青果市場って知っていますか?

私が青物市場で働いていると言うと、「知っているけど、どんなところかは実際、よくわからない」「なんとなく怖そう」「楽しそう」「何するところ?」等、いろんな反応が返ってきます。

青果市場は皆さんの大切な食の卸売買をするところで、お店やさんのお店屋さんです。

生活には欠かせない重要な八百屋さん・スーパーで売っている物の販売など、活気あふれる職場でもあります。

今回は、そんな青物市場の仕事について書いてみたいと思います。

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青果市場の仕事はどんな仕事?

青果市場の仕事とは、農家さんや産地仲買人、出荷団体から商品となる野菜や果物を集荷し、卸売り市場として買い手である仲卸業者や売買参加者に販売するという、まさに新鮮な食の台所です。

青果市場の仕事の大まかな仕事内容

農家さんから野菜や果物を集荷し、需要のバランスや品質の優劣の判別を考慮しながら具体的な価格を形成し、「競売(セリ)」と呼ばれる取引を仲卸業者や売買参加者と行います。

「セリ」には、売り手と仲卸業者等のその品物を欲しい人全員が参加します。

また、価格形成には「セリ」のほかに、売り手と買い手が直接取引価格や量を決める売買方法もあり、こちらは「相対」と呼ばれます。

そのほか、品物の管理、必要に応じては商品をパッケージに詰めて買い手が買いやすくしたり、検品もします。

様々な種類が集まってくるので、青果部、果物部などに担当が分かれていたりします。

営業もありますが、配送、集荷などの運搬作業。

トラックで注文があった買い手まで商品をお届けしたりもよくあります。

事務の方もいますが、事務は全く違うお仕事内容になります。

仕事上の役割とは?

やはり主な役割は、「セリ」でしょうか。

皆さんもテレビや何かで一度は見たことがあるかもしれませんが、専門用語が飛び交って、指の動きで交渉をテンポよくこなしていきます。

いつもニコニコしている上司もこの時は真面目な顔で、こちらも初めは緊張しました。

この「セリ」は、誰にでもできるわけではないのです。

独特のテンポをつかんで、「セリ」の雰囲気作りができる、経験を積んだ人にしかできないものなのです。

「セリ」の時間帯はみんな真剣です。

活気がありますが、一方で「セリ」がうまくいかなかったときの市場の雰囲気は、なんとも殺気立っているような感じで、どんより不機嫌になってしまう上司もいました。

そういう方は「セリ」がうまく順調にいったときはご機嫌だったりなんてこともありました。

「セリ」はそれぐらい重要な役割なのです。

青果市場の仕事はどんな人に向いている?

