マンション建設は様々な職種の方が関わり、その総力を統合してはじめて完成へと導く事が可能となります。

どの様なマンションが求められているかを調査し企画する会社があり、建築士がそれをイメージし、具現化する為の設計を行い図面を作成します。

そして、建設会社が職人の総力を結集し、入居する方々が生活する快適な空間を造り上げます。

この快適な空間を造り上げるマンション建設の仕事、求められる人材、活かせる経験やスキル、マンション建設の経験が活かせる仕事、求人の選び方等をご紹介したいと思います。

マンション建設の仕事はどんな仕事?

マンション建設の仕事とは、着工からマンション完成までの仕事になりますが、一言で「マンション建設」と言ってもその仕事の内容は広範囲に及びます。

  • 1.基礎・鉄骨を組み立てる「基礎工事(とび・大工・コンクリート工事)」
  • 2.柱・床を作る「躯体工事」
  • 3.壁をつくり建物を仕上げる「外装工事」
  • 4.電気・上下水などを整える「設備工事」
  • 5.全体をサポートする「現場監督/監理技術者(建築施工管理技士等)」

この五つの工程のそれぞれに、専門の職人の仕事があります。

その全ての専門能力を統合してはじめてマンションを完成に導く事が出来ます。

今日はそのひとつひとつを少し掘り下げてご紹介したいと思います。

マンション建設の仕事の種類

基礎工事(とび・大工・コンクリート工事)

「基礎工事」は、マンション建設の要と言えます。

「砂上の楼閣」と言うことわざがある様に、見かけはいくらりっぱでも、基礎がしっかりしていないために長く維持できなければ何の意味もありません。

「基礎工事」は、建物が沈んだり、転倒したりしないようしっかりとした基礎を築く必要があります。

その為には、建物自身の重みと地震等による揺れに耐えられなければなりません。

そして、建物の「基礎工事」は、建物を支える形式の違いで「直接基礎」と「杭基礎」があります。

近年では、使用する工法も規模や状況によって様々になってきており、いくつかの工法を組み合わせた併用工法が用いられる事が多くなっています。

中でも、大型特殊重機による杭打ちハンマーやスクリューを使うダイナミックな工法が主流になってきています。

「基礎工事」の現場でも、とび(とび職)の役割は重要で、現場の安全管理に充分に注意しながら、建設工事が始まる際の仮囲いの設置、クレーンで高所に上げられる鉄骨を組む作業等を行います。

