現場での花形業務でありどんな業種・業態の会社でも欠かせない存在である「営業職」。

社内における営業職社員のポジションは非常に重要なものであり、外回り営業に奔走する姿にはかっこよさも漂います。

今回は私自身の経験から営業職に従事する中で直面しがちないくつかの問題をとりあげ、またそれにどのように対処していったかを紹介していきます。

営業の仕事内容とは?

営業職の仕事を簡単に説明すると「お客様から契約をいただく」ことといえます。

実際は営業の仕事は一言で表すことができないほど非常に細かく分類することができ、顧客の性質による分類、顧客との関係性からの分類、契約形態をもとにした分類などがあります。

それぞれの呼称や具体的な線引きも会社や業種・業態によってさまざまであり統一的な基準は存在しませんが、すべての職種で共通しているキーワードは「お客様」と「契約」ですので、ここでは営業の仕事内容を「お客様から契約をいただく」という定義で紹介しておきます。

営業の仕事で知っておくべきこと

営業職に従事するにあたり知っておかなければならないことにはどんなものがあるでしょうか。

ここではどの営業職にも共通している最重要項目を二つ紹介します。

ノルマや目標はあっても、すべては自分次第

営業職であればどのような業種であってもまず間違いなく「ノルマ」や「目標」といったものが会社から課されます。

しかし最近は働き方改革も盛んに取り上げられていますし、売り手市場といわれる就活市場で、ひとたび「ブラック企業」のレッテルを貼られると採用活動に影響が出ないばかりか離職率も向上してしまいますので、一昔前と比べると営業職に課されるノルマにも幅が出てきました。

何が何でも決められた数字を達成しなければならないという風潮が「自爆営業」(ノルマ達成のために営業職自身が自社の商品を自腹で購入すること)を助長し、もっと大きな視点で見ると昨今よく話題にのぼる大企業による「会計不祥事」事件などにつながっています。

このようなことから「ノルマ」という言葉に代えて「目標」と言ってみたり、上司と営業職との面談の中で具体的な数値目標を決めたりと、会社によってアプローチは異なりますがさまざまな取り組みが行われています。

結果として営業職にとっては少し余裕のある働き方ができるようになってきました。

しかし営業職にとって最も大切なことは、ノルマや目標という言葉に縛られずにいかに自分自身の働き方を「マネジメント」していくかということです。

ノルマや目標に幅ができたといっても、会社や上司から提示されたハードルを越えるためだけに働くのはモチベーションが上がらないものです。

それに比べて営業職が自分自身で目標を設定しそれを達成するためには日々どのように動けばよいのか、というふうに業務に取り組む方がずっと意欲的な働き方ができます。

実際、営業職として成績を残している方々はみなさん自分自身で目標を設定し、それに沿って一日のスケジュールを組み立てています。

会社から指示された目標値を超えることはもちろんですが、それ以上のものを自分自身に求めて働いている方は時間の使い方もうまく、そもそも残業や休日出勤の必要性がありません。

営業職は会社の数値目標や上司からの指示など何かと数字に追われているイメージがありますが、この職種をまっとうに勤めあげることができるかどうかはすべて「自分次第」なのです。

お客様に対する営業活動と同じくらい大切な「社内営業」

どんな小規模な事業所であっても営業職以外にそれぞれの担当業務をもつ同僚がいますが、営業職は事業に欠かせない「営業活動」を担う立場であるため、事業所でも「花形」「エース」扱いされることも多く一目置かれる存在になっていることもあります。

そんな環境で働いているとごくたまに勘違いをして「自分は同僚よりも上の立場にいる」と感じてしまう営業職員もいます。

あくまで担当している職種の違いであり、現実的には誰一人欠けても事業は円滑に回らないのですが、目に見えるかたちで仕事の成果が出る営業の仕事に従事していると、ともすれば他の社員よりも「上の立場」にいると錯覚したり、えらそうにふるまったりしてしまう人もいるのです。

