「新聞記者」というとどんなイメージを持つでしょうか。

凶悪事件の現場に足を運び、事件の真相に迫る姿でしょうか。

それとも、私腹を肥やす政治家の悪行を暴くため、証拠を求め、密かにさまざまな人に接触する姿でしょうか。

または、流ちょうな英語を操り重要な国際会議の中身をいち早く報じようと、政府要人に食い下がる姿でしょうか。

そんな姿にあこがれ、新聞記者を目指している人もいることでしょう。

テレビで姿を見たことはあるけれど、実際はどんなことをしているのか、新聞記者の仕事に興味がある方に、その実態をお教えします。

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新聞記者はどんな仕事?

毎日発行される新聞。

その新聞の製作に携わるのが新聞記者です。

大きく分けて、取材記者、整理記者、校閲記者、編集者に分かれます。

また、最近はほとんどの新聞社がWEB版を発行しているので、WEB担当記者を置いているところも増えてきました。

日々のニュースを追いかけ、ときには、まだ誰も気づいていない事実を見つけだして報道するのが仕事です。

新聞記者の大まかな仕事内容

新聞は、取材記者、整理記者、校閲記者、編集者が仕事を分担し、作られます。

新聞がつくられるまでを紹介しながら、それぞれの仕事を説明しましょう。

ニュースの素材をあつめ、執筆する取材記者

新聞に掲載されている記事を書くのが取材記者です。

取材記者の多くは会社ではなく、自分が担当する警察署や官庁、市役所、各種機関などに向かい、1日がスタートします。

そこでは、ニュースとなる出来事や情報がないかを確認し、急いで取材しなければならない案件がなければ、自分が関心を持っている取材を行います。

また、特に担当が決まっていない「遊軍」といわれる記者もいます。

遊軍記者は普段は自分が関心を持っているテーマに取り組み、取材をしていますが、大きな事件や出来事が起きれば、応援に駆り出され、事件や出来事の社会的影響や背景を掘り下げる企画記事を担当することもあります。

取材内容はパソコンを使って記事にし、本社に送信します。

集まった記事の価値判断をし、紙面構成を考える編集者

取材記者は記事を送信する際、必ずどの面に使う記事なのかを指定します。

例えば、事件や事故なら「社会面」、国会や政治家の記事なら「政治面」、企業の業績なら「経済面」という具合です。

そして、本社には紙面全体の構成を考える編集長と各面を担当する編集者がいます。

編集長を補佐する副編集長を置いている社もあります。

ここでは、わかりやすいように「編集者」と呼びますが、通常、新聞社では「デスク」と呼ばれます。

デスクは集まった記事を見て、その日に一番大きく扱う記事を決め、別の面がふさわしいと判断すれば、別の面に売り込んだりします。

そうして、その日の紙面の骨格ができあがっていきます。

記事を読みやすく配置する整理記者

その日の紙面の構成がおおまかに決まれば、編集長やデスクなどの指示に従って、記事の配置を決めていくのが整理記者です。

整理記者は大きなモニターの前に座り、端末を操作しながら、記事や写真をはめこんでいきます。

いかに読者の目を引き、読みやすい配置にするかは整理記者の腕の見せ所。

短い言葉で記事の内容を的確に表現する見出しの付け方にも力量が現れます。

ミスを防ぎ紙面への信頼を守る校閲記者

記者が書いた記事に内容の誤りや誤字脱字などがないか、確認するのが校閲記者です。

新聞は毎日、短時間で製作するので、どうしてもミスが起きます。

パソコンの変換ミスによる誤字や人名の間違い、日付の間違い。

ちょっとした間違いでも、読者に迷惑をかけることもあります。

ミスが紙面化され、読者の手元に届くのを防ぎ、新聞への信頼を守るのが校閲記者の仕事です。

しかし、最近は校閲ソフトを導入する新聞社が増え、校閲記者は減る方向にあります。

新規での校閲記者の採用を取りやめた新聞社も少なくありません。

以上が新聞記者の主な仕事ですが、取材記者が異動で整理記者になることがありますし、その逆もあります。

また、編集長やデスクも編集業務ばかりではなく、記事を書くこともあります。

また、WEB版用に携わる記者もいますが、こちらは取材記者が新聞用とWEB用の両方に記事を書いたり、WEB用の記事をアップする仕事を兼務したりしていることが多いようです。

新聞記者の仕事はどんな人に向いている?

