検品の仕事内容についてを今から詳しくご紹介していこうと思います。
ブランド買取の仕事の中でも検品業務の役割やメリットをこの機会に知っていただけたらと思います。
よく工場などで出荷前の商品に対して行う検品作業では、主に不良品が混じっていないか、正常な動作をするかどうかというような品質のチェックをする目的で行われますが、買取業務における検品という場合はどうなのでしょうか?
ぜひそこら辺の違いにも注目してご覧ください。
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検品の仕事は大きく2個の役割に分けられる
買取業務等で行う検品とは、主に次のような目的で行われます。
検品の仕事の役割1:その品がいくらになるか(いくらで売れるか)という、価値を見定める為
ブランド品の買取業務では、一般の人が所持しているブランドモノ(バッグや財布、アクセ等)を買い取って、それを買値よりも高く別の人に売る事で利益を得ています。
その為、買い取ろうとするモノが一体いくら位の価値を持つモノなのかきちんと分かっていなければなりません。
ブランド物というのは、年代やバージョン等によっても大きく値段が違ってくるので、そういう知識は当然買い取り業者は熟知している筈です。
また、買い取る品は元の所有者が使用していた中古品となりますから、程度の差はあれども傷や傷みや汚れ、使用感が存在します。
その状態によって細かく値段を設定するのが検品の大切な目的の一つとなります。
検品の仕事の役割2:その品が本物のブランド品かどうかという真贋のチェック
世の中にはあらゆるものに対して実に多くの偽物が存在します。
特にブランド品や美術品、宝石等、いわゆるカネ目のモノに関してはそれこそ枚挙にいとまがありません。
特に日本では偽ブランド品に対する規制は厳しく、たとえそれが偽モノとは知らなかったとしても販売する事は罪となりますので、真贋のチェックは常に厳しく行う必要があるわけです。
私が働いていた会社では、それが偽モノと判明した時点で買い取りは不可となり、それを売りに来た人は会社の作成した顧客ブラックリストに載る決まりになっていて、今後の買い取りはナシとする事になっていました。
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真贋チェックの3個の業務
ブランド物の真贋をチェックする際は、ブランドによってチェック項目が多かったり少なかったりしますが、大体見るべき所は次のような点です。
真贋チェック業務1:ブランド表記のチェック
ハッキリしたそのブランドの表記が何処かにあるかどうかチェックします。
タグ等にブランドの記載がある事も多く、そもそもタグの有無は大切となります。
また、ロゴの表記も偽モノは微妙に字体が違ったりしますのでそういう所も詳しく見ます。
真贋チェック業務2:素材チェック
エル○○等は独自の素材名が幾つもあり、素人では非常に判別が難しかったりするのですが、そういう所も参考にしたりしながら真贋を判断していきます。
真贋チェック業務3:型番、商品番号のチェック
ブランド品には大抵、型番とか商品番号が何処かにあり、それを見つけて判断の手掛かりとします。
また、型番が分かれば同じものが存在するかネットで検索したり出来るようになります。
状態チェックの3個の業務
そのブランド品が本物であると分かったら、次は商品の状態をみていきます。
当然傷みや汚れが激しければ買い取りや販売の値段は下がりますし、場合によっては買い取らない場合もあります。
状態チェック業務1:ダメージチェック
バッグならハンドルや底、角、靴ならソール等が傷みやすい部分です。
傷や破損箇所等を細かくチェックします。
状態チェック業務2:臭いやベタつきのチェック
服やバック、靴等は香水や人の匂い等が残っている場合があります。
基本的に売りに来る時や買い取った後もクリーニング作業は行わずにそのまま販売しますので、状態が酷い場合はやはり買い取りません。
状態チェック業務3:汚れや色褪せのチェック
これもあまりに目だつような場合には、値段が下がるか買い取り不可となります。
値段決定の3個の業務
お客が買取をしてもらう為に持ち込んだブランド商品を一体いくら位で買い取り、またいくら位で販売するかの判断や決定は会社の利益に関係してくるので重要です。
これは検品者が適当に決めるのではなく、市場での相場や在庫状況、商品の状態等からおのずと決まってくるものです。
値段決定業務1:相場を調べる
ブランド買取業務を行うような会社は、過去に販売されたあらゆるブランドに対する膨大なデータを持っており、それを調べる事で大体の相場は検索ではじき出せるようになっています。
例えばビ○○の財布であれば、何年発売の何モデルは定価いくらで、中古の場合相場は大体いくらだとかいう具合です。
値段決定業務2:状態で考える
値段決定業務1で示された相場に加えて、商品の状態の良し悪しも考慮して値段を考えます。
商品は状態によって細かくランク分けされていて、それぞれに対して大体の値段が設定されていますので、検品しているモノに最も近い状態のランクの値段が価格決定の判断基準になります。
加えて箱やギャランティ、チャームといった付属品の有無等も査定価格に影響を与えます。
値段決定業務3:需要で考える
市場に多く出回っているようなモノ、つまりタマ数が多い商品は値段も低くなります。
逆にそれが人気のあるモデルならば、多少難有りの状態でも高い値がついたりする事があります。
検品の仕事の良いところ
やりがいを感じるポイント
私が働いていた会社では、検品やブランドの真贋判定、値段の決定はプロではなく、バイトがやっていました。
むろんブランドの検品業務を行う者は必要な知識を身に付ける為の研修をみっちりと受けなくてはいけません。
研修終了後も検品作業者はその実力によってランク別に分けられて、特に高価なブランド品に対してはバイトの検品作業後、更に現場のリーダー的な上位ランクの人によるダブルチェックが行われるようになっていました。
良い仕事をしていれば、検品者としてのランクも上がり、報酬面でも待遇が良くなっていくのでやりがいはありました。
面白いポイント
この仕事をしていると、嫌でもブランドについて詳しくなるようになってきます。
また、ブランド品はバッグや財布だけではなく、貴金属や宝石もありますのでそうした品に対しても一通りの査定が出来るよう、いろいろな事を憶える必要が出てきます。
地金の真贋チェック
高価な金属素材のアクセサリー等は、それが本物の素材であるか否かのチェックは欠かせません。
証拠となる刻印をルーペで探したり、特殊な秤で比重を計ったり、そういう専門的な知識も研修で叩き込まれます。
時計の真贋チェック
高級腕時計もブランド買い取り品としては鉄板です。
モノによっては数百万もする場合もあるので、かなり詳しく動作チェック等も行っていきます。
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まとめ
ブランドの真贋チェックや査定は実に大変です。
この世に出回っているブランドの数は膨大で、しかも各ブランドの発売した商品についても全て把握する必要があるのでこの仕事は余程ブランドに対する興味が無ければ務まりません。
しかも、毎日大量の買取希望の商品がお客から届く訳ですから、ちんたらやっているといつまで経っても仕事が終わらないという事になります。
そういう事情からか、会社の従業員の入れ替わりも激しいと感じました。
以上簡単ではありますが、ブランドの買取業務における検品作業について説明してみました。