ゴルフ好きな人はもちろん、ゴルフに興味がない人でも一度は聞いたことがあるであろう「ゴルフキャディ」の仕事。

今回はこの仕事に関して、どんな人に向いているのか、キャリアアップやその後のキャリアの選択肢はあるのか、といった点を解説していきます。

キャディという仕事は知っていても、求人の募集を目にしたことがある、身近にキャディ経験者がいる、という人は少ないのではないでしょうか。

まずはこの仕事の全体像を把握して、魅力的に感じる部分があれば一度求人検索をしてみましょう。

キャディはどんな仕事をするの?

「キャディ」として従事する仕事は大きく分けて「キャディ業務」と「作業」と呼ばれる業務に分かれますが、今回はこの中でもメイン業務である「キャディ業務」に絞って紹介していきます。

キャディ業務には、ゴルフをプレーするお客様に帯同し、ゴルフカートの運転・操作やクラブの受け渡し・清掃などを行うほか、目土(スイング後にできた穴ぼこを土で埋める作業)やボールマーク(グリーン上に落下したボールがえぐった跡)を直したりするなどの、コース管理作業も若干含まれます。

とはいえキャディとして一番に求められることは、お客様の円滑なプレーのサポートであり、あくまでも「接客業」であることは常に意識しなければなりません。

レベルや年齢などによって、またお客様によって、クラブ選択や距離読みなどをキャディが入念に行うことが必要になる場合もありますし、反対にボールを拭いたりクラブをきれいにしたりする以外は、ほとんどキャディの手を借りないでプレーをするお客様もいます。

結局のところ他の接客業種と同様、「お客様次第」で提供するサービスの内容を柔軟に変えていくことが求められる現場である、といえるでしょう。

キャディの仕事はどんな人に向いている?

キャディの仕事は大きなくくりでいうと「接客業」であり「サービス業」ですが、実際に働く現場は、接客・サービス業の他職種とは少し趣が異なります。

以下でこの仕事が向いている人の特徴として、2つ紹介しておきます。

接客業が好きな人

一口に「接客業」といっても、その具体的仕事内容は千差万別で、お客様に求められる役割やお客様との距離感、同僚との協力体制の有無など、細かな違いはたくさんあります。

そのため、接客業種の中にもさまざまな種類があることを考慮すると、「接客業が好き」というだけでは、必ずしもキャディの仕事に向いているかどうかは判断できないともいえます。

しかし、私個人の意見としては「接客業が好きな人」はほぼ例外なく、キャディの仕事に向いていると感じます。

なぜなら、キャディも結局のところ「お客様次第」の仕事、すなわち「接客」という観点が最も重要な現場であると考えるからです。

キャディの仕事は、接客業の中でも特にお客様との距離が近いものに分類されます。

ラウンド中、キャディは2~4名のお客様に対応しますが、ゴルフ場という職場の特性もあり、他のお客様や従業員と顔を合わせたり会話をすることがほとんどないまま、9ホールを約2時間半ほどで回ります。

お客様と自然なコミュニケーションをとることに苦手意識をもっていたり、接客業の経験がほとんどなく、お客様との空気感に慣れていないような人の場合、この2時間半という時間はとても長く感じることでしょう。

反対に、接客業の経験が豊富であったり「接客業が好き」と自覚しているような人であれば、キャディの仕事は業務中に外部から邪魔が入ることがほとんどなく、「自分のペースでお客様との空間を醸成できる」という点で、とても魅力的な職場であるともいえるのです。

体を動かすことが好きな人

キャディの仕事は想像以上に体を動かす仕事です。

最近ではほぼ全てのコースでゴルフカートが導入されており、一昔前のようにキャディバッグを担いで走るといった重労働はめったにありませんが、それでもキャディをしているとプレーヤー(お客様)以上に走り回らなければならないことに気づきます。

