雑誌やCMなどで活躍する撮影モデルという仕事には、憧れるという人も多いでしょう。

スタイルの良さなどが重視されるイメージがありますが、決してそれだけではありません。

過酷な条件での撮影も多く、基本的に体力勝負の仕事。

さらに気配りや対人コミュニケーションといったスキルも求められます。

そこで、意外に実態が知られていない仕事とも言える撮影モデルの仕事について、詳しく解説しましょう。

撮影モデルとはどんな仕事?

撮影モデルの仕事には、大きく分けて写真撮影と映像撮影の仕事と二分されます。

写真撮影の場合は笑顔などの表情と立ち姿などのポーズが重要。

笑顔もただ笑えばいいのではなく、「写真映えする」必要があるのです。

さらに映像の場合は簡単な演技も必要です。

モデルに求められるポーズや表情は意外に難しく、スタッフの指示に的確かつ瞬時に対応しなくてはいけません。

たとえ脇役やその他大勢の立場であっても、撮影の主旨や企画の内容に沿った効果的なポーズや表情が求められるからです。

男性向けの広告と女性向けの広告では、好まれる笑顔の質などがまったく異なるし、若者向けとファミリー向けでも要求が違います。

スタッフからの指示は決してわかりやすい言葉でないことも多く、こちらがうまく指示を受け取れないことで、相手がイライラしてしまうことも少なくなりません。

「言葉の行間を読む」ようなコミュニケーションの能力も問われます。

また、いわゆるエキストラの仕事もありますが、それでも決して簡単ではありません。

主役の人の演技のジャマになったりせず、違和感のないようにさりげなく演技をする必要があり、とても難しい仕事なのです。

撮影モデルの大まかな仕事内容

まず遅刻は厳禁。

撮影の集合場所には時間厳守で行き、撮影が終了するまでの拘束が原則。

ただし、自分の出番が終了すれば帰されることもあります。

基本的には現場で長時間待機をしながら本番に備えます。

映像撮影ではリハーサルが必要なケースもあります。

場所は内容によって様々です。

スタジオのほか、店舗や野外など、基本的にどこにでも行きます。

長時間の移動も少なくありません。

また、真夏の猛暑の中で秋冬物の衣装を着たり、真冬の屋外で半袖姿で長時間立つことなども多く、体力的には非常に厳しい仕事と言えるでしょう。

撮影モデルが向いている人の7個の特徴とは?

