どんな仕事をしていても、誰もが一度は「もうこの仕事辞めてしまいたい」と思う時があるでしょう。
介護の仕事ももちろん例外ではありません。
ここでは、実際に私が体験したことも含めた介護の仕事の大変さや辞めたいと思ったことと併せ、介護の仕事のやりがいがどこにあるのかをご紹介します。
介護に向いてないから辞めたいと今まさにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
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介護士を辞めたいと思った10個の理由
介護の仕事をしていて辞めたいと思ったことは何度もあります。
ここでは、私が体験した身体的苦痛と精神的苦痛の2種類について紹介します。
介護士を辞めたいと思った理由1:給料の低さ
他の職業と比較し身体的にも精神的にも辛い職業でありながら、給料が低いことが挙げられます。
人を相手にしている仕事なので、自分の理想とする終業時間に業務が終わらないことも多いです。
利用者を抱えたり移乗したりすることも多く身体的負担も大きい仕事ですが、給料は月に13万円~16万円程です。
夜勤手当や皆勤手当、通勤手当を合わせても、月に15万円~19万円程でしょう。
実際の労働時間を時給で換算してみて「普通のバイトでも頑張ればこれ位稼げるのではないか」と不意に考えてしまうことがありました。
介護士を辞めたいと思った理由2:職場の人間関係の悩み
他の職種でもそうですが、介護の仕事では特に人間関係のもつれは大変です。
人を相手に作業する中で、介護を行うのに一人では到底不可能な場面に遭遇することが多くあります。
そのような時、職員が協力し合わなければ良い介護はできません。
そこで、職員同士で人間関係が悪化した場合どのようなことが起きるのかをご説明します。
上司の場合
上司との人間関係が悪化してしまった場合は日常の業務にそれほど支障はありませんが、例えば病気や急用での欠勤を申し出る際など上司に相談しなければなりません。
気まずくて相談ができなかった結果、我慢して出勤してしまう…ということにもなりかねません。
そうなってしまうと、自分にとって働きづらい職場と思えてきます。
誰しも働きにくい環境には身を置きたくないですよね。
こうなってしまうと、退職を考えるのも時間の問題となるでしょう。
同僚の場合
同僚と良好な関係が築けていない場合は、普段の仕事で大きな障害が出てきます。
様々な場面で介護者一人では対応が困難な利用者、不穏になった利用者の対応をする場合など、誰かに協力を要請しなければならない時があります。
忙しく働いている先輩介護士には声をかけづらいものです。
気心の知れた同僚であれば気軽に協力を依頼できますが、良好な関係が築けていない場合、忙しい先輩介護士よりも協力を求めることが難しくなってしまいます。
そうなると「自分一人でなんとかしよう」と考えてしまいがちですが、それはとても危険な行為です。
何か事故が起きてからでは遅いので、同僚や先輩介護士であっても気軽に協力を求められ、また自分もすぐに対応できるよう、日頃から円滑な関係を築いておくことが大切です。
ご家族の場合
時折、利用者のご家族と介護者との間でトラブルが生じることがあります。
ご家族のほとんどは介護の現場についてそれほど知識が豊富というわけではありません。
特に特別養護老人ホームに入所されている方のご家族に多く見られる傾向ですが、「利用者の望むような介護をしてほしい」と入所の際に希望されます。
介護施設に入所すればもう大丈夫、介護施設に入所したからまだ長く生きられると、悪い言い方をすれば「勘違いされる人」が多いのです。
介護施設が一番安全な所というわけではありません。
介護施設では職員がご家族に代わって介護をしますが、健康を保証するものではありません。
我々は介護のプロではありますが、ご家族の要望に全て応えられるわけわけでもありません。
ご家族とのトラブルを避けるためにも、ご家族に誤解のないよう自分達ができることや応えられない要望などをきちんと説明し納得してもらった上で入所を決定していただくことが大切です。
介護士を辞めたいと思った理由3:仕事内容が理想と違った
介護の仕事は、私の考えていた理想とは全く違いました。
利用者は皆介護者の言うことを聞いてくれる人達ばかりではありませんし、トイレの誘導には時間がかかり、食事の介助は食べさせるだけで終わるものではありません。
利用者は皆食事にも入浴にもトイレにも時間がかかります。
利用者ごとに観察すべき項目もありますし、記録する書類も多くあります。
ここで私の体験をご紹介します。
私が一番最初に就職した特別養護老人ホームは、実習施設でお世話になった施設でした。
