よく聞く言葉で「舞台は生もの」というものがあります。

舞台上演中にアクシデントがあればその場で対応しなければいけませんし、全てが人の手によって進められていくので、毎日同じ公演にはならないことからそう言われているようです。

舞台に出演している出演者だけではなく、たくさんの劇場スタッフがそれぞれの役割をこなし、一つの作品を作り上げることで舞台は成り立っています。

このように作品を陰から支える劇場スタッフのアルバイトについて解説していきます。

劇場バイト求人の大まかな仕事内容

劇場でのアルバイトには大きく分けると2種類あります。

舞台上演をかげで支える裏方のお仕事と、舞台観劇のために劇場へ来たお客様のご案内をする表方のお仕事です。

裏方のお仕事には、大道具、小道具、照明、音響、衣装、床山、劇場内の備品の管理や修繕などをする劇場管理のお仕事などがあります。

表方のお仕事には、チケットもぎり、クロークカウンター、客席案内などの接客のお仕事があります。

劇場バイトでよくある募集内容とは?

劇場でのアルバイト募集のほとんどが裏方と表方とでそれぞれ別に募集しています。

また、チケット売り場やグッズ売店、飲食店などを併設している劇場だとそれらのスタッフや、劇場のスタッフの入退館を管理するお仕事などもあります。

その中で募集が多いのは、表方の接客のお仕事です。

劇場には毎日たくさんのお客様が来るので、それに対応するたくさんのスタッフが必要です。

時給相場

平均すると裏方も表方も時給1,000円くらいが相場のようです。

もちろん、地域によってばらつきはありますし、早朝や深夜も運営している劇場であれば手当がつくので、そこも比較のポイントになるかと思います。

シフトの入れ具合

週に2日~5日と、かなり融通がききます。

日々の劇場運営を問題なく行うために様々なポジションにたくさんのスタッフが配置されるため、必要なスタッフの人数は多いです。

いっしょに働くスタッフが多い分、シフトに融通をきかせてくれるところも多くなっています。

求められる人物像

お芝居やミュージカル、舞台が好きという方はもちろんですが、詳しくはないけれど興味がある程度の方でも舞台を運営するための業務をしっかり理解しようという姿勢があれば歓迎されるかと思います。

裏方・表方問わず、働いている劇場での上演中の演目について、全体の流れや作品の背景などを覚える必要がありますが、逆に、全く興味のない方でもしっかりと知識を身につけて責任をもって取り組むことができれば問題ありません。

劇場バイト求人の職種の違い

劇場でのお仕事は、様々な役割から成り立っています。

表方の場合、すべてのポジションをローテーションで担当する劇場や、それぞれのポジションに担当が決まっている劇場もあります。

劇場によって募集要項が異なる部分になりますので、ここはしっかり確認しておくと良いかと思います。

たくさんのポジションで役割分担をして運営している劇場ではありますが、大きくは裏方と表方の2つに分けることができます。

裏方

舞台セットの設営から、舞台出演者の衣装の調整まで、舞台上演を陰から支えるお仕事です。

細かく挙げると、舞台監督、大道具、小道具、照明、音響、衣装、床山などがあります。

これらの役割を担当するスタッフが毎日の公演のために劇場でお仕事をしています。

作家、演出家、振付師なども裏方に含まれますが、作品を作り上げるまでがお仕事なので、日々の公演のために劇場で働くということは少ないです。

表方

劇場に来るお客様に対してのご案内をするお仕事です。

入り口でのチケットの確認や、お席までのご案内など、劇場内の接客に関わることを担当します。

劇場や上演している演目に対するご意見をいただくことや、劇場でのルールを守っていただくためのお声がけなど、お客様との会話の多いお仕事です。

この中でローテーションで毎日違うお仕事をするのか、担当としてひとつのお仕事を受け持つのかというところは劇場によって変わってくる部分です。

劇場バイトはこんな人に向いている!

