交通誘導員の仕事内容、どのような人に向いているか、メリット、やりがい、デメリット、知っておくべき事柄についてご紹介したいと思います。

工事を施工する会社と交通誘導員の関係をご存じない方もおられると思いますので少し説明させて頂きます。

以前は工事を行う会社の社員が交通誘導を行っていた時期がありましたが、現在は工事施行会社は警備会社に交通誘導員の派遣を依頼する形式になっています。

ですから、工事施行会社の従業員と交通誘導員は別会社になります。

なぜそうなったかと申しますと、工事施行会社がきちんと交通誘導員を配置しなかったり、交通誘導を行わなかった為に事故が多発した背景があります。

そのため、現在は工事の内容により、配置すべき交通誘導員の人数や交通誘導員の資格が法律で定められています。

そういう面では、交通誘導員は交通誘導のプロということになります。

交通誘導員とはどんな仕事?

交通誘導員として仕事をする為には、30時間の法定研修を受講する事が義務付けられています。

研修の内容は、交通誘導員で言えば、車両の誘導方法やサインの仕方などですが、法定講習では警備業全般の知識を学ぶため、会社によっては交通誘導員専門ではなく他の警備業務を任せられることもあります。

研修と聞くと面倒に思われる方もおられるかもしれませんが、普通に受けていればまず理解できるレベルのものなので特に心配はいりません。

この研修を終えてはじめて工事現場に派遣される事になります。

おおまかには、3パターンの仕事があり、

  • ①道路での交通誘導
  • ②工事現場での車両誘導
  • ③ショッピングモールでの交通誘導

があります。

交通誘導員の仕事内容

交通誘導員の仕事は、その名の通り車両を安全に誘導する仕事です。

この仕事の本質は、第三者と自分の身の安全を守ることに他なりません。

従って、様々な現場で常に正確な判断力が必要になります。

道路での交通誘導

工事で一部区間の道路を通行止めや片側交互通行にする場合には、「道路使用許可証」を取得する必要があります。

事前に「道路使用許可申請」を警察署に提出して警察署長の許可をもらうのですが、この手続きは工事を施行する会社が行います。

さて、一部区間の道路全体を「通行止め」とする工事の場合は、「通行止め」になる区間の前後に「車両通行止め」の看板を設置します。

看板は工事施行会社が用意しますが、その看板を車両から降ろし、現場に設置する作業は交通誘導員が行うのが一般的です。

看板を適切な位置に設置すると、その前に交通誘導員が立ち、「通行止め」区間に進入して来ようとする車両に合図を送り停止し、迂回路の説明を行います。

しかしながら、その「通行止め」区間内に自宅がある人がいる場合があります。

その様な時には、その自宅の位置が工事箇所よりも手前であれば、「通行止め」の看板をどかし車両を中に入れます。

自宅の位置が工事個所より奥の場合には、迂回路の説明をし反対側から進入してもらうように案内します。

無線がある場合には、反対側にいる誘導員へ、区間内に自宅がある人の車の色、車種、ナンバー等を伝えておくと2度説明をする必要がなくなりスムーズです。

次に、「片側交互通行」の現場です。

「片側交互通行」は、名前が長いので現場では「片通(かたつう)」と略して呼ぶのが一般的です。

「片通」は、片側1車線の道路の片側が工事で通行できない現場になります。

ですから、工事区間の前後に進入してくる車両を交互に静止し、なるべく渋滞が発生しない様にスムーズに車両の停止、進行を誘導する必要があります。

交通量が非常に多い現場にあたる事もあります。

その場合には、常に車が行き交うのでひと時も休むことも、気を抜くことも出来ません。

一歩間違えば、車両同士の追突事故や交通誘導員自身が事故に巻き込まれる危険性があります。

工事区間が長い場合や道路がカーブして先が見えない場合などは、前後の誘導員同士で無線で連絡しながら交通誘導を行うことになります。

比較的難易度の高い現場になりますので、ベテランの誘導員が受け持つ事が多いですが、新人の場合は、ベテラン社員とセットで配置され現場の実務を把握してから任されるのが一般的です。

