転職する際の企業選びにおいて、1つポイントとなる要素に「外資系企業」というものがあります。

どことなくグローバルな感覚があり、それだけでも興味が湧いてくることに加えて、イメージとして年収が高いこともあって、チャンスがあれば外資系企業で働いてみたいという人も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、外資系企業への転職をテーマに、いくつかのポイントを解説していきたいと思います。

外資の転職で注意したほうが良い3個のこと

完全成果主義

日系企業と外資系企業で最も異なる点は「完全成果主義」による評価体制となることです。

簡単に言えば「結果が全て」というのが外資系企業の基本スタンスです。

そのため、給与体系については、いわゆる「歩合」的な要素が強く、「インセンティブ」と呼ばれる業績に応じたボーナスが、年収の6~7割を占めるというのが外資系企業の評価制度です。

そのため、高い業績を上げることができれば非常に高額な年収を手にすることができますが、反対に、ノルマに対して未達成という状況ともなれば、年収が一気に半分以下という状況が発生します。

さらに、雇用契約そのものを更新することが難しい状況にもさらされることとなるので、安定した就業関係を望む場合にはもしかすると、外資系のような「実力主義」での変化が激しい就業環境で働くことは難しいかもしれません。

良くも悪くも自由

外資系企業のもう1つの特徴が「自由」であるということです。

設定された目標などに対して、どのような手段を用いて、どのような活動を行うかが「自由」ということで、基本的には、全て自分自身で考えて、行動し、責任を持つということが外資系企業での基本スタイルです。

裏を返せば、日々の業務に対して会社や上司からこまめな指示などは一切ありませんので、自分自身で、仕事を作り出すようなマインドがないと、日々何もなく過ごしてしまうというリスクがあります。

日系企業にいると窮屈に感じるような会社からの方針であったり、上司からの業務指示なども、全くなくなると意外と困るようなケースもあり、仕事をするうえで何のサポートも得られないと感じる人も少なくありません。

ひと言で「自由」と言っても善しあしがあるということを、事前に理解をしておきましょう。

意外とキャリアパスが少ない

これは、意外と思われるかもしれない外資系企業に勤める際の落とし穴となりますが、外国資本の日本法人で務める場合、実はキャリアパスというものが少なくなってしまうことを理解しておきましょう。

あくまでも、本社は海外にあり、様々な要職などは、本社所属のグローバル社員が占めていきます。

日本法人というのは、あくまでも海外支店の1つでしかありませんので、そのなかでもキャリアパスが全てとなります。

日系企業で言えば、地方支社に所属する地域限定社員と同じ位置づけとなるわけですから、当然と言えば当然です。

ですが、転職をする際にこのような環境であるということは、なかなか理解することができないので、グローバル人材として、ゆくゆくは海外本社でのハイキャリアを・・・なんて想像しがちですが、非常に狭き門であることを理解しましょう。

転職を成功させるためには何をすれば良い?

大手企業含めて、転職活動を成功に導くために重要なことについての解説をします。

入念な時間をかけた事前準備の徹底

転職活動を成功に導く鍵は、「事前準備」にどれだけ時間をかけることができるかということになります。

転職活動に必要な日数ですが、企業に書類を提出して、面接を受けて、入社するまで最短で60日、つまり2ヵ月程度と言われています。

これだけ聞くと、余裕見ても3ヶ月ぐらいあれば十分ではないかと思いがちですが、ここに大きな落とし穴があるので注意が必要です。

実際の転職活動と呼ばれる活動期間に必要なリードタイムだけ見れば3ヵ月程度となりますが、現実には、その活動以前の段階として企業選びであったり、自己分析といったような事前準備が必要となってきます。

また、転職をするということは、即ち現在の勤め先を辞めるということにもなります。

現職での嫌なこと、辛いことだけを考えれば今すぐにでも辞めたいという思いに駆られるでしょうが、これまで培ってきた人間関係や業務スキルなど、プラスに評価できる部分も数多く存在していますし、現在進行中の業務などもあります。

そういった様々な状況を全て加味して、それでもなお転職することが、自分自身のライフプランを考えたときに有意義であるということを心から感じてからでなければ、現職を退職して、新しい企業でゼロから出直すという覚悟は身につくものではありません。