劇場と言ってもその種類は様々です。

貸し出しで運営している劇場もあれば、劇団が自ら運営している劇場もあります。

また、比較的客席の少ない小劇場から、何千人も収容できる大劇場まで、収容人数の規模にも違いがあります。

それぞれの劇場の方針によって働き方は変わってきますが、共通して言えることはエンターテイメント業界で働くということです。

劇場ではたくさんのスタッフが働いていますが、その全員が公演を問題なく終えることを目的としてお仕事をしています。

ひとつのゴールに向かって全員で努力をして、何かを達成することが好きなひとはとてもやりがいを感じることができるのではないでしょうか。

裏方編

細かい作業が好き

裏方のお仕事は非常に繊細なものが多いです。

一見力仕事に見える大道具や照明も、少しのずれも許されないミリ単位での作業をしています。

衣装に関わるお仕事だと、当然のことながらお裁縫の技術や手先の器用さが必要です。

決められたとおりに細かく作業を進めていくことが得意なひとはとても向いています。

人から喜ばれたい

公演だけではなく、出演者や表方のスタッフのことも陰から支えることができるのが裏方のお仕事です。

誰かのために何かをすることが好きなひとや、自分のしたことで誰かが喜んでいるのを見るのが好きなひとは、毎日達成感を味わえるのではないでしょうか。

臨機応変な対応ができる

どれだけ入念に準備をしていたとしても、舞台上演にアクシデントはつきものです。

機材トラブルや、事故、自然災害などにも対応しなければいけません。

出演者の衣装についていたビーズがとれてしまったり、使用する小道具が破損してしまったり、様々なことが起こります。

アクシデントが起きても冷静に対応できるひとが必要です。

もちろん、経験も必要な部分ではあるので、経験を次に生かすことが得意なひとはすぐに頼られる存在になるかと思います。

表方編

接客が好き

劇場に来るお客様の多くは、舞台観劇に特別な思いを持っているので、一般的な接客と比べ、よりおもてなしの気持ちを強く持つことが必要とされます。

また、”撮影禁止””飲食禁止”など、その劇場によって様々なルールがあり、こちらからお客様に対して劇場のルールにご協力いただけるようにお願いをする場合もあります。

そのため、お客様と話すことに抵抗がないというのが前提になります。

笑顔に自信がある

お客様の前に立つからにはいつでも笑顔であることが条件です。

ときにはお客様からご意見をいただくこともありますので、お客様から話しかけられやすいような雰囲気でいることが大事です。

お客様からのご意見がネガティブな内容だったときは笑顔を抑えることも必要なので、表情をうまくコントロールできるひとはとても向いています。

臨機応変な対応ができる

お客様からの要望があった場合、お客様の気持ちを汲み取ることを第一に考えたうえでうまく対応する必要があります。

もちろんここでも劇場のルールを守らなくてはいけないので、応用力がカギになります。

接客の経験がなくても、機転を利かせることが得意であればすぐに大活躍できるのではないでしょうか。

逆にこんな人は向いていない!

