医療行為も少なく、基本的に日勤帯のみの仕事であるデイサービスの看護師の仕事。

ブランクのある方や高齢の方でも勤めやすいので、人気のある仕事です。

デイサービスの規模によっては、看護師が常在ではなく週に何度か何時間だけ勤務しているというところも少なくなく、そういった職場であれば扶養の範囲内での仕事も可能になります。

現在は派遣職員の看護師も増えています。

実際の仕事内容はどんな事をするのでしょうか?

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デイサービス看護師の仕事は大きく4個の役割に分けられる

利用者のバイタルチェック

デイサービスはたくさんの種類がありますが、全てのデイサービスで共通するのは「利用者が来たらバイタルを測り記録する」という事です。

このバイタルチェックは、看護師だけが行う事業所と介護職員も行う事業所があります。

ただし、その場合も全利用者のバイタルの最終確認を行い、把握するのは看護師の仕事です。

医療処置

デイサービスの規模によりますが、看護師がいるところでは多少の医療行為を可能として利用者を獲得している事業所が多いです。

どの程度までの医療行為を受け入れるかは事業所により異なりますが、もちろん全ての医療行為は看護師の仕事になります。

緊急時の判断

デイサービスによっては看護師が自分一人しかいない状況というのは少なくありません。

それどころか、医療職が自分だけという事も。

利用者は少なからず介護や支援を必要としている高齢者ですので、デーサービス利用中に急変する事は大いにあり得ます。

そういった場合、全ての判断は看護師に委ねられます。

そういった意味での看護師の責任は大きいです。

介護職員への指導

現場で働く介護職員に、ある程度の医療的な指導を行うのも看護師の仕事です。

必要以上に専門的な知識を伝える必要はないのですが、やはり知っておいてもらわないといけない事や共有しなくてはならない情報というのがありますので、わかりやすく教えなくてはいけません。

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利用者のバイタルチェックの6個の業務

体温測定

体温測定に関しては、大きな問題のない方ですとそう難しい作業ではないので介護職員が行っても支障はないかと思われます。

しかしながら体調の悪そうな方や麻痺や拘縮の強い方、熱のこもりやすい方などは看護師が測定した方が間違いがありません。

独居の方や認知症の方は、デイサービスに来て体温測定をしてから熱があると発覚する事も多いので、簡単ではありますが重要な業務です。

血圧・脈拍測定

電子タイプの血圧計の測定は介護職員でもできますが、水銀のタイプは原則医療行為になりますので看護師の業務です。

また、電子血圧計で脈拍も測れるのですが、この場合不整脈があるとなかなか上手く数値が取れなかったり、不整脈が見落とされる場合があります。

血圧や脈拍に関しては、急変や命に直結し得る数値ですので、やはり看護師が測定することが望ましいでしょう。

家に血圧計がなかったり自分で測る事が出来ない方の場合、デイサービスでの血圧・脈拍測定の数値というのはとても重要で、かかりつけの病院にデイサービスのノートを持って行き、その数値を医師が参考にする事もあるほどです。

