病院の診療科目を大雑把に2つに分ければ、内科か外科と認識されると思います。

外科は「手術をして治す」ことが仕事ですから、とても分かりやすいですね。

では内科とは一体何をするところなのでしょうか?

今回は医療機関で働きたいと考える人に、内科の仕事内容の中でも病院業務の内容をご紹介します。

内科の仕事は大きく2個の役割に分けられる

治療を提供する場として

体調が悪いときや気になる症状があるとき、まず最初に訪れるのは内科ではないでしょうか?

風邪やちょっとした発熱なら近くの病院の内科に行こうと誰もが考えます。

子供や特殊な科目(産婦人科など)以外で、最初に体を診せるのが内科というパターンがほとんどだと思われます。

内科医は大人を全て対象とするだけに、膨大な知識や経験が必要とされます。

ただの風邪だと思っていたら、実は深刻な病気だったという真実を突き止めるのも内科医であることが多いです。

人の体の異常をつきとめるスペシャリストと呼んでもいいかもしれません。

医師の仕事の第一は病気を治療することですが、外科のようにスパッと切って治すわけにはいかず、長期のフォローが必要な患者さんが多いのも内科の特徴です。

人の一生に寄り添う

内科の患者さんは複数の疾患を抱えており、一生病気と付き合わなければならないことも多いのです。

内科看護師は医師とともに患者さんを生涯に渡って指導する立場といえます。

患者さんは病気のために様々な障害を負うため、今までとは違う生活を余儀なくされることがあります。

入院中は看護師はその人ができなくなったこと(食事・排泄・動作などの日常的なことから、社会との交流など)を手助けしたり生活上の援助をしますが、少しでも元の状態に近づけるような方策を考えつつ実施していきます。