人前に出るのが好きな人

自分自身が商品であり、自分をアピールすることが必要な仕事です。

引っ込み思案な性格の人では難しく、「出たがり」な人ほど向いています。

トレンドに敏感な人

アパレルモデルなどは、商品自体を身につけるのですが、モデルが私服を持ち込んで撮影に臨むケースも多くあります。

その場合に、あまりに流行遅れの私服を持っていたのでは仕事に支障が出てきます。

トレンドに敏感でセンスがある人ほど、スタッフにとっては使い勝手がいいということです。

コミュニケーション能力がある人

モデルには、スタッフの指示を的確に理解することが必要です。

彼らはわかりやすい言葉で話してくれるとは限らないので、「自分に何が求められているのか」を正確につかめる人が、モデルとしてのスキルが高い人でもあるのです。

また、共演者同士で息を合わせることも必要なので、コミュニケーションが苦手な人は現場で苦労します。

モデルはスタッフや共演者に気に入られることも重要なので、コミュニケーション能力はあればあるほど強みとなります。

チャレンジ精神がある人

モデルは容姿だけでなく、内面を磨く意識も必要。

商品としての自分の価値を高める努力が求められます。

もちろん知識や教養があれば、現場での評価につながります。

また、モデルは「自分が好き」でないと務まらない仕事です。

そのためにも常に自分磨きができて、チャレンジ精神が旺盛な人が向いています。

「苦手なことはしたくない」という消極的な姿勢では、仕事は減っていくでしょう。

自己管理が出来る人

時間が不規則な仕事であるため、スケジュールの管理が重要です。

当然遅刻は厳禁ですし、集合場所や時間を間違えることも致命的です。

また、体調管理も重要。

撮影が早朝から深夜に及ぶことも多く、体力や健康面で問題があると難しい仕事です。

さらに、モデルという仕事は「体型をキープ」することがきわめて重要なため、太りすぎや痩せすぎも禁物。

あらゆる面での自己管理ができる人でないと務まりません。

体力に自信がある人

長時間の移動も求められる仕事であり、屋外ロケも多いです。

また、撮影が早朝から深夜にまでかかることも珍しくありません。

時間が不規則なので体調管理も難しくなります。

面も屋外で猛暑や酷寒にさらされることも多いので、とにかく体力面に自信があることが重要な条件となります。

メンタルが強い人

カメラマンや演出担当といった撮影スタッフの中には、気むずかしい人もいます。

中には、指示が伝わらないとイライラして、怒鳴りつけるような人もいるのです。

怒鳴られて泣き出すようではモデルは務まりません。

また、せっかく仕事をしても報われないことがあります。

自分の出番まで、数時間以上も待たされたあげく、撮影したカットがまったく使われずに日の目を見ないケースも多いのです。

しかし、それでガッカリするようでは失格。

モデルの仕事にはそんな精神的なタフも必要なのです。

撮影モデルが向いていない人の6個の特徴とは?

体力が弱い人

撮影は早朝から深夜に及ぶこともあり、拘束時間が非常に長い仕事です。

ロケ先でも長時間の移動を強いられる場合も少なくありません。

しかも屋外撮影では、猛暑や酷寒の条件下に何時間もさらされることも多く、体力勝負の仕事であることは間違いありません。

したがって、体力に自信がない人は、まず続かないし、現場で体調を崩したりしては関係者全員に迷惑をかけてしまいます。

どんなにこの仕事に興味があって、やる気があったとしても体が弱い人はおすすめできません。

寒さや暑さに耐えられない人

屋外での撮影も多く、それが長時間にも及ぶため、厳しい夏の暑さや冬の寒さとの戦いは日常茶飯事。

しかも、撮影の都合上、真冬に夏物を着たり、真夏に冬物を着ての撮影も珍しくないのです。

寒さや暑さに弱い人には、到底できない仕事だと言えます。

高収入が必要な人

モデルの仕事は日給制が多く、時給の場合もありますが、拘束時間の長さに対して割りのいい仕事とは言えません。

この世界で高収入を得られるのは一流と呼ばれる人たちだけです。

すぐにお金が必要な人はやらないほうが向いていないかもしれません。

あがり症の人

撮影現場は大勢のスタッフが集結します。

映像の仕事では100人超体勢のスタッフということもあります。

その中で仕事をするのは大変な緊張感ですし、本場でカメラが回っている時の緊張は半端なものではありません。

いわゆる「あがり症」の人には向いていない仕事と言えるでしょう。

メンタルが弱い人

全員がそうではありませんが、撮影現場では乱暴な言葉で叱責する人も少なくありません。

「お前、何やってんだ。もういいから帰れ!」などと叱られても、本当に帰ってほしいわけではないのです。

「すみません! もう一度お願いします」という根性があるかどうかを見られていると言ってもいいでしょう。

すぐ凹んでしまったり、泣きべそをかいてしまう人では務まらない仕事です。

自分が嫌いな人

モデルの仕事は、「自分自身が好き」でないとできない仕事です。

自分の魅力を世間に対してアピールする仕事なのですから、自分が嫌いであったら、仕事に対するモチベーションがまったく生まれません。

そもそも、自身にネガティブであれば、明るい表情や笑顔を浮かべることさえも難しいのです。

撮影モデルのスキルを活かせる職種・仕事にはどんなものがある?

俳優

モデルの仕事は演技力も問われるため、撮影モデルの経験を通じて、演技力が身に付くことも多々あります。

モデルから俳優に転身するケースも少なくありません。

実際に現場で「俳優をやってみないか?」とか「本格的に演技の勉強をしてみたら?」などと勧められたことから転向した人もいます。

また、モデルと俳優を兼業でこなす人も少なくありません。

カメラマン

モデルには写真の知識もある程度は必要なことから、自分で撮影することに興味をもち、カメラマンを目指す人もいます。

モデルの気質がわかっていれば、自分が撮る側に回ったときに「どう指示をすれば伝わりやすい」かがわかることは有利です。

ただ、写真の勉強をすることは必要だし、アシスタントで経験を積むことも時には求められます。

さらにもともとのセンスも問われるので、簡単ではありません。

ただ、モデルの仕事で培った美意識の高さは撮影する側としても武器となるでしょう。

撮影アシスタント

モデルの仕事を通じて、撮影する側に興味を持って、カメラマンを志して撮影アシスタントになる人もいます。

ただし、アシスタントはコネクションがあればなれるケースも多いのですが、とても厳しい仕事であり、相当な根性がないと務まらないため、生半可な動機では続かないでしょう。