利用者の名前が分かっているということで、入社2ヶ月で早くも担当する利用者が14人になりました。
最初は、介護をするだけなら14人でも何とか大丈夫だろうと思っていました。
しかし、日々の食事介助や入浴介助、オムツ交換などの日常業務に加え、記録や書類作成など細々とした業務を時間内に終わらせるのは難しく、毎日のように残業を余儀なくされていました。
書類を書いて上司に提出し、承認をもらうまで休日も自宅で書類と向き合っていました。
自分の能力が把握できていないことも要因の一つですが、介護以外にも仕事が沢山あって大変だと感じました。
介護士を辞めたいと思った理由4:腰を痛めて介助が難しくなった
介護者の離職理由の一番の要因は「腰痛」です。
私も、特別養護老人ホームに就職していた時と病院で看護助手をしていた時に一度ずつぎっくり腰になりました。
ぎっくり腰や腰椎椎間板ヘルニア等になり、それ以来度々腰痛に悩まされています。
利用者を一人で抱えたり、トイレ誘導や体位変換等で利用者の体重を支えることが多い職業です。
腰痛を予防し介護者の身を守るためにも「ボディーメカニクス」を習得し、介護をする際に役立てましょう。
介護者の身体的負担の軽減は、介護離れの抑止に繋がるかもしれません。
介護士を辞めたいと思った理由5:シフトが不規則で体調管理が難しい
夜勤業務がある施設では早番、遅番、日勤、夜勤など交代制となっているため、職員の体調管理は非常に重要になってきます。
今日は早番、明日は遅番、今日は遅番で明日は早番などということがざらにあります。
介護士を辞めたいと思った理由6:利用者さんに接するのが苦手・人見知りをしてしまう
私も人見知りをする引っ込み思案です。
初めてお会いする利用者に対して緊張することもあります。
職員に対して人見知りをしてしまうこともあります。
介護士を辞めたいと思った理由7:介護に魅力ややりがいを感じられない
これもどうしても避けられない問題です。
私自身も魅力ややりがいを感じられないといったことは未だにあります。
「やる気が足りないんじゃないか」と言われそうですが、そうではないのです。
「こんなに一生懸命やっているのに、利用者から酷い言葉を掛けられた」あるいは「暴力を振るわれた」といったことが現実問題としてあるのです。
我慢しろ、ということは言えません。
私達も生身の人間で感情も持っているのです。
虐待を勧めているわけではありませんが、私たちは倫理観を持って利用者に接しています。
しかし、利用者から暴力を振るわれることもあるのです。
私も何度か受けた経験があります。
そんな時は本当にやるせなさや憤りを感じます。
もちろん、やり返すわけにはいきません。
私達はプロフェッショナルなのですから。
介護士を辞めたいと思った理由8:夜勤がキツい
夜勤の業務内容などについては施設により大きく違いがありますが、共通点と言えるのは「多くの利用者を長時間一人で見なければならない」という点ではないでしょうか。
ある程度夜勤に慣れている職員でも夜勤前は憂鬱になる、という話をよく聞きます。
私の同僚は、夜勤前になると通勤途中に吐き気が襲ってきて職場に行くことすら困難だったそうです。
今その同僚は、夜勤のない通所系の施設で働いています。
夜勤がどうしても自分には合わず辞めることになったと話していました。
それほど身体的、精神的に負担だと感じる人もいます。
このように、介護の仕事自体は苦痛ではないけど夜勤ができないという理由で辞めていく人もいるようです。
今働いている職場でも、夜勤は身体に合わないからしていないという人もいます。
介護士を辞めたいと思った理由9:シフトの希望が通らない
介護施設は日曜・祝日など関係なく24時間365日休みなく稼働していますので、大体どの施設でも職員の休み希望を聞いて勤務を組みます。
日数に差はありますが、3日間くらいの希望は聞いてもらえるというのが一般的だと思います。
しかし人手不足の状況が続くと、希望した日を休日にしてもらえなかったり、後から休みを入れ替えられるようなことがあります。
このようなことが続くと、仕事へのモチベーションを保つのは難しくなるのではないでしょうか。
介護士を辞めたいと思った理由10:排泄ケアに抵抗がある
介護の仕事と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、オムツ交換などの排泄ケアではないでしょうか。
身近に介護を必要とする人がいないと、他人の排泄ケアに抵抗を感じる人もいると思います。
介護の仕事に慣れると何でもないことですが、その部分に慣れることができずに辞めていく人もいます。
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実際に私の周りで介護士を辞めた人の理由とは?