劇場ではたくさんのスタッフがそれぞれの役割を務めることで舞台を上演しています。

一つの作品をみんなで作り上げていくという感覚を持てない、いわゆる協調性のないひとには向いていないと思います。

計画性がない

どんな作品であっても、たくさんの人の手によって成り立っているからには、それぞれの役割を自分勝手に進めていくわけにはいきません。

自分の作業が遅れることによって、その次に控えているひとを待たせてしまうことになります。

最悪の場合、公演に間に合わないなんてことにもなりかねないので、計画性を持ってお仕事に取り組むことが大事です。

コミュニケーションがとれない

ひとりで黙々と作業をするお仕事もありますが、最終的には舞台を上演するうえで必要な作業です。

自分がどの作業をしているか、次に何をする予定なのか、など、周囲のひととコミュニケーションをとることで効率よく作業が進みます。

実際に声を掛け合うことで無駄なく作業が進められるのに、それができないとなると周りのひとがやりにくく感じてしまいます。

ルールを破っても平気

劇場で起こる様々なことに臨機応変に対応をしなければいけませんが、何でもありというわけではありません。

誰か一人がルールを破ってしまうことによって、上演している作品そのものに影響が出てしまいます。

また、たくさんのお客様が同じ空間で過ごすことになるので、全員に心地よい環境を提供するためにはお客様自身にもルールを守っていただく必要があります。

自分自身がルールを破ることも、ルールを破っているひとを見過ごすこともあってはならないことです。

一番に目立っていたい

裏方や表方は陰から支えるお仕事ですが、舞台に立っている出演者であっても自己主張をするのではなく、作品に必要な役を演じています。

すべてはひとつの作品を作り上げるためです。

表に立って目立つお仕事がしたいひとには向いていません。

劇場バイトのおすすめ求人の特徴とは?

劇場バイトと一言で言っても、ミュージカルやお芝居の上演がメインの劇場だけではなく、演芸(お笑いなど)の上演がメインの劇場もあります。

このように劇場だけでも種類は様々ですが、それぞれの求人にもいくつか特徴があります。

ミュージカルやお芝居の上演をしている劇場バイトの経験者として、おすすめしたい求人の特徴をご紹介します。

制服がある

中には制服はなく私服にスタッフジャンパーを羽織るだけ、という劇場もあります。

その場合、私服にも制限をされることが多く、例えば、黒色か紺色の動きやすいパンツ着用必須や、稀にスーツ着用というところもあります。

制服があると着替えるのが面倒という方は別ですが、通勤の服装を普段通りに気にせずに選べるということは働きやすさにもつながってくると思います。

また劇場の制服を予めチェックしておいて、自分の好きなデザインの制服が着れる劇場から選ぶのもアリではないでしょうか。

制服に自信のある劇場は、求人広告に写真を載せていたりもします。

研修制度がある

劇場でのお仕事はイレギュラーの連続です。

実践で経験を積んでいくことが一番ではありますが、どういうことが起こるのか、そういう場合どのように対応するのか、先に教えてもらえる方が安心してお仕事に就けるかと思います。

研修を行っている劇場であれば、場合によってはロールプレイングなどで実践に近い学び方ができるところもありますので、いざ実践となったときにイレギュラーさえも楽しめるようになるかもしれません。

施設が整っている

劇場でお仕事をするということは、一日のほとんどを劇場内のどこかしらのスペースで過ごすということです。

とても細かいことを言うと、スタッフ用のトイレがあるのかということ。

無い場合はお客様と共用になるのか、お客様がいる上演中に使用することはできるのか、などです。

また、休憩スペースがなくて床に直接座り込んでお弁当を食べる、ということもあり得ます。

どれも平気な方は問題ありませんが、こういった日常の細かい部分で「働きにくいな」とストレスに感じてしまうこともありますので、自分に合った環境で探すことも一つの選択肢として取り入れてみてはいかがでしょうか。

劇場バイトで働くやりがい

表方で接客をしていると、お客様から直接感謝の言葉をいただくことがあります。

また、裏方であっても客席に鳴り響く拍手の音を聞くだけでお客様の感動の気持ちが伝わってきます。

自分たちで作り上げたものを観たお客様の気持ちをダイレクトに感じることができるのが劇場バイトです。

観劇後は笑顔に

修学旅行のプログラムの一環でミュージカル観劇に来た学生さんたちが、劇場に来て作品を観る前はみんな興味もなさそうでした。

でも、帰るころには楽しそうに感想を言い合ったり、あるシーンを真似して笑っていたり、ちょっとお行儀の悪かった生徒さんが最後に劇場のスタッフに向かって「ありがとうございました!」と言って帰って行ったり、そういう姿を見ると、舞台という芸術作品の力を改めて知ることになります。

そして、劇場で働いていて良かったな、と実感する瞬間でもあります。

まとめ

舞台で上演される作品が主役ではあることはもちろんですが、バイトとはいえ劇場で働いたからには、その作品に自分も関わっていることで誇らしい気持ちになるものです。

お客様を迎える前の開演準備から、終演後にお客様を送り出すところまで、作品だけではなく、公演そのものを楽しむことができるのが劇場バイトの魅力です。