皆さんこんにちは。

今回は資格のお仕事紹介シリーズといたしまして、食品業界で最近非常にニーズの高まっている食品衛生管理者のお仕事について紹介させていただきます。

食品に関する多くの資格の中でも食品衛生管理者の資格取得は、あまり難易度が高い資格ではありませんが、3年間の実務経験と、厚生労働大臣の登録を受けた養成施設での、所定の課程の修了が必要となります。

この所定の過程は全部で35日間あり、全講習時間の90%かつ、かつ各科目の50%以上の出席が必要な為、仕事を持ちながら資格取得をすることは、時間的な問題から、かなり難しいという事ができます。

また費用も30万円程度と高額な為、なかなか仕事をしながら取得しようとする人は少ない状況です。

しかし、食品衛生管理者はその資格の特徴から、食品関連会社にとってなくてはならない人材であり、資格取得後は就職、転職などの際にも多くのメリットが生じます。

今回はそんな食品衛生管理者の業務内容やメリット、向いている人材などについて述べていきたいと思います。

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食品衛生管理者はどんな仕事?

食品衛生管理者とは、食品衛生法で定める、特に衛生上気を付けなければいけない食品の製造、加工において、その施設における製造物を衛生的に管理することを目的とする仕事であり、全粉乳や食肉製品、魚肉ソーセージ、食用油脂、一部添加物などの製造を行う施設に必ず設置しなければいけないとされています。

類似した資格としては「食品衛生責任者」があり、こちらは食品の製造、販売、調理をしている施設に対し必ず1名設置しなければならず、スーパーやコンビニ、飲食店などにも設置されます。

食品衛生管理者は食品衛生責任者の上位職と言うべきもので、食品衛生管理者が食品衛生責任者となることはできますが、食品衛生責任者が食品衛生管理者になることはできません。

食品衛生管理者の大まかな仕事内容

まず施設内における食中毒の防止が最も重要な業務になります。

工場では大量の食品加工を行いますので、万が一食中毒が生じた場合は、過去の雪印乳業の事件の様に、被害者が多く発生する重大事故となる可能性もあります。

職場の衛生管理を徹底するとともに、従業員に関しても衛生教育を適切に行っていく必要があります。

食品の衛生に関する法律としては「食品衛生法」があり、食品衛生管理者はこの法律のスペシャリストでもあります。

身に着けた知識を活用して従業員の育成をしたり、保健所と協業しながら食中毒の防止と、万が一発生した場合の速やかな対応を準備するなど、食品衛生全般に関わる業務が主な仕事内容となります。

仕事上の役割とは?

食品衛生管理者の仕事上の役割りは、いかに施設内で製造する食品の安全性を高めるかということになります。

施設内の従業員教育や、巡回指導などの他にも、例えば新製品を開発する際の、製造ラインの設備や、作業オペレーションの作成における安全衛生面からの確認、指導なども大きな職務になります。

いかに安全衛生の視点を従業員の意識や、施設内の設備、作業手順に深く浸透させていくかが重要です。

食品衛生管理者の仕事はどんな人に向いている?

それでは、ここからは食品衛生管理者の仕事について、どんな人が向いているか紹介させていただきたいと思います。

確実性のある人

食品衛生の仕事は、万が一のトラブルを未然に防ぐ仕事です。

施設内における食中毒などの事故は、まず起こらないことが前提であり、発生の可能性は非常に低いと言えますが、発生したら取り返しのつかないものと言えます。

その様な少ない可能性だからといって、チェックを甘くしたり、従業員の指導に手心を加えるのではなく、自身の仕事に信念を持って、確実に取り組むことのできる人が向いていると言う事ができます。

緻密な人

食品衛生の仕事は細かくし過ぎて駄目になることではなく、むしろどんなに小さな出来事でも見逃さず対応できるかが重要になってきます。

ほんのちょっとしたほころびが、大事件につながる可能性もあります。

緻密に考えて普段の業務を行える人は、食品衛生管理者の適性がある人と言えるでしょう。

コミュニケーション力がある人

食品衛生の仕事は、マニュアルを作ったり、規程を定めたりする仕事もありますが、法令に定めた基準を守り、事故を起こさない様にする為に最も重要なことは、オペレーションを含めた通常の運営をいかに定められた通り行うか、つまり、従業員に対する指導と教育が最も重要になります。

従業員に指示を聞いてもらう為には、厳しく接することも必要ですが、指導待ちではなく、自ら意識を持って行動できる状態にする為には、厳しさの他にも、個人ごとの価値観に応じたきめ細やかな対応をする事も必要です。

硬軟両面を併せ持つコミュニケーション力がある人は、食品衛生における運営面での成果を出せる人と言う事ができるでしょう。

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食品衛生管理者の仕事をするために活かせる、今までの経験は?

