介護業界の中でも訪問介護の介護ヘルパーはとにかくなり手が少なく、深刻な人手不足でいつでもたくさん求人が出ています。

大変な仕事というイメージが先行しているのが要因かと思われますが、実は何十年と続けている人も多い、やりがいのある仕事の一つです。

そんな介護ヘルパーについて、詳しく解説致します。

介護ヘルパーとはどんな仕事?

介護ヘルパーとは、介護職員の総称として使われる事もありますが、一般的には、訪問介護事業所で働く訪問介護員、ホームヘルパーの事を指します。

利用者の家を訪問し、ケアマネージャーが決めたサービス内容を、決められた時間行う事が仕事です。

家政婦やお手伝いさんではないので、きちんと決められた事を守って仕事をしなくてはいけませんが、逆に言えばやるべき事がきっちりと決まっており、必要な時間配分が計算されているので、計画書通りに行えば難しい仕事ではありません。

介護ヘルパーが果たす役割とは?

では、実際に介護ヘルパーが担う役割についてご説明致します。

実際の仕事をする以上に、社会的にも大切な役割がある事を知って頂けたらと思います。

できない事をお手伝いする

要支援、要介護の認定の出た方に対し、家事である生活援助や、体に関わる身体介護を行います。

介護保険のサービスは保険が適用されますので、全てにおいて細かいルールや取り決めがありますが、その中でも特に介護ヘルパーの仕事に関してはきちんとしたアセスメントを行って、必要性を考えてから計画を立てます。

自分でできる事は自分でしてもらう、という大前提がありますので、介護ヘルパーはあくまでも利用者のできない事だけ支援します。

例えば、洗濯物を干す、取り入れるという作業は難しくても、洗濯を回しておく、取り入れてもらえば畳む事はできるという方は多いですし、調理も、介護ヘルパーが野菜を切っておけば煮炊き物はできる方もいらっしゃいます。

その辺りの、どのくらいまでできてどれができないのでお手伝いが必要というのは、もちろん最初にケアマネージャーが見極めるのですが、介護ヘルパーとしてサービスに入る内に「これはご本人で可能だな」と気付く事もたくさんあります。

あくまでもヘルパーは家政婦ではないので、何でもかんでも手伝う事を良しとせず、きちんと利用者の能力を生かした支援をしましょう。

話し相手になる

利用者の中には、あまり外に出る事がなく、コミュニケーションを取る相手が介護ヘルパーだけという方もいらっしゃいます。

そういった方は、家に誰かが来て話をしてくれる事をとても楽しみにされている方も多く、サービスをしながらいろいろな話をするという事もとても大切な仕事です。

私はケアマネージャーとして働いていますが、普段サービスに入られている介護ヘルパーのほうがもちろんたくさん話をされているので、私の知らない事をたくさん知っています。

そしてそこから情報をもらう事がとても多いです。

介護ヘルパーの仕事は、自分が一番くつろげる場所に来てくれて、一対一のサービスを提供してくれるものなので、利用者も心を開いて話をされます。

異常の発見や報告、助言

いつもと違う様子だったり体調が悪そうだったり、そういった事に気付いた場合は必ず事業所のサービス提供責任者に報告し、ケアマネージャーや家族、関係事業所等に連絡してもらい、情報を共有します。

こういった異常の発見は介護ヘルパーからの情報が一番多いです。

また、介護ヘルパーは必ず有資格者ですので、普段の生活の簡単なアドバイスができる知識を持っています。

おむつは何を選べばいいのか、食事はどういったものを食べればいいのか等、必要に応じて助言を行います。

家族の負担軽減

介護ヘルパーが来てくれる事で、仕事に行く事ができたり、介護に負担やストレスを感じなくて済む家族はたくさんいます。

介護離職が社会問題化していますが、介護ヘルパーが活躍する事により、そういった事態を減らす事もできます。

介護をしなくてはならない事で家族関係が悪くなるケースも多いので、介護ヘルパーを利用する事で、利用者本人のみならず家族も救われるケースが本当にたくさんあります。

介護ヘルパーの具体的な仕事内容とは?

具体的な業務

生活援助

家事全般のサービスを生活援助と呼び、算定します。

仕事内容は、掃除や調理、洗濯、買い物代行や薬の受け取り、ゴミ出しや布団干しに至るまで多岐に渡りますが、「これをしないと生活が成り立たない」家事の他は介護保険では認められていません。

ですので、草むしりや大掛かりな窓拭き、模様替えやおせち料理、お菓子作り等の特別な調理は行えません。

この生活援助に関しては、同居家族がいると行えないという解釈の保険者もありますが、何らかの事情があれば可能な事も多いです。

ただし、あくまでも利用者本人の為のサービスですので、同居家族の洗濯や調理はできません。

本人の分のみ可能です。

掃除に関してはもっと細かく取り決め、本人が使わない部屋の掃除は認められていないので、介護ヘルパーの判断で指示された事以外の仕事を行う事はやめましょう。

身体介護

トイレ誘導やオムツ交換、食事介助や入浴介助等、体に関する介助の事を身体介護といいます。

直接体に触れずに、いつでも介助できるように見守りを行う事も身体介護に位置付けられます。

在宅の利用者の場合、重度の身体介護を必要とする方は施設ほど多くはないのですが、ベッドやトイレ、浴室やその他物品が施設ほど整っていない事が多く、そのお宅にあわせた介助方法を模索する必要があります。