稀にですが、交代要員がいない現場ですと、トイレに行くことも昼食をとることもままならない場合もあります。

歩道工事の交通誘導

工事が歩道に及ぶ場合があります。

この様な工事の場合には、車道の一部にカラーコーンを置いて、歩行者にも車両にわかるように歩道部分の増設をします。

そして、歩行者や自転車が安全通行出来るよう誘導を行います。

歩道部分がそれでも狭かったり、段差がある場合には、自転車を降りて通行するよう案内を行います。

工事現場での車両誘導

ビルやマンション、レジャーランド等の大きな工事現場では、工事現場の敷地への入出路と敷地内で車両を誘導する場合があります。

砂利などを運んでくるダンプはバック誘導することになります。

適切な位置まで声や警笛を使用しながら誘導します。

その他にもクレーン車やミキサー車など大きな車両が出入りする事になりますので、死角部分が大きくなります。

死角に人や車がいないかに注意しながら安全な誘導を心掛けます。

また、工事現場から一般道へ入出する場合には特に注意が必要です。

工事車両をつい優先しがちになりますが、工事関係者以外の一般の歩行者や車両が優先です。

一般の歩行者や車両に気を配り、タイミングを見計らって安全に工事車両を誘導します。

ショッピングモールでの交通誘導

大型のショッピングモールには、多くの買物客が自家用車で来場します。

この様なショッピングモールでの交通誘導の仕事は二つに分かれます。

一つは、ショッピングモールの駐車場を出入りする時には、歩道を横切るケースが多いので、歩行者の安全を守る誘導です。

歩行者を優先しながらタイミングを見計らって車両の入出を誘導します。

ショッピングモールでの誘導は、イメージに配慮し、誘導灯等の道具を用いずに白い手袋をして手信号で誘導する事もあります。

満車になった場合には、満車の看板を掲げ渋滞の原因にならない様迂回を指示するか、安全に待機するよう誘導します。

二つ目は、駐車場内での誘導になります。

駐車場内は買物客が往来しますので、買物客の安全を守りながら、車両を安全に駐車スペースに誘導します。

交通誘導員の仕事はどんな人に向いている?

仕事内容や実務は研修で学ぶ事が出来ます。

それほど難しい内容ではありませんので大概の人が出来る仕事だと思います。

しかしながら、交通事故等の危険が伴う仕事ですので、ある程度の適性を持った人が好まれます。

判断能力のある人

交通量の多い現場での「片側交互通行」では、特に判断力が求められます。

現場の車両の流れを理解しないと渋滞の原因にもなります。

また、曖昧な支持を出してしまうと車両を停止する事が出来ずに車両が進入してしまい事故になる事があります。

常に適格に状況判断し、適正な誘導を行う必要があります。

パニックにならない人

通勤時間帯は特に交通量が増えるのでどうしても渋滞になってしまう場合があります。

そんな時、短気な方からクラクションを鳴らされたり、怒鳴られたりする事があります。

その様な状況下でおどおどしてしまったり、パニックになってしまう人がいます。

すると適正な誘導が出来なくなってしまいます。

どんな時でも冷静沈着に行動出来る能力が求められます。

健康な人

交通量の多い「片側交互通行」の現場では、絶え間なく停止や進行の合図を送りづづける必要があります。

長時間に渡り、両手、両腕を駆使して合図しますので、集中力と体力がある方が望ましいと思います。

忍耐力のある人

交通量の少ない「車両通行止め」の現場は、ほぼ丸1日立っているだけになる事もあります。

しかし、だからと言ってスマホ等を見ていてはいけません。

いつ車両が進入して来るか分かりませんので、暇な状況でも常に車両の進入を意識している必要があります。

忍耐力のある方が向いていると思います。

交通誘導員として働くメリットとは?

