もはや現代社会に欠かすことのできない「電気」

電気がある日底を尽く、といったことはまず考えられませんが、ふとした電気設備の故障、不備により建物全体が停電してしまうことは大いに考えられます。

「電気設備保守点検」の職業は、そのような故障による停電を、定期的な点検により未然に防ぐ仕事になります。

今回は、そんな電気設備保守点検の仕事に興味がある人、また目指している人のために、電気設備保守点検の仕事ついて解説いたします。

電気設備保守点検はどんな仕事?

建物にある電気設備は、法律により1年(または3年)に1度の点検が定められています。

電気設備保守点検の仕事は、主にこの法定点検に出向いて、定められた方法により設備の点検を行います。

この点検は法律で定められている為、この世から建物が消えてしまわない限り、仕事がなくなってしまうことはありません。

世間の景気に左右されることなく、安定して仕事を得ることができるのがこの仕事の魅力の一つです。

電気設備保守点検の大まかな仕事内容

実際に現場に出向いて、それぞれの役割に応じた仕事をします。

仕事の内容は主に清掃、目視触手点検、試験器を用いた保護継電器試験などがあります。

最初に役割を決め、役割ごとの責任者の指示に従って仕事に取り組みます。

電気は見えない上に、場合によっては命に関わる事故の危険性があるため、徹底した安全管理が必須です。

身を守る為にも、決められた手順の遵守や、お互いの声の掛け合いなど、慎重かつ正確な作業が求められます。

今回は、その中でも最も携わることの多い清掃、保護継電器試験について解説いたします。

盤内清掃

主にキュービクルと呼ばれる盤内を清掃する仕事です。

清掃前には盤内を放電、検電、接地をし、絶対に電気が通っていない状態を作ってから作業をします。

埃や砂などは電気抵抗を上げる原因になるので、電気の通る箇所はしっかりと清掃する必要があります。

清掃中は周囲にもよく目を凝らし、同時に目視点検と触手点検も行います。

一見簡単そうに見えますが、限られた時間内で丁寧かつ素早い作業が求められます。

保護継電器試験

電気設備は、主に故障による過大電流などを検知して、警報を鳴らしたり、遮断機を動作させる役割があります。

それが実際に機能しているかを確認するのがこの保護継電器試験で、試験器を用いて意図的に過大電流などを発生させます。

電気設備が適切に動作していることを確認し、もし不具合があれば調整や交換などを行います。

試験器を扱うには、電気に関する知識や図面の読み取りが必要不可欠になります。

電気設備保守点検の仕事はどんな人に向いている?得意な人の3個の特徴とは?

仕事には人によって向き不向きがあるように、電気設備保守点検の仕事にも向き不向きがあります。

「実際に仕事に就いてみたら自分に向いていなかった」という人も多いので、以下では電気設備保守点検に向いている人の特徴を3つ紹介します。

責任感の強い人

この仕事は、ちょっとしたミス一つで電気設備を止めてしまったり、人の命や怪我に関わる事故が発生します。

そのため、常に手順を確認し、最後まで気を抜かずにしっかりと職務を遂行できる責任感のある方に向いています。

経験を積むと現場の責任者として指揮する立場にもなるので、そうなるとより一層強い責任感が求められます。

忍耐強い人

電気設備点検の仕事は、いつも何事もなく終わるわけではありません。

電気設備に不具合が見つかることは珍しくなく、基本的に不具合の原因を解明できるまでお客様に報告できません。

さらに複雑な電気設備だと、一つの不具合に一時間以上手間取る事もあります。

そういった点から、原因を解明するまでじっくりと腰を据えて考えるこのできる忍耐強い人に向いています。

出張が好きな人

電気設備点検の仕事は、全国各地に出張する機会があります。

短いもので二日からの短期出張、長いものでは一ヶ月単位の長期出張があります。

会社によっては海外に出張する事もある為、出張が苦にならない、むしろ出張を楽しめるような人にとても向いている仕事だと思います。

その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

電気設備保守点検は、基本的に仕事の内容が大きく変わらないので、経験と知識さえあればエレベーター式に出世していくことができます。

しかし「もっと上を目指したい」という向上心のある方は、第三種電気主任技術者(電験三種)の資格を取得することをお勧めします。

電験三種は、所持しているだけで電気主任技術者の仕事に就くことができます。

電気主任技術者になると、今度は建物の電気設備の管理を一任されるようになります。

さらに建物一つ一つに、最低一人は電気主任技術者を置くことが義務付けられている為、仕事に困ることはまずなくなります。

電気主任技術者としての経験を積み重ねることで、やがて独立できるようになるのも大きな魅力でしょう。

最終的にこの分野で独立を目指したいのであれば、まずは電験三種の取得から始めてみることをお勧めします。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

電気設備保守点検の仕事をしていると、電気に関する知識は豊富になります。

基本的に電気という物の性質は不変な為、同じ電気の業界であればいくらでも転職が可能だと思います。

ただ、知識よりも腕前が大事になる電気工事士といった仕事に活かすことは少し難しいかもしれません。

また、電気設備保守点検や電気主任技術者の仕事に近いもので、ビルメンテナンスの仕事があります。

こちらは電気に限らず、消防設備や危険物取扱、冷凍機といった幅広い資格が必要になる仕事です。

電験三種を取得した後、電気主任技術者にならずにビルメンテナンスに進む人もいますので、そちらを視野に入れてみるのも良いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

電気設備保守点検の仕事は、思っている以上に大変な仕事です。

小さなミス一つでも、場合によっては大きな事故に繋がるので、強い責任感と集中力が欠かせません。

しかしその大変さに勝るやりがいと楽しさがある仕事でもあります。

皆さんもぜひ、電気設備保守点検の仕事に就くことを検討してみてはいかがでしょうか。