作業の種類によって、「足場とび」、「重量とび」、「鉄骨とび」などと分けて呼ぶ事もあります。

中でも、「足場とび」は建築現場では欠かすことの出来ない足場を設置する仕事で、危険な高所での作業になります。

職人の間では「現場の華」と呼ばれる事もあります。

躯体工事

「躯体工事」とは、柱、梁(はり)、屋根などの建物の主要な構造部分をつくる骨組工事の事です。

「木造」、「鉄骨造」、「鉄筋コンクリート造」等がありますが、マンション建設では、ほぼ「鉄筋コンクリート造」です。

この「鉄筋コンクリート造」の工事の中で、構造物の天井や床、柱など骨組みとなる鉄筋を組む仕事を「鉄筋工事」と言います。

「鉄筋工事」は、マンションの設計図通りに資機材(鉄筋など)を組み立てて行きます。

マンションの完成時には鉄筋はコンクリートに隠れて見えなくなりますが、建物の強度を維持する為の肝心要の存在です。

この鉄筋工事の作業の中で、ハッカーと呼ばれる工具を使って針金で鉄筋をとめる「結束」という作業があります。

この作業のスピードと出来栄えで熟練工かどうかが分かると言われています。

また、マンション等の鉄筋コンクリートの構造物をつくる場合に、骨組みとなる鉄筋に型枠という器を組み立てて、そこにコンクリートを流し込む工程があります。

これを「型枠工事」と言います。

その型枠を作り、型枠にコンクリートを流し込み、コンクリートが固まったら型枠を外すと言う一連の作業を行う職人を「型枠大工」と言います。

型枠には、外壁、柱、梁(はり)、内壁、床用等があり、マンションの規模によって使用する種類が異なります。

「型枠大工」は、鉄筋コンクリートの建造物の強度を支える重要な役割を担っています。

外装工事

「外装工事」とは、屋根工事をはじめ外壁、防水など、建物の外側部分の工事をする仕事です。

代表的な例としては、雨風から建物を守る壁材(組積・ALC・押出成形板等)の施工やサイディングボード貼りがあります。

水の侵入を防ぐ防水加工等も「外装工事」です。

内装工事

建具の設置等を行なう建具工事や左官工事、塗装工事等の内装仕上げを行う工事を「内装工事」と言います。

左官工事とは、建物の壁や床、土塀などを、コテなどを使って塗り仕上げる仕事です。

具体的には、ペンキやタイルの下地塗り、コンクリートの土間打ち、階段の仕上げ塗り等です。

塗装工事は、設計図に従って建築物の内装や外装の塗装を施す工事の事です。

壁の材質や外装の状態等を考慮して、美しく塗装を仕上げるための壁の下地処理も行います。

塗料の選定、ハケを使い分ける等幅広い知識と経験が必要です。

内装仕上げは、建物の室内を仕上げる工程で、天井や壁を作り、床を張る工事の事です。

建設中の建物の中は、配管がむき出しで、柱や壁もコンクリートのままです。

内装工事は、この状態を見栄えが良く快適な空間にする工事です。

設備工事

「設備工事」には、電気/設備工事、キッチンやトイレ等の給排水設備工事、ガスの設備工事等があります。

電気/設備工事は、人が生活する上で必要な電気を引き込み、各種電気設備を設営する工事の事です。

建設作業と平行して行うことが多く、図面をもとに、コンセントやスイッチ、照明器具等に電気が届けられる様、電線を引き込み配線します。

外構工事/造園工事

「外構工事」は、建物までの道路や、周辺への排水設備等を行います。

また、植林や植栽をする造園工事もあります。

現場監督/監理技術者(建築施工管理技士等)

「現場監督/監理技術者」は、現場管理、工程管理、安全指導等、現場全体を見る仕事です。

建設工事が安全かつ予定通りに進行するように、建築現場で働く様々な専門工事業者(大工工事、塗装工事、内装工事など)を統括するのが主な仕事になります。

マンション建設の仕事はどんな人に向いている?4個の特徴

マンション建設に限りませんが、現場は「安全第一」です。

ちょとした気の緩みや油断から大事故になる危険性があちこちに潜んでいます。

また、着工から完成までの工期が予定よりも伸びてしまうと、人件費がかさみ利益が少なくなります。

大幅に遅れるような事態になれば赤字に転落してしまう事もあります。

そういう面から自分の仕事・役割をよく理解し、効率良く仕事がこなせる能力と責任感が求められます。

責任感の強い人

マンション建設は、非常に多くの職人が同じ現場で仕事を行います。

朝の合同朝礼に始まり、現場では自らの役割を確実にこなしていく事が求められます。

それが出来ないと工事の工程やスケジュールが狂ってしまい他の職人にも迷惑がかかります。

ですから、遅刻厳禁をはじめ自分の仕事とその役割を理解し、スケジュール通りに仕事を果たすと言う強い責任感が必要です。

地道な人

工事現場は常に危険と隣り合わせです。

おっちょこちょいで調子になり易い性格の人は注意が必要です。

仕事に慣れた頃、気の緩みと調子に乗りすぎて破損事故や落下事故等が起こる事があります。

そういう面から派手好きな人より地道な性格の人の方が向いているかもしれません。

忍耐力のある人

建設工事は季節を問わず行われます。

酷暑の夏も極寒の冬も例外はありません。

また、工期のスケジュールが遅れて来ますと仕事の内容によっては雨でも行う事があります。

どの様な環境でも逃げる事なく忍耐強く仕事をこなす能力が求められます。

理解力の高い人

現場では、常に作業手順と効率を頭に入れて仕事をする必要があります。

しかしながら、作業手順はいつも同じなわけではなく、天候やトラブル等により作業手順が変更になる場合もあります。

現場の進捗状況から作業手順の変更の指示があった場合には、自分のやり方に固執することなく柔軟に対応出来る理解力と能力が求められます。

マンション建設の仕事に活かせる経験やスキルとは?

