看護師パート求人の選び方

体力的にハードな上、集中力や責任感も要求される看護師という職業。

「正社員で働くのはちょっと無理かも」と感じるなら、看護師のパート勤務がおすすめです。

「パート勤務」のメリットやデメリット、「パート求人」の選び方や注意点などについて、看護師歴30年の経験を基にお伝えしたいことをまとめてみました。

おすすめの求人サイト3選も掲載しましたので、是非参考にしてみて下さい。

看護師のパート求人にはどのようなものがあるの？

総合病院、個人病院、クリニック、介護施設、デイサービス、保育園など様々な施設の求人があり、フルタイムと同じくらい求人数も豊富です。

通常の日勤パート以外にも夜勤パートや当直パートなどがあり、出勤可能な曜日指定や時間指定ができるものなどもあります。

通常は求人票に「曜日相談可能」「時間相談可能」などと記載されていますが、もし記載されていなくても交渉次第で応じてもらえる場合もあります。

お目当ての病院があるのなら、一度確認してみると良いかもしれませんね。

こういう事情の人は、パートで働きましょう！

私の身のまわりの人の経験談を基に、パート勤務の看護師として働くのにおすすめな方の状況を書き出してみました。

子供が小さい、大病を患った直後である、家族に要介護者がいるなどの理由がある

・急な休みを取らなければならないことが多い。

・どうしても出勤できない日がある。

・長時間仕事をするのが難しい。

・フルタイムは無理だが、隙間時間を有効に活用したい。

組織の一員となることで生じるストレスを最小限にしたい

・しっかりと休みを取りたい。

・残業を減らしたい、残業はしたくない。

・通常業務以外の雑務から逃れたい。

・人間関係の煩わしさを少しでも軽減したい。

ブランクが長い場合、いきなり正社員となるのはハードルが高い

・将来は正社員を目指しているが、まずはお試し期間を設けて病院の実情を知りたい。

看護師がパートで働くメリットとは？

まずは、パートで働くことによるメリットについて考えてみましょう。

休みを取りやすい

正社員は休みが取りにくいという職場が多いようです。

ほとんどの職場が人手不足であり、休むと他のスタッフに迷惑をかけてしまうので言い出しにくかったり、申請しても却下されたりすることも。

その点パート勤務なら「パートだから仕方ない」と思ってもらえますし、短時間勤務で正社員ほど業務に支障がないため休みやすい傾向にあるようです。

このメリットを重視してパート勤務を選ぶ人もいます。

一般的なバイトに比べて時給が高い

看護師さんのパートの時給は、一般的なバイトに比べて高額です。

地域によって差はあるようですが、地方でも時給1,000円～1,400円くらいが平均ですし、都心なら時給2,500円を超える病院もあるようです。

他の職種のバイトに挑戦してみたものの、あまりの時給の低さに結局は看護師に復帰したという人も何人かいらっしゃいました。

かなり魅力的なメリットであると言えそうです。

残業が少ない

契約時に終了時間を明確に定めておけば毎日決まった時間に帰宅できるので、残業時間をぐっと減らすことが可能です。

「パート勤務」という免罪符のおかげで、他のスタッフに気遣いする必要もありません。

小さな子供がいて保育園などのお迎えの時間を厳守しなくてはならない看護師さんにとってはありがたいメリットです。

自分の仕事に集中できる

通常の看護業務以外の雑務や管理業務、委員会の仕事などが多くなると、拘束時間が長くなったり精神的負担が大きくなったりして、通常の業務に集中できなくなることも少なくありません。