いつ問い合わせがあってもいいように、デイサービスの看護師は利用者の血圧を把握しておかなくてはいけません。

必要時酸素飽和度等の測定

デイサービスの毎日のバイタル測定で酸素飽和度を測るという事はないのですが、必要な方に関しては測定しますし、体調不良時も確認しておかなくてはいけません。

介護職員が出来ない業務ではないですが、測定が必要な段階で要観察の利用者である事には違いないので、きちんと看護師が測定しておく方が良いでしょう。

体調確認

上記のバイタル測定で異常値が出たりいつもと違う値が出ればもちろん看護師が注意深く体調の確認を行います。

とはいえ高齢者の場合、数値に異常がなかったり、朝のバイタル測定の段階では何ともなくても、急に体調を崩される事がたくさんあります。

なんとなく様子がおかしいなといつでも気付く事ができるように普段から利用者の観察を行い、気になる方に関してはまめに体調の確認を行いましょう。

入浴の判断

バイタル測定や体調確認の後、その日入浴が可能かどうかを決定するのは、デイサービスの看護師にとって非常に重要な業務です。

元々高血圧の方に関しては、大体どれくらいの数値であれば入浴は可能か、また中止した方がいいか、あらかじめ医師に確認を取っておきましょう。

デイサービスには入浴目的で来られている利用者がたくさんいます。

家では入浴できない方も多いですし、諸事情から清潔保持が必須な方もおられます。

そういった方の場合、血圧が高いから入浴は中止します、と簡単に判断するのではなく、浴槽には浸からないけれどもシャワー浴なら可能とするのか、短浴ならOKとするのか、どうしても無理な場合は清拭を行うのか、何らかの対応を決めないとクレームに繋がりかねません。

その判断は基本的には看護師に委ねられています。

利用者獲得が大変なデイサービスの場合、看護師がいるという事を売りにし、その安心感を求めて利用される体調が不安定な方も多いです。

体調の悪い方は看護師のいないデイサービスではお断りされる事もあるほどですので、入浴時の判断は意外と重要な業務になります。

上記の記録

以上バイタルチェックを行った後は、必ずケース記録に記録します。

デーサービスによっては利用者が自宅に持ち帰る連絡ノートにも数値を記載します。

定期的に利用されるデイサービスでは、このバイタルの数値記録により異常が発見される事もありますので、記録するだけではなく過去との比較も行い、何か気付けば家族等に連絡します。

医療処置の6個の業務

軟膏の塗布、傷の処置

デイサービスで多いのは入浴後の医療処置です。

水虫の薬の塗布やシップの貼付、乾燥肌の軟膏塗布といった処置を希望される方が多いです。

また、傷や褥創があり、入浴前に濡れないように防水シートを貼る、入浴後にはがして消毒し、処置するといったものもあります。

入浴時は一番看護師が忙しい時間になります。

吸引

常時吸引が必要な方を受け入れるデイサービスはあまり多くはありませんが、複数の看護師がいる事業所では受け入れを行っています。

また、普段吸引は必要なくても、食事の際に誤嚥しやすく常に吸引器を側に置いて見守りを行う必要がある方はいますし、そうでなくても急に食事の際に喉詰めされる恐れは利用者誰にでもありますので、そういった場合には看護師が吸引を行います。

経管栄養

胃ろうの場合がほとんどですが、経管栄養の方もデイサービスを利用されます。

その場合の注入食の処置は看護師の仕事です。

経管栄養の準備やその後の薬の注入も看護師が行います。

インシュリン等の注射

デイサービスの場合、昼食前にインシュリン注射を行う方がほとんどです。

注射の前には血糖値を測定し、指示を受けた数値であれば注射を行います。

インシュリン注射の場合、しっかりと自立した方であれば自分で行う事も可能なのですが、デイサービスに来られていて看護師がいる状況であれば、基本的には看護師の管理の下、目の前で行ってもらいます。

もちろんこういった処置が必要な方に関しては、日頃から低血糖を起こしていないか細かく観察を行う必要があります。

摘便や浣腸

便秘に悩む高齢者は少なくありません。

スムーズに排便できなかったり、コントロールが上手く行っていない利用者の摘便や浣腸の処置は割に多くあります。

毎日利用する方なら別ですが、週に決まった回数しか来ない利用者の排便状況を把握し、摘便や浣腸が必要なのかそうではないのか判断するのはなかなか難しいところもありますので、お腹の状態や張りを慎重に確認してから行います。

浣腸は医師の指示が必要で、自宅から本人が持ってきたものを使います。

服薬介助

デイサービスにもよりますが、薬を配ったり必要な方には口に入れる等の介助を行うのは基本的には看護師の仕事です。

その他にも、頓服等の管理も看護師が行います。

緊急時の判断の3個の業務

看護師のみで対応できる場合

病院に搬送する必要もなく、少し様子を見る余裕がある場合は、ベッドに臥床させるなりして看護師が対応します。

熱が出たので家に帰ってもらいたいと思っても、それが通用する利用者ばかりでもありません。

看護師の管理の下様子を見る事が可能かどうか、この辺りのジャッジはデイサービスの看護師の業務で一番難しいかもしれません。

家族に連絡する場合

看護師が様子を見た上で、やはり家に帰ったほうがいい、もしくは病院受診をしてもらった方がいい場合は家族に連絡します。

この連絡を看護師ではなく相談員が行う場合も多いですが、詳しい状況や受診のアドバイスは看護師からした方が間違いがないので、連絡しないにしても手紙を書く等の対応が必要ですし、病院から問い合わせがあれば状況説明をします。