食の元、と言われる市場には、常に旬の商材や、とれたてで新鮮、作り手も明確な、安全安心な果実や野菜があふれています。

市場内は、とても活気ある明るい職場で、私自身は、市場内の独特の空間もお仕事としても、楽しい分野でした。

そんな青物市場の仕事に向いている人について、少しまとめてみました。

動くことが好きな人

広い市場を走り回ったり、大声で指示を出したり、重い荷物を運んだり。

基本はフォークリフトでパレットを持ち上げたりしますが、力仕事も結構あります。

体を動かすことが好きな方は市場内を走り回ったりして、とても元気に仕事しています。

休憩時間にはキャッチボールをして息抜きしている従業員もいました。

広い市場内を自転車で走り回って検品したりと、忙しい時間帯はみんなあちこち動き回っています。

食に興味のある人

商品である野菜や果物の産地や旬、ルーツなどをたくさん学べるので、農家さんからのつながりやお店に商品が並ぶまでの知識がついてきて、目利きになれると思います。

スーパーに行くと、この野菜は新鮮だな!!とわかってしまいます。

見た目、触り心地、感触、匂いなど、思わず厳しくチェックしてしまったりします。

コツコツ作業が苦にならない人

私が働いていた青物市場では、とれたての野菜を一つ一つ手に取って、優劣を選別していました。

そして、それをパックに一つずつ、規定内のグラム数に分けていました。

毎日多くの種類の、大量の野菜を扱うので、コツコツ作業が苦手だと大変かもしれません。

慣れると重さや甘味の具合、鮮度などをすぐに見分けることができるようになっていました。

その選別は自分の感なので、慣れれば1日でかなりの量をこなしていました。

コツコツ作業ですが、コツをつかむと全然嫌にならなかったです。

キズがひどいピーマン、少しだけ割れ目のあるトマトなどは、廃棄されてしまうので、毎日いただいて持ち帰っていました。

計算が得意な人

市場では「セリ」が重要とお話しましたが、素人の私が聞いても何が何だかさっぱりわからないリズムでテンポよく、セリ落とされていきます。

その時に計算力があれば、交渉ややり取りをする価格形成もできるのではないでしょうか。

まじめだけど明るく、気さくで誠実。そしてテキパキ動く人

そのままですが、従業員みんなに共通していたと思います。

遊ぶときは遊ぶ、ふざけるときはふざけますが、スイッチがちゃんとあって、仕事になると真面目にテキパキ動くのが印象的です。

気さくな人が多くて、気軽に気を使わずに、なんでも話し合える。

でも、仕事中はみんなまじめで真剣で、思わず、声をかけるのを躊躇してしまいそうになるのですが、ふとこちらに気づくと「まいどー!こんにちはー!」って声をかけてくれたりします。

よいチームワークが築きやすいって大事だなと思いました。

青物市場の仕事に誇りとプロ意識を持てる人

市場が地域の食を支えているという誇りとプロ意識を持って働かれている方が、市場にはたくさんいらっしゃいます。

世間にはお休みがあっても、市場に休みはほとんどありません。

ゴールデンウィークでも、お盆でも、正月でも買い手の方のために、大きく休む市場はあまりないと思います。

お休みは市場によって違うかもしれませんが、私の知る市場の休みは、日曜日でした。

また、収入面では市場によって差があるようです。

なので、休みや収入だけで考えると、青物市場の仕事はきついと感じる方もいると思います。

しかし、「休み」や「お金」だけを考えるのではなく、市場の仕事に誇りとプロ意識を持って日々働いてくださる方たちがいるから、私たち消費者に品物が届くのです。

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青果市場の仕事をするために活かせる、今までの経験は?

青果市場は全国に大中小問わず、認可を受けている市場があります。

私が働いていた市場はとある自然豊かな田舎の中にあり、大きな市場です。

田舎の方が集荷できる農家さんが多く、大きい市場があったりします。

市場によって環境や内容が異なることが多いので一概には言えませんが、私の働いていた市場でのお話をさせて頂きます。

早寝早起き

当たり前のことですが、市場の朝は早いです。

朝が苦手だという方にはかなりきついです。

逆に、朝早起きで朝から忙しい市場を走り回れる方には、時間的にもいい仕事ではないかと思います。

朝早く起きることに慣れている人は、朝から仕事をするのは、気持ちのいいことに感じるようです。

農業経験

実家が農家だったりして農業に携わった経験のある従業員さんは、農家の状況を把握しやすかったりします。

自分の家が農家だった方は、子供のころから農業のお手伝いをしてきているので、営業が上手でした。

体育系スポーツ

力仕事でよく動き回る仕事なので、体力がある方、運動をしている方が多かったです。

休みの日は、社会人草野球をしいてる人もいました。

年齢が18歳~定年近くの歳の方ですが、皆さん、タフなイメージでした。

営業経験

市場は、営業職の経験が意外と役立つと聞きました。

市場内の業務に、営業があります。

農家さんのところに行って、セリにスカウトするような感じの営業です。

営業経験が豊富な方は、あっという間にデータ管理もできてしまうそうです。

品物には、それぞれのデータがあります。

データ管理や入力などは事務担当が多いですが、市場の商品管理者には、データの知識もあればなおよいです。

卸業も営業販売ですので、「相対」の取引の際に、営業力があれば、販売にも有利になることもあります。

青果市場で働くメリットとは?