これらのアプローチには、医師や看護師以外にリハビリテーションの専門職が欠かせません。

実は看護師も診断します。

看護診断と呼ばれますが、この診断に沿って患者さんの看護にあたるのには理由があります。

看護診断に沿って計画・行動すればその人の全体像が見えてくるからです。

人が抱える問題は病気だけではありません。

家族関係のトラブル、経済面で困窮している、など様々です。

病気以外のトラブルが解決しなければ、病気が治っても本当に健康的な生活を送ることなどできません。

看護診断で適切な診断名がつけば、その患者さんの問題点が浮きぼりになり、有効なケア(援助)をすることができます。

そして入院直後から退院後の生活をイメージしながら、サポートしていきます。

なお、このサポートには医師・看護師・介護職員・リハビリスタッフだけではなく薬剤師・栄養管理士なども参加します。

退院後は長期に渡る体調の管理や指導をしていきます。

看護助手

看護師の業務をサポートします。

医療行為には携わらず患者さんの生活の援助に力を発揮します。

介護士

介護が必要な場面で日常生活の援助を行います。

看護助手の仕事とも重なりますが、厳密には違います。

看護助手は資格を必要としませんが、介護士のうち介護福祉士と呼ばれるのは国家資格を有した人です。

その他の職種

検査技師・放射線技師などがあります。

その他にも病院や施設によって必要とされる様々な職種があります。

内科医師の3個の業務 

診断する

問診から始まり体を視診・聴診して異常を探るのですが、その後は検査に移ります。

検査の内容も多岐にわたりますが、まずは採血や検尿などといった比較的人体への影響が少ない項目から開始します。

これは体への負担を少なくするためなのはもちろんですが、採血で膨大なデータを拾うことができるからです。

簡単で便利な検査ですが、これでも判明しない病気の場合はまた更に違う検査方法を探ります。

内科で行う検査は人体への侵襲度が低いと思われがちですが、そうとも限りません。

内科で扱う病気は膨大なので、それらをチェックするためには、時には外科で使用するような器具を必要とする検査も行います。

治療する

診断名がついたら治療を開始します。

治療内容には投薬、注射、さらには放射線治療なども含まれます。

治療を続行するか変更するかを決める

治療したことで症状がどのように変化するかを見守り、現状の治療がうまくいっていなければ別の治療方法を探る必要があります。

もし他の病院に転院することで治療効果が見込めるならそれを行います。

手術の必要があれば外科に転科する手続きもとります。

しかし、どんな治療をしても回復が見込めない予後の厳しい患者さんの場合は、治療を中止するなどの決断も必要となります。

ここは難しいところですね。

内科看護師の3個の業務

患者さんを把握する

現在の状態だけでなく、過去の情報も知り得る限り把握しようとするのが看護師です。(余計なお世話と言われそうですが)

自分が勤務していない間の情報をカルテや申し送りなどで頭に入れて情報収集に努めます。

全身状態を知るためにバイタル測定は欠かせません。

実際の援助を行いつつ体の状態を把握して、異常を察知したら医師に報告し指示を仰ぎます。

日常生活を支える

入院中の患者さんの日常生活全てに関して援助を行います。

たとえば寝たきりの場合なら、栄養を補給する・自分で体を動かせないので、体の向きを変えて床ずれができないようにする・排泄の後始末をする、などですが、一部に介助が必要な場合はその人の持つ機能を見極めて援助する必要があります。

医師の指示に従い投薬や注射も行いますが、それらの治療行為が患者さんにどんな影響を与えるかを常に予測することも大事です。

退院後のサポートをする

治療が完全に終了して病気が治癒した人はいいのですが、多くは退院後に何かしらのサポートが必要となります。

内科の病気は長期的に付き合わなければならないからです。

たとえば、糖尿病の患者さんなら自分でインシュリン注射ができるように指導したり、排尿障害の患者さんなら自己導尿の手技を指導したりします。

その他にも生活する上で限界がある場合には、社会的なサポートを探し出し少しでも自立できるように方法を考えていきます。

退院後のサポートに向けては社会福祉士と連携することがあります。

内科看護師の仕事内容は、こちらの記事も参考に!

内科看護助手の2個の業務

日常生活を支える

看護助手は看護師の指示に従いながら、患者さんの日常生活の全般を援助します。

食事の介助や排泄介助、入浴・清拭の介助、移動の介助など、実にさまざまですが常に患者さんに寄り添っているので、信頼関係を一番築きやすい立場なのではないでしょうか。

病棟内の仕事を円滑に進めるサポートをする

上記以外には病棟内の備品管理・伝票整理・簡単な事務的な作業・カルテや検体の運搬作業・患者さんの検査室への移動介助などがあります。

細かい作業も多いのですが、これらはおろそかにすることはできない業務で看護師不足の中、病棟内の仕事を円滑に進める大切な役割となっています。

内科の仕事が向いている人

人と接することが好きな人

内科では話を傾聴してその患者さんの状態を把握することがとても重要です。

「この人なら話ができる」といった信頼関係があれば、治療もスムーズとなります。

「人と接するのが好き」「人の話を聞くのが得意」と思える人は向いています。

体力と根気がある人

医療従事者が具合が悪そうにしていたら、どんな人だって相談しようとは思わないでしょう。

実際の業務にも体力と根気は必要です。

いつも笑顔を絶やさない人

深刻な状況にいる患者さんにとって、いつも笑顔を絶やさない人が近くにいるとホッとできます。

そしてにこやかな笑顔に懐の深さを感じて、「相談してみよう」という気持ちが起こります。

内科の仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

外科の場合だと手術して体調が回復すれば退院し、患者さんと再び会うことは限られた通院期間を除けばごくわずかだと思います。

小児科でも付き合う期間は、せいぜい中学生までの間です。

それに比べて、内科ではかなり長期間じっくりと一人の患者さんをみることができます。

個々の患者さんと密な関係を持続させることができ、自分たちが関わった支援内容がどんな影響を及ぼしているのかを途切れることなく追跡できるので、今後のケアのあり方にもフィードバックできます。