私の周りで介護職自体を辞めてしまった人や今の介護施設を辞めて別の事業所に移ってしまった人達の離職理由と、私が思ったことを、体験談からご紹介します。
実際に介護士を辞めた人の理由1:入社時の働く条件と違ってきた
私が働いていた施設では正社員とパートの介護士がいましたが、夜勤や遅出ができるのは正社員だけでした。
最初の頃、正社員は殆どの人が残業をしていましたが、パートは定時に帰ることができていました。
その内正社員がだんだん退職していきパートの人数が正社員を上回ってくるとパートが残業を強いられることが多くなり、小さな子供がいるパートの人は保育園の延長保育をお願いせざるを得なくなり、結果として保育料の出費が重なり退職するという事態が起こりました。
実際に介護士を辞めた人の理由2:上司の心無い一言
介護の仕事をしている時に上司から心ない一言を言われて心が折れた、という人が何人もいました。
その心ない一言の内容は様々ですが、例えば上司ができることを自分ができなかったりすると「なんでできないの」「やる気がないならできないんだよ」「普通そんなに時間がかかるものじゃない」等言われたことがあります。
自分なりに頑張っていることを上司に認められないということが仕事のモチベーションを下げてしまい、介護の仕事自体に気力を失くしてしまう結果に繋がりました。
実際に介護士を辞めた人の理由3:自分の担当の要介護者が亡くなった
介護の現場で担当の利用者の容態が悪くなり、そのまま亡くなられることは少なからずあります。
そんな時、自分の介護が悪かったのではないか、自分はもっと良い介護ができたのではないかと後悔することがあります。
その場合、介護の仕事自体が怖くなってしまいます。
また担当の利用者が亡くなると、自分のせいで病院に送ることになったのではないかと日々考えてしまう人がいました。
利用者が自分より先に亡くなることは、ごく自然なことです。
沢山の人を介護するということは、沢山の人をお見送りすることでもあります。
そのことを受け止められない人は、退職後に再度介護職に就くことは殆どありません。
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介護士を辞める前にできること
介護職を辞めようと考える前に、本当に辞めて良いのか、介護の仕事に未練はないのかなど今一度しっかりと考えてみましょう。
介護士を辞める前にできること1:初心を思い出す
自分が何故介護の仕事をしようと思ったのか、辞めてしまう前にもう一度考えてみましょう。
介護の仕事にやりがいを求めてきた人、とりあえずお給料が欲しかったから手っ取り早く介護を始めた人など、様々な理由があるでしょう。
しかし介護の仕事を辞めてしまう前に、自分は介護の仕事で手に入れたものがあるのか、介護の仕事をきちんと理解して辞めるのか、一度振り返って考えてみましょう。
介護士を辞める前にできること2:思いきって職場を変える
介護の職場は、今自分が勤めている施設だけではありません。
介護施設の種類や形態は多様化しており、選択肢は沢山あります。
今働いている職場が自分に合っていないと感じた時は、介護職を辞めてしまう前に思い切って職場を変えてみることも一つの手ではないでしょうか。
職場が変わるだけで介護に対するイメージは全く違ってきます。
自分が思う介護ができる環境なのか、今の働きにくい職場環境が変わるのなら、転職して心機一転、介護をもう一度見つめ直してみても良いでしょう。
介護士を辞める前にできること3:異動願いを出す
介護の仕事自体が嫌で辞めるという人は異動しても大した状況改善は見込めませんが、働く環境が変わることで転職や退職を思い留まるきっかけになることもあります。
先程も触れましたが、同じ部署での人間関係に悩み精神的に疲弊するようなら他の部署へ異動願いを出してみましょう。
介護の仕事は転職しやすいとは言え転職には色々と労力を使いますので、できるだけ退職は避けたいものです。
しかし異動願いが必ずしも通るわけではありません。
そういう場合は次の職場に向けて準備をしていけば良いと思います。
介護士を辞める前にできること4:同じような悩みを持っている人に話を聞いてもらう
同じ職場には同じような悩みを持っている人が少なからずいるものです。
気の合う職場の人に悩みを聞いてもらうと、何か良いアドバイスをもらえるかもしれませんし、辞めなくても良いような考えになるかもしれません。