そして、時間をかけて周囲からの理解を徐々に得ながら進めなければ、自分自身だけの問題ではなく、周りの人間にも影響がある転職を本当の意味で成功とさせることは難しいということを、しっかりと理解し、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

そのためには、少なくとも1年近く前からの準備というものが必須となります。

1年かけて自分自身の気持ちの整理や覚悟の確認、周りからの意見聴取や、退職に向けた社内調整などを行い、それでも絶対に転職をしたいと思ったときに、企業アプローチを開始するのが理想です。

また、企業選びについても一朝一夕、ホームページで企業概要を知るだけでは十分な事前準備とは言えません。

より詳細な情報収集を、現在その企業で勤務中の先輩社員などから入手する、もしくはセミナーなどに参加をして経営方針を知るなど時間をかけて、少しでも詳細な企業情報を常に入手し続け、企業理解を深めていくということが、入社後の成功を含めて重要となります。

先ずは、突発的な感情で物事を判断せずに、しっかりと時間をかけたなかで、総合的に判断するということを転職活動においても徹底しましょう。

明確な転退職理由と志望動機の作成

転職活動において、最も重要となるポイント、それが「採用面接」となります。

そして、その採用面接において、最大のキーポイントとなるのが「転退職理由」と、そこに紐づく「志望動機」となります。

なぜ今の会社を辞めて、この会社を選んだのか?

この会社で何をしたいのか?

このことが、採用面接における最大の質問であると同時に、その後のキャリアを成功に導くかどうかを決めるものとなります。

これは、そもそも転職をするのかどうか?

という原点にも関係をする内容となるのですが、今の職場において、なぜ希望するキャリアパスが実現できないのか?

そしてそれが、どうしたら実現できるのか?

ということを軸において、自分自身の長期的なキャリアパスを、妥協なく考え抜くというのが成功の鍵を握っています。

仕事において、辛いこと、嫌なこと、煩わしい人間関係というものは、どんな職場でも少なからず存在します。

大手企業においては、社内的なしがらみであったり、暗黙の了解、配慮すべき人間関係などが非常に複雑且つ重視されていて、そういったネガティブ要素で言えば、もしかすると現職よりも、より過酷で理不尽な環境かもしれません。

そういった環境や条件を乗り越えてでも、成し遂げたい目標や実現したい理想のキャリアパスがなければ転職することに成功をしたとしても、新たなキャリアにおいて、同じような失敗を繰り返すリスクが残ってしまいます。

そのような転職における目標が、志望する企業で、なぜ実現することができるのか?という志望動機とともに、転退職の理由を明確にするということが、転職自体、延いてはその後のキャリアの成功に深く結びついていることを理解しましょう。

転職エージェントを活用する

転職活動のなかで、最も苦労するポイントは「今の仕事を継続しながら、転職活動の時間を作らなければいけない」という点です。

一見、簡単そうに見える、働きながらの転職活動ですが、日々の仕事をこなしながら、企業側とのさまざまな遣り取りを複数企業と行っていくのは、一筋縄ではいかない作業となります。

また、実際の転職活動ともなると、企業への訪問や担当者とのやり取りは、平日の日中に集中するため、現職での通常業務の時間帯と重なってくるので、とても全てを自分自身で管理し続けることは難しいです。

そこで役に立つ存在として、転職に関する諸業務を代行してくれるのが「転職エージェント」です。

転職エージェントは、採用活動を行う企業と転職を希望する人との仲介業務を行う企業で、基本的にサービスを利用する転職希望者は無料でサービス利用をすることが可能となっています。

転職エージェントでは、求人情報の提供から、応募企業へのエントリー、面接日程の調整などの企業側との細かなやり取りを全て対応してくれるため、日常業務をこなしながら、最低限の対応をするだけで、転職活動を円滑に進めることが可能となります。

転職活動を成功させるためには、色々な部分で、周囲からのサポートを得るということが重要となります。

1人で抱え込んだ状況では、見えてこない色々なことを、周りからの客観的な視点での判断や意見、物理的なサポートを上手に活用することで、はじめて新しいキャリアを進めることが可能となります。

転職エージェントを使った方が良い理由は、こちらの記事を参考に!