家に誰もいないのでデイサービスを利用する、という方は少なくありませんし、そもそも家族が遠方にしかいない場合もありますが、何かあった時の責任問題を考えると、あまり遠慮せず家族に連絡する事をお勧めします。

救急車を呼ぶ場合

急変時、様子を見るのか救急車を呼ぶのかの判断は看護師に委ねられます。

多くの利用者がいるデイサービスで救急車を呼ぶという事は、他の利用者の不安も煽りますし、想像以上に勇気のいるもの。

それでも必要な時には躊躇している暇はありません。

ここでの勇気がデイサービスの看護師には必要です。

ほとんどの場合は職員も救急車に乗り込み同行します。

もちろん看護師が同行するのが一番いいのですが、自分一人しか看護師がおらず、他に医療行為が必要な利用者がいればそうもいきません。

他の職員が同乗し、状況説明のみ看護師が行う場合もあります。

介護職員への指導の3個の業務

入浴の指示

前にも書きました様に、入浴が可能かどうかを判断するのは看護師の仕事です。

その他にも、調子が悪いのでシャワーのみにしてほしい、長湯は止めてほしい、傷があるのでそこにはお湯をかけないで、逆に褥創部分はこのように洗って欲しい等の指示を出します。

入浴の際の事故は命に関わりますので、細かく指示を出す必要があります。

介助方法の指導

入浴の他にも食事介助やトイレ誘導等、医療的観点から注意して欲しい事があれば介護職員に伝えます。

メモやノートで書面に残し、全員で共有できるようにしておきましょう。

医療的な教育

介護職員は医療的に深く勉強してる訳ではないので、看護師からすれば当たり前と思える事も実際にはよく理解していない事も少なくありません。

それによって事故や急変が起きてはお互いに大変ですので、医療的に必要な情報は出し惜しみせずきちんと伝えていきましょう。

その為には、普段から介護職員との円滑な関係作りをしておく必要があります。

デイサービス看護師のやりがいや面白いポイントとは?

では、デイサービスで働く上でのやりがいやその面白さをまとめてみました。

デイサービス看護師の仕事のやりがいとは?

複数の看護師が勤務するデイサービスもありますが、看護師が一人体制のデイサービスは多いです。

小規模のデイサービスですと看護師がいない事業所も多く、看護師のいるデイサービスに来る利用者は医療的安心を求めている方も少なくありません。

他に医療従事者がおらず、自分で判断する事が多いので責任やプレッシャーはありますが、その代わりやりがいも大きいです。

普段たまに受診する程度の利用者が、デイサービスの看護師の気付きにより病院受診を行い、大事に至らなかった事もあります。

利用者の健康を守る、そういう意味での使命感とやりがいは責任や重圧を大きく越えるものです。

デイサービス看護師の面白いポイントは?

病院勤務では味わえない利用者との深い関わりがあり、一緒になってレクリエーションをして楽しむ顔が見られたりします。

色々と看護師の業務を書きましたが、必ずしも毎日大変な医療行為がある訳ではないし、急変もそうそうありません。

デイサービスは高齢者が楽しむ為に利用する場所。

そこで一緒に楽しむ事ができる、それがデイサービス勤務の良いところです。

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まとめ

デイサービスで看護師として勤務する上で一番大切なのは、介護職員と良好な関係を築く事。

どちらも自分の仕事にはプライドや思い入れがありますから、ぶつかり合う事もありますが、お互いの仕事を尊重し仲良くなった方が仕事がしやすいです。

今後デイサービスの競争はますます激化し、看護師がいる方が利用者が安心するなら、と需要が増えていくと思います。

責任もありますが、病院とは違ったやりがいもありますので、ぜひ敬遠せず働いて頂ければと思います。

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