建設会社事務の仕事内容とは具体的にどのような業務なんでしょうか?
建設会社は現場で汗水流し、きつい仕事というイメージですが、事務の仕事は、陰で支える裏方での仕事です。
今回は、ビルや道路などのモノを作る建設会社での事務について深く掘り下げて解説していきたいと思います。
この仕事に向いている人の特徴やメリット・デメリット、キャリアアップの道はどのように切り開けばいいのかまでを細かくご紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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建設会社事務はどんな仕事?
建設会社事務といっても、基本的には他業種の事務とそれほど変わるところはありません。
特徴としては、建設会社はメーカー同様モノづくりをする会社ですので、現場が中心となります。
建設会社事務の仕事は、営業は別として、基本的には現場をバックアップする仕事と考えれば良いでしょう。
建設会社事務の大まかな仕事内容
建設会社事務の仕事は大きく分けて
があります。
他業種では珍しいのが⑤現場事務でしょうか。
仕事上の役割とは?
建設会社はビルを作ったり道路を作ったりといったモノづくりの会社なので、主役はあくまで土木、建築技術者です。
しかし、どんなメーカーでも経理や総務や営業があるように、事務の役割もモノづくりを支えるためにあります。
先に書いた「現場事務」の仕事を例にとって説明します。
現場事務の仕事は実に幅広いです。
まず、建設現場が決まったならば、仮設事務所を建てる土地を探したり、あるいは事務所となるビルの部屋探しから始まり、什器、電話、IT環境等を整備して事務所を立ち上げます。
更に、工事が始まったら施主や近隣との折衝、業者からの請求書の受付等実に多様な仕事をこなさなければなりません。
しかも、今は現場1ヶ所だけを担当するということはほとんどなく、複数の現場を担当するのが普通です。
建設会社事務では最も忙しい仕事ですが、それだけにやりがいのある仕事と言えるでしょう。
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どんな建設会社で事務職募集がある?
1. 株式会社大林組
株式会社大林組は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや東京スカイツリーを手掛けたスーパーゼネコンです。
正社員の採用は「全国型職員」と「拠点型職員」に分かれていてます。「拠点型職員」の事務職として、工事事務所での事務処理を担うポジションの募集があります。
有給休暇や結婚休暇などの他にも、積み立て保存休暇や現場休暇なども用意されています。
タイミングによっては募集が終了している場合もあるため、詳細はリンク先でご確認ください。
→株式会社大林組の事務の募集はこちらに出ています
2. 戸田建設株式会社
戸田建設株式会社は、学校や病院の建設など、官公庁からの発注を中心とした実績を誇るゼネコンです。
東京国際空港や、早稲田大学の大隈講堂などを担当しました。「作業所事務職」の中途採用があり、「全国型」と「エリア限定型」に分かれます。
作業所での事務作業は1拠点からスタートして、経験に応じて複数拠点担当へと進んでいきます。有給休暇は最高40日分の保有が可能です。
タイミングによっては募集が終了している場合があります。詳細はリンク先でご確認ください。
→戸田建設株式会社の事務の募集はこちらに出ています
その他の建設会社事務の仕事は?
上記の会社以外にも建設会社事務の仕事は沢山募集されています。
見てみたい人は、以下のボタンからチェックしてみて下さい。
建設会社事務の仕事はどんな人に向いている?
事務職全般に言えることですが、コミュニケーションを取りながら仕事ができること、正確な事務処理ができることが大事です。
また、建設業では大きな金額が動くため、経理能力も重視されます。
加えて、建築・土木が好きな人、製品が目に見えるものになることに興味があればやりがいを持って仕事ができるでしょう。
反対に、
・コミュニケーションを取るのが好きではない
・事務作業のような地味な作業、ルーティンワークが嫌い
・モノづくりに興味がない人
・自分が技術者としてモノづくりに携わりたい人
にとっては向いていないと言えます。
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建設会社事務の仕事が向いている人1:コミュニケーション能力がある人
建設業は、様々な業種が関わり助け合って成り立っています。
また、社内の様々な部署とも関りがあるのが事務職の特徴であるため、コミュニケーションを取りながら仕事をすることが苦でない人に向いています。
建設会社事務の仕事が向いている人2:正確な事務処理作業ができる人
事務職の基本的な能力とも言えますが、正確に書類作成等の作業ができることが重要です。
建設作業には様々な許可が必要な場面が多くあります。
その場合、許可が降りなければ現場を動かすことができなくなってしまいます。
そういった意味でも、各方面への許認可など、正確な事務処理ができることが現場や会社全体の業務を円滑に進めるためにも必要なのです。
建設会社事務の仕事が向いている人3:建築・土木・モノづくりが好きな人
建設業界の魅力は、なんと言っても自分の仕事が目に見えた成果に繋がることにあるでしょう。
事務職の仕事は間接的な携わり方かもしれませんが、事務処理をしなければ現場は回らず、モノも完成しません。
謂わば、縁の下の力持ちなのです。
そういったところにやりがいを感じられれば、仕事も楽しんでできるでしょう。
建設会社事務の仕事で活かせる経験
他業種でも事務職の経験があれば、充分活かしていけるでしょう。
更に、専門の建設業経理の資格や経験があると良いです。
建設会社事務の仕事で活かせる経験1:経理経験者
全ての業種でニーズがありますが、建設会社においても事務で最もニーズが高いと思われます
特に建設業経理士や建設業経理事務士などの資格を持っていれば、優遇されるでしょう。
建設会社事務の仕事で活かせる経験2:総務経験者
一つの業務だけではなく、複数の業務を同時並行で進めていくことになります。
総務経験があることは仕事をしていく上で有利に働くでしょう。
建設会社事務の仕事で活かせる経験3:営業経験者
作業だけではなく、社内・社外の人の応対もすることになります。
営業職で培ったコミュニケーション能力は役立ってくるはずです。
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建設会社事務で働くメリットとは?