そのため、「体を動かすことが好きな人」や、雨の日にずぶ濡れになりながら仕事をしたり、真夏には大量の汗をかきながら業務をこなしたり、逆に真冬には凍えるような寒さの中でテキパキと行動できるような人が、この職場に適性のある人であるといえます。

ラウンド中はゴルフカートを運転もしくは操作しながらの移動になりますし、来場者が多く各ホールごとに待ち時間ができるような日には、それほど急いで動き回る必要もありません。

ただ、たとえばお客様がそのゴルフ場でのラウンドが初めてであったり、まだ初心者~中級者レベルの人である場合には、ボールがあちこちに飛んで行ってしまったり、ロストボール(ボールがコース内で紛失すること)がたびたび発生することもあります。

そのような状況では、キャディがお客様より先にボールの落下地点付近まで向かい、ボールの位置を確認したり、お客様が使用するクラブを尋ねてそれを持ってきたりという作業をこなす必要があります。

キャディの仕事は「常に動き回る」というよりも「必要なときに誰よりも早く行動してお客様の円滑なプレーをサポートする」という点が重要であるといえ、「体を動かすことが好きな人」にとっては、特に抵抗なくこなせる業務であるともいえるのです。

キャディの仕事をするために生かせる、今までの経験は?

キャディの仕事を始める前にはどのように準備をすればいいのか、という点は気になるところです。

ここではキャディ業務に直結するとまでは言えませんが、その経験がキャディの仕事でも生かせるであろうものを2つ紹介しておきます。

お客様との距離が近い仕事に従事した経験

キャディは、ラウンドが始まってからハーフプレーが終わって昼休憩に入るまでの時間、お客様と2~3時間ほどを過ごします。

ラウンド中に茶店があったり、コース管理のスタッフが作業していたりはしますが、そういった人たちとキャディとのコミュニケーションは、あいさつ程度です。

また、無線による業務連絡もほぼありません。

つまりこの仕事は「単独」でお客様との距離がとても「近い」状態で業務をこなす、という特徴があるのです。

そのため、接客業の中でもチームワークより独力でこなすような現場で、かつお客様との距離が近い業種に従事した経験は、キャディの仕事でも生かすことができます。

例をあげると、販売職の中でも接客の時間が長く、お客様との濃密なコミュニケーションが重要となる、比較的「高価」な商品を取り扱う職種や、お客様とお互いに名前を記憶する関係性になるようなサービスを提供する職種が当てはまります。

加えて、このような「高価」な商品・サービスの顧客は、ゴルフ愛好家であることも多く、顧客層が重なっているという点もプラスに働くでしょう。

単独でテキパキと仕事をこなす職場での業務経験

上述のように、キャディ業務の特徴の一つに「単独」で行うという点があります。

キャディの仕事のほとんどは少人数、もっと言えば「単独」で行うものであり、「同僚と力を合わせて手分けして業務に当たる」という場面はあまりありません。

ラウンド中にお客様に対応するのはキャディ一人ですし、ラウンド前のカート準備作業や、終了後のカート清掃等業務においても、基本的には一人で全てを行います。

この点を考慮すると、前職で自分一人の力で黙々と仕事をこなしていた人にとっては、キャディの仕事は比較的馴染みやすい現場であるということができるでしょう。

ただ、単独でテキパキこなすといっても、ウェブ関連の仕事など直接的にお客様と接触する機会が少なく、お互いの顔も見えないような現場で働いていた経験は、あまり役に立たないかもしれません。

「一人でこなす接客業」という点が、この仕事の特殊性を表しており、それがキャディの仕事の類似職種を探すことに困難を来す要因ともいえるのです。

その後のキャリアについて

ここでは、ゴルフキャディの仕事に従事した後のキャリアについて、解説しておきます。

キャディとしてだけでなく、ゴルフ業界全般に関わる仕事でのキャリアアップの道や、他の業種・仕事でもこの仕事での経験が生かせるのか、という点を以下で確認していきましょう。