私が営業職に転職した際に研修の席で上司からお教えられたことの一つに「社内営業の大切さ」がありました。

社内営業とは、お客様や取引先など「社外」の人間ではなく、一緒に働く同僚や上司・部下との間で「信頼関係」を構築することです。

なぜ営業職員には社内営業が必要なのかというと、営業の仕事はひとえに同僚のサポートなしには成り立たないものだからです。

たとえば契約に係る諸事務作業や契約後の顧客へのサポート体制が整っているか否かは、営業職員の負担の軽重に直結します。

分業体制が確立されている事業所であれば営業職は本来の業務である「営業活動」だけに集中して取り組むことができるのです。

お客様に対する営業活動のスキルを上げることはもちろん、営業職として成長していくためには日頃から「社内営業」の意識をもって同僚や一緒に働く方々との間に良好な関係を築いていくことが欠かせないのです。

現役営業マンが解説!営業を辞めたくなる4個の理由とその乗り越え方

ここからは営業職に従事する中で辞めたくなった瞬間をとりあげ、その理由とどのようにして乗り越えていったのかを私の実体験をもとに解説していきます。

ノルマがきつい

営業職の代名詞である「ノルマ」にはやはり悩まされました。

私が勤めている会社にはノルマを達成できなければ即解雇というような過激なものはありませんが、ノルマ未達の社員は上司との面談や詳細な業務報告など、課される仕事量が増えていきます。

入社してから一度もノルマを達成したことがない社員や、常にノルマ達成ライン近辺をうろうろしながらもチームリーダーとして部下をもっている社員もおり、ノルマだけですべての評価が決まるわけではありませんが、精神的プレッシャーは相当なものです。

実際に早期に退職した同僚のほとんどは「ノルマのきつさ」を理由にしていました。

乗り越え方

私がノルマによるプレッシャーから少しずつ解放されていったのは、「すべて自分次第」という精神状態にもっていけたことによります。

入社したての頃はモーレツ社員のようにただ愚直に上司や会社から設定されたノルマを達成することだけに集中し、時に心が折れたり挫折したりしながらも、なんとか毎月ノルマを達成していました。

しかししばらくすると体力的にも精神的にも追い詰められていったことからノルマ達成への意欲を失い、まじめに取り組まなくてもノルマを達成できる方法を覚えてしまったことで、この仕事そのものに対するやる気を失っていきました。

もう辞めようかと上司に相談したときに、自分で目標を設定することの大切さを教えてもらい、会社のノルマを達成することはもちろん自身で設定した高めの目標を達成するために、自身の働き方を考え直し一日のスケジュールを試行錯誤を繰り返しながら効率的なものに変えていくようにしました。

その後、会社のノルマを達成するためでなく自分が設定した目標を達成するために働いているという気持ちで業務に取り組めるようになり、気づけば「ノルマのきつさ」という壁を乗り越えることができていました。

拘束時間が長い

営業職の特徴として、外回りの営業などは会社側が営業職の一日の動きを把握しているわけではなく、極端な話をすれば成績さえあげていれば業務に費やした時間はとくに問題にされない、ということがあります。

しかし実際には営業職員が他職種の同僚よりも短い時間で仕事を切り上げられることは少なく、残業をすることも珍しくありません。

営業職は「拘束時間が長い」職種ともいえるのです。

自分の時間を大切にしたい方や仕事以外の活動を積極的に行っているようなタイプの方はこの「拘束時間」が壁となり営業職を長く続けることに抵抗を感じるようです。

私自身も学生時代から続けていたサークル活動や起業準備などをしていたことから、本業以外の時間をある程度確保したかったため、営業の仕事が想像以上に拘束時間が長かったことに辟易し、それを理由に退職を考えたこともありました。

乗り越え方

営業職に転職するまではこの職種が比較的時間を自由に使えることから拘束時間もそれほど長くないだろうと思っていたので、入社してすぐに現実を思い知らされました。

私がどのように「時間」の壁を乗り越えたのかというと、まさにその「使い方」を習得することであったと思います。

営業職は一般に拘束時間は長くなりますが、時間の「自由度」が高いというのも事実です。

すなわち休憩をどのタイミングでどれだけとるか、といったことや休憩時間中に何をするかというのもすべて自分で組み立てられます。

朝から休みなくモーレツに働いて昼過ぎから長めの休憩をとり、その時間内で本業以外のことをするということも可能なわけで、実際私もそのようにして時間を捻出し、なんとか自分がやりたいことと仕事との両立を図っていました。

クレームを直接浴びせられる

営業職は会社のフロントマンともいえる存在であり、前線部隊として契約をいただく瞬間は自身の存在が必要不可欠であることを実感し嬉しいものですが、同時にお客様からのクレームを直接受けなければならないポジションでもあります。

