外科といえば、脳神経外科、消化器外科、呼吸器外科、整形外科というような診療科をイメージすると思います。

また、手術・処置が多いことは想像できるのではないでしょうか。

そんな外科で働く看護師といえば、急変対応ができたり、テキパキした人しか向いていないのではないかと思われがちが、それくらい展開が早いのが特徴でもあります。

この記事では、外科看護師の役割や仕事内容を、筆者の経験をもとに述べていきますので、外科看護師とはどんなことをしているのか、参考にしていただければ幸いです。

外科看護師の仕事は大きく2個の役割に分けられる

外科看護師と聞けば、病棟看護師をイメージすることが多いと思いますが、外来にも外科担当の看護師がいます。

それぞれ説明します。

外科外来看護師の業務

外来にはいろんな患者さんが来ます。

問診票を書いてもらい、その問診票をみて緊急度の判断をし、優先順位を判断します。

また、創傷処置の介助、診察の介助を行います。

医師からがんの宣告をされることもあり、患者・家族のショックは大きいです。

その患者・家族の気持ちに寄り添ってフォローしていきます。

手術が必要な場合は、手術説明や検査説明も行います。

入院される場合、病棟に情報を送るために事前に情報収集も行い、外来と病棟の連携を行っています。

外科病棟看護師の業務

外科病棟には、手術を受ける患者、化学療法を受ける患者、ターミナルの患者がいます。

もちろん老若男女問わず、年齢層も幅広く、子供から高齢者までさまざまな年代の方と接します。

患者展開が早く、患者の入れ替わりも早いです。

急性期から慢性期、ターミナル期と学べます。

外科看護師になって1~2年目の間は、展開も早く勉強することも多いので、ついていくのも大変ですが、3年目あたりからふっと少し心が楽になっていきます。

インシデントは何年目の看護師でもあり得ます。

1~2年目のうちに失敗もして、先輩にも怒られ、わからないことは経験年数が浅いうちに、先輩や医師から教えてもらい吸収していくことで、外科看護師が楽しくなります。

外科外来看護師の5個の業務

外科外来看護師は、診察をスムーズに進めるために以下のようなことを行っています。

受診の優先順位判断

患者・家族に問診票の記入をしてもらいます。

看護師はその問診票を確認し、必要に応じて患者のそばに行き、受傷経緯、症状の確認をします。

症状・病状を聞いて、別の診療科であれば、別の診療科に行っていただくよう案内したり調整を行います。

「頭部を打った」「息苦しい」「呂律困難」「箸を落とした(手指が上手く動かせない)」「高いところからの転落」「広範囲の打撲痕」「痛みや脹れの程度」「歩行困難」など症状があれば、早めに検査や処置ができるよう外来の順番を早めることがあります。

この判断には、経験からくる看護師の直感も大事です。

また、紹介状を持参されている方もいるので、紹介状の内容によっても順番を早めることがあります。

診察の介助、創傷処置の介助

医師が処置・診察しやすいように、車椅子から診察台へ患者の移乗を行い、患者の体位を整えます。

また、診察台の高さの調整をします。

そのほかに、車椅子のブレーキの確認、家族の椅子のセッティングを行います。

また、注射があれば指示された薬液を吸い、注射の準備を行ったり、処置の時は、包交車の準備をし、事前にガーゼを外して創部をオープンにし、洗浄が可能であれば先に洗浄しておきます。

消毒や鑷子、ガーゼ、包帯、テープ、ドレッシング材など、患者に必要な物品を準備します。

手術説明や検査説明(患者・家族のフォロー)

クリニカルパスを用いて説明をしていきます。

緊急入院等の場合は外来で行われることもあります。

全身麻酔の手術、硬膜外麻酔の手術等ありますので、術後のイメージができるように説明します。

また、手術室看護師の訪問や麻酔科医師の診察もありますので調整します。

医師からインフォームドコンセント(IC)がありますので、その際に患者や家族が不安に感じたこと、疑問に感じたことを伺ったり、思いを傾聴します。

入院患者の情報収集・病棟への連携

在宅での生活スタイルや家族背景、キーパーソンになる人、ADL、他院の内服薬の確認、アレルギーの有無、社会的地位はどのような人であったか等を情報収集していきます。

また、入院生活への思いや要望、退院後どうなりたいか等の情報も収集していきます。

入院時から退院後の生活がイメージできたり、施設への入所の調整、社会資源サービスの利用ができるように、早めに地域医療連携室への介入依頼を、病棟看護師とともに情報共有し、調整していきます。

退院後の通院患者のケア

退院後は、自宅に帰られたり施設に戻られます。

定期的に通院し、外来で経過をフォローしていきます。

ストーマケアやポートの管理、経腸栄養の管理など、入院中に取得した手技に問題はないか、何か困っていることはないか確認し、他職種と連携を取りながら、患者・家族の生活をフォローしていきます。

