小学生と放課後・長期休暇を一緒に過ごす学童保育。

その仕事内容についておおまかなものから、細かなものまでの解説と、仕事をする上でのメリットなどを紹介します。

学童保育の仕事は大きく2個の役割に分けられる

館長や施設長

学童保育の施設全般のことや方針についてを利用者である保護者や子ども、指導員に伝える役割があります。

これは、子どもたちの生活環境、教育環境を整えることでありながら、働く保護者の方向けの支援体制の確立であり、指導員の労働環境を整えることにもつながります。

指導員

学校を終えて施設にやってくる子どもたちと遊んだり、勉強をしたりするなどして、一緒に時間を過ごす役割があります。

ただ子どもと同じ時間を過ごすだけでなく、他人とのコミュニケーションの取り方を教えたり、子ども達自身だけでは辿り着けない新たな人やものとの出会いを演出する役目もあります。

多くの時間を子どもたちが過ごす場でもあり、学童保育での経験は子ども自身の成長や、今後の人間形成に大きく影響を与えます。

他にも、デイサービスの場合には車による送迎があったり、金銭面を支える経理、施設内での催しものを施設内はもちろん、地域の方たちにお知らせする広報などの役割がある場合もありますが、指導員などが兼任していることも多いです。

子どもたちがいない時間帯の3個の業務

学童保育の指導員たちは、子どもの相手をするだけが仕事ではありません。

子どもたちがいない時間にも色々と業務があるのです。

清掃など環境整備

日々、子ども達が帰ってきて数時間過ごす部屋が汚いと、埃が舞ったり、細菌が繁殖してしまったり、子どもにとっても大人にとってもよいことはありません。

そのため、掃除機をかけたり雑巾をかけるなどして清潔に保ち、子どもたちを迎え入れる準備をします。

また、体育館がある場合にはボールや一輪車などの整備などもこの時間に済ませます。

子どもたちがいる時間にやろうとすると、子どもたちが不必要に手を出して、怪我をする危険も伴います。

ただし、十分に注意を払った上で、整備に興味のある子どもたちと一緒にやってみることもいいかもしれません。

また、子ども達が帰ってからは忘れ物があることも多々あるので、いつどこで拾ったものかなどメモをし、管理をする必要があります。

催事の企画

子どもたちがいる時間には、中々子ども達と接する以外の仕事をすることが難しいので、子ども達がいない間に、お誕生日会や遠足などの催事の企画を進めます。

施設から出て、子どもたちと見学や訪問する場所がある場合には、いつどこで、何人位で訪問するかなど、先方との事前の打ち合わせや連絡をとる必要があります。

また、交通費や入場料等、金銭が発生する場合にはその収支計画や、資金に応じたサイズの企画を行わなければなりません。

他にも、参加者の募集や、当日のタイムテーブルや会場づくりなど、事前準備は子ども達がいない間に済ませましょう。

もしくは、装飾などであれば子ども達と一緒に行うことで、子ども達に当事者意識が芽生え、イベントに対する愛着が湧くことにもつながります。

打ち合わせ

催事の企画や子ども達の日ごろの状況について、情報共有など打ち合わせの時間を子ども達のいない時間に設けます。

子ども達の怪我や障害などの状況を把握しないままに子どもと接して新たなトラブルとなったり、情報共有がきちんとなされていないと、指導員同士の一体感も失います。

学童保育で親密に温かく子どもたちを見守り、育てていくことを考えても、指導員同士や保護者との関係は円満であることが一番です。

些細なことでも報告・連絡・相談することを忘れずにいましょう。

子どもたちがいる間の2個の業務

子どもたちの対応

まずは子ども達が学校から帰ってきたら、「おかえり」と迎え入れます。

雨が降っている日などはびしょぬれになって入ってくる子どもたちもいるので、状況に応じてタオルで拭くなど対応をします。

それからは宿題をしたり、遊んだり、必要に応じて行動を促します。

