子どものなりたい職業の中で毎年上位にランクインする保育士。

保育士のお仕事はどんな仕事なのか、どうすれば保育士になることができるのかをわかりやすく解説したいと思います。

「保育士」が自分に向いているか診断するにはこちら →

保育士になるには?

保育園で働きたいのであれば、補助として無資格でも働くことはできます。

しかし、担任を持ったり行事の担当をしたりすることはほとんどありません。

そのため、担任を持つなど、保育士としてしっかりと働きたいという人は、まず国家資格を取得することになります。

保育士になるために必要な資格は?

保育士として保育園で働くためには保育士資格が必要です。

保育士資格は国家資格なのですが、看護師免許や薬剤師免許のように学校を出ないと、受験資格が与えられないということはありません。

保育士試験の受験資格

保育士試験を受けるための受験資格がある方は、次のいずれかに該当する方となります。

1) 学校教育法による大学に2年以上在学して62単位以上修得した者または高等専門学校を卒業した者

2) 学校教育法による大学に1年以上在学している者であって、年度中に62単位以上修得することが見込まれる者であると当該学校の長が認めた者

3) 学校教育法による高等専門学校および短期大学の最終学年に在学している者であって、年度中に卒業することが見込まれる者であると当該学校の長が認めた者

4) 学校教育法による高等学校(中等教育学校の後期課程を含む)の専攻科(修業年限2年以上のものに限る)または特別支援学校の専攻科(修業年限2年以上のものに限る)を卒業した者または当該専攻科の最終学年に在学している者であって、年度中に卒業することが見込まれる者であると当該学校の長が認めた者

5) 専修学校(専門学校)と各種学校について

(ア) 学校教育法第124条及び第125条による専修学校の専門課程(修業年限2年以上のものに限る)または各種学校(同法第90条に規定する者を入学資格とするものであって、修業年限2年以上のものに限る)を卒業した者

(イ) (ア)に規定する当該専修学校の専門課程または当該各種学校の最終学年に在学している者であって、年度中に卒業することが見込まれる者であると当該学校の長が認めた者

(ウ) 平成3年3月31日以前に学校教育法第124条及び第125条による専修学校の高等課程(修業年限3年以上のものに限る)を卒業した者

6) 外国において、学校教育における14年以上の課程を修了した者

7) 学校教育法による高等学校を卒業した者もしくは中等教育学校を卒業した者もしくは通常の課程による12年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む)または文部科学大臣において、これと同等以上の資格を有すると認定した者であって、児童福祉施設において、2年以上の勤務で、総勤務時間数が2,880時間以上、児童の保護に従事した者

8) 児童福祉施設において、5年以上の勤務で、総勤務時間数が7,200時間以上、児童の保護に従事した者

参考:一般社団法人全国保育士養成協議会

一般的には保育士の資格が取得できる学校に入ることが多いですが、保育園などで補助として働きながら教科目を受験して取得することもできます。

保育士の資格取得ルート

保育士の資格を取得するにはどのような方法があるのでしょうか。

資格取得ルート1:保育士資格の取得できる大学・短期大学・専門学校に行く

一番早く保育士資格を取得する方法は、保育士資格の取得できる大学や短期大学、専門学校に行く事です。

保育士資格を取得できる学校は各都道府県に設置されていて、全国に600以上あるので、受験もしやすいかと思います。

保育士資格を取得するためには、学校を卒業するだけでなく、必要な単位を取得する事と、実習を必要な時間数行う必要があります。

4年制大学では比較的余裕をもって単位を取得することができますが、2年制の学校だと必要単位数が多く、毎日6時間みっちり講義を受けることも少なくありません。

保育士資格を取得した後どうしたいのか、すぐに保育園で働きたいのか、子どもの事について研究したいのか考えてみて、学校の選択ができると良いですね。

資格取得ルート2:高卒の場合・児童福祉施設で働きながら保育士資格を受験する

保育士資格を取得できる学校を卒業せずに保育士資格を取得するためには、児童福祉施設で2年以上かつ2880時間の従事した経験があれば、保育士試験を受験することができます。