営業職自身に問題がある場合だけでなく、会社側の不手際に関しても目の前にいる営業職員に対してクレームをされるお客様や取引先も少なくありません。

自分が一切関与していない事柄や私ではどうにもできないような「理不尽」なクレームを受けるたびに、こんな状況を耐えてまで続けていく仕事かなと思ってしまうこともあります。

乗り越え方

クレームに耐え、その現場をやり過ごすにはさまざまな方法が考えられます。

私が以前働いていた職場で教わった「クレームへの対処法」は「3つの事柄を変える」というものでした。

3つの事柄とは「人」「場所」「話題」であり、対応する者を変え、場所を移動しながらお客様に対応し、さりげなく話題を変えていくことでお客様をクールダウンさせていく、というものでした。

営業職の現場で直接すべてを適用できるわけではありませんが、いくつかの対応策をもっておくことで「どんなクレームもどうにかなる」と自分に言い聞かせる自信があるかどうかがもっとも大切な点でしょう。

成績を「ストック」できない

営業職に課されるノルマや目標には期限があり、その期限までに設定された数字を達成しなければなりません。

そしてもしその数字を大きく上回る成績を収めても次の期間には持ち越せないことが基本になります。

調子が良いときの成績を不調なときのために「とっておく」ということができないのが一般的なのです。

どんな仕事に従事していても好不調の波はあるもので、営業職の場合は営業エリアや季節などさまざまな要因によって成績が上振れたりその逆があったりします。

しかし会社側からすれば常に一定の成績を収めることを求めているのであり、営業職が何を言っても「言い訳」としか認識されないことがほとんどです。

乗り越え方

もし成績をストックすることができる業種なのであれば、たとえば今月はノルマをすでに達成しているので残りの成績は来月までとっておく、という方法でこの問題を乗り越えることができるでしょう。

しかし成績のストックが会社のルール上禁止されていたり、そもそも物理的に不可能な業種の場合は他の方法を考えなければなりません。

一つの方法としては、定期的に自身の仕事の仕方を見直していくということがあります。

人は誰でも自分の仕事の仕方が自然と決まっていくものですが、営業職の場合は営業エリアが変わったり取引先が変わるたびに、自身の仕事の仕方もそれにフィットするように変えていくという方法も検討に値するでしょう。

もし上司に助けを求めるにしても、自分自身の働き方を見直してから相談するのと、何も変えないままただ助けを求めるのとでは、説得力にも差が出てくることでしょう。

営業がきついと思う人の理由と乗り越え方は、こちらの記事を参考に!

営業の魅力とは?

営業の仕事はここまで解説したようにハードな部分があることは事実ですが、それでもこの仕事を続けるだけの価値があると思えるのは以下にあげるような魅力を感じるからです。

営業職のポジティブな面も一緒に確認しておいてください。

現場の中心的存在である

営業職はその職務の性質上、現場では中心的な存在になります。

多くの場合、営業職が契約を獲得することでお客様との取引が始まり、その後は違う部署や担当の社員に引き継ぐことになります。

営業職の仕事はすべての「スタートライン」に位置しており、絶対的に必要な存在であることから現場では中心的な役割を担っているといえるのです。

同僚から頼りにされたり感謝や激励の言葉をかけてもらったりするとやる気に満ち溢れますが、逆に他部署に迷惑のかかるような契約の取り方をしていると社内でも肩身が狭くなったりします。

実際に私の同僚で自分の成績だけを考えて引き継いだ相手に迷惑がかかるような契約ばかりをとってきていた人もいましたが、次第に事業所内での立場をなくしていっていました。

営業職が現場の中心的存在であるということは、良くも悪くも周りに「注目」されているということであり、その意味をしっかりと理解した上で仕事に取り組める人にはとてもやりがいのある職種でしょう。

頑張った分だけしっかりと見返りがある

この職種の一番の魅力はなんといっても「歩合給」という恩恵でしょう。

自分が頑張って仕事をしてよい成績を残せばその分「歩合給」としてしっかりと給料に上乗せされます。

また「インセンティブ」や「キャンペーン」などのように定期的に給料アップのチャンスが組み込まれていることも多く、とにかく稼ぎたいという願望をもっている人には最も手っ取り早い転職先といえるでしょう。

他の職種では自分の頑張りがしっかり評価されていると感じにくかったり、そもそも自分の頑張りが目に見えるかたちで表れないということにストレスを感じる方もいます。

その点に関しては、営業職はある意味非常に単純なシステムの中で働くことができる職種といえます。

どんな人が営業に向いてる?