学習を行う場合、他にも周りに子ども達がいるため集中が難しいですが、一緒について勉強をしたり、声がけをするとスムーズな場合もあります。

学習以外の場面では、子どもたちと遊ぶことが仕事になります。

おままごとやブロック遊び、ボードゲームなど、静的な遊びが好きな子がいれば、ボール遊びや鬼ごっこなど、身体を動かす遊びが好きな子どももいます。

どちらにせよ、仲良く遊んでいるか、喧嘩や仲たがいはないか、怪我がないか、子どもたちがよりよい環境で遊べるように全体を見渡し、環境作りを行います。

また、誰が来て誰が帰ったかなど、子どもの出入りをきちんと把握します。

途中習い事に抜ける子などもいますが、事件や事故でいなくなってしまうことがないように気をつけます。

また、子ども達の中には片付けが苦手な子が多くいます。

そのため、帰る時には自分が遊んでいたスペースは自分で片づけるなど、ルールを決めたり声がけをするよう心がけます。

さらに、指導できる指導員がいる場合、学童保育によっては和太鼓クラブやドッヂボールのチームがあるところもあります。

集団での行動や、人前で演奏をしたりチームで競うことにより、培われるものも多くあります。

保護者への対応

低学年は特に、帰宅時は保護者の方が迎えに来ることが多いです。

お迎えに来た時に、今日の様子や成長した点を伝えたり、喧嘩や怪我があったときには報告や相談が必須になります。

これを怠ってしまうと、のちのちクレームやトラブルに発展してしまうため、できるだけ早い対応が必要になります。

保護者の方が施設にいらっしゃらない場合にも、連絡帳を使ってお伝えしたり、怪我をした場合には早急に電話をします。

持病のある子などは、かかりつけの病院やお医者さんがいらっしゃることもあります。

事前に情報共有ができていると、万が一のときにスムーズに対応ができます。

教員や塾講師との仕事内容の違い

子どもに関わる仕事として、学童保育での仕事の他に、教員や塾講師などがあげられます。

教員や塾は教育色が強く、既存のカリキュラム通りに授業や学習を行い、試験や成績で能力を数値化したり、評価をしていくということが仕事となります。

一方、学童保育では放課後活動がメインであるため、遊びが大半を占めます。

そこで子どもたちは人間関係や人とのコミュニケーションの取り方、社会での身の振り方を学んでいくことになります。

学童保育ではそのような生活面での行動に対して、注意や指導をすることがあっても評価は行いません。

そこが大きな違いです。

学童保育の仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

学童保育の仕事のどのようなところにやりがいを感じるのでしょうか。

子どもの成長を目前に見ることができる

子どもの成長は毎日の積み重ねの先にあります。

そのため、何か問題点を見つけて声がけをしても、すぐに変化するということはありません。

しかし、毎日会って触れ合い、お互いの関係性をつくる中で、小さな変化を感じたときには、涙が出るほどうれしいこともあります。

特に進級し学年が変わると、その年なりに態度や人との関わり方が変わってくるということもあり得ます。

子どもたちと関わる仕事に終わりはありませんし、教育にまつわる仕事にゴールはなく、学童保育などでは受験指導などももちろんありませんので、その見返りもいつ返ってくるかわかりませんし、返ってこないことももちろんあります。

どんな方にも経験があるかと思いますが、ある時言われた言葉や過ごした時間、見ていた風景を、何年も何十年も経った時に不意に思い出したり、あれはああいうことだったのかと腑に落ちることもあります。

人と関わる仕事のやりがいや面白さは、そのようなところにあると思います。

どのような人間に子どもたちを育てたいかということは、施設の方針である程度掲げられていることもありますが、指導員の一人一人が、どのような人を育てたいのか、もしくは、どのような人にはなってほしくないか、ということをイメージすることが大切なように思います。