保育士資格は平成3年4月から短期大学卒業程度の学歴が受験のために必要になった事もあり、高校を卒業しただけでは受験資格を与えられないのが現状です。

保育士として資格をとって働きたい場合は、まずは無資格でも働ける施設を探して、児童福祉施設で従事したという証明が必要になります。

資格取得ルート3:短大卒以上の場合・保育士試験を受け合格する

保育士試験は年に2回行われており、筆記試験と実技試験に分かれています。

筆記試験は下記の8科目で、すべてに合格する必要があります。

  • 保育原理
  • 教育原理及び社会的養護
  • 児童家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

また実技試験では、下記の3分野のうち2つを選択して合格する必要があります。

  • 音楽表現 (ピアノ・ギター・アコーディオンのいずれかを選択し、課題曲の弾き語りを行う)
  • 造形表現 (課題をもとに絵を描く)
  • 言語表現 (課題をもとに子どもに3分間話をする)

合格率はどれくらい?

保育士試験の合格率は毎年2割程度と低いです。

保育士試験は受験する科目数も多いうえに、受験する人のほとんどが日中は働きながら勉強しているということもあり、時間を作ることが難しい部分もあります。

ただ、受験科目が多い分、1度合格した科目に関しては2年間有効になります。

他にも幼稚園教諭免許所有者および、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の資格を持っている場合は試験が免除になる科目もあります。

「保育士」が自分に向いているか診断するにはこちら →

保育士試験に合格するために必要な勉強は?

合格率が2割ととても低い保育士試験。

1発合格とまではいきませんでしたが、実際に行ってよかった勉強法をお伝えします。

実際に私がやった勉強法

保育園で補助として働き実技試験対策をした

大学を卒業してから保育士資格を取得しようと考えたため、まずは保育園で土曜日だけ補助として働く事にしました。

もともと本業で勤めていた職場が兼業可の会社だったこともありできたことですが、言語分野で行う子どもの前での読み聞かせは、実際に行ったことがないと緊張してしまうことが目に見えていたので、週に1回の経験でもとても役に立ちました。

問題集をひたすら解く

実技に関しては土曜日に働きながら身につけられるだろうと考えていたので、あとはひたすら問題集を解いていました。

平日の通勤時間はテキストを読む時間に当てて、帰宅してから毎日1時間ほど問題集を解くようにしました。

あまり長い時間やっていても、普通に仕事をしていると集中できる時間も限られてくるので、1時間と決めてサクッと終わらせていたのも良かったのかもしれません。

また、テキストはどれだけ読んだところで、試験として出るのは問題としてなので、問題集を解いていた方が効率が良かったと思っています。

全科目1発で取れるとは考えない

保育士資格の試験は、8科目の筆記試験がありますが、1度合格すると2年間は合格が有効になります。

1発で合格することができれば、受験費用も抑えられるとは思いますが、とにかく問題の量が半端なく多いのです。

私の場合は得意科目はすぐに覚えることができても、原理といった科目は苦手だったのでなかなか集中できませんでした。

そのため、挑戦する機会が4回ある(保育士資格の試験は1年に2回開催されます)と考えて、8科目中3科目を中心に勉強し、3回までに終わらせるという考えで臨みました。

もちろん全科目受験して、集中して勉強しなかった科目でも、受かったらラッキーという気持ちで取り組んではいましたが、結果として全科目合格できたのは3回目の時でした。

徐々に勉強しなければならない範囲も少なくなってくるので、気持ちに余裕をもって取り組むことができたのは良かったのかなと思っています。

保育士の就職先や募集状況は?

保育士資格を取得し、いざ保育士として仕事をしようと考えた時に、保育所以外にも保育士が活躍できる場所がたくさんあります。

保育士の就職先にはどのような場所があるのでしょうか。

保育士の主な就職先

保育士の資格を取得した人が就職する先にはどのようなものがあるのでしょうか。

保育園

保育士資格を取得して一番多くの人が就職するのが保育園。

認可、無認可、企業……と保育園の種類も様々ですが、全国に何か所も存在しているので、比較的就職先が見つかりやすいです。

特に都心部では1つの駅の近くに複数の保育園が点在しているので、就職先も見つけやすいかと思います。

認定こども園

認定こども園は幼稚園と保育園のいいところを寄り合わせた施設で、0歳から2歳までは保育園としての預かり機能を持ち、3歳児以上は幼稚園の時間で帰宅する子どももいますが、保育園と同じく閉園まで預かる子どももいます。