新聞記者に向いているのはどんな人なのでしょうか。

人の話を聞いて、文章を書くだけですから、特別なスキルは必要ありません。

とは言っても、誰でもすぐにできるわけではなく、取材にしても、記事にしても最初から上手にできる人はほとんどいません。

新聞記事は独特な文体をしていますから、何本も記事を書いて、慣れなくては書けないのです。

新聞記者に向いているかどうかは、やはり性格でしょうか。

とはいえ、記者といっても、さまざまな人がいて、自分の個性を活かしながら仕事をしています。

個性を取材に活かせるかどうかは本人の努力次第。

一概には「こんな人」とは言えないのですが、どちらかと言えば向いていそうな人という基準で選んでみましょう。

好奇心が旺盛な人

物事に関心を持ち、自分で何でも調べてみようという人です。

取材というのは、黙っていては誰も教えてくれません。

「なぜだろう」という疑問を解くために、いろんな人に会い、教えてもらうことが基本です。

きちんと取材目的を告げ、「新聞記者」と名乗れば、さまざまな人に会うことができます。

ノーベル賞受賞者から直接、研究内容について教わることだってできますし、高名な芸術家から自分の作品について解説してもらえることだってあります。

新たなことを知ることに喜びを感じられる人は、きっと読者の知的好奇心を刺激する記事が書けるでしょう。

体力があり、我慢強い人

記者は過酷な職業です。

事件や事故の現場では目撃者の情報を求めて一日中、歩きまわらなければなりません。

自然災害の取材では道路が寸断され、現場まで何キロも歩かなければならないこともあります。

たとえば、阪神淡路大震災や東日本大震災などの取材がそうでした。

体力があり粘り強い人は、埋もれている事実や美談を掘り起こし、読む人の心を打つ記事が書けるでしょう。

人と会い、話をするのが苦にならない人

取材は基本的に人と会い、話を聞くところから始まります。

しかし、いつも喜んで話をしてくれる人ばかりではありません。

中には深い悲しみの中にいる人や、何かを必死に隠そうとしている人もいます。

「取材は受けたくない」と会ってももらえない人もいるでしょう。

しかし、そこで諦めずに何度も足を運んで話を聞くのも記者の仕事。

相手が重い口を開いてくれるかどうかは、記者の人間力にかかっています。

相手の心を開き、信頼関係を結べたとき、思いがけない事実や人の心を打つ感動のエピソードを伝えられるかもしれません。

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新聞記者の仕事をするために活かせる、今までの経験は?

取材の対象は多岐にわたっていますから、どんな経験でも仕事に活かすことができます。

学生時代にスポーツに打ち込んだのなら、スポーツの取材で選手の気持ちに寄り添った記事が書けるでしょうし、留学経験があるのなら、語学力を買われて海外での取材に派遣されるかもしれませんし、国際会議の取材を任されるかもしれません。

長年の趣味があれば、その道の第一人者の人柄や生き方をより的確に表現できるはずです。

また、経験のある分野の取材に積極的に手を挙げ、より知識を深めて、その分野の専門記者になることもできます。

新聞記者として働くメリットとは?

