はじめに

介護施設は高齢者の24時間の生活を支える場所なので、介護部門だけでなく様々な職種の部門から成り立っています。

介護の仕事に必要な資格→介護施設の介護以外の部門で働く際に必要な資格→自己啓発として持っておくと良い資格や研修 の順で紹介いたします。

また、各資格の就職先や仕事内容については、介護関係に絞って説明いたします。

「介護の仕事」が自分に向いているか診断するにはこちら →

介護の仕事に必要な資格

高齢者介護の仕事をするために必要な資格には、以下のようなものがあります。

介護職員初任者研修

概要

これから介護士として働きたい人が介護の基本を知るための資格です。

負担が少ない身体介護の方法や高齢者の心理など、介護に関する必要な知識と技術が習得できます。

取得方法

通学により取得します。

平日コースや夜間コースなどいろいろあるので、自分に合ったコース選びが可能です。

就職先

各種介護施設・訪問介護事業所・病院などです。

介護現場での業務内容

身体介護・生活援助などを行います。

介護職員実務者研修

概要

介護職員初任者研修の上位の資格ですが、介護職員初任者研修を持っていなくても取得できます。

介護未経験の方でも取得出来る資格です。

平成29年1月実施の介護福祉士試験からは、この実務者研修の修了が受験資格の条件に加わりました。

取得方法

通学により取得します。

平日コースや夜間コースなどいろいろあるので、自分に合ったコース選びが可能です。

就職先

各種介護施設・訪問介護事業所・病院などです。

介護現場での業務内容

身体介護・生活援助などを行います。

介護福祉士

概要

福祉の三大国家資格(社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士)のひとつです。

一人で日常生活を送ることが難しくなった高齢者や障がい者に対して、身体介護や生活援助などを行います。

取得方法

  • ①介護業務の経験を積んでから資格習得を目指す場合
  • ②福祉系高校を卒業して資格習得を目指す場合
  • ③介護福祉士養成施設を卒業して資格習得を目指す場合

①~③のいずれに該当するかにより、資格の取得方法が異なります。

また、近年中に認定介護福祉士(仮称)が正式に制定された場合、それに伴って取得方法も変更になる可能性があるため、詳しくは下記のサイトの参照をお勧めします。

公益財団法人社会福祉振興・試験センター

就職先

各種介護施設・訪問介護事業所・各種障がい者支援施設・病院などです。

介護現場での業務内容

身体介護・生活援助・利用者からの相談対応などを行います。

ケアマネージャー(介護支援専門員)

概要

介護や支援を必要とする高齢者が介護保険制度を利用して自立した生活を送るためのサポートをします。

取得方法

介護支援専門員実務研修受講試験に合格することが必要です。

保健・福祉・医療分野での国家資格を持ち、5年以上、900日の実務経験があることが受験資格となります。

該当する国家資格を持っていない人でも、高齢者福祉施設や在宅介護業務に従事しており、施設長などを務め5年から10年の実務経験があれば受験できます。

就職先

各種介護施設・訪問介護事業所・各種障がい者支援施設・福祉関係の行政機関などです。

介護現場での業務内容

利用者や利用者家族の生活上のニーズを把握してケアプランを作成し、利用者が適切なサービスを受け、家族の負担が減るように自治体や各事業者に依頼します。

介護施設に勤務するケアマネージャーの場合は、上記の業務と同時に担当部門の管理者を務めることもあります。

福祉住環境コーディネーター

概要

高齢者の「人生の最後まで自宅で安心して暮らしたい」というニーズを満たしながら、高齢者が暮らしやすい住環境の整備を提案するための資格です。

取得方法

東京商工会議所検定センターが実施する福祉住環境コーディネーター検定を受験して合格する必要があります。

特別な受験資格はなく、学歴・年齢・性別・国籍による制限は全くありません。

実務経験も必要ないので、学生でも受験できます。

就職先

住宅メーカー、リフォーム会社、都市計画事務所、在宅介護支援センター、介護施設、訪問介護事業所、福祉機器メーカー、病院、公共施設などです。

介護現場での業務内容

ケアマネージャー、介護用品メーカーの営業、福祉用具専門相談員、介護施設の管理職などの職業やポジションにおいて、この資格を活かしながら仕事ができます。

また、行政機関が設置する在宅介護支援センターや高齢者相談センターなどでも、在宅介護にともなう住宅改修や福祉用品の利用についての相談業務を行えます。

福祉用具専門相談員

概要

介護保険を利用して車椅子や介護用ベッドなどの福祉用具を使う利用者に対して、用具の選び方・使い方などの助言や用具の調整などを行うことができる資格です。

取得方法

福祉用具専門相談員の資格は、都道府県の指定した福祉用具専門相談員指定講習を受講し、所定の課程をすべて修了したのちに試験に合格する必要があります。

就職先

介護用品の販売やレンタルなどを行う事業所などです。

介護現場での業務内容

介護施設に勤めるケアマネージャーがこの資格を取得すれば、ケアプランの作成において役立ちます。

福祉用具専門相談員の仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!