それは従事する前や、してすぐに想起できるものではなく、毎日子どもたちとの交流の中で見えてくるものではないかと考えます。

面倒くさがらずにコミュニケーションをとることで仕事がしやすくなる

指導員同士や保護者の方と、子どもについてしっかりと情報共有することで、お互いに信頼関係が生まれ、保護者の方は安心・安全に子どもを預けてお仕事をすることができますし、指導員は責任を持って業務に向かうことができます。

もちろん人と関わる仕事なので、相性が悪い人もいて当たり前ですが、毎日顔を合わせ、思い出が積み重なると、人に対しても愛着がわきます。

人と関わる仕事は正解がなく、難しい面も多々ありますが、お互いに気持ちよく過ごせる場を作り得る場所であると思います。

子どもたちに対して心をかけた分、自分にも様々な形で返ってくるように思います。

面白いポイント

学童保育の仕事の面白い点はどのようなところか、まとめます。

子どもの想像力・創造力に触れることができる

子どもたちのイマジネーションには、大人にはないものがあります。

ブロックや折紙などで、作り方がわからなくても、自分たちで架空の生きものや乗り物を作り出すことができ、大人の方が関心することもあります。

言っていることがちぐはぐであったり、自分に有利に働くようなものも時にはありますが、自分たちでゲームやゲームのルールを創作することもあります。

言葉の言い間違いや、概念に誤りがあったりするのも面白く、子どもからは哲学的な問いを投げかけられることも多々あります。

参ったなという気持ちになることもあれば、考えたこともなかったようなことを改めて考えて、言語化する機会に恵まれたりもします。

また、子どもはよくも悪くも思ったことや、今日のできごと、アイディアなどをすぐに口に出します。

流暢にお話することはできなくても、その語り口には活き活きとしたものを感じ、ほほえましく思います。

子どものエネルギーをもらうことができる

何度も同じことを繰り返したり、言っている意味がわからなかったり、単純に運動力が多かったりと、子どもとまったく同じ時間を過ごすことは、時にはすごく大変で、疲れることもあります。

しかし、不思議なことに子どもとの会話は楽しく、エネルギーをもらうことすらあります。

自分たちも昔、子どもであったとはいえ、子どもと過ごしていると、自分も曲りなりなりにも歳をとったことがわかりますし、子どもからは大人に見られているんだなということをひしひしと感じます。

他者との関係性が構築される

子どもたちはもちろん、保護者の方や他の指導員とほぼ毎日顔を合わせることになりますから、嫌でも関係性が構築されます。

そんな毎日の中で、日頃どんな暮らしをしているのか、何が好きなのか、相手について知っていることが増えたり、自分との共通項を探すことができると、一気に親近感が湧いたり、興味を持つこともあります。

相手のことが分かれば、伝えたいことも出てくるかもしれないですし、ものの伝え方や言葉の選び方にも変化が生じます。

そのように日々、関係性を構築することができるのは、学童保育の面白味だと思います。

まとめ

この記事では、主に学童保育での仕事内容と、そのメリットなどをまとめました。

子どもと接する仕事として認識されている学童保育ですが、実際に学校や塾などの教育現場との差や、具体的な仕事内容としては、出入りしたことがなければ中々わかりづらいものかもしれません。

人を相手に関係性を作っていく仕事なので、日々考え、子どもだけでなく保護者や自分自身の変化にも気づくことになるかと思います。

決して簡単なことではありませんが、最初から間違いやトラブルなく従事することができる人はいません。

少しずつ関係性を作り、できることを増やすことで、子どもとともに成長していける仕事です。

もちろんこれらは自分自身の心がけも大切です。

学ぶ意思がなければ、人と関わることが面倒になってしまったり、子どもを無碍に扱うことにもつながってしまいます。

いつも、教育に関わりたい、学童保育に関わりたいと思った初心を忘れずに、日々を迎えることが大切です。

とても刺激的で、自分の成長にもつながる学童保育の仕事に従事してみませんか?