転職するに当たっての必要な心構え

現状に対する不満でなく、将来に向けて実現したいことを目的とする

転職する際に、その心構え、マインドとして重要となるのが、今の不満ではなく、将来何をしたいのか?という視点で考えて臨むということです。

自分自身が、何を実現したくて、そのことがなぜ今実現することができないのか?という視点で考えなければ苦労をして転職をしたとしても、結局のところ同じような不満に直面をして、また転職を繰り返す。

そのような悪循環に陥らないためには、先ずは自分自身が実現したいものが何かを明確にすることが最優先です。

年収や労働環境などに不満がある場合でも、なぜそのような条件で働かなければならないのか?

そのような条件を改善させるためには、何をすべきなのか?

じっくりと考えてみることが重要です。

そのことが、所属企業を変えることで実現できるのであれば、転職することが重要となりますが、現時点での所属企業のなかでの、部門変更をすることで実現ができるのであれば、その道を検討することも重要となりますし、別の資格などを取得して、所属企業だけでなく、職種などを大きく変更する必要があるのであれば、転職ではなく、資格取得に向けた勉強などがキャリアチェンジに必要なアクションということになります。

現状に対する不満を持つこと自体は、決してネガティブなことではありませんが、その現状を変えるために何が必要で、どのようなアクションが最適なものであるのか、最終的な目的に応じた選択をすることが重要です。

外資への転職で年収を上げるためにやるべきこととは?

基本的に転職するだけで、年収アップは望めない

残念ながら、転職することが年収アップの手段にはなり得ないということを理解しておきましょう。

転職する場合、仮に同業種、同職種であったとしても、基本的には年収は下がるのが通例です。

これは、如何に経験のある業界、業種、職種であっても、全く同じ仕事ではなく、新たにトレーニングが必要となる以上はあくまでも新入社員という立ち位置からのスタートとなるため、年収は下がるのが当然だからです。

また、転職する際に、新しい企業で年収設定をする場合、前職での年収というものが参考となるためそこから大幅に年収が上がって転職が実現するということはありません。

如何に年収を下げずに転職をするのか?というのが年収に関するポイントとなるので、年収にこだわった転職をする場合には、なるべく現職と同じ内容の転職をすることがポイントになります。

完全なる未経験業界への転職の場合には、大幅な年収ダウンを覚悟する必要があります。

外資で人気な職種や業界とその理由

外資系企業で人気のある職種や業界について解説をします。

IT関連企業

現在最も外資系企業で人気がある業界が「IT」となります。

主な企業で言えば「Amazon」「Google」などがその筆頭となり、職種は問わずに様々な人材から注目されている外資系企業です。

人気な理由

人気の理由が、ビジネスモデルそのものが日系企業にはない斬新なもので、そこでのキャリアが間違いなく、将来のキャリアパスに大きなインパクトを与えるからです。

この分野での、米国企業の先進度は他を圧倒しており、上記2つの企業に関するグローバルでの注目度は、年々高まる一方です。

彼らに刺激を受けて、日系企業の多くも同じようなビジネスモデルを追求しており、ここでの経験が、今後のキャリアに活かされることは間違いがありません。

医療系企業

ITと並んで、外資系企業が有利となる分野が「医療」です。

医療系企業に対する外資系のニーズというものは、昔から変わらず安定しています。

人気な理由

人気の理由は、高い年収レンジにあります。

医療系企業は、日系企業も含めて高い年収レンジに人気がありますが、外資系企業はさらに高い報酬を望むことができます。

キャリアパスとしては、制限がありますが、それでも手にすることができる年収が非常に高額である点は魅力です。

まとめ

外資系企業での転職に関するポイントを解説しました。

自由な裁量をもって、働くことができ、より先進的な業務に対して、高い報酬をもって臨めるという点で、外資系企業で働くことの魅力は様々存在をしていますが、一方で、個人に対する責任の重さや、求められる自己管理能力、そして、結果が伴わなければ非常に厳しい評価が下されてしまうといった、外資系独特の企業文化が存在することも事実です。

自分自身が、どのような環境のなかで働いていきたいかをよく考えて、転職にチャレンジするようにしましょう。