「介護の仕事」が自分に向いているか診断するにはこちら →

介護施設の介護以外の部門で役に立つ資格

社会福祉士

概要

福祉の三大国家資格(社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士)のひとつです。

社会福祉系の相談・援助の専門職です。

取得方法

4年制大卒者の場合は実務経験は不要です。

高卒者は4年間の実務経験があれば1年以上の厚生労働省指定養成施設を経て国家試験に合格すれば、社会福祉士として登録できます。

就職先

各種介護施設・訪問介護事業所・各種障がい者支援施設・病院・福祉関係の行政機関などです。

介護現場での業務内容

入所者からの相談を受けるのが主な業務ですが、介護業務にも携わる場合もあります。

精神保健福祉士

概要

福祉の三大国家資格(社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士)のひとつです。

精神上の障害がある人やその家族の相談を受けて日常生活の訓練をする施設を紹介したり、就職に対する助言を行います。

社会福祉士が福祉全分野を扱うのに対して、精神保健福祉士は、精神障害者に特化して援助を行います。

取得方法

精神保健福祉士国家試験に合格する必要があります。

受験資格を得るための方法は、大きく分けて4つのルートがあります。

  • ①福祉系の4年制大学で所定の課程を修了する。
  • ②福祉系の短大で所定の課程を修了し、実務を1〜2年経験する。
  • ③一般の4年制大学を卒業し、一般養成施設に1年以上通学する。
  • ④一般の短大を卒業し、実務を1〜2年経験し一般養成施設に1年以上通学する。

就職先

各種障がい者支援施設・病院・福祉関係の行政機関などです。

介護現場での業務内容

介護施設では精神福祉士の配置義務はないため、福祉大学で精神保健福祉士と介護福祉士の資格を取得した人が、介護施設に就労する形になると思います。

精神疾患を持つ利用者への支援を行う際に、資格で得た知識が役に立つでしょう。

看護師

概要

医学的な知識や技術を用いて、人々が心身ともに健やかな生活が送れるように支援をするための資格です。

取得方法

看護大学や看護専門学校等を卒業後、看護師国家試験に合格する必要があります。

就職先

各種介護施設・各種障がい者支援施設・訪問看護ステーション・病院などです。

介護現場での業務内容

介護施設は病院と違い治療の場ではないため、介護施設における看護師の看護スタイルも病院とは異なり、利用者の日常生活を見守ることが中心になります。

主な役割は利用者の健康管理です。

利用者の日々の健康状態を把握し、利用者の急変時に適切な処置を行い医療機関へつなげます。

介護施設の規模によっては、看護師も食事介助などの介護業務を行う場合もあります。

管理栄養士

概要

管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。

持病のある人や高齢で食事が摂るのが難しくなっている人や健康な人など、一人ひとりの状態に合わせて専門的な知識と技術を用いて栄養指導や給食管理を行います。

取得方法

栄養士養成施設を卒業して栄養士となり、厚生労働省が定める施設に就職して一定期間の実務経験を積んだのちに管理栄養士国家試験を受験する方法と、管理栄養士養成施設(大学・4年制専門学校)を卒業して、受験する方法があります。

就職先

各種介護施設・各種障がい者支援施設・病院などです。

介護現場での業務内容

介護施設では朝昼晩の料理の献立を担当します。

利用者一人ひとりの健康状態や食事制限の有無を考えて献立を作ります。

勤務先の状況によっては早出、遅出を繰り返す変則勤務もありえます。

調理師

概要

調理師は国家資格です。

調理師の名称を用いて調理の業務に従事できます。

調理師は学校・施設・病院などの給食や外食産業で料理を提供します。

単に料理を作るだけではなく、調理の技術の他に食中毒を防ぐ衛生管理の知識と栄養学などの知識を求められます。

取得方法

①調理師養成ルート

厚生労働大臣の指定する調理師養成施設に1年以上通って卒業した後に、免許の申請を行い、都道府県知事から調理師免許の交付を受けます。

②調理師試験合格ルート

調理した飲食物を提供する施設や飲食店で、厚生労働省の定める調理の実務経験を2年以上積んだ後に、調理師試験に合格し免許の申請を行い、都道府県知事から調理師免許の交付を受けます。

就職先

各種介護施設・各種障がい者支援施設・病院などです。

介護現場での業務内容

介護施設では朝昼晩の調理を担当し、刻み食やミキサー食などの高齢者に合わせた調理法で食事を提供します。

早出、遅出を繰り返す変則勤務となります。

利用者に直接関わる業務はほとんどありません。

理学療法士

概要

国家資格であり、理学療法を専門的に行うことができます。

理学療法とは、病気や怪我、高齢、障害などにより身体機能が低下した状態にある人に対し、運動機能の改善を目的として様々な物理的手段を用いて行われる治療法のことです。

主に身体的な症状や障害に対してアプローチします。

取得方法

理学療法士になるには、厚生労働省が実施する理学療法士国家試験に合格する必要があります。

受験資格は、理学療法学科など養成課程がある大学、短大、専門学校か指定の養成施設で3年以上学び卒業することです。

就職先

介護老人保健施設や機能訓練に力を入れている有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などです。

介護現場での業務内容

身体機能が低下した利用者に対して基本動作のリハビリテーションを行います。

作業療法士

概要

国家資格です。

工芸、手芸、園芸などの作業技法を用いて病後や障害の機能回復や日常生活動作の維持や改善を図る仕事であり、生活場面での応用的な動作能力の訓練にとどまらず、心理的な安定を目的としている点が理学療法士との違いです。

