。

お客様との打ち合わせもあり、現場では色々な業者が出入りし、熟練した職人を相手にすることになるので、職人気質であってもコミュニケーション力が必要です。

工事・施工管理も、建築士や建築施工管理技士などの資格が必要になってきます。

その他

営業・設計・工事が住宅メーカーの大きな役割ですが、そのほかにも積算、営業企画、アフターメンテナンスなど、会社にもよりますがさまざまな仕事があります。

積算は営業が出した概算費用よりもっと詳細の建築費用の算出をします。

営業企画はイベントの企画や準備、キャンペーンを考えたり、チラシを作ったり、営業活動のサポートをします。

アフターメンテナンスは、引き渡し後の定期点検やメンテナンスを主にやる仕事です。

このように、一軒の家には実にたくさんの人が関わり、その仕事内容も多岐に渡ります。

設計事務所や工務店とは違い、住宅メーカーの業務はそれぞれとても専門的ではありますが、それだけいろいろな仕事をする人がたくさんいるのです。

営業の5個の業務

接客や顧客獲得の営業活動

住宅展示場や現場見学会などで建て替えや注文住宅での新築を検討しているお客様の接客をします。

その際に、どのくらいの大きさのどんなデザインの家を希望しているのか、予算はだいたいいくらくらいなのかをヒアリングします。

人柄や話しやすさも個々の営業の特徴になるので、少しずつ人間関係を作っていくことも大切です。

他にも、問い合わせへの返信、連絡電話での営業や戸別訪問、過去の来場者の掘り起し、業者や既存客からの紹介など、あらゆる手段を駆使して顧客を探します。

調査・打ち合わせ

建築予定地の現場調査と法規制確認のための役所調査をします。

現地調査では、敷地境界線や隣地との高低差、日当たり、前面道路の状況などを確認します。

役所調査では、該当する役所で都市計画法の用途地域などを調べたり、測量図などを入手したりします。

その調査結果と、接客時にヒアリングした内容を設計に伝え、間取り図を作ってもらいます。

その間取り図をもとに建物の概算予算を算出し、お客様に合った予算での資金計画をたてます。

プレゼン・契約

設計が作った間取り図と概算予算をお客様にプレゼンし、再ヒアリングをしながら金額面でも詰めていきます。

基本となる間取りと金額にお客様が納得し、折り合いがつけば契約となります。

ほとんどの場合お客様は相見積もりをとるので、競合他社も入ってくることになるので、どのようにプレゼンして詰めていくのかが営業の手腕の見せ所です。

金額や住宅メーカーの商品価値などで決めるお客様が多いですが、中には営業の人柄で決めたという人もいるので、営業の魅力や人間関係が契約の獲得につながることもあるのです。