建設会社事務で働くメリット1:未経験でもチャレンジしやすい
専門知識や資格が必要な仕事ではないため、同業他職種に比べて未経験の方でもチャレンジしやすい仕事だと思います。
建設会社事務で働くメリット2:オフィス業務・パソコンスキルが身につく
メインの仕事は書類作成などの事務処理となります。
日々の業務をこなしていく内に、自然とスキルが身についていくでしょう。
建設会社事務で働くメリット3:ワークライフバランスが比較的とりやすい
比較的自分のペースで仕事がしやすい職種です。
自身のスケジューリングがしっかりできれば、急な対応、不測の事態などがない限り、残業をすることは少ないでしょう。
建設会社事務で働くデメリットとは?
建設会社事務で働くデメリット1:努力や成果が目に見えにくい
事務職は、直接的な成果に結びつきにくい仕事です。
受注高や完工高といった会社の利益に直結するような数字的な成果が出ないため、評価されにくいという実情があります。
自分の頑張りに見合う対価が得られず、不満を抱く人も少なくありません。
建設会社事務で働くデメリット2:仕事が地味、ルーティンワークが多い
これは、事務職について回るイメージ通りです。
事務処理、書類作成等が主な仕事になるため、ルーティンワークとなりがちです。
クリエイティブな仕事がしたいと思う人には向かない職種と言えるでしょう。
その後のキャリアについて
この仕事に就いた後のキャリアアップの道は?
キャリアアップを目指すなら決算書類を作成するような経理の仕事をして簿記の資格を取るのが一番だと思います。
しかし、全員そのような業務を担当できるわけではないので、営業専務なら宅地建物取引士の資格を取ったり、総務なら社会保険労務士の資格を取ったりするのも良いでしょう。
他の仕事にもこの経験を活かせる?
建設会社事務は幅広い知識が身につきます。
なので、事務職であれば、他業種にも活かしていけるようなスキルを身につけることができるでしょう。
現に、私の先輩や同僚で学校事務など、他業種の事務職に転職した人が多くいます。
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自分に合った建設会社事務の求人の選び方や注意点
建設会社事務は事務系の人にとって決して人気のある仕事でないだけに、穴場かもしれません。
【選び方①】雇用形態から探す
正社員、パート、派遣等様々な雇用形態での募集があります。
ワークライフバランスも考えて、自分に合った雇用形態を決めておきましょう。
【選び方②】職種から探す
事務職の中でも、総務、経理、営業など様々な種類があります。
基本的な必要スキルには共通するものがありますが、それぞれ仕事の性格が違うため、自分に合った仕事内容かどうかしっかり確認しましょう。
【選び方③】会社の業態から考える
一口に建設業と言っても、頂点に立つ総合建設業(ゼネコン)なのか、その下請けの専門業者なのか、道路会社なのか、ハウスメーカーなのか、実に多種多様です。
業種事態に興味を持って応募する場合は、それぞれの違いをしっかり認識しておきましょう。
【選び方④】給与や雇用条件から考える
給与は、他の専門職・技術職に比べて若干低い傾向にあります。
大手企業になれば給与額も上がりますが、その分、業務量も多くなるという覚悟はしておきましょう。
会社の規模によって給与額に大きな差が出てきますので、複数の企業を見比べて検討しましょう。
また、大手企業は社会の監視の目も厳しくなるため、福利厚生がしっかりしているところが多いです。
中小企業も改善されてきてはいますが、手当や年間休日が少ない企業も多く見られますので、福利厚生の内容はきちんと把握しておく必要があります。
【選び方⑤】エリアから考える
地方の総合建設業を「地場ゼネコン」と言いますが、例えばある理由から地域を離れたくない、あるいはある地域に住みたいと思う人には優良地場ゼネコンは有力な選択肢だと思います。
恐らくその地方の電力会社、地方銀行に次いで給与が良いはずです。
地方なら物価が安いので、都会で働く鹿島や大成のようなスーパー・ゼネコンの社員より良い暮らしができるかもしれません。
【選び方⑥】出世から考える
先述しましたが、建設会社事務は事務系の人にとってはあまり人気のある職種ではありません。
なので、一流大学出身の高学歴の事務系の人達ががひしめく金融や商社に比べれば、出世競争も大したことはありません。
まして、自身が高学歴ならば、それほど苦労せずに出世できるかもしれません。
まとめ
事務職の仕事は、他社員のサポート業務となるため地味に見えがちです。
しかし、どんな会社でもこのサポートがなければ業務は滞ってしまいます。
建設会社はモノを作る会社なので、間接的にもそこに自分が携われているという実感が持てれば、やりがいも出てくるでしょう。
私自身、自分が営業を担当した羽田空港国際線エプロン(ターミナルビルの前の旅客機の駐機場)から海外旅行に飛び立った時は誇らしく思ったものです。
就職または転職をお考えの方は、ぜひ建設会社事務も候補にいれて検討してください。
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