取得方法

作業療法士になるには、厚生労働省が実施する作業療法士国家試験に合格する必要があります。

受験資格は、作業療法学科など養成課程がある大学、短大、専門学校か指定の養成施設で3年以上学び卒業することです。

就職先

介護老人保健施設や機能訓練に力を入れている有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などです。

介護現場での業務内容

身体機能が低下した利用者に対して、実際に生活する上で困りそうなことを想定して生活するための訓練を行います。

介護事務

概要

介護保険のサービス費用のうち1割が利用者本人の負担で、残り9割は国や自治体などの保険者が負担しています。

介護保険施設において、その介護報酬請求業務を担うのが介護事務の仕事です。

取得方法

通信教育と通学の2種類があります。

就職先

各種介護施設です。

介護現場での業務内容

介護保険請求業務兼一般事務ですが、施設の方針によっては、行事の準備など事務以外の作業を手伝う場合もあります。

「介護の仕事」が自分に向いているか診断するにはこちら →

自己啓発としてお勧めする資格

以下の資格は、介護の仕事に就くために必須ではありませんが、高齢者や介護の仕事を理解するための入り口として学ぶには適しています。

特に高齢者と接する機会が多い接客業に就いている人や、ボランティアで高齢者と関わる人にはお勧めできます。

介護予防健康アドバイザー

概要

超高齢社会の中、介護予防や健康維持のニーズが高まっています。

介護予防健康アドバイザーは、中高齢者が安全に運動できるように助言し、健康的な暮らしをサポートする為の資格です。

取得方法

介護予防健康アドバイザーは、受験資格がなく誰でも受験が可能です。

ユーキャンの講座の修了課題がそのまま資格認定試験になっているので、受講期間内なら自宅で合格するまで試験にチャレンジできます。

介護現場での業務内容

運動を取り入れている高齢者施設において、正しい運動プログラムを作成し、運動中に意識するポイントを的確に指導します。

参考資料 ユーキャン 介護予防健康アドバイザー

移動支援従事者(通称ガイドヘルパー)

概要

視覚などの様々な障がいのために1人での外出が困難な方が安心して出かけられるよう、移動介護サービスを提供する資格です。

取得方法

各都道府県で行う研修(※)を修了する必要があります。

受講資格は各都道府県により異なります。

受講資格を設けていないところもありますが、介護職員初任者研修以上の資格者を対象としているところもあります。

介護職員初任者研修以上の資格がある場合は、研修の一部が免除されます。

詳しいことは、都道府県のHPで確認できます。

※都道府県で行う研修とは

  • ①視覚障害者同行援護従業者養成研修
  • ②全身性障害者ガイドヘルパー養成研修
  • ③知的・精神障害者行動援護従業者養成研修

介護現場での業務内容

利用者の移動介助や外出支援を行います。

レクリエーション介護士2級

概要

最近の介護施設では、単に生活支援や機能的回復、介護予防といったことだけではなく、高齢者に喜びや生きがいを持ってもらうことが重要視されつつあります。

レクリエーションを通じて、高齢者が楽しみながら日々を過ごすお手伝いをするための資格です。

取得方法

通信教育または通学で取得できます。

介護現場での業務内容

介護職員でなくともボランティアスタッフとして、施設を訪問してレクリエーションを提供できます。

デイサービスなどのレクリエーションを行っている施設では、更にレクリエーションの質を高めることができます。

参考資料 日本アクティブコミュニティ協会 レクリエーション介護士とは

高齢者コミュニケーター講座

概要

高齢者とのコミュニケーション方法を学びます。

取得方法

通信教育を受けて修了すれば受験等は必要ありません。

介護現場での業務内容

介護の仕事は全て利用者との会話が基本です。

この基本的な能力を高めることが、介護の質を高めることにつながります。

参考資料 ニチイ 高齢者コミュニケーター講座

重度訪問介護従業者

概要

重度の肢体不自由者(障害程度区分4~6)で日常的に支援を必要とする人に介護サービスを提供するための資格です。

取得方法

都道府県知事の指定する重度訪問介護従業者養成研修を修了する必要があります。

この研修は、都道府県の指定する事業所で受講することができます。

NPO法人や社会福祉法人などで研修を開講している場合もあり、詳しい受講先は都道府県のHPで確認できます。

介護現場での業務内容

この資格によって介護保険法による訪問介護員として高齢者の訪問介護はできません。

障害者総合支援法での重度訪問介護事業に従事して、身体介助・生活支援・外出支援などを行います。

おわりに

介護施設で必要とされる職業とそのための資格について紹介いたしました。

興味のある仕事が見つかった方は、その職業の専門のサイトや書籍などで更に詳しくお調べになることをお勧めいたします。


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