専門性の高さから、生活援助よりも身体介護の方が介護報酬は高く設定されています。

また、通院介助や買い物同行等、外出に付き添うサービスも身体介護にあたります。

仕事の流れ

訪問し挨拶、記録チェック

まずきちんと時間通りに訪問し、しっかりと挨拶をする事から仕事は始まります。

事業所によっては、サービス前に事務所に連絡を入れる所もあるようです。

利用者の様子に変わりが無いか確認し、訪問記録等の記録を確認、前回の利用者の様子を把握してからサービスに入ります。

介護サービス

介護ヘルパーの細かい仕事内容は、ケアマネージャーの作るケアプランに基づいてサービス提供責任者が訪問介護計画書を作成、それに即した手順書がありますので、その通りに行います。

生活援助も身体介護も、決められた内容しか行う事ができません。

もしどうしても必要であったり、これをしなくてはいけないと判断した場合も、必ず事業所に確認を取ってから行いましょう。

記録、必要時報告

サービスが終われば訪問介護記録を記入し、挨拶をして帰ります。

気付いた事や何か変わりがあれば、必ず事業所に報告を入れます。

介護ヘルパーはどういう人と仕事で関わるの?

では、介護ヘルパーの仕事をする上で関わる人というのはどういった方なのでしょうか。

家族

同居している場合もありますし、別居されている家族の場合もありますが、サービス中に顔を合わせる事もあれば、何か必要があって連絡を取り合う事もあります。

介護度の重い利用者の場合ですと、家族が側にいる状況で仕事をする事も多いです。

そういった場合、介護ヘルパーに話を聞いてもらえる事でストレスを軽減できる家族もたくさんいますし、家族支援も大切な仕事の一つですので、できるだけ関わりを持つようにしましょう。

ケアマネージャー

サービス提供責任者はもとより、一般の介護ヘルパーも必要であればケアマネージャーとやり取りし、情報の共有をします。

前述しましたが、ケアマネージャーは現場の介護ヘルパーからの情報をとても貴重なものと考えていますので、気付いた事があれば積極的に情報交換をして下さい。

他の事業所

デイサービスの送り出しのサービスであればデイの職員と、訪問看護の入っている利用者であればその事業所とのやり取りが発生します。

お互いの記録を見ながら、他のサービスのときはこうなんだなと情報を共有しながら仕事を進めていきます。

介護ヘルパーの給料事情は?

登録ヘルパーの場合ですと、サービスごとに時給が分かれており、生活援助の場合は1400円前後、身体介護の場合は1600円前後が相場です。

常勤ヘルパーで月給が16万円~20万円程、サービス提供責任者で18万円~22万円程の事業所が多いです。

ただ、賞与に関しては事業形態によっても大きな差がありますので、総合的に年収でどうなるかをきちんと計算してから検討される事をお勧めします。

介護ヘルパーでやりがいを感じること

介護ヘルパーは長く続けている人も多く、非常にやりがいのある仕事です。

どんな事が魅力なのか、経験を踏まえてお話致します。

家事の経験が生かせる

ずっと子育てや家事に追われていて、就労経験が空いている、だから働く事が不安という方は少なくないかと思いますが、その主婦経験が生かせる仕事が介護ヘルパーです。

掃除や洗濯、調理等の生活援助の需要は、実は身体介護よりも多くありますので、こういった家事経験を生かし働く事ができます。

資格と知識が役立つ

数ある介護職の中で、介護ヘルパーは必ず初任者研修修了もしくはヘルパー2級以上が必須ですので、働いている方は全員有資格者になります。

勉強した事は決して無駄にはならず、知識を生かして自信を持ってプロとして働けます。

在宅生活の要になる

何度も書きましたが、家族の支えにもなる事ができる介護ヘルパーのおかげで、在宅生活を継続できている方はたくさんいます。

ほんの少しの手助けが必要で、それさえしてもらえれば自宅で充分生活できる高齢者はとてもたくさんいらっしゃいます。

そういった方々の在宅生活の継続を支えているのが介護ヘルパーなのです。

信頼関係が生まれる

一対一でサービスを行い、自分のテリトリーである自宅に来てくれる介護ヘルパーには、他の人に言えない話をされるほど心を許される方は多いです。

介護ヘルパーと利用者の信頼関係は、他の介護職には無い深さです。

介護ヘルパーに向いている人のタイプは?