特に、まだまだ女性職員が多いと言われる介護業界で、男性職員は人に愚痴をこぼしたり悩みを相談することは難しいと思います。
私もそうですが、男性は人に悩みを話すのを嫌ったり得意でなかったりします。
しかし、同性の職員が話しやすい人だと楽になれるでしょう。
性別に関係なく普段から気軽に悩みや愚痴を話し合える人が身近にいると心強いと思います。
介護士を辞める前にできること5:次の職場の採用が決まってから辞める
今の職場を辞めることを決意したら、次の職場を見つけてから辞めるようにしましょう。
私は次の職場での初めての出勤日を決めてから、辞める職場の退職日を決めました。
転職活動について色々と調べた結果、次の職場を決めず「辞めてから考えよう」というような考えだとどうしても後回しになってしまい、なかなか次の職場が見つからないケースもあるみたいです。
また、今までずっと働きに行く場所がある立場から急に行く所がなくなると「虚しさ」や「焦り」が生まれます。
仕事に行かなくて良いから少し楽になると思っている人もいるかもしれませんが、そうではない方が多いようです。
介護士を辞める前にできること6:次の仕事に役立つスキルを身につけておく
介護の仕事を別の施設で続けていく場合も、別の職種に就く場合も役立つスキルがあると思います。
パソコンが得意な方は、それに関連した職種に就くのも手です。
資格などが設けられていれば、それを取得するために学校に通うといったことも必要になってくるでしょう。
まずは自分が何をやりたいのか、それにはどのようなスキルが必要になるのか確認してみて下さい。
その上で、自分がするべきことが見えてくるはずです。
それが分かれば、あとは実行するのみです。
新しいことに挑戦するのは勇気が要ることですが、その努力が報われた時は何とも清々しい心持ちです。
次の就職に向けて頑張って下さい。
介護士を辞める前にできること7:求職(休職)期間中の生活費などを確保しておく
勤務しながら休みの日に就職活動するなら問題はないと思いますが、一旦休んでからとなると仕事をしない、つまり無収入の期間が発生します。
雇用保険に加入していて失業手当が支給される場合はじっくり再就職に向けて準備ができるでしょう。
失業手当が貰えない方にとっては問題です。
そのようなことにならないためにも、計画的に退職そして再就職に向けて行動していただきたいと思います。
支給された給与を全て使ってしまうのではなく、生活費と就職活動費などと分けて管理することも大切です。
再就職に向けて余裕を持って臨みましょう。
また退職の申し出についての期間は施設によって異なるので、今一度就業規則などを読んでおいてください。
退職する際は離職票を発行してもらうことも忘れないで下さいね。
その他、役所での雇用保険や健康保険などの切り替え手続きが必要になる場合もあるので覚えておいて下さい。
やりがいを見つけるポイントとは?
これまで介護職の大変な面をご紹介してきましたが、介護の仕事は沢山のやりがいもあります。
ここでは、私が体験した介護の仕事のやりがいとそのやりがいを見つけるポイントをご紹介します。
やりがいを見つけるポイント1:他人との深い信頼関係ができる
自分と家族の間には切っても切れない関係があります。
介護施設では利用者の身体的なお世話や時には精神的なケアもしていきます。
当然利用者は家族ではありませんが、一日一日介護をしていると家族のような関係ができていきます。
利用者からもこの人なら身体を任せられる、この人なら相談できると心から信頼されるようになると、心や身体のこと全てを任せてもらえるようになります。
そこで任されることが面倒だと感じる人もいるでしょう。
しかし、利用者から全てを任せてもらえるということは、自分を100%信頼してもらえているということです。
家族以外でそこまで信頼してもらえる関係は、そうあるものではありません。
介護を任される=自分を信頼してもらえていると考えると、介護自体がやりがいに繋がってくるでしょう。
やりがいを見つけるポイント2:人が自分のする介護で笑顔になってくれる
介護をしていく上で「仕事をこなす」ということに囚われてしまい、誰の為に介護をしているのか、利用者の顔すら見ずに作業する人も多くいます。
介護は仕事に違いありませんが、利用者の為にしていることです。
流れ作業のように仕事をこなしていくことを介護とは言いません。