それでは、食品衛生管理者の仕事をする為に活かせる経験について、ここからは紹介させていただきます。

食品製造業としての勤務経験

一般受験による食品衛生管理者の資格取得の為には、食品衛生管理者の設置が必要な施設での3年間の勤務経験が必要になります。

大学や専門学校での資格取得ではなく、社会人としての資格取得を目指すのであれば、食品製造業など、食品衛生管理者がいる施設での勤務経験が必須になります。

また、実際に資格取得後、業務を始める際にも、設備や作業手順、衛生管理基準など、これまで経験した環境と共通するものが多い為、食品製造業の勤務経験がある場合は、円滑に業務を進めやすいと言う事ができます。

小売業や飲食店での勤務

スーパーマーケットやコンビニエンスストアにおける加工や飲食店における調理は、食品衛生の基礎を学ぶことができるという視点でも、役立つ経験という事ができます。

これらの施設の管理は食品衛生責任者の領域ですが、できれば施設内での業務に加えて食品衛生責任者の資格を取り、食品衛生の業務を行う事ができれば、より食品衛生管理者としての業務を始めやすくなります。

大学や専門学校での資格取得

社会人での資格取得は、3年間の勤務経験が必要な為、全く異業種からの資格取得には時間がかかります。

例えば大学や専門学校での食物調理や食品科学、食品栄養学などの専攻を受講して

いる場合、栄養士などの資格と合わせて食品衛生管理者の資格を取得する事ができます、現在資格を取得する事ができる環境にいる場合は、将来の就職の選択肢を増やす為にも、取得しておいて損はないと言えます。

食品衛生管理者で働くメリットとは?

安定した環境で働くことができる

食品衛生管理者は仕事内容の定まっている資格ですので、仕事内容や就業場所などの変更が無く、転勤や、職場変更などの変化がない為、安定した環境で仕事に集中できるというメリットがあります。

キャリアアップの為にはある程度の環境の変化や仕事内容のステップアップが必要な場合もありますが、その様な変化を望まず、ある程度長い時期同じ仕事を行う事で、仕事のスキルを上げていきたい方や、住居や就業シフトなど生活環境の変化を望まない方には良い条件と言う事ができます。

専門的なスキルが身につく

職務内容の変更がほぼ無い状態での勤務を継続することになりますので、様々な経験を通じて食品衛生のスペシャリストとしての専門的なスキルが身につきます。

長く勤めるほど、多くの知識や判断基準を自分の中に積み重ねることができ、より食品衛生管理者として高いレベルでの仕事を行う事ができると言えるでしょう

多くの人脈を形成できる

食品衛生の仕事は非常にニーズの高い仕事であり、食品製造工場のみではなく、小売業や飲食業など幅広い業界で、専門知識を持つ人材が求められています。

また保健所を代表に各官公庁との折衝も多く発生する業務です。

この様に食品衛生の仕事に関わる人材は非常に多く、様々な人と触れ合いながら、食品衛生業界での人脈を作ることができます。

そして、その様にして形成された人脈は、自身の食品衛生の知識を向上させる際や、実際にトラブルが発生した時の問題解決の際などに、必ず役に立つと言う事ができます。

自身の食品衛生管理者としてのキャリアアップの為には、人脈作りは欠かせないものと言えるでしょう。

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その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

食品衛生管理のスペシャリストとしての経験を活かして、新商品の開発や、商品のリニューアルの際の衛生面でのサポートを行う事を目的として、商品開発や作業改善の分野に進むことが多くあります。

また衛生面のみならず、味や原材料、容量などを含めた商品の品質管理の分野にステップアップする機会もあります。

特に食品製造工場においては、その基礎となる商品を製造する為には、安全衛生の視点は欠かせないものですし、安全衛生の分野は商品の原材料や製造レシピだけではなく、作業工程やラインでの稼働計画にも影響してきます。

安全衛生の知識を活かして商品や製造のスペシャリストへの道を進む事も十分可能です。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