レアな商品が手に入る

農家さんと直接顔なじみになったり、作物の状況を知ることができますので、スーパーや店舗には出回らないレアな商品をゲットできることがあります。

私も時期的にスーパーに出回らない野菜をお願いして、分けて頂いたこともあります。

野菜や果物の余りをもらえることがある

青果市場には、屋根はありますが、壁は少ないので、夏は暑いし、冬は寒いですが、暑い夏には、スイカが切って、並べられていました。

「よかったら食べて下さい」っていう具合です。

スイカに限らず、さばけずに売れ残ってしまった果物や野菜、予定よりも多く残ってしまった商品は「お持ち帰りオッケー!!」も多く、新鮮な大根やキャベツ、シイタケ、その他いろいろ・・・しょっちゅうもらって帰ってきていました。

普段野菜をスーパーで買うことがないほど、本当によくいただいていました。

ありがたかったです。

目利きになれる

勤務していくうちにだんだん目利きになってきますので、長年勤務の役職員の方などは集荷してきたものをパッと見てすぐに、今日は優が多い日だとか判断できるなど、品物の目利きも素晴らしかったです。

夕方の時間帯を有効に使える

朝は、市場にとって一番忙しい時間ともいえるでしょう。

早番は朝は早いけれど、終わり時間も早いです。

5時、6時に出勤し、終業は14時、15時頃だったりします。

早番の前の日はちょっと憂鬱ですが、終わる時間が早いので、まだ明るい15時~の時間は有効に使えたりするのです。

でも、早番の前の日はちゃんと早く寝なければ寝不足で倒れそうになります。

人間関係が良好

市場って何となく、気さくな方や、明るい方、素朴な方が多い気がします。

それに買い手の方も卸売業の方で、同じメンバーが頻繁に顔を合わせることもあり、店舗で初対面に近い方に商品を売るような感覚ではなく、気楽な関係なのです。

先輩後輩も仲良くて(上司にはもちろん怒れば鬼のような怖い一面もあります)、人間関係での悩みは本当になかった気がします。

実際に自分が働いていた時のメンバースタッフは、今でも青果市場に一人を除いて、皆健在です。

私が退職してから8.9年経ちますが、近況報告を聞いていて、一人しか退職していませんでした。

その一人は、結婚して実家の農家を継いだそうです。

私も引っ越しで他府県に来なければまだ、市場で働いていたと思います。

他府県に引っ越しましたが、百貨店のデパ地下で、ふと見覚えのあるパッケージの野菜・・・あの市場で自分が扱っていた商品を見かけたときは思わず、「○○さんだー」と、農家さんの名前を懐かしく叫んだ時もありました。

こんなに離れた場所に売られているなんて・・・感動しました!

話はそれましたが、人間関係は、本当に悩んだことはなく、みんな気さくでいい人たちでした。

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その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

自分自身が農家に転職なさる方が数名いらっしゃいました。

あと、市場の仕事をしながら、農業をやっている方もいらっしゃいます。

いわゆる兼業農家さんです。

元々、農業や野菜や果物が好きだったり、興味のある方は、自分で作って自分も商品をお客さんに届けたいという熱い方もいらっしゃいましたので、農業のノウハウは農家さんからも習得しやすいと思います。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

職業柄か土地柄かわかりませんが、私の働いていた市場の従業員には「我が家は代々、農家です」という方が結構いらっしゃいました。

家業を継ぐ前に、取引先である青果市場に就職されることも多いようでした。

毎度聞くたび「へー、この人もなんだ!!」と驚いたものです。

先にも書きましたが、市場の従業員さんから農家さんに転身される方にとっては、市場での職務経験って有利なことが多いと思います。

まとめ

青果市場の仕事をまとめてみましたが、いかかでしたでしょうか?

青果市場は全国に本当にたくさんあります。

青果市場は鮮魚市場とはまた違いますが、気になる方は、実際に一度青果市場に足を運んで、見せて頂いてもいいかと思います。

なかなかおもしろい仕事だと思います。