入浴や食事介助の時、トイレ誘導の時など事あるごとに利用者に優しく声を掛けてみましょう。
様々な人がいますから、反応も様々です。
例えば「ありがとう」と言われたり、笑顔を返してくれたりすることもあります。
誰の為に介護をしているのか、自分は利用者を一人の人としてきちんと見ているか今一度考えてみましょう。
「介護の仕事」=「時間がなくて大変」ではなく、「介護」=「人が笑顔になる」と変換してみましょう。
やりがいを見つけるポイント3:人を助けられる力が身につく
介護は基本的に人を助ける為にあるものです。
これは、介護職を離れても自分の力として残ります。
自分の両親や身近な人に介護が必要となった時には介護職で培った知識や技術が必ず役に立ちますし、心肺蘇生法はもしもの事態があった時に自らの力で人の命を救うことができるかもしれません。
私の経験を一つお話します。
まだ高校を出て介護職に就いたばかりの頃、私の近所で交通事故がありました。
事故に遭ったのは近くに住む高齢者で、救急車が来るまで私は何もできず結局その高齢者は亡くなってしまいました。
私が何かしても結果は同じだったかもしれませんが、何もできなかったことは今でも自分の心に残っています。
もっと自分に力があったら…と思っていました。
自分の周りには何も起こらないなんてことはないのです。
介護の現場では研修や先輩から命に関わる沢山のことを学びます。
沢山学び経験し、自分の力をつけていきましょう。
やりがいを見つけるポイント4:利用者やご家族からの労いの言葉
利用者や家族が笑顔になり「いつもありがとう」などと感謝の言葉を掛けられると嬉しいものです。
利用者の日々の生活に直接貢献することができ感謝の言葉をいただけることは、介護士ならではのやりがいです。
仕事が辛いと感じたり人間関係に悩みもう辞めたいと考えている時、「必ず見てくれている人はいる」と思って毎日を頑張るのも良いと思います。
やりがいを見つけるポイント5:相手に喜んでもらえることは自分の幸せにも繋がる
我々健常者はごく当たり前に食事を摂り、お風呂に入り、トイレに行き、仕事や子育て、人付き合いをしています。
しかし、高齢になることで生活環境がガラリと変わってきます。
身体の機能は緩やかに衰え、体力が低下したり足腰が弱ってきたり、筋力も低下していきます。
身体機能だけでなく、内科的な疾患も増えてきます。
当たり前の生活と思ってきたことが当たり前ではなくなってくるのです。
それにより自宅にいる時間が長くなったり人付き合いが減少したりと、様々な事柄に派生していきます。
誰もがいずれは通る道…それが老いであり、加齢や高齢化なのです。
そういった高齢者の方々は支援や介護を通じて介護従事者を頼り、感謝の意を表してくれます。
自分自身の存在や仕事が相手にとってありがたいと思ってもらえるのは、働き手としても非常にありがたいことです。
自己有用感や自己肯定感にも繋がり、やりがいや生き甲斐にもなります。
介護系の仕事の一番の喜びだと思います。
これだけ人に感謝されてお給料を貰える仕事もなかなかないのではないでしょうか?
やりがいを見つけるポイント6:生涯学習になる
介護の仕事は画一的な仕事ではありません。
高齢者の身体の特徴やその方に合った介護技術を駆使して、それぞれの利用者に合ったサービスを提供していきます。
なにが言いたいかというと、100人の高齢者がいれば支援や介護も100通り存在するということです。
その日々の介護の中から、自分のスキルが磨かれて経験値が上がっていきます。
やればやる程、介護技術やヒューマンスキルが向上していくのです。
更なる飛躍もしたいという気持ちが芽生えます。
最初は未経験無資格から仕事をしても、ホームヘルパーから介護福祉士を取得し、更にはケアマネージャーや社会福祉士、精神保健福祉士などの資格取得をした仲間も沢山見てきました。
はじめは未経験で右も左も分からないところから始めていても、真正面から介護に向き合うことで、自発的にキャリアアップをしていこうと思えるのです。
それ自体が利用者のみに関わらず、社会全体を支えることにも繋がっていくのです。
福祉業界は常に様々な課題を抱えています。
しかし、課題があるからこそそれを克服し、常に活躍していける仕事なのではないでしょうか。
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介護の仕事のスキルを活かせる職種にはどんなものがある?