また、活動は幼稚園の内容を行うため、保育園よりも濃い内容のカリキュラムを受けることができるという事で、人気になりつつあります。

現在保育園、幼稚園として運営している施設でも、徐々に認定こども園に移行しようと考えている施設も多くあります。

児童養護施設

児童養護施設は保護者のない児童や虐待をうけている児童など、養護を要する児童を入所させて養護する施設です。

さらに、退所した子どもたちへも相談や自立のための援助を行うことを目的とする施設と定められています。

保育園や認定こども園とは違い、0歳~5歳といった範囲だけでなく、18歳までの子どもを相手にするので、男性保育士が就職先に考える事も多いです。

保育園と違い日曜日や祝日が休みではないので、大変な部分もありますが、保育園で関わる時間よりも、より生活する面で長い時間関わるので親子のような関係になってきます。

学童施設

小学校が終わった後に小学校1年生から6年生までの子どもたちを預かるのが学童施設です。

保育園が朝7時から開園しているのと違い、学童施設は小学校が終わってからの時間がメインなので14時頃から開所になる事が多いです。

そのため、勤務時間も午後からの事が多く、シフト制ではないので、生活スタイルを整えやすく保育士の中でも人気が出てきている就職先です。

保育士の働き口はどの程度あるの?

保育士は現在保育士不足と叫ばれているほど人数が足りていない施設が多いので、働き口は多く、年度途中でも受け入れてくれる施設も多いです。

しかし、都心部で保育士不足といわれている一方で地方に行くと保育士の人数が多く、働き口がないという自治体もあります。

地方の中でも主要都市はまだまだ保育士が足りず、保育士確保のために力を入れている自治体も多いため、就職先は多くあると考えてもいいでしょう。

ただ公立保育園は都心部でも人気が高く、辞める人が少ない傾向にあるため、なかなか就職しにくいのが現状です。

保育士の転職事情

異業種から保育士として転職することも、保育園の保育士から他の施設へ、他の施設の保育士から保育園への転職も働き口は多いです。

保育士不足のため、どこの施設や自治体も保育士の確保に力を入れており、経験者を優遇するという記載はあるものの、未経験でも歓迎されます。

地方出身者のために引っ越し代を負担したり、社宅を設けて家賃の補助を出したりと、都心部では保育士確保のために待遇を良くしている部分もあるので、他の自治体に目を向けるのもいいかもしれません。

「保育士」が自分に向いているか診断するにはこちら →

働き先の見つけ方

保育士としての働き先を見つける方法は様々です。

ハローワークにいって、求人情報をもらう以外にも、転職サイトを利用する手もあります。

転職サイトは保育士に特化したものもあり、エージェントが条件に合った就職先を見つけてくれるので、時間がない人にはとても便利でありがたいサービスです。

保育園によっては表立って求人を出していないところもあるので、気になる園があればまずは聞いてみるのもいいでしょう。

働き先を見つけるときに注意したいポイントは?

働き先を見つける時に考えたいのは、自分のライフスタイル。

特に保育園はシフト制なので、朝7時からの勤務もあれば、夜は遅いところだと22時までという施設もあります。

中には24時間保育を行っていたり、土日祝日もすべて開園しているという保育園もあります。

お給料が高ければ休みが少なくても構わないということであれば、お給料の高い勤務先を見つけるほうが良いでしょうし、子育てをしているから一定の時間しか仕事ができる時間がないというのであれば、正規職員ではなくパートで働くという手もあります。

まずはどういった形で働きたいのか、考えてみることが大切です。

保育園以外にもある、保育士資格を活かせる職場

保育園以外にも、上記にあげたように、認定こども園や児童養護施設、学童施設等保育士資格を生かせる職場はたくさんあります。

他にも、保育士資格が必須というわけではないですが、保育士資格を持っているから優遇される職場もたくさんあります。

子ども用品店や屋内遊戯場のスタッフもそうですし、中には小児科の受付といったところでも保育士資格を持っていることで優遇してもらえる可能性があります。

保育園だけではなく幅広く就職先を探すのも良いですね。

現役保育士の私が考える保育士としての適性とは?