患者さんが回復する過程を目の当たりにできる

短期間で回復できることは少ないのですが、長期入院の患者さんでもいつも同じ体調とは限らないので、良くなったり悪くなったりを繰り返します。

この間までぐったりして、あまり目を開けなかったりしゃべらなかった患者さんが、治療の効果で体調が上向きになり、笑顔を見せてくれたり会話に答えてくれたりすると嬉しくなります。

信頼関係を築くことができる

患者さんと関わる時間が外科と比べると、圧倒的に長いので密な関係を築くようにもなります。

もちろん人間同士なので好き嫌いもありますが、長期に関わるためか、初めは「この人とは相性が合わないな」とお互いに思うところがあってもそのうち気にしなくなることが多いようです。

長期間付き合うため、初めは見えていなかったその人の長所もわかってきて親密感が増すのもありますが、医療者側が患者さんを理解しようとする努力をすると、それが患者さんにも伝わるものです。

患者さんから信頼されていることを実感できたり、直接「いつもありがとう」と感謝されるときはやりがいを感じます。

患者さんだけでなく、病院スタッフともチーム医療を展開する中でお互いに信頼し合うようになります。

メリット

医療従事者の個々のスキルが向上します。

専門職としてのスキルだけでなく、社会常識や幅広い知識を深めることにも役立ちます。

観察力が養われる

一人の患者さんの病気は一つとは限りません。

むしろ、複数の病気を持つ人の方が多いです。

そのため患者さんの治療は複雑で、症状も多岐に渡ります。

「この病気ならこの症状」といった固定概念は当てはまらないのです。

多くの患者さんをみていくうちに、いつの間にか自分の観察力が向上していることに気付けます。

専門職としてのスキルが向上する

対象は高齢者が多いので、看護師は注射の技術が上手になります。

小児や高齢者は血管が細く、また針を刺してもすぐに血管から漏れやすいので数をこなしていくうちに上達するのです。

それ以外にも、コミュニケーション能力も磨かれます。

また、介護職、看護助手も介護に携わる機会が多いので自身のスキルを磨くのには、うってつけです。

自分の短所を変えることもできる

短気ですぐにイライラする人は、内科には向かないのではないかと思われがちですが、内科ではじっくりと一人の患者さんと話をすることが必要なので短気な人も忍耐力を身につけることができます。

イライラするのは習慣となっていることが多いもので、人はその習慣を断ち切ることで徐々にイライラをコントロールできるようになり、減らすことができます。

内科の仕事についてよくある疑問

内科と一口にいってもどんな患者さんを対象とするのか、また、外科のような処置は一切行わないのか、疑問に思う人がいると思います。

内科ってどんな病気をみるの?外科や整形外科やその他の科目との違いは?

内科においては、人の内臓の疾患をみます。

内臓といってもいろいろありますが、人体が内側に抱えているほぼ全てとなります。

心臓や血管などの循環器、口から肛門までつながる消化器系統や排泄機能を司る腎臓、神経、内分泌と専門分野も非常に多いものです。

内臓を扱うといっても更に細分化された、眼科や耳鼻科、泌尿器科などの分野はそちらに任せます。

明らかに皮膚だけ、骨だけに限局された異常に関しては皮膚科・整形外科が担当します。

内科では外科的処置は全くしない?

外科的処置を内科にて全くしないということではありません。

カテーテル挿入などでは麻酔を使用したり、縫合したりすることもあります。

まとめ

内科は幅広い病気を扱います。

人体の病気のほぼすべてを任されているといっても過言ではありません。

だからこそ、内科に携わる医療関係者は広範な知識や技術を求められ、それはプレッシャーでもありますが、自分自身をスキルアップさせるための動機付けともなります。

自身を成長させたいと向上心を持つ人は、内科に勤めることでそれをかなえることができると考えています。