次にどのような仕事に就くのが良いのでしょうか。
「これにしなさい」いうわけではなく、このような仕事はいかがでしょうかという感じでご紹介します。
これには幾つかのパターンがあります。
順を追って見ていきましょう。
介護の仕事のスキルを活かせる職種1:社会福祉士など福祉系の仕事に就く
介護職は辞めたけど、やはり人のために尽くしたいと考える方もいるでしょう。
そこで、このような仕事はいかがでしょうか。
介護福祉士などの国家資格を保有している方は、社会福祉士を目指してみてはどうでしょう。
社会福祉士になるためには別途学習する必要がありますが、取得することで社会福祉事務所などの勤務が可能となります。
もちろん、なくても勤務は可能だと思いますが、あるに越したことはないでしょう。
主に事務仕事が中心となりますが、これまで現場で培ってきたスキルを充分に活かせるのではないかと思います。
大学や専門学校でも通学コースや通信コースが開かれていますので、各学校に問い合わせてみてください。
介護の仕事のスキルを活かせる職種2:ケアマネージャーや相談員
こちらはあえて別項目に書くことにしました。
こちらも現場で培ったスキルなどを充分に活かせる仕事ですね。
ケアマネや相談員になるにはある程度の要件を満たす必要がありますが、「縁の下の力持ち」となって現場を支えていく仕事です。
自分の裁量一つで利用者の生活を左右するので責任は重いのですが、実にやりがいのある仕事と言えます。
介護の仕事のスキルを活かせる職種3:看護師を目指す
こちらもよくある事例です。
第29回の介護福祉士試験でも必須科目となった医療的ケア。
介護士でも看護師などの指導の下、経管栄養や吸引の処置ができるようになりました。
ただ、看護師ではないので、介助をしていてもどかしい思いをした方もいると思います。
そこで出てくるのが、看護師を目指すということです。
准看護婦になるか正看護師になるか分かれるところですが、一度取得しておけば介護福祉士と同じように一生ものとなります。
また将来介護施設で働くとなった時も、介護士ではなく看護師として勤務することができるようになります。
看護師だと給与も良いですしね。
介護の仕事のスキルを活かせる職種4:福祉用具の販売やレンタル
元々高齢者の特徴をある程度知っていることや介護職員として触れてきた機会もあるため、経験が割と当てはまったりします。
ケアマネージャーや訪問介護系の事業所などと面識があれば、更に活躍しやすい仕事になると思います。
介護の仕事のスキルを活かせる職種5:介護タクシー
ヘルパー2級以上が必要となりますが、こういった仕事も可能です。
二種免許も必要になるため、追加資格取得は必要になると思います。
仕事としては施設系介護職員よりは身体的負担が減ると思います。
介護の仕事のスキルを活かせる職種6:オムツメーカ-
介護職員は紙おむつや紙パンツなど、幅広い知識や取り扱いの経験があります。
そういった点から、使用感や実際のニーズも熟知しているので、このような仕事に就くことも可能かと思われます。
介護の仕事のスキルを活かせる職種7:一般企業でも福祉の仕事や資格が活かせる
その他、福祉関係の仕事だと一般企業でも役立つものもあります。
リフォームや住宅機器メーカーに勤務を希望するのであれば、福祉住環境コーディネーターの資格を活かすことができます。
介護需要の高まりと共に自宅をバリアフリーにするなどリフォームする方が増えてきました。
そこで役立つのがこの資格となります。
福祉に関して専門知識を有していることで、顧客に対し色々とアドバイスができるのではないでしょうか。
介護の仕事のスキルを活かせる職種8:全く畑違いの職種に就く
「もう福祉や介護のことは考えられない」という方も中にはいるはずです。
ご自身を卑下する必要は全くありません。
むしろ新たな選択ができることに誇りと自信を持っていただきたいと思います。
これまで紹介したように、保有するスキルや経験を活かす仕事以外にも全く違った職種に就くことも素晴らしいことです。
何かスキルをお持ちでしたら活かせる職に就くのも良いですし、休職期間を利用してスキルアップを狙うのも手です。
失業手当が支給されている方は、ハローワークに行ってみてください。
一定の要件を満たす必要がありますが、無料でスキルを身につけられる講座を開催していることがあります。
誤解がないように申し上げますが、最新のパソコンソフトを無料で使用できたり、学習しながら場合によってはお金も貰えるという講座もありますので、ぜひ確認してみてください。
まとめ
介護の仕事の大変なことややりがいについてお話しました。
介護の現場では毎日様々なことが起こります。
私の介護に対する考えをまとめてみましょう。
自分の担当の利用者が亡くなられたり先輩介護士から厳しく指導されると著しく仕事へのモチベーションが下がってしまい転職や退職を考えてしまいがちです。
それは他の職場でも同じことが言えるでしょう。
しかし、人を相手にする職業は自分が失敗すると人に迷惑をかけてしまう場合がある為、失敗した時の罪悪感が大きくなってしまいます。
介護の仕事は甘くありませんが学ぶことが多く、人を助けることができた時の充実感は大きいことも事実です。
自分の介護力を上げ、充実感を沢山経験して、介護職が良い仕事だと誇りを持ちましょう。
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介護の仕事が大変だと言われる理由や乗り越える方法は、こちらの記事を参考に!