営業職にはどんな人が向いているのでしょう。

人それぞれで意見は異なるとは思いますが、ここでは私が接してきた優れた営業職をヒントに「向いている」人の特徴を二つ紹介しておきます。

切り替えが早い人

頭の切り替えができるかどうかは営業職を続けていくにあたって非常に重要な要素になります。

現場では契約をいただいたり濃密なコミュニケーションがあったりといった楽しい・嬉しい経験がある反面、激しいクレームを受けたりまったく成績が伸びなかったりといったつらい・苦しい経験もたくさんします。

そのすべてに一喜一憂していてはとても感情の整理が追いつきません。

「切り替えの早さ」には良い時・悪い時の切り替えに加えて、現場でのオンとオフの切り替えなどもありますが、営業職を長く続けている人たちはまず間違いなく「切り替えが早い」というのが私の印象です。

素直な人

お客様はよほど商品・サービスに興味がない限り、そうやすやすとは契約をしてくれません。

ではどこで契約するか否かを判断しているかというと、実は営業の人柄を見ていることが少なくないのです。

「この人なら信頼できる」とか「この人が言うことならば損はしないだろう」というふうにお客様に思ってもらうことが契約をいただくためには非常に大切になります。

そしてお客様がどこで人柄を見ているのかといえば、それはたとえば身だしなみや言葉遣いといったことに加えて「素直さ」などの印象も重視しています。

そのため「素直」な姿勢で仕事に取り組める人、お客様に対応できる人がこの仕事に向いているといえるのです。

逆に営業に向いていない人は?

反対に営業に向いていないと思われる人の特徴もいくつかあげてみましょう。

結局は自身が判断する問題ですが、私の実体験に基づいて感じたこの仕事に「向いていない」人の特徴を二つ紹介します。

ノルマが苦手な人

そもそもノルマや目標というものに慣れていない人・苦手な人はこの仕事を続けることは難しいかもしれません。

営業職として働いている以上、ノルマや目標は必ずついてくるものであり、会社や上司から提示されたものに加えて自身でそれらを設定できる人がこの仕事に適性があるといえます。

ノルマなどの数値目標やハードルを掲げられただけで精神的に追い詰められている感覚になってしまう方には、この職種を積極的におすすめすることはできません。

周りの空気が読めない人

その場の空気が読めないというのはどの職種においても失格ですが、とくに営業職の場合は命取りとなります。

「周りの空気」とはいわば現場における「お客様との間の空気」であり、その間合いや雰囲気を読めない・つかめない人はどうしても成績が伸び悩んでしまうでしょう。

また、社内においても上述した「社内営業」の重要性を鑑みれば、空気を読むことはとても大切であり、現場の中心的存在としての立場を考えれば、営業職の人間が空気を読めないというのは致命的であると言わざるを得ません。

現役営業マンから営業が合わないと感じている人へのアドバイス

最後に、実際に他職種から営業職に転職して今も従事している身として、営業の仕事に限界を感じている人にアドバイスをするとすれば、「自分自身と向き合う時間を作る」ということに尽きます。

そもそもなぜ営業職に応募したのか、その動機はなんだったのか。

なぜ今この仕事に限界を感じてしまっているのか。

その根本的原因は何なのか。

自分自身で働き方や営業の仕方に工夫を加えることで現状を打破することはできないか。

最終的に相談する相手はいないのか。

このようなことを一度ゆっくりと考えてみる時間を作ることをおすすめします。

その結果としてやっぱり辞めたいとなればすぐにでも行動に移した方がいいですし、まだトライできる余地があるのであれば少なくともそこに賭けてみてから退職・転職の道を考えてもいいように思います。

まとめ

いかがでしたか。

今回は私の実体験をもとにしたものであったため、やや個人的意見に偏ってしまったとは思いますが、営業職が働く現場の様子をなんとなくでもイメージできるように心がけました。

今現在営業職として働いている方やこれからチャレンジしようと考えている方が、この仕事に従事する魅力や体力的・精神的にハードなところを理解するのに少しでも力になれたのであれば幸いです。


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