新人記者が先輩記者によく掛けられる言葉として、「20代の若造でも新聞社の名刺さえ出せば、大企業の社長にも政治家にも、会うことができる」というものがあります。

これは「誰にでも会えるの新聞社の人間だからであって、個人の力で会えるのではない。勘違いしてはいけない」という戒めを含んでいるのですが、実際にさまざまな人に会うことができます。

先ほども書いたように、ひょっとすると、ノーベル賞受賞者から研究内容について説明してもらえるかもしれないし、著名な芸術家に自作を解説してもらえるかもしれません。

アイドルやスターの意外な一面に触れることだってあります。

以前、ある新聞社で「記者が、今気になる人に会いに行く」という連載企画がありましたが、記者たちは「憧れの人に会える」と担当の順番が回ってくるのを楽しみにしていたようです。

私が知る記者も、学生時代から憧れていた俳優や歌手とアポイントが取れ、本当にうれしそうにしていました。

さまざまな人や場所に近づくことができ、ときにはその裏側まで知ることができるというのが、この仕事のメリットでしょうか。

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その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

新聞記者は、一線の現場記者を経験した後、デスク業務を経て地方の取材拠点である支局の責任者などになり、若手の指導に当たるのが通常のコースです。

また、得意な取材分野を極めて専門記者となる人もいますし、最後まで取材記者を貫く人もいます。

退職するまで編集に携わるという人が多いのですが、取材経験や人脈などを買われて総務など他の部局の幹部になる人もいます。

新聞社内で発言力があるのは、やはり編集部門と販売部門で、社長にまでなる人は編集出身か販売出身が多いようです。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

残念ながら、新聞記者のスキルや経験を他の仕事に活かせることは、ほとんどありません。

記者で転職する人は結構いますが、多いのは同業他社への転職です。

地方紙の記者が全国紙に移るケースはよくありますし、同業他社の記者から移籍を持ち掛けられた経験のある記者も少なくないでしょう。

全国紙であれば、名の通った記者で大学教授になったり、テレビのキャスターなどにに誘われたりする人もいますが、ほんの少数。

フリーライターになってやっていく自信がある人以外は、あまり転職を考えたりはしないのではないでしょうか。

なにより、全国紙となれば給料は他の業種に比べて高水準。

その給与水準を維持できる仕事はなかなかありません。

そのほか強いてあげれば、小説家やルポライターでしょうか。

古くは井上靖や司馬遼太郎。

最近でいえば、警察小説やスポーツ小説を数多く手がける堂場瞬一は、読売新聞の元記者。

やはり警察小説の横山秀夫は地方紙の上毛新聞の記者出身です。

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新聞記者の転職事情は、こちらの記事を参考に!

自分にあった新聞記者の求人の選び方や注意点

ここまで、読んで新聞記者の仕事に興味を持った方もいると思います。

しかし、ここで少し厳しい話をしなければなりません。

それは、新聞業界は今、非常に厳しい状況にあるということです。

ここ20年ほどで、インターネットが急速に普及し、ニュースはスマホやパソコンで知る時代になりました。

かつては、朝の通勤電車の中で、多くの会社員が新聞を読みふけっていましたが、今はほとんどの人がスマホを手にし、ニュースをチェックしたり、取引先と連絡をしたりしています。