その点パート業務なら、これらの業務から解放される可能性が高くなります。

自分自身の仕事に集中できるので、残業を減らすことにも繋がります。

正社員ほど密接に他のスタッフと関わらなくて済む

パート勤務の場合は勤務時間が短く、正社員ほど密接に他のスタッフと関わらなくて済むため、ストレスが溜まりにくい、トラブルに巻き込まれにくいという意見もあります。

このメリットを重視して、一つの病院での勤務時間を最小限にしていくつかの病院を掛け持ちするというツワモノも存在するようです。

お試し期間として活用できる

ブランクが長い、経験不足などの理由で正社員として働くことに不安を感じる場合に、お試し期間としてまずはパート勤務で就職して様子を見てみるというのも一つの方法です。

もちろん正社員への昇格の際には病院との交渉が必要にはなりますが、パート勤務で一定の評価を得られれば問題なく昇格できるケースが多いようです。

迷っているなら検討してみる余地があるかもしれません。

逆にパートで働くことのデメリットとは？

次に、パートで働くことのデメリットについて考えてみましょう。

正社員に比べて給料が少ない

やはり正社員に比べると給料は低くなるケースが多いようです。

病院によっては資格手当や賞与、退職金などの支給が行われないこともあるため、かなりの格差が生じる場合もあるようです。

休みが多いと給料がガクンと減る

時給なので仕方がないことなのですが、正社員がカレンダーを見ながら「今月は休みが多い」と喜んでいるのを横目に、複雑な気持ちになることがあります。

祝日や病欠などの休みで給料が変動するのは、パート勤務ならではの辛いところです。

常に忙しい場所に補充要員として回される

総合病院などであるパターンなのですが、手が空くと他の忙しい部署に手伝いに行くよう指示されるため、常に忙しいというパート看護師さんもいらっしゃるようです。

担当部署が固定されている正社員の場合は暇になれば楽ができるので、なんだか損しているような気分になるといった声も聞かれるようです。

パート勤務だからと見下されることも

良識のある正社員ならこのようなことはありませんが、中には「パート勤務だから」というだけの理由で自分より立場が下だと決めつけたり、「無責任」「向上心がない」などという先入観で接したりする人もいるようです。

パート勤務のメリットを得られない場合ストレスが溜まる

先に挙げたパート勤務のメリット（休みがとりやすい、残業が少ないなど）を見込んでパート勤務を選んだのに、そのメリットが得られない、得られにくいという職場も。

メリットを得るために給料面で妥協したのに、こんなことなら正社員で就職した方が良かったなどとストレスを溜め込んでしまうケースもあるようです。

看護師のパート求人はどういうところで出ているの？

ハローワークはもちろん看護協会の求人情報や転職サイトなどで求人を探すことが可能です。

求人の種類別にどういうところで出ているのか詳しく見てみましょう。

病院やクリニック

手軽に多くの情報を得たいのなら、ハローワークの活用がおすすめです。

自宅でインターネットを利用して多くの求人票を閲覧することができますし、条件設定をすることにより転職の候補先を絞って効率的に探すこともできます。

ただし看護求人の専門ではないので、詳細な情報の収集は難しいなどの欠点はあるようです。

詳細な情報を得たいなら、看護師専門の転職サイトの活用が有効でしょう。

転職サイトを活用すれば「求人票には掲載されていない裏事情」「看護師の視点から見た評価」「多くの病院や施設をみてきた転職サイトスタッフならではの意見」などを知ることも可能です。

無料とは言え登録が必要で、担当者との電話連絡などが必要になるなどという煩雑さはありますが、転職という大事な決断のためですので手間を惜しまずに活用してみると良いのではないでしょうか。

看護協会の求人情報は、ちょっと敷居が高いと感じる方も多いかもしれません。

看護協会では、ブランクの長い看護師のために「看護力再開発講習会」を行っています。

最新の医療や看護についての講義が受けられて実践も行える上、実際の病院での実習も体験できるなど久しぶりのお仕事に不安を抱える看護師さんにとっては大変ありがたい制度です。

講習を終えるとそのまま再就職のサポートをしれるので、この流れで利用する方が多いみたいです。

なによりサポートしてくださるのが看護協会のスタッフなので、心強いというメリットがあります。

ただし、ある程度厳しい視点でのサポートであることは覚悟しておかねばなりません。

自分が看護学生だった頃を思い出してみると想像できるのではないでしょうか。

提示される求人先に、あれこれ文句をつけたら、

「そんな生半可な決意では、看護師は務まらない！」

と一刀両断された人もいるようです。

利用される方は心してくださいね。

企業内診療所

特に大手企業の場合は、働きやすい上に福利厚生も手厚く給料も良いなどの利点が多く、人気の求人です。

ハローワークなどの媒体で求人が出ないわけではありませんが、絶対数が少なくて人気なので、すぐに採用が決定してしまう傾向にあります。

できれば転職サイトなどに登録して、求人が出されると同時に行動に移せるような体制を整えておいた方が良いかもしれません。

介護施設や訪問介護、デイサービスなどの介護系

探し方の詳細は病院やクリニックの場合と同様になりますが、介護施設や訪問介護、デイサービスなどは、病院やクリニックに比べて経営者が医療に関する知識を持ち合わせていないなど環境があまり良くない施設も少なくないようです。