外科病棟看護師の8個の業務

外科病棟の看護師は、入院中や退院後の生活の変化に対応できるよう、以下のようなことを行っています。

入院患者のバイタルサインの確認

急性期の患者であれば頻繁にバイタルサインの確認をしますが、退院前の患者であれば1検というように、患者に合わせてバイタルサインの確認を行います。

基礎看護の技術を前提として、正常値とは外れた値であってもその患者にとって異常値なのか、患者全てにおける異常値なのか、緊急性があるものなのか判断する力が必要です。

また、ルート確保する場合であっても、難しい血管で自分ができないと判断することがあれば、先輩にお願いをするという判断も必要になってきます。

患者さんにとっての苦痛を最小限にすることが大事です。

入院時の情報収集

入院時に患者・家族にアナムネを取りカルテに入力を行います。

また、転倒転落チェックシートを用いたり排尿チェックシートを用いて、安全の確保や持てる力・自立を妨げる援助につながっていないかどうかの確認をしていきます。

手術・化学療法を受ける患者のケア

手術がある場合は、手術の事前準備を行います。

手術出し、手術迎えもあります。

手術前後の絶飲食の確認も必要です。

呼吸訓練、下剤の内服、弾性ストッキングの着用、抗凝固薬が休薬できているかの確認、オペ前ルートの確保などの準備を行います。

医師からICがあるので看護師は同席し、疑問点や不安な点がないか確認をします。

手術のことに対しての不安やADLの変化に伴う不安、退院後の生活等について、様々な疑問や不安・思いを表出できるような関わりが大切です。

患者・家族の思いを知ることで、サポートできる援助が見つかったり、患者・家族の生活に寄り添うことができます。

術後の患者のケア

手術後2時間ごとにバイタルサインやドレーンの色、出血量、性状の観察、輸液のIN-OUT、腸蠕動音の有無、皮下気腫の有無、ルート類の観察等を行います。

術後の患者は日に日に変化しているので、その変化にいち早く気づき、異常があれば、医師や先輩看護師に相談・報告をしていくことが大切です。

例えば、縫合糸が外れかけていたり、ドレーン内の色がおかしい、尿の色がおかしい、硬膜外麻酔の麻酔液が漏れかけている等あればすぐに報告です。

「気づき」や「あれっ?」と思う観察力が必要です。

その他にも、採血、包帯交換、点滴の管理、内服管理、清潔ケアの介助、歩行訓練を行います。

食事介助、セッティング

入院患者への食事の準備・片付けや、食事介助も看護師が手伝う場合があります。

これは病院によっては、「看護助手」と呼ばれる職種の方が担当することもあります。

退院準備

退院決定となれば、退院後の生活の注意点について説明を行います。

ストーマ増設等機能に変化があったり、在宅自己注射、ポート増設等あれば、退院後生活するうえで困らないように、患者や家族に手技を取得させてから退院を迎えます。

その時は、専門の看護師やOT、PT、ケアマネージャー、薬剤師等他職種と連携します。

ターミナル期の患者のケア

患者のその人らしさを支援するために必要な援助を他部署、他部門と情報共有しながら連携していくことが大切です。

死後の処置

死を迎える患者もおられます。

病院によっては提携している葬儀社がありますので、家族の意向を聞いて準備をしていきます。

また、死後の患者のエンゼルケアを行います。

内科看護師との仕事内容の違い

外科は手術が多く入院期間も短いため、患者の入れ替わりが早いです。

情報収集も要点をいち早く取得しなければいけませんし、医師の指示も変わるので、指示を見落とさないようにする必要があります。

内科は長期的な入院が多いため、日常生活援助(食事介助、排泄ケア、清潔ケア)が多いです。

処置の介助よりも日常生活援助が好きな方は、内科の方が向いているのかもしれません。

患者家族の精神面への関わりは、内科外科共に変わらないと思いますし、内科であっても急変する患者はいます。

そこで、急変時には自分ができることを探し、勇気を出して行動することや、自分で判断することが難しい時は、怖い先輩であっても相談する行動力が大事です。

外科看護師の仕事の良いところ

「外科」というだけで、「忙しい」「大変」というイメージがありますが、展開の早いところで仕事をするので、いざ転職を考えるときには、どこにでも活かされると思います。

外科看護師として経験を積み重ねれば積み重ねるほど、自信となります。

認定看護師や専門看護師を目指す際にも、外科看護師として経験を重ねることでキャリアアップに繋げやすいと思います。

他には、友人などからどこの診療科で働いているか聞かれた時に、「外科」というだけでなんだか「すごーい」と言われるので、そんな時は誇らしげな気分になります。

やりがいを感じるポイント

創傷処置

創傷処置につくことが多いので、普段の生活の中でもどういうふうに対処すれば良いか分かりますし、活かすことができます。

看護技術が向上する

移動の介助、尿道カテーテル留置、採血、点滴等の数が多く、技術が向上します。

また、ガーゼ交換・包帯を巻くことも上手になります。

達成感を味わえる

患者・家族の思いに寄り添えた時、気持ちを引き出せた時、必要な社会資源サービスの提供など、患者家族の意向に沿ったサービスの提供に繋げることができた時、異常を早期発見できた時などに達成感があります。

そして、血管確保が難しい患者のルートを一発で取れた時や、高齢者で尿道口がわかりにくい患者の尿道カテーテル留置を一発でできた時はとても嬉しいです。

面白いポイント

手術の経過がだいたい分かれば、流れが掴みやすいところは面白いと思います。

処置などにしても、医師それぞれのやり方があるのでそれ自体が勉強になりますし、処置につくときに息がぴったり合うと嬉しくなります。

まとめ

私も1年目の頃は、毎日のように先輩に怒られ、検査の必要性やメカニズムも勉強してくるように言われていました。

看護学生と違い、いろんな処置をさせてもらえて嬉しい反面、その分責任も伴い、先輩にも怒られるので「楽しい」と感じることは少なかったように思います。

同期とよく泣いていました。

しかし、2年目前半になると自分で動けるようになり、その分自信や確認ミスからインシデントの数が増えましたが、それ以降は、淡々とこなせるようになってきていたと思います。

先輩や同期にも相談しやすくなり、少しずつ自信を持って行動できるようになっていました。

何年目になっても日々学習で、急変があると慌ててしまいます。

でも、その分確実に成長しているので、看護師の仕事にやりがいや達成感を感じるようになります。

そのうち、専門性も高めたいと思うようになり、ステップアップできます。

「外科看護師」・・・日々大変ですけど、楽しいですよ。


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