食品衛生の知識は他の食品に関わる仕事、例えば調理加工や販売などに就く場合でも必要最低限知っておかなければいけない物なので、食品衛生管理者としての知識は食品全般の仕事に関わる際に活かす事ができると言えます。

しかし、専門家としての知識や経験を有している場合は、その知識を活かして、食品衛生の分野でのスペシャリストを目指すキャリアの方が一般的です。

食品衛生は非常に汎用的かつ専門的な知識として、食品業界では活用しやすい資格と言えるでしょう。

食品衛生管理者は「任用資格」

食品衛生管理者は、その資格を取ることによって名乗れるわけではなく、あくまで資格を取得し、その資格を活かせる職務に就いたことによって発生する「任用資格」です。

その為、例えば行政書士や社会保険労務士の様に、その資格のみで独立して開業することはできず、あくまで企業へ所属することが前提となります。

資格の汎用性は高く、需要も多いですが、資格単体で効果があるものではありませんので、注意が必要です。

就職したい会社への自己アピールの一手段として考えると良いでしょう。

食品衛生管理者の仕事をするにあたって覚えなければいけないこと

食品衛生法に関する知識

食品衛生管理者の設置基準の基である「食品衛生法」は、食品衛生管理者になるにあたって必ず把握しておかなければいけない法令です。

食品衛生法は食品の安全衛生の確保と飲食に起因する衛生上の危害の発生の防止を目的として1948年に施行されており、全11章79条に渡って食品衛生に関する様々な項目が規定されています。

実際にテキストなどにより学習しても良いですが、食品衛生管理者となる為の35日間の講習会で、その内容は、ほぼ勉強することができます。

但し一度覚えればよいという事ではなく、食品衛生管理者として業務を行う上で生じる様々な問題に対処する為の判断基準として活用しなければならない為、業務開始後は法令の解釈に対して多くの勉強をしていくこととなります。

施設内における衛生管理を徹底する能力

食品衛生管理者は施設内において知識を活用しながら、施設内における衛生管理を徹底し、食中毒を絶対に起こさない環境を継続させていかなければなりません。

自身の知識だけではなく、どの様に管理するのか、どの様な注意点が有るかなど、自身の持つ知識をそれぞれの施設設備や作業オペレーションに応用し、その場所で働いている従業員の意識を高めながら、必要であれば改善し、良い状態を維持していく能力が求められます。

いかに食品衛生の重要性を従業員に伝えれるか、意識を常に持たせながら作業や職場環境における衛生的に最適な状態を長期間にわたって維持する為に、どの様な視点で、どの様な意見を、どんな時に発言するか、コミュニケーション能力や職場内における趨勢を見る目が必要になります。

逆に食品衛生管理者の仕事に向いていない人の特徴は?

それでは、ここまでご説明してきた食品衛生管理者の仕事の特徴を踏まえて、逆にこの仕事に向いていない人の特徴について考えてみたいと思います。

大雑把な人

食品衛生管理者の仕事は、ほんのわずかのミスが大きな事故に繋がりますので、衛生管理の施行について、小さな事でも見逃さない繊細な感覚が必要になります。

あまり細かく物事を考えず、何事にも大雑把な人は、性格的にはおおらかで好感が持てるとしても、事故につながる見落としや、従業員に対する指摘漏れなどが発生する危険性もあり、この仕事には向いていないと言えるでしょう。

想像力が欠けている人

食品衛生管理者は、現在の状況を是とせずに、常に将来の状況を想像しながら仕事をする事が求められます。

組織は現状維持で運営されると疲弊し、ルールが馴れ合いの基に徐々に徹底されなくなってきます。

大きな事故は、その様な時に起こりやすい為、食品衛生管理者は、このままの状況でいけば将来的にどこに綻びが出るのか想像し、事前に手を打たなければいけません。

現状が上手くいっているからと言って、想像力を働かせずに、今の状況に満足する人は、将来的に重大な事故を起こす可能性がある為、食品衛生管理者に向いている人では無いでしょう。

人に合わせすぎる人

周囲との協調を大切にし、人間関係を良好に保ちながらチームワーク力を高める・・・、言葉自体は理想的ですが、食品衛生管理者の仕事には向いていないと言う事ができます。

食品衛生管理者は食品衛生に関する専門家である為、自身の専門家としての判断力に自信を持ち、周囲を自分の意見に従わせる立場でなければいけません。

通常の業務とは違い、食品衛生に関する価値観に対して、周囲の意見を尊重する必要はなく、ある意味自己中心的な仕事をすれば良いとも言えます。

周りに合わせすぎる人は、専門家でない人の意見を食品衛生管理者の判断基準に取り入れすぎる危険性がある為、この仕事には向いている人とは言えません。

食品衛生管理者で働くデメリットとは?