保育士として働くには、どのような人が適しているのでしょうか。

現役で保育士として働いている私が何点か挙げていきたいと思います。

体力がある

保育士の資格を生かして働くという事は子ども相手に働くことになります。

オフィスで事務として働いている人よりも、日中の運動量は多いといっても過言ではありません。

まだまだハイハイやズリバイをしている0歳の子ども相手でも、6㎏~10Kg 程度の子どもを一日中抱っこしているという時もありますし、泣いている時には1人をおんぶして、2人を抱っこするなんていう時もあります。

幼児クラスになってくると活動量も多くなり、鬼ごっこも全力で走らないと務まらないなんていう場面も出てきます。

保育士として働く場合はとにかく体力があるという事が大事です。

コミュニケーション能力が高い

保育士の仕事は子ども相手だけではなく大人も相手にすることが多いです。

一緒に働く同僚の保育士はもちろんの事、保護者対応で様々な保護者と関わります。

友だちのようにフランクに接してくる保護者もいれば、理不尽なクレームを言ってくる保護者もいますし、子どもの事を事細かく聞いてくる保護者……と様々です。

どんな大人、子どもが相手でも常に笑顔で受け答えをし、必要に応じて臨機応変に対応できることが大切です。

ただ、コミュニケーションが苦手でも、仕事を始めると自然に身につきますし、実際に筆者はかなりの人見知りですが保育園で先生としてのスイッチが入っているからか、園内では自然と会話ができるような気がします。

自分の強みを持っている

保育士はピアノ以外にもギターが弾けたり、イラストが上手だったり、体操をたくさん知っていたりという強みがあると、保育の引き出しをたくさん持つことができ、働いていても楽しく感じると思います。

自分の得意な事を保育に生かすことができると、子どもたちも自然と先生のところに寄ってきますし、自分の自信にもつながります。

保育士資格以外に、あったら役立つ資格や経験・スキル

保育士として働いていると、保育士以外にも役立つ資格や経験・スキルがでてきます。

保育士になる前に関連する資格を取得したいと考えている人には、おすすめのものを紹介します。

資格

絵本専門士

絵本専門士は、国立青少年教育振興機構が主催する絵本に関する高度な知識、技能及び感性を備えた絵本の専門家としての資格です。

子供たちにとっての絵本は、言語力、感性、文脈理解力、物事の理解力を発達させることができ、保育園でも1日に最低でも1冊。

多くて4~5冊程度の読み聞かせをしていますし、子どもたちが自主的に手に取って読むことも行っています。

絵本専門士は、読み聞かせやおはなし会、ワークショップなど実際に本を使って行う取り組み以外にも、絵本に関する知識を深めることができるので、保育の仕事に生かす事ができますよ。

ベビーシッター

公益社団法人全国保育サービス協会が主催しているベビーシッターの資格は、保育所以外に各家庭に赴いたり自宅で子どもを預かるベビーシッターとして働くときに役に立つ資格です。

ベビーシッターになるためには必ず資格が必要というわけではありませんが、ベビーシッターとして働く際にも有利ですし、保育所では得る事のできない家庭保育の大切さを知るためにはとても役に立つと思います。

幼児食インストラクター

保育士として働いていると、食育という活動がでてきたり、保護者から離乳食や幼児食について質問されることが多いです。

しかし、保育の専門である保育士でも疎くなってしまいがちになるのが食の事。

給食を調理しているのは調理師ですし、献立を考えるのは栄養士のため、質問に対してすぐに答えることができないという場面も多いです。

そのため、幼児食インストラクターの資格を取得しておくと、幼児の好き嫌いや遊び食べといった保護者の悩みの解消の手伝いから、食物アレルギーの改善や正しい食育指導といった、子どもの食に関することを強みにして仕事をすることができます。

経験・スキル

子育て経験

保育士にとってなんといっても一番重宝される経験が子育て経験です。

若い保育士が多いため、子育ての辛さや子育ての悩みといった部分では保護者の方と理解しあえない部分も多々出てきます。

実際に筆者も子どもが生まれてから、保育に対する考え方や保護者対応の仕方が随分と変わりました。

保育園で過ごしている子どもの様子と、家庭で過ごす子どもの様子は同じ子どもでも全然違いますし、保護者の考え方やとらえ方も様々です。

また、保護者にとっても子育て経験のある先生からのアドバイスは嬉しいものです。

保育士の仕事に興味がある方へ(まとめ)

保育士の仕事は大変に感じる事も多いですが、やりがいも多い仕事です。

子どもからたくさんのパワーやエネルギーをもらい、他の仕事では決して体験できないようなことをたくさん味わうことができます。

興味がある方は保育園でボランティアの募集なども行っているので、ぜひ積極的に参加してみてくださいね。


関連キーワード

保育士求人