7月~9月の真夏の時期を中心によく求人が出され、学生をはじめとした層に人気の職種である「プール監視員」のアルバイト。

屋内の施設を除いてほとんどの求人が学生の夏休み期間にあたる季節の短期バイトであり、比較的高時給であることから気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、過去に2シーズンに渡ってプール監視員のアルバイトを経験した私自身の体験をもとに、この仕事の中身や魅力などを紹介します。

一般的に考えられている「監視業務」だけでなく実はもう少し奥が深いこの職種の細部をのぞいてみましょう。

プール監視員のアルバイトをやって良かった5個の仕事とそのメリットとは?

プール監視員のアルバイトは魅力がたくさんある仕事です。

実際私が従事した職場では1年目にともに仕事をしたバイト仲間の多くが1年後、2年目のシーズンにもアルバイトとして現場に戻ってきていました。

ここではプール監視員として従事する主な仕事を紹介し、それぞれの業務に従事するメリットを簡単に解説していきます。

お客様の監視業務

プール監視員としての主要業務は当然、お客様の「監視業務」になります。

プールという場はその水深に関わらず、また年齢や性別によらず、命に関わる重大な事故が発生する場でもあります。

私の勤務中には幸い大きな事故は起きませんでしたが、毎年各地のプールで死亡事故や重大な事故が発生していることからも、この仕事の大切さがわかります。

具体的な「監視業務」の内容としては、飛び込み・投げ込みなどの危険な行為や、小さなお子様が親から離れて一人で泳いでいないかなどを常時監視する仕事などがあります。

監視業務に従事するメリットとして考えられるのは、幅広い視野をもって常に状況を頭の中で整理し、かつ必要なときには即座に反応して現場に対処する、という能力を培うことができることでしょう。

プール監視員の仕事を通じて得ることのできるスキルの詳細については後述しますが、これから異なる仕事に従事する際にも役に立つスキルを得ることができるのは、プール監視員の仕事に従事するメリットの一つといえます。

施設を安全に保つ清掃・整備業務

プール監視員の一日の仕事は毎朝の施設全体にわたる清掃から始まります。

また営業終了後にも退社前に全体を清掃して一日の仕事を終えることになります。

そのほかにも営業中には常にごみ拾いや落ち葉を掃いたりといった清掃業務、施設内にある遊具・器具や設備の整備業務に各監視員が従事することになります。

私が従事していた職場では1時間に一度お客様にプールから出てもらい10分間プール内に落とし物がないかなどを確認する「休憩タイム」も設定されていました。

なぜプールはここまで清掃・整備業務に時間と労力を費やすのでしょうか。

それはひとえにお客様の「安全」を守るためといえます。

万が一プール内にメガネ・ゴーグルなどのガラス製品や小石などが落ちていた場合、お客様がそれを踏んでしまうとケガにつながりかねません。

またプール施設内は裸足で移動する方も多く、プールサイドやエントランス付近の清掃を徹底することで、何かを踏んづけてしまったり滑って転んでしまったりすることを防がなければなりません。

整備業務も同様に、お客様の安全を確保するために常に施設内の設備を「安全」な状態にしておくために必要となります。

これらの業務から得られるメリットは、細部まで配慮してお客様の安全を確保するというプロフェッショナルな心構えを習得できることにあるでしょう。

お客様に対する接客業務

プール監視員の仕事も広い意味では「接客業」にあたりますので、お客様に対する接客業務も職務の一つになります。

といっても何かを販売したり積極的にサービスを提案したりするような、一般的に私たちが想像する「接客業務」ではなく、お客様に施設内を案内したり、施設の正しい使い方やルール・マナーの啓蒙を行うような、少し特殊な業務になります。

先述のようにプールは重大事故が起こり得る現場でもありますので、ルールやマナーの徹底をお客様にお願いする場面もよくあります。

これが実はなかなか難しい仕事で、上から目線でまるで警察官のように注意したり忠告したりするとお客様の満足度が下がってしまうばかりか、クレームにもつながりかねません。

かといって腰を低くすればよいという単純なものでもなく、ほかのお客様へ迷惑が掛かるような危険行為には毅然とした対応をとらなければなりません。

その意味では他の接客業と比べてもより神経を使う場面が出てくる現場ともいえるでしょう。

つまり、プール監視員として従事する「接客業務」というのは他の職場ではあまり経験できるような種類のものではなく、その経験が今後の自身の糧になるといえるのです。

施設内全体を見渡すパトロール業務

ここからは、一般的なプール監視員が従事する業務ではありませんが私が経験した業務でとくに印象に残っているものを紹介しておきます。

2年目は先輩アルバイトとしての立場になり、上述のような基本的な監視員の業務のほかに、施設全体を見回る「パトロール業務」にも従事しました。

みなさんがプールに行ってよく見かける監視員の姿はおそらく高所に設置されたイス(監視台)から監視していたり、ウォータースライダーの入口・出口に立っていたりするものだと思いますが、パトロール業務に従事する監視員は施設内を常に歩き回り何か不具合は起きていないか、ということをチェックしています。

また重要な仕事のひとつとして「クレーム対応」もまかされます。

監視員がお客様からクレームを受けているとき、その監視員がクレーム対応をしている間は監視業務ができていないことになり、二次的・三次的に事故やクレームが起きかねません。

そのためクレームが発生した場合には基本的に無線でパトロールに連絡が入り、現場につき次第クレーム対応を引き継ぐことになります。

パトロール業務に従事するメリットは、一つの視点からではなくさまざまな視点から現場を見渡すことができること、また頭の中で常にいろいろなシチュエーションを想定し万が一の出来事が起きた際にも冷静に処理する能力が得られるということがあげられます。