業務が固定されてしまう

食品衛生管理者の仕事は転勤や部門異動が無く、比較的長期間同じ仕事を継続しますので、目新しさが少なく、仕事におけるマンネリ感を感じやすい職務という事ができます。

安定を求める人ならまだしも、仕事に対して変化や刺激を求める方、また、自身の成長の為に様々な経験を積みたい方などにはデメリットがあると言う事ができるでしょう。

責任が大きい

特に製造工場における食品衛生の仕事は、ミスを起こすと非常に広範囲にわたる重大事故を起こす可能性がありますので、食品衛生管理者の仕事は非常に責任の大きい仕事という事ができます。

プレッシャーに弱い人や、給与に対して責任項目のバランスが取れてないと感じる人などは、仕事に対して満足感を得ることができないでしょう。

自己完結型ではなく、他人の状況に左右される

食品衛生管理者は、施設内の食品衛生におけるルールを設定し、その維持に対して監査を行う仕事です。

ルール設定のみであれば自己完結できますが、そのルールの施設内における運用にまで責任を取らなければいけない為、従業員のモラルの高さや、モチベーションの大きさに仕事の成果が左右されます。

自分のみの努力ではなく、いかに周囲の人間の意識開発を行うかも重要な職責となります。

他人に判断を委ねる事も多く、自己完結型の仕事と比較してストレスも溜まりやすいと言う事ができます。

業務内容が多岐にわたる

食品衛生管理者には様々な業務内容が有ります。

食品衛生管理のルールを作成したり、商品開発における衛生面での助言をしたりする仕事に加え、官公庁からの求めに応じて報告資料を作成したり、施設内においてルールが守られているか定期的に巡回してチェックしたり、新たに入社してきた従業員や、衛生管理意識の弱い従業員に対して、自ら講師となって教育を行ったりなど、ただ机に座って業務をするだけではなく、様々な場所で、様々なケースに対応しなければならず、業務内容は多岐にわたる仕事と言う事ができます。

集中して一つのことを成し遂げたいと思う人や、周囲に邪魔をされずに仕事をしたいと思う人には、業務内容が非常に煩雑に感じられ、ストレスが溜まってしま可能性があります。

食品衛生管理者の仕事はどうやって探す?

ハローワークやWEBによる転職サービスから求人を探すことが一般的です。

食品衛生管理者の求人は必要資格名が明記されていますので、求人票を確認することで簡単に探すことができます。

業務内容はほぼどの企業も同じですので、企業規模や、待遇面、取り扱う商品や社内の雰囲気などにより選択すると良いでしょう。

食品衛生管理者の仕事で転職すると年収は上がる?

一般的な業務から食品衛生管理者への業務に転換した場合は、職責が必ず大きくなる為、年収もそれと比例して上がると言う事ができます。

同じ食品衛生管理者の職種内で、企業間の転職をする場合は、求められる職責が同じな為、年収が上がるかどうかは転職前と転職後の企業規模に左右されるでしょう。

いずれにせよニーズの高い資格と言う事ができる為、求職する際に、通常の職務と比較してあまり苦労をする事はありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は食品衛生管理者のお仕事について紹介させていただきました。

高度経済成長期と比較して、近年は食品会社における不正や、食中毒などの事故も多く、消費者にとって「食の安全性」は重要な関心事項となり、商品を選択する際にも、味や容量、価格に加えて、原材料の産地や、製造工程、アレルギー物質の有無、添加物の有無など、「安全・安心な食品であるか」も重要な購買基準となっています。

食品衛生管理者はその様な消費のニーズに応える形で、近年その存在意義を増してきている資格の一つです。

社会の需要が多く、就職に関してもメリットの多い職務であり、食品関連の仕事に興味を持たれている方は、是非資格取得に挑戦していただきたいと思います。

食は人が生活していく上で必要不可欠なものであり、安全で安心な食を提供すると言う事は、人々の食生活を豊かにし、老人や子供を中心とした人間の命を守る事にも繋がります。

社会貢献度の非常に高い食品衛生の仕事に、是非チャレンジしてみてください!