契約後のフォロー

資金計画も相談し、ローンを組む場合は銀行関係の手続きもします。

契約後、詳細の打ち合わせが始まり、請負契約を経て着工になります。

着工してからの工事期間中、引渡しまでのフォローも行います。

銀行のローン決済の手続きや、引き渡し時に工事代金の受け渡しや振り込みがきちんとできているかなど、金額が大きいだけにお金の取り扱いも営業の大切な仕事のひとつです。

既存客の管理

引渡しが終了したあとも、アフターメンテナンスや既存客を紹介してもらったり、お客様との関係は続きます。

年末年始、引き渡し日など、節目であいさつに行くこともあります。

設計の4個の業務

設計業務

契約前のプレゼン用の間取り図を作る企画設計と、契約後の詳細の設計をする実施設計があります。

企画設計はスピード重視かつプレゼンで他社に勝てるような魅力あるプラン作りが必要です。

実施設計は詳細の設計、間取りだけでなく設備や内装・外装など提案もするので、豊富な商品知識やセンスが必要です。

間取りだけでなく、空調や給排水などの機械設備などの実施図面も作成していきます。

お客様との打ち合わせ

まずは企画設計が基本となる間取りをお客様と打ち合わせしながら決めていきます。

その後、実施設計が上記したようにもっと細かい間取り・設備・内装・外装…と、細かいところまで全てをお客様と打ち合わせをして決めていきます。

追加されたオプションの金額なども提示し、限られた予算内で調整しながら要望を最大限取り入れられる家を建てられるように提案していきます。

現地調査

建築予定地の現地調査をします。

敷地の広さや境界線、高低差、建物の配置、日当たり、近隣の状況などを確認し、プランに反映させます。

測量や地盤調査時の立ち合いなどもおこないます。

建築確認申請などの手続き

作成したプランをもとに、建築確認申請の書類を作成して手続き等を行います。

意匠、構造、設備など建築に関係するすべての項目が法規則にきちんと適合しているかを確認し、着工前に申請が下りるようにしなければなりません。

工事・施工管理の4個の業務

工程管理・業者の手配

契約時に引渡し日が決まっているので、それをもとに工程を計画・管理します。

工程に従って各業者がいつ入ってどのような作業を行うかを決めていきます。

建築業というのは季節や天候によって左右されてしまいますが、引き渡し日にしたがって工期を守るのは絶対のことなのです。

原価管理

営業がお客様と契約した金額をもとに、実際に建築にかかる費用を算出し、原価の管理をします。

いかに原価を抑えることができるかが会社の利益に関わってくるので、とても大切な仕事です。

予算や工程によって入れる業者や大工を選定し、工期の相談や支払いなどの調整も行います。

お客様との打ち合わせ

着工してから現場で確認したいことや新たに決めたいことなどをお客様と打ち合わせします。

図面上では気づかない細かいことなどを、建築中に現場を見ながらお客様に相談をします。

建築中や完成時に施主検査を行い、図面や打ち合わせ通りにできているかの確認を行います。

現場のトラブル・クレーム対応

実際に建築が始まると、現場でのトラブルや近隣からのクレームなどが出てくることがあります。

必要であればその対応を営業と一緒に行うこともあります。

住宅メーカーの仕事の良いところ

注文住宅を扱う住宅メーカーは、不動産の仲介業や新築戸建やマンション販売とは違い、家というとても大きなものを何もない状態からお客様と一緒に作っていくことが一番の魅力です。

家が建つまでの流れをすべてを見ることができますし、毎回新しい発見があるとてもやりがいを感じる仕事です。

やりがいを感じるポイント

衣食住という人間の生活に欠かせないものの中でも、「家」という暮らしの快適さに直結するものを造ることができます。

特に住宅メーカーが取り扱う「注文住宅」は、夢を形にする仕事です。

それだけお客様からの要望も高く、最初の接客から建物を引渡すまで長い期間がかかることもありますが、お客様との人間関係は深くなり、感謝されることもたくさんあります。

また、扱う金額も高いのでそう簡単に契約が取れる訳ではありません。

だからこそ1件の契約が取れた時はとても大きな達成感を得ることができます。

会社での評価も、社歴や年齢に関係なく契約した数で決まるので、給料や昇給という目に見える形で評価してもらえることもやりがいを感じる理由のひとつです。

面白いポイント

家には同じものは存在しませんし、お客様相手の仕事なので、ルーティーンワークのような単純作業や同じことの繰り返しという作業はまったくありません。

経験を積むごとに知識が自分の中に蓄積されていくことがわかりますし、仕事に退屈することはなく刺激的に感じることができます。

毎日新しい発見や学ぶことがあり、自分の成長を感じることができる仕事なのです。

知識や経験を積んでいくと、お客様の心理が手に取るようにわかったり、経験をもとに練った自分の作戦がバチッとはまって契約につながったり、始めの頃とはまた違った面白さがあります。

何もない状態から形になっていくのを間近で見ることができる

できている家を売るのではなく、まったく何もない状態からプランを作り、要望を取り入れて少しずつ練り直しながらまずは設計図面が完成します。

その図面をもとに、基礎や建物の構造部分が造られ、屋根や壁、内装・・・というように、家をつくる工程を最初から最後まで間近で見ることができます。

注文住宅なので、それぞれの家にそれぞれのこだわりが詰まっており、数か月間という長期間ではありますがその様子をリアルタイムで体感できるのです。

自分の家ではなく他人の家なのですが、自分が携わった家として、完成・引き渡しをする時は感動と充実感を味わうことができます。

まとめ

住宅メーカーの仕事は、専門性が高く、仕事の拘束時間も長そうというイメージがあるかもしれません。

確かに、家に携わるので簡単な仕事ではありません。

ですが、イメージだけで「大変そうだな」と思ってしまうのはもったいない仕事です。

住宅メーカーにはどんな仕事があるのかを知ることで、自分が興味のあることややりがいを感じられそうなところで自分の力を発揮して働くことができるといいですね。