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

キャディの仕事についた後のキャリアアップの道を、「キャディ業務」におけるキャリアアップと、「ゴルフ業界」でのキャリアップの2つに分けて考えてみましょう。

キャディとしてのキャリアアップ

キャディとしてキャリアアップする道は、キャディの仕事一本で生計を立てる「プロキャディ」という方向性が考えられます。

キャディの仕事には通常「ハウスキャディ」と呼ばれる特定のゴルフ場に雇用される働き方と、「派遣キャディ」として複数のゴルフ場をまたいで仕事をする方法があります。

キャディとしてのキャリアをスタートするのは、この2つの方法のいずれかであることがほとんどで、よほどのことがない限り、最初から「プロキャディ」としてスタートする人はいません。

ハウスキャディや派遣キャディの場合は、正社員やアルバイトなどの雇用形態で働くことになりますが、プロキャディになると、仕事の受注から月々のやりくりまで全て自分で行わなければなりません。

また、プロキャディに求められるキャディスキルはとても高いレベルであり、プロのツアーに同行することもあるでしょう。

キャディの仕事を極めたい人にとっては、最適なキャリアアップの道といえます。

キャディ業務からのキャリアアップ

キャディ業務の経験を生かして、その他の「ゴルフ関連」の仕事に就くことも考えられます。

私の知っている範囲でも、キャディからゴルフ場の運営スタッフになったという経歴の人が多くいます。

ゴルフ場運営スタッフの仕事例としては、スタート室での仕事、コース管理の仕事、もしくは営業の仕事などです。

中には同じゴルフ場内でキャディ職種とスタッフ職種、コース管理職などを転々としている人もいます。

キャリア「アップ」なのかどうかは、給与・待遇面の変化やその人の希望等を基準に個々人で判断することになるでしょうが、キャディのキャリアアップはプロキャディになることだけではない、という点は理解しておきましょう。

他の仕事にもこの経験を生かせる?

キャディの仕事に従事した経験は、キャディ職でのキャリアアップやゴルフ関連職種でのキャリアスタートに生かすことができるだけでなく、他職種への転職の際にも応用可能な場面があります。

ここでは例として、他の「接客業種」への転職を考えてみましょう。

前述のように、キャディの仕事は大きな分類では「接客業」になります。

また、接客業の中でもお客様との距離が近く、比較的濃密なコミュニケーションをとる機会が多い仕事ともいえます。

そのため、この仕事に従事した経験は、その他の多くの接客業種に幅広く応用できると考えられます。

たとえば、キャディはお客様それぞれの個性や特徴に合わせた最適なサービスが求められる職種です。

お客様が初級~中級のゴルフの腕前であれば、コース案内からクラブの選択、コースマネジメントに至るまで、手広くかつ簡潔にサポートすることが必要になりますが、上級~プロレベルのお客様であれば、基本的にお客様が自身のプレーをマネジメントしていくことになるため、キャディには邪魔にならない程度に円滑なプレーを支える、といった心構えが必要になります。

このようなお客様一人ひとりに合わせたサービス・接客というのは、他の職場でも広く求められる素養であり、マニュアル通りの仕事しかこなせない人よりも一歩前に出ることができます。

加えて、ゴルフ場に来場するお客様の中には、自営業者や役員職に就いている人も多く、キャディ業務中の会話の中で耳よりな情報を入手できることも少なくありません。

業界関係者しか知ることのできない裏事情や、経済・政治にまつわる深い話まで、実に多面的で実用的な情報を仕入れることができます。

これらの情報は、どのような職種に転職する際にも有用になるばかりでなく、今後の人生に存分に生かすことができるでしょう。

まとめ

今回は「ゴルフキャディ」の仕事を簡潔に解説していきました。

特にこの仕事に向いている人の特徴や、その後のキャリアについて、またこの仕事に生かすことのできる経験などに焦点を当てて紹介しました。

似たような職種があまりないので、未経験から始めることに抵抗を感じる人も多いでしょうが、興味を抱いたならばチャレンジする価値は十分にある魅力的な仕事です。

まずは求人検索から始めましょう。