「保育園落ちた 日本死ね」の匿名ブログから、保育士の待遇の悪さが世間にも知られるようになりました。

待遇が悪くて保育士の仕事に就かないという理由ももちろんありますが、晴れて保育士として仕事を始めても離職が多いのが現状です。

なぜ保育士という仕事は、なり手が少なく辞めていく人が多いのか、私の体験をもとに保育士をやめたい理由について紹介したいと思います。

保育士が仕事を辞めたいと思う理由で多いのは、この3つ

保育の仕事をしていて、周りを見ていて感じることは、辞めたいと思う理由はほとんど一緒だということです。

一年に何人も辞める職場もありますが、年度途中で辞める人が多い職場は更に問題があると言えます。

どういう時に辞めたいと思うのか、具体的に紹介していこうと思います。

【理由①】女の職場だからこその人間関係の悩み

保育士の仕事は以前に比べると男性も多くなりましたが、やはり女性の職場であり、派閥やいじめといったことがある保育園も多いです。

私が働いてきて感じるのは、管理職である園長や主任も全て女性で、尚且つ園長や主任、先輩保育士が理解のない人である、という職場のほうが、人間関係が悪い傾向にあります。

男性目線で意見を言える人がいないので、こじれやすいように感じます。

保育士の仕事は一人ではできない仕事なので、チームワークが必要です。

そのため、他の保育士と関わる時間も多いせいか、人間関係で悩み辞める人が多いです。

できる対策は?

一緒に組んでいるクラス担任だけが苦手という場合には、一年間耐えて翌年度他の保育士と組むことだけを考えて過ごすという手があります。

もちろん行事や早番遅番などで苦手な先生と組むことはあるかもしれませんが、毎日長時間一緒にいることになるクラス担任同士という事を考えると、負担はかなり減ります。

苦手な先生が一人だけで他は良好なのであれば、それだけの理由で辞めることはもったいないです。

また、その保育園に系列園があるのであれば「異動」するか、それが難しそうであれば「転職」する手段もあります。

園によって人間関係や雰囲気は様々なので、自分に合った保育園・幼稚園を探してみて、今の職場と比較してみると良いでしょう。

探した上で他の良い職場がなかったのであれば、今の職場で働き続ける納得感も得られます。

【理由②】昇給がなく給料が少ない、他業種に比べて低い給与

長く働いてきて感じるのが、昇給の少なさです。

これは、特に結婚して子育ても落ち着き、フルタイムで正規職員として働いている人に多い理由です。

これから先、ずっと保育士の仕事を続けようと思っていても、昇給が少なく給料が一向に上がらないと「他の保育園や業種に変えた方が将来を考えると良いのでは?」と感じるようになります。

昇給の少なさに対してできる対策は?

昇給が期待できない場合、まずは上司に相談してみることが良いでしょう。

人間関係が良好ではなく給料も上がらないのであれば、なるべく早く転職したほうが良いと思います。

もし職場の雰囲気が良く、給料だけが問題なのであれば、今の保育園・幼稚園に残ることも視野に入れつつ、転職サイトに登録して他の条件が良い職場がないか見てみるのが良いでしょう。

例えば、マイナビ保育士に登録すると、担当の人がいくつもお仕事を紹介してくれますよ。

どの職場もそうですが、ただ単に給料は上がることは少ないですが、辞めたいと伝えた時の退職の引き止め策として給料が上がる場合があります。

ですので、もし転職しない場合でも、まずは保育士向けの転職サイトに登録して相談してみましょう。

残る場合も転職する場合も、主任や園長といったキャリアアップを目指したり、保育に役立つ資格を取得するなどして給料アップに繋がるようなアピールをしてみましょう。

【理由③】結婚、妊娠といった節目で働き辛さを感じる労働環境の悪さ

保育士を辞める理由の一つとして多いのが、結婚や妊娠という女性ならではの環境の変化です。

旦那さんが転勤することになってしまったり、結婚を機に引っ越すことになったりといった物理的な部分ももちろんあります。

また、そうでなくても保育士の仕事はシフトで動いているため、生活が不規則で家事に手が回らなくなってしまったり、持ち帰りの仕事が多く旦那さんの協力がないと続けることが難しいという理由もあります。

妊娠も同様で、出産した後の制度が整っていない職場だと、保育園に預けたところで送り迎えの時間が間に合わず、結果辞めるしかない場合も出てきます。

できる対策は?