もちろん、ゲームをしている人もたくさんいます。

そして、通信費によりお金をかけるようになった人たちは、まず新聞をやめることを考えました。

「新聞がなくても、スマホでニュースはわかるし」と。

今、新聞業界は存亡の危機にあるといってもいいのです。

もちろん、新聞社も新しいビジネスモデル作りに挑戦し、WEB事業に乗りだしています。

しかし、その試みに成功した会社はまだありません。

インターネットの出現によって、これまで多くの業界が変化を余儀なくされ、再編が進んできました。

そんな中で新聞業界は新規参入も再編もなく、この20年近くを過ごしてきました。

しかし、それは変化を免れたのではなく、変化の速度が遅いだけなのです。

新聞業界ではこれから本格的な変動期を迎え、大きな再編も起こるでしょう。

ですから、新聞記者に限らず、新聞業界を目指す人は、この先、新聞業界がどうなるかを十分見極めて、進む道を決めてほしいと思います。

【選ぶポイント①】会社の規模から考える

これから新聞業界が再編の荒波を受けると考えたとき、やはり再編の主導権は大きな新聞社が握ると考えていいでしょう。

しかし、小さな新聞社が決して生き残れないかと言えば、そうとも言い入れません。

地方で地元に密着し、地域にとってなくてはならない新聞であれば、再編に巻き込まれずに済むかもしれません。

大手新聞社だからといって、安心できる状況にはありませんが、今後、業界の先頭を走るのはどの新聞社なのかを見極めることは必要でしょう。

【選ぶポイント②】給与や雇用条件から考える

大手新聞社であれば、初任給は25万円前後。

残業時間も長いので、手当もかなり付き、かなりの好待遇です。

40代で平均年収が1000万円を超えるといわれた時代もありましたが、新聞の発行部数の落ち込みとともに大手新聞社でもリストラや人件費の削減が行われるようになってきました。

地方の新聞社は、地域に密着して強固な経営基盤を築いた社がある一方で、全国紙に押されて経営難が続いている社もあります。

記者の待遇も会社も経営状態によって大きな違いがあり、特にボーナスの格差は数倍にもなることがあります。

給与など待遇がすべてではありませんが、こうしたことを考えておくことも必要でしょう。

【選ぶポイント③】会社の戦略から考える

新聞業界は長く、新聞の発行部数を伸ばすことによって、販売部数を増やし、広告収入も上げるというビジネスモデルを続けてきました。

WEB版を始めたといっても、基本的な戦略は変わっていません。

しかし、インターネットの普及による販売部数の減少によって、それが通用しなくなってきました。

特に広告売り上げは、インターネット広告に顧客を奪われ、大きく落ち込んでいます。

そうした収入の落ち込みを不動産収入でカバーしている社もあります。

今後、少子化で人口減少が確実視される中、もはや販売部数増によって収入を延ばすのは至難の業。

新聞各社の戦略が、新聞の将来を左右するといっても過言ではありません。

ぜひ、社の幹部が新聞の未来をどう考えているのか、有効な生き残り戦略を打ち出しているのかにも注目してください。

【選ぶポイント④】好きな新聞社から考える

新聞には「論調」と呼ばれるものがあります。

一つの出来事を見るとき、どういった視点から見るかという、立ち位置のことです。

論調には大きく分けて「リベラル」と「保守」があり、大手紙でいえば「リベラル」は朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、「保守」は読売新聞、日本経済新聞、産経新聞です。

おおざっぱに言うと、「リベラル」は、自由や人権は最大限保障され、政府は社会福祉の充実に力をいれるべきだと主張します。

一方、「保守」は国の安全や発展には、個人の自由や権利も制限されることがあると考え、国に頼るだけでなく個人の自助努力も必要だと考えます。

両者の主張は防衛・外交問題、憲法改正、原発問題で鋭く対立します。

自分はどちらの主張が正しいと感じるのか、新聞を読み比べてみることも必要でしょう。

もちろん、新聞記者の中には社の論調とは反対の考えを持つ人もいて、論調が絶対的だというわけではないのですが、自分の考えに近い新聞社を選ぶというのも一つの方法でしょう。

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まとめ

新聞は今、非常に厳しい環境にありますが、記者という仕事は非常にやりがいがあります。

社会の出来事を取材し、広く伝えるという仕事は、いつの世でも必要とされるに違いありません。

最後に記者になるにあたっての大きな難関を一つ。

それは入社試験です。

新聞社の入社試験ではたいてい一般常識と作文があり、大手新聞社の問題はかなりの高レベルです。

面接でも、社会的なニュースに対する考えを聞かれることがあります。

また、他の業界同様、高い英語力が求められるようになってきました。

記者を目指すみなさん、新聞を毎日読んで世の中の動きを知り、試験勉強もしっかりして、社会に貢献できる記者を目指してください。

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