編集アシスタント

編集スタッフとも現場でよく顔を合わせることから、編集という仕事に興味を持って転身する人もいます。

ただ、そのようなケースだと、出版社の正社員ということはまずあり得ないので、中小の編集プロダクションに入るケースが大半です。

これも撮影アシスタントを上回るほどの厳しい職場で、安い給料の割りに超がつくハードワークを強いられます。

相当な覚悟がないと難しいでしょう。

モデル事務所のスタッフ

モデルをマネジメントする側に回る人もいます。

モデルという職務を理解していることは強みですから、経験を活かせるのは確か。

ただし、マネジメントする能力はモデルの仕事とはまったく別物で、とにかく気配りができて、頭の回転が早く、交渉ごとが得意なことが求められます。

頭の良さも必要なので、誰にでもできる仕事ではないことは覚悟しましょう。

これから撮影モデルの仕事をはじめるには、どうしたらいい?

モデルには特別な資格は必要ない半面、誰にでもできる仕事でもありません。

ただ、「やってみたい」という強い気持ちがあれば始めることはできます。

まずはやってみて「私には無理だった」と感じたらやめてもいい訳です。

とにかくチャレンジ精神があれば体験してみるのもいいでしょう。

撮影モデルの仕事で就職するために

撮影モデルの世界には、原則として「正社員」という概念はありません。

モデル事務所の大半は人材派遣業であり、モデル登録制で原則としては「派遣社員」です。

つまり、安定した収入の保障はありません。

報酬は「一現場でいくら」という単位ですから、仕事が多い人は多く稼げるし、仕事がない人には収入がありません。

事務所でもある程度は売り込んでくれますが、原則は撮影する側のスタッフが宣材と呼ばれるカタログ資料を見て指名するシステムです。

ただ、現場でスタッフに気に入られれば、「あのコはいいね」と評判になり、次の仕事につながっていきます。

いかに現場で好印象を残せるかが勝負になり、実力次第で這い上がっていける仕事であるとも言えるのです。

資格は必要?

資格は必要ありません。

ただ、自動車の運転をする撮影もあるので、運転免許はあったほうがいいかもしれません。

また、外国人モデルと共演する機会もあるため、簡単な英会話ができれば武器になります。

外国人モデルは日本語が得意でない場合も多いのですが、現場に通訳がいることは少ないのです。

そんな時に英会話ができる人が現場にいれば大変喜ばれます。

スタッフの指示を補則してあげたり、ちょっとした通訳的な役目を果たすことができれば、大いにアピールできるでしょう。

必要なスキルや経験は?

現場によっては自身でヘアアレンジやメイクをすることも多いので、そういった面のセンスがある人は武器になります。

また、自分の衣装として私服を持ち込むことの多いため、ファッションセンスも問われます。

モデルとして撮影に臨む場合、難しいのは表情作りとポージングです。

これらのスキルは現場で経験を積んで磨くことが第一ですが、研究材料は豊富です。

雑誌や広告などのメディアは巷にあふれているので、それらをしっかり分析して自分に合う表情やポーズを参考にすればいいのです。

ポーズなどの研究はファッション雑誌や女性誌だけを見てもダメだし、逆に男性誌だけでも不十分。

たとえば通販カタログにはそれに適したポーズや表情があるし、媒体だけでなく、商品の質にも左右されます。

子供向けやシニア向けなど、幅広い媒体を見て研究するようにしましょう。

また、写真を撮られることだけがモデルの仕事ではありません。

現場では、スタッフや共演者への気配りが重要です。

休憩時間などにも積極的に声がけをして顔と名前を覚えてもらうことが重要。

特に、モデルを選ぶ主体である編集スタッフには、なるべく声をかけましょう。

相手が自分を指名してくれた当人であるとわかったなら、お礼の言葉を忘れずに。

そんなマメな努力が次の仕事につながるのです。

まとめ

モデルの仕事は華やかな印象があるものの、むしろ実態は体力勝負の厳しい職場です。

拘束時間も長く、過酷な条件下で働くこともある、ハードな仕事でもあります。

それでも自分の活躍がメディアを通じて広くアピールできるので、やりがいの大きな仕事だと言えるでしょう。

これまでテレビや雑誌で見ていたタレントさんや俳優さんと一緒に仕事が機会がある可能性もあります。

そういう意味では刺激もあるし、魅力的な仕事だとも言えます。

容姿に自信がないという人でもチャンスはあります。

体力さえあれば「モデルなんて自分には無理」などと思わず、積極的に挑戦してもいいでしょう。