では実際、介護ヘルパーの仕事に向いている人とはどういった方なのでしょうか。

家事が得意

前述しました通り、家事が苦にならず得意な人は介護ヘルパーにとても向いています。

身体介護の場合でも、部屋を散らかさない、きちんと片付けて帰るといった介護ヘルパーは一目置かれます。

ルールを守る事ができる人

時間厳守は絶対条件ですが、きちんと決められたプラン通りのサービスができる方を事業所は求めています。

一番困る介護ヘルパーが、時間にルーズで良かれと思って勝手なサービスをする人なので、その事をきちんと理解し仕事ができる方が向いています。

相手を尊重する事ができる人

体が不自由になって誰かの世話にならなくてはならない状況を申し訳なく思いながら介護ヘルパーの支援を受ける利用者はたくさんいます。

そういった思いを尊重し、上からの態度で仕事をしない、これは絶対に心に留めておいて頂きたい事です。

利用者の思いを汲み取れる方が求められます。

臨機応変に対応できる人

些細な事から大きな事故まで、介護ヘルパーの訪問時に思わぬ事がおきる可能性はあります。

そういった時に慌てず、速やかに対処できる人が介護ヘルパーには向いています。

介護ヘルパーの仕事で大変なこと

では、介護ヘルパーとして働いてみて、どんな事が大変なのでしょうか?

移動が大変

雨の日も風の日も、悪天候でも訪問し仕事をしなくてはならないので、移動が一番大変です。

警報レベルの場合ですとサービスを変更したりキャンセルしてもらったりする事も多いですが、それでも訪問しないとご飯を食べられなかったりオムツを替えてもらわないといけない利用者の場合は、そうもいきません。

移動の苦労は介護ヘルパーの仕事では避けては通れないものです。

利用者の急変や急な要望

訪問中や訪問した時に利用者が急変したり体調を崩したりすると、もちろん対応するのが介護ヘルパーの役割です。

その他にも、やってはいけないとされている事を頼まれてしまったりする事も。

そういった際は、落ち着いて事業所に連絡し、指示を仰ぎましょう。

トラブルに巻き込まれやすい

物を取った取られた、ヘルパーがこれをしたもしくはしてくれなかった、そういったトラブルは介護ヘルパーの場合まったく無いとは言えません。

自分に非がある場合は素直に認めないといけませんが、そうではないなら、毅然とした態度で対応しましょう。

介護ヘルパーのなり方とは?

では、実際に介護ヘルパーになるにはどうすればいいのでしょうか?

介護ヘルパーに就職するために

訪問介護事業所の求人を探します。

人手不足ですので、いつでもたくさんの求人を見つける事ができます。

介護ヘルパーには資格は必要?

初任者研修修了もしくはヘルパー2級以上が必要です。

必要なスキルや資格、経験は?

スキルや経験は問いません。

就労経験や介護経験が無くても、家事経験があればそれは立派なアピールポイントです。

資格は必須です。

介護ヘルパーで転職を成功させるために

では経験を積み、介護ヘルパーから他事業所への転職を考えた際、どういった点に気を付ければ成功するのでしょうか。

事業所加算に注目する

事業所によって、取得している加算の種類や段階は様々です。

一番給与面に関係する加算は処遇改善加算ですが、その他にも特定事業所加算や地域加算など、取得している事業所は待遇も手厚かったり給与が高かったりします。

介護事業所の検索サイト等で加算は確認できますので、目を通してから仕事を探す事をお勧めします。

残業がどうなっているか

仕事柄、サービスが長引けばその分残業になります。

登録ヘルパーの場合は、働いた分だけ時給が保障されますが、常勤で働く場合はこの残業があるのか無いのか、あった場合は手当が付くのか、必ず確認しておいた方が良いでしょう。

自分にあった移動手段かどうか

地域にもよりますが、移動方法としては自転車かバイクか車かになるかと思います。

どれを一番希望するか考え、その旨をきちんと伝えましょう。

事業所側としても「これで移動してほしい」という方法が決まっているかもしれないので、始めにその辺りの話を詰めておいた方がいいです。

介護ヘルパーの将来性は?

では、介護ヘルパーとして働いて、その先のスキルアップは見込めるのでしょうか?

役職に付く

介護福祉士取得や実務者研修修了をすれば、介護ヘルパーのトップであるサービス提供責任者になる事ができます。

仕事の幅が広がり、給与も上がるやりがいのある仕事です。

ケアマネージャーの資格を取る

実務経験を積み、試験に合格してケアマネージャーの資格を取り、実際に仕事をするとなった時、介護ヘルパーの経験があるととても仕事に役立ちます。

在宅での需要の多い介護ヘルパーを経験したケアマネは、事業所にも利用者にも理解を示し、寄り添う事ができますし、現場で経験した事がケアプラン作成に生きる事もたくさんあります。

まとめ

介護ヘルパーの仕事についてご説明させて頂きました。

人手不足で大変な仕事と敬遠されがちですが、社会的役割も大きく利用者や家族にも感謝される、とてもやりがいのある仕事です。

何十年と長くされている方も多い介護ヘルパー、不安が解消し、その仕事に興味を持って頂ければ幸いです。


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