アルバイトを統率するリーダー業務

もう一つ、私が従事した特殊な業務は「バイトリーダー」としての業務でした。

基本的には複数人のバイトリーダーがパトロール業務を担当することになるので、上記のパトロール業務と重複するところもありますが、バイトリーダーとしての主な業務は、お客様ではなく現場で働く同僚に対して、「統率力」をもって円滑に職場をまわしていくことにあります。

プール監視員には大学生のアルバイトも多く、個性的なメンバーもたくさんいます。

一人ひとりの趣味や性格が似通っていればそれほど苦労することもないですが、大人数でシフトを回していくことの多いこの現場では、想像以上に全員で同じ方向を向くということに労力を使いました。

結果的に、自分自身の考えだけではなく他者の意見を尊重したり、意見の不一致が生じたときどこに落としどころを見つけるかといったことに神経を使うことが多かったため、その後に従事した仕事においても同僚と円満な関係を築くためのスキルを身に付けることができたと感じています。

プール監視員のアルバイトで身についたこんなスキル

次にプール監視員のアルバイトを通じて得たスキルをいくつか紹介します。

先ほどからいくつか身に付けることができたスキルを述べてきましたが、ここではそれらのスキルも含めて具体例をあげて解説していきます。

お客様一人ひとりにあった接客をするスキル

小売店のレジの仕事やショップ店員などの販売員の仕事においては、多少の差はありますが基本的には求められる接客業務の内容は固まってきます。

モノを扱う仕事であればいかに多くの商品を売ることができるかが大切ですし、サービスを提供する職種であればお客様の満足度を高めて売り上げを伸ばすことが求められます。

この観点から見ると、プール監視員に求められる接客スキルというのは非常に特殊なものであることがわかります。

あえて言えば監視員は施設での「体験」そして「安全・安心」というサービスを提供していると捉えることができますが、直接的にお客様に提供するというよりは、お客様が施設で充実した時間を過ごせるように隣で「見守る」ような役割の方が近いでしょう。

そのため画一的な接客マニュアルに従って動けば大丈夫という場面は多くなく、あるときは施設を案内し、あるときは落とし物を探し、またあるときは迷子のお子様を探索したりと、その都度ごとに求められるものが様変わりします。

このように幅広くまた臨機応変な対応が常に求められる接客の現場というのはそれほど多いものではなく、プール監視員の仕事を通してこのスキルを得ることは以後の社会人生活においても非常に役立つものとなるでしょう。

クレームが起きないように注意・忠告をするスキル

プール監視員は業務時間の多くをお客様の監視業務に費やします。

プールではすべてのお客様に安心・安全を提供しつつ充実した時間を送っていただくためにも、さまざまなルールや決まり事を設定しており、監視員の職務には「お客様にルールに沿った使い方をしてもらう」ということも含まれます。

よくある危険行為としてはお父様がわが子をプールに投げ込んだり、また学生同士がふざけて互いに沈めあったりするようなことがありますが、これらの行為は当事者にとって危険であることにとどまらず、周囲のお客様にも迷惑がかかったり場合によってはケガをさせてしまうことさえあります。

そのためこのような行為を見かけたときは監視員は迅速に注意・忠告をしなければなりません。

重要なのはその「伝え方」で、単純に「危険ですからやめてください」と伝えるだけではなかなかやめてくれなかったり、もしくは言い方が気に入らないというクレームにつながることもしばしばあります。

しかしプール監視員の経験が長い人はこういう場面に何度も遭遇しているので、お客様の感情に配慮しつつ適切な使い方をご案内することに長けており、私も先輩が対応している姿からそのスキルを学んだものでした。

クレームの発生を防ぎつつルールを順守していただくために「お客様の立場」に立って伝えなければならないことを伝える、というスキルはプール監視員の現場で得られるスキルの中でも重要なものの一つでしょう。

クレームに対処するスキル

たったいま「クレームを防ぐスキル」を紹介しましたが、そうはいっても出てしまうときには出てしまうのがクレーム。

理不尽なものも含めてさまざまなクレームが発生する現場であるプール施設で働いていると、自然とクレームに対処するスキルも身についていきます。

たとえば施設の安全な使い方をご案内した際に従ってもらえず「そもそもそのルールの根拠は何なのか」というご意見をいただくことがあります。

確かに、根拠がはっきりしないルールに従うというのは納得がいかないものです。

私が働いていた現場には正社員の方が何人か常駐していましたが、このようなクレームが発生した際に「〇〇の理由で安全を確保できないため」「警察の指導を受けているため」など、一定の根拠を示してお客様に納得いただいていました。

クレーム自体はどのような職場でも遭遇するものではありますが、その対処法、たとえばこちらの行動・言動の根拠を示して理解していただく、などを適切に実行することができればたいていは場が収まるということを学んだ職場でもありました。

まとめ

プール監視員の仕事は今回紹介したようなもののほかにもたくさんの魅力があり、毎年夏場になると好例のアルバイト先として、とくに学生の方々に人気がある職場となっています。

時給が高めであったり、大人数で和気あいあいとした雰囲気の中で仕事ができたりと、ほかにもメリットはたくさんあります。

またこの仕事を通して得ることができるスキルも単純に「接客スキル」や「協調性」といったことだけでなく、一人ひとりで感じることがたくさんあるはずです。

私の場合は大人数で働くという特徴をもつプール監視員の仕事を通じて、今まで出会う機会がなかったような人たちを含め本当に多くの人と知り合うことができ、人と人のつながりの大切さや出会いのありがたさを感じました。

みなさんももし機会があればぜひ一度求人に応募してみてください。