大型トラック運転手

マンション建設の仕事の経験がなくても、大型免許を取得して3年経過していれば、ダンプやコンクリートミキサー車などの大型特殊自動車を運転する事が出来ます。

トラックと違い特殊な機能がありますが、慣れれば十分こなす事が出来ます。

道路工事経験者

道路工事の現場で作業した経験があれば、マンションの外構工事の仕事の流れはだいたい分かると思います。

油圧ショベル(通称ユンボ)や重機車両の免許を取得していれば尚更重宝されます。

電気屋さん

電気工事の経験があれば、マンション建設の現場の電気工事の仕事でも役に立ちます。

第一種電気工事士の資格があれば、役割も待遇も優遇されます。

資格がなくても配線の経験があれば即戦力として仕事が出来るでしょう。

マンション建設の仕事で得た力を活かせる仕事は?

ここまで紹介して来ました様に、マンションの仕事には様々な職種があります。

建設現場でどの様な職種の仕事をしたかによって活躍できる仕事も様々になります。

植木屋さん

造園工事を経験してから、植木屋さんになる方もいます。

中には、独立して植木屋さんを経営する方もおられます。

内装業者

内装仕上げの仕事を経験した方は、内装工事の仕事に転職する方もおられます。

ちょっとした機材や資材を調達出来る様であれば、独立して内装工事業を営む事も可能です。

電気工事屋さん

マンション等の建設現場でなくても、マンションやアパートの保守・メンテナンスまた、コインパーキングや体育館など様々な現場で電気工事の仕事があります。

その様な仕事を請け負っている電気工事業者で仕事をする事が可能です。

第一種電気工事士の資格があれば独立して、電気工事業を始める事も可能です。

建築設計事務所

マンション工事の経験から、建築士を目指す方もおられます。

建築設計事務所に転職し、一級建築士、二級建築士の資格を取得し、独立して設計事務所を構えた方もおられます。

自分に合ったマンション建設の求人の選び方や注意点

マンション建設の求人に応募する前に、どの様な職種があり、それぞれの職種の作業内容を理解する事が必要です。

マンション建設での求人もありますが、多くはマンション建設に関わるそれぞれの職種での募集があり、仕事の現場がたまたまマンションである事がほとんどだと思います。

【選び方①】職種から探す

自分の経験、身に着けたい技能などを考慮して職種を選んだ方が良いでしょう。

職種には、とび職・大工・左官・内装・電気・設備・外構・造園・重機オペレーター・塗装・外装等があります。

【選び方②】雇用形態から探す

フリーターやアルバイト、短期間労働者等の募集もありますが、何かしらの資格を取得する事を目標にして、正社員として働く事をお薦めします。

資格を取得し正社員の経験があればその後の人生でも必ず役に立つと思います。

【選び方③】給与や雇用条件から考える

給与はこれまでの経験や資格により大きく異なる場合があります。

高い給与が希望なのであれば、それなりに見つけられると思います。

しかしながら、入社してからの教育や資格取得支援制度等、自分の能力を高められる環境の整っている会社の方が将来の自分の付加価値を高める事が出来ると思います。

雇用条件を考えるのであれば、賃金形態、昇給の有無、通勤手当、家族手当、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、福利厚生施設等をチェックして見て下さい。

【選び方④】エリアから考える

建設現場は日本全国各地に存在しますので、自分の住みたい地域があれば十分その希望を叶える事が可能だと思います。

都市も田舎も可能です。

まとめ

マンション建設の仕事は広範囲で、私が知っている範囲が限られておりますので、十分なご説明が出来なかったかもしれません。

しかしながら、私が知っている限りをお伝えさせて頂きました。

説明や情報が足りないと感じられた部分がございましたら、ご自身で更に調べられて知識を補足していただければ有難いです。

マンション建設の仕事には、様々な英知が詰まってます。

マンション建設の仕事に興味を持って頂ければ幸いです。