求人を選ぶ場合は、より細かい情報収集が必要になりそうです。

できれば事前に施設の見学を行い、経営者の経営方針や従業員への接し方などを見極めて決断した方が良いと思います。

もちろん自身で見学の手続きを行うことも可能ですが、転職エージェントを利用すれば施設側と交渉してお膳立てをしてくれるので、活用してみるのも良いでしょう。

この類の施設の良し悪しは経営者の経営方針や人格が大きく影響するので、転職サイトのスタッフに印象を訊いてみるのも一つの方法かもしれませんね。

「実は…」などと貴重な意見が聞けるかもしれませんよ。

保育園

数はあまり多くありませんが、最近増えつつあるのが「保育園」の求人です。

仕事内容は子供の健康管理や緊急時の判断や対応などですが、同時に保育士さんの役目を果たすことも要求されますので、思った以上に体力や対人能力を要するお仕事でもあります。

病院や施設での看護師経験はあっても保育園での経験は皆無だという方がほとんどであり、仕事内容自体をイメージしにくいかもしれませんね。

もし転職を希望するなら、事前に見学を行って実情を把握しておくべきです。

できれば見学だけでなく、実際に仕事を体験してみた方が良いでしょう。

ハローワークや転職サイトはもちろんのこと、保育士の求人情報や保育士をターゲットにした研修会などで求人を探すことも可能です。

研修会で知り合いになった保育園の看護師さんの紹介で職場体験をさせてもらい、そのまま採用されたなどという方もいらっしゃいます。

看護師パート求人を選ぶ時の注意点

看護師のパート求人を選ぶ時には、次のような点に注意しましょう。

もちろん時給が高いところを

時給が高ければモチベーションが上がりますし、多少の残業や雑用もやむを得ないと感じられて不平不満を最小限に抑えられます。

しかし一方で仕事がキツい、辞める人が多いなどの問題を抱えているために、「時給」を高くして採用数を増やそうとする職場も存在します。

重要な要素ではありますが、「時給」だけを基準に選ぶのは避けるべきです。

なるべく福利厚生が手厚いところを

パート勤務だからまぁいいか…などと思わずに、きちんと確認してから決断しましょう。

私自身パート勤務で働いていた病院で大病を患ったことがあり、福利厚生の手厚い職場であったことが功を奏して安心して治療に専念できたという経験を持つ看護師の一人です。

いざという時のことや将来のことを見据えて転職先を選ぶべきです。

公開求人だけじゃなくて、非公開求人もチェックしましょう

「非公開求人」という求人をご存知でしょうか。

条件が良くて一般公開すると応募が殺到して対処に困るため、あえて非公開にして限られた人にのみ公開する求人のことです。

病院側が募集していることを知られたくない場合、また管理職の求人などに適用されることもあります。

非公開求人をチェックすることでより良い求人を見つけることができる可能性がありますので、ぜひ確認してみてほしいですね。

求人ごとに求められる業務内容が違うのでチェック

求人ごとに求められる業務内容は微妙に違います。 

求人票だけではその詳細が読み取れなかったり、短時間の面接では病院側の意図が伝わりにくかったりする場合もあるようです。

また一部の悪質な病院では、なんとか人手不足を解消しようとして都合の悪いことは記載しなかったり言葉を濁したりすることも。

採用後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、事前に求められている内容をしっかりと把握しておくことが重要です。

まとめ

パート勤務の看護師についてまとめてご紹介しましたが、いかがでしたか。

フルタイムの勤務に自信がない、ブランクがあって復帰をためらっているなど今一つ踏ん切りがつかない方に、パート勤務はおすすめです。

プライベートや体調管理、家庭との両立がしやすい職場が見つかるように応援しています！