高時給

日勤でも給料は9,000円~15,000円前後、夜勤では12,500円~16,000円前後と結構な高時給です。

スタイルが自由

「髪型、ネイル、髭、ピアスも自由」と言う募集条件が多いです。

更に、「直行直帰OK」、「日払いOK」、「交通費全額支給」など好待遇です。

モチベーションが高い

安全を守る仕事ですので、仕事に責任感とプライドを持つ事が出来ます。

仕事に対するモチベーションが高まります。

キャリアアップが可能

検定合格警備員になると更に待遇が良くなります。

検定合格警備員には、1級と2級があり、2級を取得してから1年以上の実務経験を積むと1級を受験出来ます。

交通誘導員として働くデメリットとは?

夏場の仕事は厳しい

寒いのは防寒に備えるなどして耐えられますが、酷暑の夏は堪えます。

頻繁に水分補給しないと脱水症状になってしまいますので注意が必要です。

「車両通行止め」の現場は退屈

「車両通行止め」の現場は退屈です。

特に交通量の少ない現場はほぼ丸1日立っているだけになりますので、1日が非常に長く感じられます。

交通誘導員の仕事をするにあたって覚えなければいけないこと

交通誘導では以下の道具を使用します。

それぞれの使用方法と合図の仕方を覚える必要があります。

色と白色の手旗

通常昼間の交通誘導を行う時に使用します。

車両を停止させる場合には、左手の赤旗を使用し、進行を促す時には、右手の白旗を使用します。

誘導灯

車両を停止させたり、進行させたりする時に使用します。

夕方や夜間等暗くなって来た時にはLEDを点灯させて使用します。

白手(白手袋)

ショッピングモール等での交通誘導等に使用します。

視認性が高いので白手を使用します。

警笛

「オーライ」と声で誘導する場合もありますが、工事現場等は工事の騒音が大きく、声では聞き取りずらい場合には警笛を使用して誘導します。

無線機

「片側交互通行」や「車両通行止め」等の現場で、反対側にいる交通誘導員が視認出来ない時に、情報や状況の確認等のやり取りを行うのに無線機を使用します。

ヘルメット

工事現場だけでなく、「片側交互通行」等、道路での交通誘導を行う際にも原則ヘルメットを着用します。

交通誘導の仕事は常に危険と隣り合わせですので、自身の身の安全を守る為に忘れずに着用しましょう。

反射チョッキ 

安全ベスト・ポリスチョッキ・夜光ベスト・ハイウェイチョッキと呼ばれることもあります。

夜間等視界が悪い場合に、運転手から確認し易い様に着用します。

作業日報

交通誘導員と現場監督は別会社になりますので、仕事を行った事を証明する為に現場監督のサインが必要になります。

サインをもらわないと仕事をした事の証明が出来なくなりますので忘れずにサインをもらいましょう。

その後のキャリアについて

交通誘導員の仕事についた後のキャリアアップの道は?

各都道府県によって、資格者配置路線が定められています。

その内容は、「高速自動車国道、自動車専用道路において交通誘導警備業務を行う場合、当該交通誘導警備業務を行う場所ごとに交通誘導警備業務に係る1級又は2級の検定合格警備員を1人以上配置すること。」と言うものです。

ですから、検定合格警備員2級、1級のキャリアアップの道があり、ベテランになって来ると営業所長等への登用を打診される事もあります。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

交通誘導員の経験があると、警備会社で採用され易くなります。

ビルやオフィス等での警備員の仕事にも役に立ちます。

まとめ

交通誘導員の仕事内容、どのような人に向いているか、メリット、やりがい、デメリット、知っておくべき事柄等について紹介してまいりましたが、どの様に思われましたでしょうか。

交通誘導員の仕事は、結構専門的でプロフェッショナルな仕事だと思われたのではないでしょうか。

第三者と自分の身の安全を守る仕事であり、冷静沈着で適格な状況判断力が常に求められる仕事です。

経験や資格によりキャリアアップの道もあり、高時給、好待遇が期待出来ます。

目標を高く持つ事も出来ますし、長く続けられる仕事だと思います。

今回ご紹介した内容により、交通誘導員の仕事に対する理解が深まり、何か新しい発見があればとても嬉しく思います。