結婚相手のパートナーと、しっかり仕事のことについて話しておくことが大切です。

保育士の仕事を続けていく上で、子育て経験はプラスになる要素でもあります。

自分が保育士として働き続けたいこと、仕事環境はどういう状況だから、こういう手助けをしてほしい、ということをきちんと説明しておきましょう。

家事分担を明確にしておくのも良いですね。

また、妊娠や子育てを見越して、今の内から「産休・育休がしっかり整った保育園・幼稚園」を探したり、出産後も長く勤められそうなところに転職しておくのも良いでしょう。

例えばマイナビ保育士では、産休・育休取得実績ありの制度が整った求人が5000件以上紹介されているので、皆さんの近くの働き先も見つかると思います。

周りの保育士仲間や私が保育士を辞めたいと思ったエピソード

定時で帰れない、幼稚園時代の風潮が残った保育園

私が最初に勤めていた保育園は、20年近くの歴史がある社会福祉法人の保育園でした。

環境も良く保育内容もとても良い保育園だったのですが、幼稚園が保育園も経営するようになり、移行した保育園でした。

20年間務めている三人のいわゆる「お局」的な存在がいて、幼稚園時代の「先輩が帰るまで後輩は帰らない」というルールを押し付けており、私も早番で来たとしても遅番の先輩が帰るまで帰る事ができないという日々が続きました。

自分の仕事は終わっている私がやっていたのは、先輩が残した書類です。

当の先輩は「話し合い」という名目で、ずっとおしゃべりをしているような状態でした。

園長先生も何度も注意していたのですが聞く耳を持たず、結局何人もの同期や後輩が辞め、私も結婚した後に子育てしながらこの職場でやっていくことは無理だと判断し、退職を決意しました。

今は先輩たちが減っていき少しずつ改善されているようなので、保育方針が自分に合っていた保育園ということもあり、ご縁があればまた働きたいなとは思っています。

経営者と考え方があわない。保育方針の違いで辞めたA先生

新規園の立ち上げで働いた保育園は、他の保育園を経験した先生が集まって保育園を作ったため、何回か衝突が起きました。

特に保育方針は、前に勤めていた保育園の考え方が濃く残ってしまうので、足並みを揃えるのは最初は難しく、何回も話し合いをしたことを覚えています。

その中でもA先生は、以前勤めた保育園が北欧で発祥された保育内容の考え方だったので、経営者と保育方針が合わずに結果として辞めてしまいました。

転職先を決める時には、自分の保育内容や価値観をしっかり見定めて保育園を探した方が良いのだなと感じた出来事でした。

保護者からの理不尽なクレーム。それでも続けたF先生

F先生は当時3歳児の担任でしたが、その保護者の中にモンスターペアレントと呼んでもおかしくないほどの保護者がいました。

F先生は標的にされていて、持ってきてもいない服なのに「娘の洋服がなくなったのはF先生のせいだ」と言いつけてきたり、朝からある怪我を「保育園のせいだ」と言い、怪我をしたのにF先生は報告しなかった、というようなクレームを毎週のように突きつけてくるようになりました。

その保護者は他の先生には良い顔をするので、「M先生と遊んだ時の娘は生き生きとしている」「S先生が担任だったら良かった」などと、F先生や他の保護者がいる前で大声で話す時もありました。

F先生は何度も「もうこの仕事を辞めたい」と言っていましたが、周りの先生たちが「ここで辞めたらあの保護者の思うつぼだよ!私たちはF先生の味方だから」と励まし、他の保護者の誤解を解いたり、F先生が極力その保護者と会わないようなシフトを組んだりという協力があったおかげで、今も現役で働いています。

保育士を辞めてしまった人は、どんな仕事に転職している?

保育園を辞めたとしても、他の保育園に転職する先生が多いですが、中には保育士ではなく違う業種に転職する人もいます。

他の職種で多いのは事務職です。

事務職は、保育士のようにシフトで動いていないので勤務時間が安定しています。

また、比較的給与の良いことや子どもの体調不良などで早退や欠勤をしやすいことから、時間に融通のきく職場ということもあります。

保育士は一日中子どもと関わる仕事なので体力に自信がある人が多く、身体を動かすことが好きな人も多いので、保育士資格を活かしてスポーツジムのインストラクターや幼児向けのリトミックやダンス教室の講師になる先生も多くいます。

他にも営業職に就く方もいます。

事務職以外の職業に転職する方は「仕事中ずっとじっとしていられない」と話していて、「事務職より体を動かして仕事をしたい!」という考えの人が多いです。

辞めるときの注意点

保育園を辞めたいと思った時に、保育士という特殊な職業ならではの注意すべき点が何点かあります。

辞めると決めたら一度冷静になって、なぜ辞めたいのかを考え、メリットとデメリットをしっかり把握しておきましょう。

職場が家の近くの場合は、辞めた後のことをよく考えて

職場が家の近くの保育園の場合、通っている保護者や子どもたちとは生活圏がほとんど一緒です。

休日や辞めた後も、スーパーや駅でばったり出くわすことも多いでしょう。

辞めた後に引っ越すのであれば心配はいりませんが、そのまま住み続けた場合は保護者や子どもに会わないことはないと考えても過言ではありません。

年度末に「結婚するから」「妊娠したから」「私情で」と辞める場合は、特に問題ありませんが、大変なのは年度途中で辞める場合です。

年度途中で辞めるとどうしても保護者の方からは「あの先生途中で担任を放棄した」という固定観念を持たれても仕方ありません。

年度途中で辞めた後に保護者に会いたくないからと、近所のコンビニに行くにもビクビクしながら行くのは嫌ですよね。

年度途中でも円満に辞めることができるのであればそうなることは少ないので、名目上だけでも円満に辞められるように仕向けておきましょう。

また、辞めるからといって近所の保護者と直接連絡を取り合うようになると、後々面倒なことにもなるので、そこはしっかり線引きしておくのが大切です。

担任していた子どもの引継ぎをしっかりしておく

年度末で辞める場合でも、担任していた子どもの情報は次の担任にしっかりと引き継いでおきましょう。

幼児クラスの場合は一人担任である可能性が高いので、自分が辞めてしまうと、その学年だった時の子どもの様子を知る先生がいなくなることになります。

子どもの気になる様子や、パニックになったり泣いたりしたときの対応の仕方、どんな製作や活動をしたのかを簡単にまとめておくと安心ですね。

また、子どもだけでなく保護者の情報もしっかり伝えておきましょう。

万が一保護者の方が妊娠していて、予定日を聞いていたけれど後任の先生に伝え忘れてしまった!

となると、保育園の信用問題にも関わってきます。

保護者の情報や聞いたことの伝達はもちろん、癖のある保護者の場合は対応の仕方で注意することなど、必要だと思うことは全て次の担任に引き継いでおくと安心です。

行事や物の場所をしっかりと報告しておく

行事担当になっている場合は、内容や会場とのやりとりの記録などをしっかりと残しておきましょう。

発表会や運動会といった大きな行事は、地域ぐるみで行う事が多いです。

自分がリーダーや主任に近いポジションだった場合、地域の方と連絡を取り合う担当になっていたという場合があります。

自分が辞めた後も連絡が引き続き取れるように、連絡先やお願いする時期などをまとめて書いておくと安心です。

また、保育園の備品などが置いてある場所を自分しか知らないものがあるのであれば、しっかりと引き継ぎしておきましょう。

行事の時の壁面や運動会で使うバトンといったものは、前年度の担当は知っていても他の人が知らない場合があります。

一人で担当した行事があるのであれば、翌年担当になる人のために、どこに何があるのか、いつ誰と何をしたか、どんなことを注意しておくかといった面でも引き継いでおく必要があります。

まとめ

保育士として働いていると、辞めたいと思う場面が何回もあると思います。

それは、些細なことだったり重大なことだったりと度合いが違いますが、普通に働いていて「辞めたいな」と思うことは悪いことではありません。

辞めたいと思った時は、どうして辞めたいのか、辞めた時のメリットやデメリットまで一度冷静になって考えてみることも大切です。

辞めると決めたのであれば、引き継ぎをしっかりとして、辞めた後も子どもたちが安心して過ごせるようにしておくのが最低限のマナーです。

辞めることを子どもに伝えるのは心苦しいかもしれませんが、翌日登園したら先生がいなかった!

という衝撃は子どもにとってストレスに繋がるもの。

「先生は〇日になったら保育園をお休みするね」と話しておくのも一つの手ですね。

自分が辞めた後の事も考え、自分にとってより良い判断ができるようにしておきましょう。

実際に辞めて良かったことや、辞めなきゃ良かったと思ったことは、こちらの記事を参考に!

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